どうも橋本淳です。はしもとあつしです。すっかり寒くなり、街並みも冬の様相を呈してきましたね。忘年会、クリスマス、正月と色々なイベント事が多くなる季節でもありますね。対人関係にも疲れることでしょう。そんな時は、フッと一息をついてコーヒーと読書をば。コーヒーが苦手な方もいるでしょう、そんなアタナは紅茶をば。
ニュートラルになる時間。必要だと思います。そんな時、僕は、読書はもちろん、映画館へと向かいます。暗闇にすっと入っていき、大スクリーンを無心に見つめ、世界観に没頭する。映画館の匂い、空気、DVDを自宅見ることでは決して味わうことのできない五感を味合う。
そういう時間の為に、今回は〈読書をし、さらに映画館へ向かいたくなる本〉を3冊ほど紹介します。
- 著者
- ["原田 マハ"]
- 出版日
円山歩、39歳独身女性。17年間勤めていた会社を辞めた日、奇しくも同じ日に、父が心筋梗塞だと判明し入院をした。ギャンブルと映画が大好きな父には多額の借金があった。幾度となく壊れかけた家族に、またしても波乱が。そんな父の、ある行動から物語は動き始める。映画の神様が微笑むのか。小さな奇跡の物語。
映画館の匂い、感触、情景がぐわっと浮かび上がった。これを読んだらきっと一番大事な人と映画を観に行きたくなる。いや、観に行かなくてはと思わせてくれるほどの引力をもった小説でした。最近、遠退いていましたが、久しぶりに名画座に通いたい。僕自身、そんな気持ちになりました。
心に刺さった一節
“きっと、父と娘で祈ってるんですよ。キネマの神様に”
- 著者
- ["筒井 清忠", "板倉 宏臣", "井上 理砂子", "中沢 まゆみ"]
- 出版日
月丘夢路、澤蘭子、山本富士子、高田浩吉、東千代之助、淡島千景、富司純子、京マチ子のスタアとその時代を支えたスタッフ西岡善信、本田省三のインタビュー。それぞれに壮絶な人生。まず話に出てくる固有名詞たちが凄すぎる。スタアと呼べる方たちが必死に映画を支え、創り上げていた当時の情勢を感じれる。
どの方のインタビューを読んでも、ひざを打つ言葉ばかりで感涙ものです。温故知新。あっという間に読了。戦争と隣り合わせの時代に、命をかけた映画づくり。その分だけ、何十年経とうが色褪せずに色んな世代を感動させ、目を釘付けにする魅力がある。自分の世代も負けてらない。上の世代からの大切な産物を次の世代に繋ぐためにも。
心に刺さった一節
“田宮(二郎)さんが「これだけ大勢の俳優さんが出ていたら、誰の演技がいちばんいいとか、そういう問題じゃないですよ。誰がいちばん本物らしいかですね」って”
- 著者
- 渡部保子
- 出版日
- 2012-03-16
映画雑誌『映画ファン』の記者であった渡部保子さんだからこその一冊。スクリーンでしか逢えなかった大スターたちと、直接触れ合い、話を聞いてきた彼女だからこそのエピソードが目白押しです。昭和のスターたちの仕事への向き合い方、プライベートな交友関係、性格。イメージとは違った一面が垣間見れて、また名画を観に名画座に、通いたくなる気持ちにさせてくれます。ぜひ一読を。
心に刺さった一節
“あせるんじゃない、いいチャンスだと思って今のうちにいろいろと勉強して力をつけておけ”