王道こそ至高!謎めいた雰囲気を放つ館ものミステリー3選

更新:2019.7.18

どうも、わちゅ~さんです。 今回は“館ものミステリー”をテーマにご紹介! “館もの”とは、旧家の屋敷、古びた洋館、古城といった“館”が舞台となる作品を指します。 ミステリーの王道ともいえるこのサブジャンル、私も過去に何冊か紹介させて頂きました。 新本格ブームの火付け役ともなった綾辻行人さんの『十角館の殺人』や、東野圭吾さんの『十字屋敷のピエロ』など、面白い作品が実に多いこと……。 王道であるからこそ、多くの作品が生み出され、長い年月をかけて洗練されてきたジャンルだと私は思っております。 ってことで、早速おすすめ作品をズババッとご紹介してまいりまーす!

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霧越邸殺人事件

著者
綾辻 行人
出版日
2014-03-25

内容紹介(裏表紙より引用)
或る晩秋、信州の山深き地で猛吹雪に遭遇した8人の前に突如出現した洋館「霧越邸」。
助かった…安堵の声も束の間、外界との連絡が途絶えた邸で、彼らの身にデコラティブな死が次々と訪れる!
密室と化したアール・ヌーヴォー調の豪奢な洋館。
謎めたい住人たち。
ひとり、またひとり――不可思議極まりない状況で起こる連続殺人の犯人は?
驚愕の結末が絶賛を浴びた超話題作。

童謡に見立てた連続殺人が巻き起こる本格ミステリー!

著者・綾辻行人さんといえば『十角館の殺人』をはじめとする“館シリーズ”が有名ですが、本書はその番外編と位置付けられております。

今作の舞台は、クローズド・サークルの王道ともいえる“閉ざされた吹雪の山荘”。

瀟洒な洋館、謎の住人、通じない電話など、いかにもミステリーらしい設定の数々。

この古典的な設定が読者の心をくすぐります。

が、古臭いかと言われればそうでもなく、すんなり読めてしまうところも今作の魅力。

計700ページに及ぶ大作ですが、ストーリーの面白さも相まって苦なく読み終えることができました。

導入部が長いとの批評もちらほら目にするのですが、第一の事件が起きるや否やドドドッと展開していきます。

SFの要素も取り入れ、終始幻想的な雰囲気を放つ異色の本格ミステリー。

ラストの謎解きシーンは必見ですぞ!

卍の殺人

著者
今邑 彩
出版日
2011-10-22

内容紹介(裏表紙より引用)
荻原亮子は恋人の安東匠とともに彼の実家を訪れた。
その旧家は二つの棟で卍形を構成する異形の館。
住人も老婆を頂点とした二つの家族に分かれ、微妙な関係を保っていた。
匠はこの家との訣別を宣言するために戻ってきたのだが、次々に怪死事件が起こり……。
謎にみちた邸がおこす惨劇は、思いがけない展開をみせる!
著者デビュー作。

今邑彩さんのデビュー作!
 

舞台は、卍の形をした奇妙な館。

本編中に見取り図が出てくるのですが、見てビックリ。見事なまでの卍型。

初めて目にした時は思わずニヤけてしまいました。

この非現実的な館の形が、一体どう影響してくるのか……!?

私は以前から、著者・今邑彩さんの作品にはハズレがないなぁという印象を持っていたのですが、今作も案の定の面白さ!

何気なしに買ったのですが、本書がデビュー作だったとはつゆ知らず。

当時は酷評されたと語っておられるのですが、そんなことは微塵も感じさせない読み応えがありました。ぜひ一読を!

翼ある闇 メルカトル鮎 最後の事件

著者
麻耶 雄嵩
出版日
2012-03-07

内容紹介(裏表紙より引用)
首なし死体、密室、蘇る死者、見立て殺人……。
京都近郊に建つヨーロッパ中世の古城と見粉うばかりの館・蒼鴉城を「私」が訪れた時、惨劇はすでに始まっていた。
二人の名探偵の火花散る対決の行方は。
そして迎える壮絶な結末。
島田荘司、綾辻行人、法月綸太郎、三氏の圧倒的賛辞を受けた著者のデビュー作。

麻耶雄嵩さんのデビュー作!

ある名家で起きた連続殺人事件。

謎だらけの難事件を相手に、二人の探偵が推理バトルを繰り広げます。

独特の世界観と癖のある作風で知られる麻耶雄嵩さんですが、このデビュー作の時点で既に麻耶ワールドが炸裂しておりました。

読みやすいかどうかで言えば、正直読みやすくはないと思います。

が! その独特さ故に、マニアックかつカルト的な支持を得ているのも事実。

実際に私もドハマりした側の人間でして、著者の作品はほぼ読み尽くしてしまいました。

今作は恐らく、ある程度ミステリーを読んできた人の方が楽しめるのではないかと思います。

なぜなら、至るところに名作のパロディが散りばめられているからです。

ミステリーの鉄板ともいうべき要素をふんだんに取り入れ、問題提起するかの如くイジり倒しているのです。

これが堪らなく面白くて!

既成概念をスパッと壊してくれるのが今作の魅力。アンチミステリーってやつです。

ただの推理小説だと思ったら大間違いですぞ!