原作『隣人13号』結末までネタバレ考察!名作サイコ漫画が無料で読める!

更新:2019.5.13

いじめられっ子だった男が、いじめっ子を恨んで二重人格になって成長し、凄惨な復讐に走る……。そんなサイコスリラー物語が井上三太作『隣人13号』です。2005年には実写映画化もされました。 この記事では本作の見どころを徹底的にご紹介!スマホの無料アプリで読むこともできますので、気になった方はぜひ読んでみてください。

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目次

『隣人13号』が面白い!無料で読める本作の見所ネタバレ紹介!【あらすじ】

とある建設会社に入社した主人公・村崎十三(むらさき じゅうぞう)。彼にはある目的がありました。それは、そこに勤める従業員、赤井トールという男に復習すること。

小学生の頃、十三は赤井にいじめられていました。最終的に十三の命はとどめたものの、一生治らない怪我を追い、引っ越しせざるをえなくなりました。

その時の恨みを晴らすため、彼の職場に入社したのです。さらに赤井に近付くため、彼のアパートの真下に引っ越しまでしました。

十三は表の人格とは別に、復讐に燃える危険な「13号」という人格を持っていました。いじめられたことをきっかけに、解離性同一性障害、つまり二重人格になっていたのです。復讐心が原動力である13号を内に秘めて、赤井の周囲に近づいていきます。

著者
井上 三太
出版日
2008-06-24

赤井に最大のダメージを与えるため機会を伺い、13号は暗躍します。当初、復讐計画は順調に進んでいくように思われました。しかし、十三の意志と13号の意志がしだいにかけ離れていき、やがて思わぬ展開となっていきます。

心優しい十三と、復讐に燃える13号の間で、様々な人物が犠牲になっていくのでした。
 

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『隣人13号』の面白さを考察!独特の画風とスピード展開で、もはや爽快感?!

『隣人13号』の面白さを考察!独特の画風とスピード展開で、もはや爽快感?!
出典:『隣人13号』1巻

『隣人13号』はカルト的な人気を誇るサイコスリラー漫画です。

この作品の魅力の1つとして、独特な絵柄が挙げられます。決して上手いとは言いがたいですが、どこか勢いと情念を感じさせる、前衛芸術にも似た絵柄といえるでしょう。デッサンが歪んでいるようにも見えますが、キャラクターの心理状況を表現しているとも考察できます。

キャラクターを抽象化して描くことで、真に迫った表現が魅力の本作。整った綺麗な線よりも、よほど迫力があり胸に訴えかけるシーンになっています。

さらにスピード感のある構成は、重苦しい展開とは裏腹に、どこか爽快さすら感じさせるのです。畳みかけるように進む様子も本作の魅力といえるでしょう。

『隣人13号』の面白さを考察!すべてがおかしくなっていく狂気

『隣人13号』の面白さを考察!すべてがおかしくなっていく狂気
出典:『隣人13号』2巻

本作は、狂気に満ちたシーンが多数でてきます。その多くは十三のもう1つの人格である13号に起因するものです。

十三は心優しい青年なのですが、13号にスイッチした途端、鬼の形相に変貌します。眉は釣り上がり、血管が浮き出たその表情は「怒りの化身」と表現するのが相応しいでしょう。

13号は非常にキレやすく、些細なことでも凶行におよびます。復讐の対象である赤井相手ならまだしも、ほとんど無関係の人ですら容赦しません。隣の住人に壁ドンされた腹いせにメッタ刺しにしたり、新聞購読のしつこい勧誘を包丁で切りつけて追い詰める姿は、正気ではありません。

また、物語の後半では13号以外の人物の狂気が感じられる場面も。ある理由から深い喪失感を覚えた赤井トールと妻ののぞみは、ギリギリの精神状態、発狂寸前にまで追い詰められます。実在する宗教をモチーフにしたと思われるあやしい宗教団体「やすらぎの家」の行動も、生理的な気持ち悪さを伴った狂気として描かれます。

前述した独特な画風と相まって、狂気の世界が作品の面白さを倍増させているゆえんです。

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『隣人13号』の面白さを考察!怖いシーンが多すぎ!

『隣人13号』の面白さを考察!怖いシーンが多すぎ!
出典:『隣人13号』2巻

本作はサイコスリラーといわれるだけあって、恐怖シーンが目白押しとなっています。この恐怖シーンは大まかに3種類に分けられます。

1つは13号によるスプラッター的な怖さ。

このうち最も目立つのは、13号の大暴れです。気に入らない者は包丁で、日本刀で、あるいは銃器で徹底的に排除します。怒りをひたすら他人にぶちまける13号の凶行は滅茶苦茶で、度を超えた暴力シーンには、思わず目を瞑りたくなるシーンもあるでしょう。

2つめは過去に行われた陰惨ないじめ。

小学生時代に行われた、赤井による十三いじめ。ロッカーに閉じ込めて虫を食べさせようとしたり、プールに突き落として頭を押さえつけられたり……挙げ句の果てに硫酸をかけようとしたり、十三が復讐を決意するのも納得するほど陰惨さです。

そして3つめは、狂気に駆られた人物たちによる心理的嫌悪感をともなう怖さです。

赤井の妻・のぞみはあることに狂乱して、髪を切ろうとします。このシーンは、ある意味作中で1番怖いシーンといえるかもしれません。正常ではいられなくなった人間の姿は、背筋が凍るような、気持ち悪さをともなう怖さがあります。また、やすらぎの家の女性信者の自殺シーンにも、静かな怖さを感じれるでしょう。

本作は肉体的、心理的に「怖い」というストレスをかけてくる作品です。さらにテンポよく展開が変わっていくため、人によっては読み終わるまでずっと恐怖の感情を抱くことになるかもしれません。

映画と原作漫画の違いとは?それぞれの魅力を解説!

 

『隣人13号』は2005年に十三役を小栗旬、13号役を中村獅童、赤井トール役を新井浩文が演じるという、豪華キャストで実写映画化されました。あらすじは原作とほぼ同じですが、登場人物が整理され、13号の凶行に関するシーンがいくつか省略されたり、または変更が加えられています。

たとえば、13号が赤井の子供を手にかけようとする場面で、原作では殉職した刑事の息子が割って入るのですが、映画では赤井の弟分である通称・死神と呼ばれる男が介入してきます。

原作以上に狂気を感じさせる作りとなっており、中村獅童の怪演は必見。赤井を殴りながら「サーモンピンク?」と繰り返したり、自分の足を刺して「痛い痛い痛い」と叫ぶシーンは凄まじい迫力です。これらの演技があまりにも鬼気迫る演技だったようで、子役が泣いてしまったという話もあります。

映画では、13号を演じる中村獅童の狂気と、原作とは異なるラストが待っており、原作とは違った魅力を楽しめるでしょう。


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『隣人13号』タイトルの意味とは?終わり方、オチ、ラストが意味不明?【ネタバレ注意】

13号は多くの犠牲を出した末に、赤井に挑発的なメッセージを送り、復讐に決着をつけようとします。決着の場所に選んだのは、復讐劇の出発点である彼らの母校、小学校でした。

十三は理科室で赤井に硫酸をかけられ、顔に消えない火傷を負い、そのストレスで13号が生まれたのです……。

著者
井上 三太
出版日
2008-12-24

決着の場面でついにその素顔が明かされます。十三の顔は作り物のマスクで、その下は醜く焼け爛れていることが作中では示唆されてきました。かなりショッキングな内容ですが、復讐が始まった理由だと考えると、納得せざるをえないような気になってしまいます。

さらに最後には、13号、赤井、赤井の関係者、「やすらぎの家」信者が交錯し、怒濤の展開に。しかし、時間の経過も曖昧なまま、唐突に場面が切り替わります。

その意味は読者に解釈が委ねられ、賛否両論となっています。どこか救いを感じさせる場面ではありますが、果たしてどんな意味があるのでしょうか。

本作のタイトル『隣人13号』の意味には、様々なことが考えられます。1つは、十三にとって最も身近な他人は、13号であるという意味。そしてもう1つは、十三が平凡なアパート13号室に住む住人であることから、彼のような狂人が日常に潜んでいる(つまり隣人)と示唆しているようにも考えられるでしょう。

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いかがでしたか?本作は復讐のために犠牲を出し、負のスパイラルに陥っていく凄まじい内容の漫画です。ラストの解釈こそ難解ですが、いろいろ考えさせられる名作には違いありません。