実業家や指導者、そしてメディアアーティストとさまざまな顔をもつ落合陽一。これからの未来を生きる人たちに向けた、メッセージにあふれた著作を多数発表しています。この記事では、そんな彼の作品のなかから特におすすめの5作をご紹介しましょう。
1987年生まれ、東京都出身の落合陽一。開成高等学校を卒業して筑波大学に進学し、東京大学で情報学の博士号を取得しています。その後は株式会社の代表取締役社長や、大学の学長補佐、准教授を務めるなど、さまざまな顔をもっている人物です。
そんな落合は、メディアアーティストとしても活躍。コンピューターなどのデジタル装置を使ったアートを生み出しているのです。近代的な装置だけでなく、コマや虫眼鏡など懐かしいアナログ装置を作品に組み込むこともあり、話題を呼んでいます。
また2015年にはアメリカで「ワールド・テクノロジー・アワード」に選出され、世界的にも注目されている人物だといえるでしょう。
- 著者
- 落合 陽一
- 出版日
- 2016-03-28
私たちが生きる現代社会は、ずいぶんと便利になりました。パソコンやスマートフォンでなんでも調べることができるし、端末を操作して買い物もできます。
しかしそれは、人間が進化しているわけではありません。本書では、技術が進んだことによるシステムの仕組みを理解していなければ「魔法にかけられている」だけだとし、「魔法をかけられている」ままでいるか、「魔法をかける」側になるかは大きな違いだと主張しています。
そのためには、コンピューターをただ「使う」のではなく、モチベーションをもって関わることが大切なんだそう。これからの社会の在り方を考えるとともに、自分がどう生きていきたいかを考えるきっかけにもなる一冊です。
- 著者
- 落合 陽一
- 出版日
- 2018-01-31
人口減少と少子高齢化にともない、若者の数が減っている日本。世界もまた、テクノロジーの進化などで形を変えています。難しい局面に立たされ、変革の時を迎えているといえるでしょう。
本書は、そんななかでもう1度日本が立ち上がるためにはどうすればいいかを考える作品です。あの頃のシステムはどうして現代に通用しなくなったのか、過去を振り返ることで、未来のためにやるべきこと見えてきます。
欧米諸国と日本を比較し、政治や教育などさまざまな視点から落合陽一の考察を読むことができます。それぞれの課題をポジティブに捉えているのもポイント。これからの日本について明るく考えられる一冊です。
- 著者
- 落合陽一
- 出版日
- 2018-06-15
メディアアーティストとして高く評価されている落合陽一。彼の作品は、近代的なものと、昔のおもちゃなど懐かしいものが融合されているものも多いのが特徴です。本書は、そんな彼だからこそ書ける、テクノロジーと人間の姿についての考察になっています。
私たち人間は、将来的にテクノロジーに支配されるという考えがあります。大半の仕事が、コンピューターやロボットに取って変わられると聞いたことがある人も多いでしょう。
しかし落合陽一は、人間とテクノロジーが相容れないものであるとは考えていません。テクノロジーを「生態系」のひとつとして同列に見て、ともに世界を作ろうとしているのです。
専門用語も出てくるので一息に理解するのが難しいかもしれませんが、ぜひじっくり読んでみてください。落合の多岐にわたる考察を読めば、テクノロジー社会でどう生きていきたいのか、自分なりの答えを見つけられるはずです。
- 著者
- 落合 陽一
- 出版日
- 2018-11-29
「人生100年時代」という言葉があるように、長い人生において、学びの場は学校だけではありません。落合陽一は、「学びはじめる時期に適正年齢は存在しない」と語ります。
本書では、落合自身がどのような教育を受けてきたか、その遍歴を紹介するとともに、本当に必要な教育や身につけておきたいことについて語っています。
また学校教育についても、「今のような学校教育はいらない」と一刀両断。学習における4つの要素を提示して、時代にあった教育方法を提示しているのが興味深いでしょう。
平易な文章で書かれているので、最初に手に取る落合陽一の作品としてもおすすめです。
- 著者
- 落合 陽一
- 出版日
- 2019-01-08
本書が刊行されたのは、2019年1月。「平成」という時代があと数ヶ月で終わろうとしているタイミングです。そんな時にあらためてこの時代について振り返ってみると、バブル崩壊にはじまり、さまざまな天災や事件があった激動の時代でした。
本書は、平成を振り返りながら、落合陽一と有識者たちが次の時代の日本について見解を述べている作品です。落合の視点は鋭く、解決への糸口や選択肢を提示してくれています。
とりあげられている問題は、高齢化社会や子育て、テクノロジーについてなど、どれも読者にとって身近なものばかり。作者の考えを受け止めつつ、自分なりの意見をもつきっかけになる一冊です。