アイツが何考えてるか全然わかんねぇな……というあなたへ贈る『異性』

更新:2021.3.29

異性が、というより、恋人の気持ちがわからないことが多々ある。こっちがよかれと思ってやったことで機嫌を損ねられたり、予想外のことで喜ばれたり。でも、それはこっちだけに限らず、きっと向こうも同じ気持ちがあったりするんだろうなぁ、なんてことも思うのです。 そんな相手に対する「こいつ、何考えてんだ?」が解消する(かもしれない)作品が、角田光代・穂村弘の両者によるエッセイ『異性』。外見のこと、内面のこと、好きの定義、恋愛にまつわるアレコレについて語られた一冊です。

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この連載のことを、すっかり忘れていました。

 

まずはお詫びから。昨日が更新日なのに、すっかり連載のことを忘れてしまっていました。ぼんやりしていると、すぐに月日は過ぎていきますね。

さて、本題。

以前付き合っていた人に財布をプレゼントしたら、これでもかというくらいガッカリされたことがあります。

「財布がそろそろ限界だ」という話も聞いていたし、「お金がない」とも言っていたし、彼の誕生日だったし、当時の私の収入から考えるとちょっと頑張った金額の財布を、満を辞して購入しました。

そしたら、めちゃくちゃガッカリした反応をされたのです。たぶん、今まで人生で見てきたなかで、ナンバーワンガッカリ顔。私から箱を受け取った彼は中身を見て、「財布かぁ」とため息混じりに呟いたのでした。いや、嘘でも一言くらいお礼言えよ。

別れ話をしようとした時に、「君と別れようと思ってるけど、3月まで待って」と言われたこともありました(この時11月)。どうやら精神的にキツイ時期なのに、こんなタイミングで別れ話を持ち出してくれるな、ということだったよう。

でも3月に別れようと思っているうえに、もうほとんど連絡も取り合っていないような女との関係が予定より4ヶ月早く解消されたところで、一体何が変わるのでしょうか。「俺には彼女がいる!」っていう気持ちが、精神的支えに繋がるの?

 

著者
["角田 光代", "穂村 弘"]
出版日
2014-11-06

ここまでツラツラと書き連ねてきましたが、何が言いたいかというと、異性の考えてることは全然わかんねぇな、ということ。正確に言うと、恋人のことが。

そんなモヤモヤが少しは解消するかもしれない一冊が、直木賞作家・角田光代と詩人・穂村弘によるエッセイ『異性』です。

「好き」という言葉は伝えるべきなのか伝えないべきなのか、じゃあ伝えなかった場合に両想いだという確証はどのように得るのか、外見・内面どちらを褒められると嬉しいか、男女で食事へ行った際の会計はどうするのか……。そういった、異性間でのアレコレがたくさん紹介されているのです。

「好きだから許せる」「好きでも許せない」

女は「好きだから許せる」人が多いらしい。確かになぁ、と思う。全女が嫌いであろう「ケチな男」が未だに滅ぶことなく生存しているのは、女たちが許しているから、と本作では書かれています。今までの恋愛を思い起こして、思い当たる節しかありません。

逆に男性は、「好きでも許せない」ことが多いそう。これによって、大切なコレクションを捨てる妻 VS コレクションを捨てられて怒る男の構図が出来上がるのかもしれません。

きっと以前付き合っていた彼も、私のことが好きだという感情とは別に、財布をプレゼントによこすというそのセンスが許せなかったのかもしれないな、と今になってぼんやりと考えます。

当時の私は、彼から受け入れてもらえず、さらにガッカリした顔を向けられた財布に、自分自身を投影していました。まるで、自分を否定されてしまったように感じていたのです。でも、もしかしたら、あれは「好きでも許せないこと」だったのかもしれません。

本作の作者たちも、アレコレと考えを巡らせています。しかし、明確な答えが書かれているわけではありません。それでも、本作を読めば男女の考え方の違いを多少は意識して、寛容な心が少しは身に付く、はず。

過去にあった、アイツからされた腑に落ちない出来事も、もしかしたら少しは理解できるかもしれません。

ちなみに、ここに書いた彼以外の恋人に「財布のプレゼントってどう思う?」と聞いたところ、「嬉しくない」「困る」との答えをいただきました。なるほど、男性に財布のプレゼントはNGなのですね。

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