5分でわかる団塊の世代!特徴や意味、由来となった小説などわかりやすく解説

更新:2019.5.6

世代間人口がもっとも多い「団塊の世代」。彼らの在り方は、高度経済成長の進展や2025年問題への懸念など、日本社会全体に大きな影響を与えています。この記事ではその特徴や、由来となった小説などについてわかりやすく解説していきます。

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団塊の世代とは。世代や人口、ジュニアの意味などを解説

 

1947年から1949年頃に生じた「第一次ベビーブーム」に生まれた人々を指す「団塊の世代」。厚生労働省作成の「人口動態統計」によると、この3年間の出生数はおよそ800万人。ほかの世代と比較して多く、日本の人口のボリュームゾーンを形成しています。

団塊の世代の成長は、戦後日本の歩みとリンクしているのが特徴です。彼らは若年労働力や「大量消費社会」の担い手として、高度経済成長をけん引する役割を果たしました。またビートルズの流行など文化的な影響、恋愛結婚の一般化などの変化も彼らを中心に生じています。このように団塊の世代は、さまざまな局面で社会変化の中心にあり続けた世代なのです。

人口が多いため、彼らの子どもにあたる世代も一定のボリュームゾーンを形成しています。1971年から1974年頃に、「第二次ベビーブーム」が発生。この期間に生まれた人々を「団塊ジュニア」と呼び、出生数は団塊の世代に次いで多くなっています。

 

団塊の世代の特徴は?

 

彼らのライフスタイルは、終戦後から高度経済成長期の価値観を基盤に築かれました。

たとえば、一般的な結婚スタイルが「見合い結婚」から「恋愛結婚」に転換したのは、団塊の世代からだといわれています。「家」の観念が薄れたことで、核家族化が進んでいきました。

その一方で、家庭生活は「性別役割分業論」の影響が強く、「男は仕事、女は家庭」という意識が一般的だったそうです。そのため共働き世帯は少なく、女性は結婚を機に退職し、専業主婦になることがほとんどでした。

団塊の世代が10代から20代を迎えた時期は、日本の高度経済成長期と重なります。中卒で就業した彼らは「金の卵」と呼ばれ、若年労働力として企業から歓迎されました。「金の卵」を中心に、地方から上京して都市部で就職する人が増加、人口の都市部への集中が進んだのもこの頃です。

さらに高度経済成長期は、所得の増加にともないさまざまな家電製品が普及した時期でもあります。その影響からか、現在でも団塊の世代は購買意欲が高く、人数が多いこともあって「大量消費社会」の担い手として経済を後押ししています。

このように団塊の世代の特徴は、典型的な日本人像としてイメージされるものと重なるところが多々あるのです。彼らの在り方が、戦後日本のスタンダードを形成したといえるでしょう。

 

団塊の世代はめんどくさい?

 

しばしば年下の世代から忌避されることがある団塊の世代。その要因として、封建的な点、自己主張の強い点が挙げられるでしょう。

先述したとおり、団塊の世代は恋愛結婚などそれまでの日本になかった新しい価値観をもち込みました。その一方で「性別役割分業論」のように、戦前から一般的だった価値観も残っています。

つまり団塊の世代には、戦前からの「古い」価値観と、戦後に普及した「新しい」価値観が混在しているといえるのです。そのため彼らのなかには上下関係に厳格な人も多く、ともすれば年下世代からは「横暴だ」と受け取られることもあるようです。

また同世代が多かった団塊の世代は、激しい競争にさらされ続けてきました。周囲に埋もれないために、自己主張の強い人が多くなったともいわれています。

 

団塊の世代が後期高齢者になる「2025年問題」とは

 

日本の人口のボリュームゾーンを形成する団塊の世代。この世代が一斉に75歳以上の後期高齢者となることで、社会保障費の高騰などが懸念されています。これを「2025年問題」といいます。

厚生労働省作成の「今後の高齢者人口の見通しについて」によると、2015年に25%を突破した日本の高齢者人口は、2025年には全体の30%を超えるそう。その結果、2018年度の医療給付費は約39兆円ですが、これが2025年度には約48兆円と1.2倍ほど増加する見込みになっているのです。

また年金の受給者が増加する一方で納付者が減少すること、介護を必要とする人が増えて「介護難民」や「老々介護」が増加することも懸念されています。

既存のシステムでは、増加する高齢者に対応することは困難です。この事態に対処するために、新たな枠組みを作りあげることが急務だといえるでしょう。

 

団塊の世代の由来になった小説を紹介!

著者
堺屋 太一
出版日

 

いまではすっかり一般的になった団塊の世代という言葉。初めて使ったのは、通産官僚で小説家でもある堺屋太一です。1976年から雑誌「現代」で本作を連載しました。

4つの短編で構成されていて、それぞれの物語に直接の関連はありませんが、いずれの物語の主人公も「第一次ベビーブーム」中に生まれているという共通点があります。

堺屋はこの小説を通じて、「第一次ベビーブーム」に生まれた世代が壮年から老年期を迎えた時、日本でどのような変化が起こるか予測しました。すべてが当たったわけではありませんが、年功序列の崩壊、社会保障費の高騰、老人と若者の利害対立など、まさにいま議題にあがっている問題が予測がされていることに驚きを禁じえません。

本書をきっかけに、「第一次ベビーブーム」に生まれた人々は団塊の世代と呼ばれるようになりました。

 

団塊の世代と老い、2025年問題を考える

著者
朝日新聞 迫る2025ショック取材班
出版日
2016-06-20

 

本書は、「朝日新聞」で連載された記事を書籍化したものです。丁寧な取材を通じて、老化にともなう生活の変化や介護現場の実情など、老いに関わるさまざまな問題が浮き彫りにされています。

決して読んでいて楽しい内容ではありませんが、取りあげられている問題は誰にとっても無関係ではないでしょう。

団塊の世代が一斉に後期高齢者となる2025年以降、医療や介護がパンクしてしまうことが懸念されています。当事者としてこの問題にどう向き合うか考えるために、さまざまな観点から読み解くことができる重厚な一冊です。

 

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