5分でわかるクールビズ!期間や男女別の服装、環境省の取り組みを解説!

更新:2021.11.18

いまやすっかり定着した「クールビズ」という言葉。ただ服装のマナーに不安を覚える方も多いのではないでしょうか。この記事では、クールビズが始まった経緯や期間、目的、男女別の服装、環境省の取り組みなどをわかりやすく解説していきます。あわせて、環境問題を考えるきっかけになるおすすめの関連本も紹介するので、ぜひご覧ください。

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クールビズとは。いつから始まった?2019年の期間など概要を紹介

 

環境省が中心になって取り組んでいる、夏の衣服の軽装化キャンペーンを「クールビズ」といいます。

当時環境大臣だった小池百合子氏が、2005年に小泉純一郎総理大臣から「夏場の軽装による冷房の節約」をキャッチフレーズにしたらどうかとアドバイスを受けたことをきっかけに、環境省主導で呼びかけを開始しました。

「クールビズ」という言葉は、「涼しい」や「格好いい」という意味の英語「クール」と、仕事を意味する「ビジネス」を掛け合わせた造語で、一般公募によって選ばれたものです。世間に広く受け入れられ、2005年の「新語・流行語大賞」にもノミネートされました。ちなみに秋冬版を「ウォームビズ」といいます。

クールビズに対応して、衣料メーカーや百貨店が開襟シャツや沖縄のかりゆしウェアの販売を展開。関連市場は大きく膨らみました。また日本国内のみに留まらず、2008年には国連が「クールUN」キャンペーンを実施するなど、海外でも注目を集めています。

実施期間は、5月1日から9月30日までの5ヶ月間とするのが一般的。2019年も同様です。しかし2011年と2012年は、東日本大震災と東京電力・福島第一原子力発電所の事故による電力不足への対策として、5月1日から10月31日までの半年間に拡大されました。2012年には、さらなる軽装化を目指す「スーパークールビズ」を打ち出しています。

その後環境省では、クールビズを、地球温暖化対策のための賢い選択を促す国民運動「COOL CHOICE」の主要政策のひとつとし、さらに「涼を分かち合う」という意味の「クールシェア」の推進も開始しました。「クールシェア」とは、ひとつの部屋に集まったり、公共施設やショッピングモールなどの店舗で過ごしたりして、ひとり当たりの冷房使用量を減らすことを促すキャンペーンです。

 

クールビズの目的やメリット

 

クールビズの目的は、軽装をすることで、冷房の温度を28度と高く設定しても快適に働ける環境を整え、二酸化炭素の排出量を削減することです。

導入1年目の期間が終了した2005年9月30日に、環境省が実施したアンケート調査によると、「勤務先での冷房設定温度が例年より高い」という回答は就業者の32.7%でした。

この結果をもとに試算したところ、二酸化炭素の削減量は約46万tになり、約100万世帯の1ヶ月分の二酸化炭素排出量に相当するとしています。

翌2006年には43.2%に拡大し、二酸化炭素削減量は約114万t、約250万世帯の1ヶ月分の二酸化炭素排出量に相当する結果となりました。

また経済面でもメリットがあります。第一生命経済研究所の試算によると、クールビズの実施によって、約1000億円におよぶ経済効果が生じているそうなのです。

その一方で、クールビズの普及によって売り上げの減少に繋がるとするネクタイ業界などからは、反発の声が挙がっています。

 

クールビズの服装。ポロシャツはOK?ジャケットは必要?【男性編】

 

今やすっかり定着したクールビズですが、ルールやマナーに不安を覚えるという声が多いのも事実です。ここでは、クールビズにおける服装のルールについて紹介していきます。まずは【男性編】です。

男性のクールビズの基本は、「ノーネクタイ、ノージャケット」。ワイシャツはリネン素材のような清涼感のあるものや、吸汗性、速乾性に優れたものがおすすめです。

シワやヨレがあるとだらしない印象になり、マナー上も好ましくありません。そのため、形態安定加工がされているものを選ぶのが好ましいでしょう。色は基本の白以外にも、ブルー系などの涼しげのものがおすすめです。

またワイシャツではなく、ポロシャツを着ても構いません。近年では、必要に応じてネクタイも締められる台襟付きボタンダウンタイプのビズボロが一般化しています。

仕事の場面によっては、クールビズ期間中でもジャケットが必要な場合もあるでしょう。そんな時に備えて、夏用ジャケットを用意しておきましょう。汗を掻いても洗えるウォッシャブル仕様のものがおすすめです。

また、シャツ1枚よりも正装感を増したい時は、ジレスタイルも推奨されています。ジレの色はグレーやネイビーなどがよいでしょう。

 

クールビズの服装。女性はどう着こなせばよいの?注意点を解説【女性編】

 

続いて【女性編】です。

女性の場合、「ノーネクタイ、ノージャケット」という基本ルールがある男性に比べると、自由度が高い反面、基準がわかりづらくなっています。そのため、ラフになり過ぎる危険性があるのです。

クールビズはあくまでも「ビジネスのための服装」であることを念頭に置く必要があります。カジュアルでありながらも「きちんと感のある涼やかなもの」が基本です。

胸元が開きすぎていたり、肩を出したりする露出度の高いものは避けましょう。吸水性、通気性、消臭性の高い素材で作られたクールビズ用のシャツなどを着ると、快適に過ごすことができます。

またストッキングの有無が論点になることがありますが、スカートの場合はストッキングの着用がマナーとされています。

さらにクールビズ時に注意したいのが、下着の透過対策です。白く薄いシャツを着る機会が多く、下着が透けやすくなるので注意しましょう。

 

環境省が発表した各業界の取り組み

 

環境省の発表をもとに、各業界におけるクールビズの取り組みを紹介していきます。

百貨店業界

日本百貨店協会では、持続可能な社会の実現を目指し、地球温暖化を防止するために80社206店舗の会員店で「冷房温度の緩和」「照明の一部消灯」などの取り組みを実施。さらに、気象キャスターによる店内放送での呼びかけや、ステッカー、衣食住の快適なライフスタイルの提案などを通じて、来店者にクールビズを呼び掛けています。

チェーンストア業界

日本チェーンストア協会では、環境対策、節電の継続を目的として、店舗内の空調設定温度の見直しを実施。従業員に対しても軽装での勤務を認めるなどの取り組みをしています。

フランチャイズチェーン業界

日本フランチャイズチェーン協会では、地球温暖化の防止、節電対策を目的として、会員企業にクールビズの実施を推奨。店内空調の適正温度設定、従業員の軽装化などの取り組みをしています。

 

クールビズなど環境問題を考えるきっかけになる本

著者
中川 毅
出版日
2017-02-15

 

本書は福井県・水月湖に堆積した「年縞」をテーマにした一冊。「年縞」とは、年輪のように1年ずつ積み重なった地層のことで、水月湖からは過去7万年分が採取され、2012年に世界の年代測定の基準となりました。

そこから明らかになったのは、人類が誕生してから現代に至るまでの激しい気候変動の歴史です。世界中で地球温暖化の危機が叫ばれ、クールビズなど環境対策の重要性が訴えられている昨今。本書に記される、過去の激しい気象変動を知ることで、今後地球温暖化が進んだ際に起こりうることが予想できます。

環境問題を考えるきっかけになる一冊です。

 

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