上念司のおすすめ本5選!経済でわかりやすく歴史を読み解く!

更新:2019.8.29

経済評論家のなかでも熱い注目を集めているのが、抜群のトーク力と確かな専門性で知られる上念司です。歴史と経済を絡めて解説する「経済で読み解く」シリーズが人気。この記事では、特におすすめの5冊を紹介していきます。

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上念司とは

 

1969年生まれ、東京都出身の上念司(じょうねんつかさ)。インターネットテレビやラジオ、講演会などで活躍する経済評論家です。

中央大学時代に弁論部で鍛えた話力は群を抜いており、ディベートをさせたら天下一品。経済や金融のみならず、政治や国際情勢、歴史など引き出しの多さでも知られています。

大学を卒業後は、現在の新生銀行である日本長期信用銀行に入行。その後学習塾を運営する企業に転職し、取締役事業本部長を務めました。2007年には「株式会社監査と分析」を設立しています。

作家としては、一般的なマスコミの論調とは異なり日本経済の盤石さを解説した『官僚と新聞・テレビが伝えないじつは完全復活している日本経済』や、日本経済の方向性を独自の視点から考察した『もう銀行はいらない』など、読みやすい著作を次々と出版。この記事では、これまでに上念司が発表した作品のなかから、経済と歴史を結び付けて解説したものをピックアップして紹介していきます。

 

上念司が織田信長を経営者に見立てて解説したおすすめ本

 

「応仁の乱」が起こって戦国時代に突入したのは、デフレが原因だった……⁉

不況で世が荒廃していくなか、日本を救ったのは「経済の掟」の観点で世情を見据えた織田信長の経済政策でした。奇異にも見える信長の行動がいかに緻密に計算されたものだったのか、本書を読むとわかります。

 

著者
上念 司
出版日
2017-02-25

室町時代、日本では銭貨が鋳造されておらず、中国との朝貢貿易で得た「渡来銭」をそのまま国内で流通させていました。そして、古くから貿易船のスポンサーをしていた比叡山延暦寺をはじめとした寺社勢力が莫大な渡来銭を手に入れ、国内であこぎな金融ビジネスを始めるのです。

しかし渡来銭が減少すると、貨幣不足によるデフレ不況で世の中が混乱していきます。経済的に困窮しているからこそ、戦いで一発逆転を狙う者が後を絶たなくなりました。

そこに登場したのが織田信長。彼は歴史に学び、過ちをくり返さないように成功事例だけを取り入れることを徹底して政策を展開します。それは江戸時代にも引き継がれ、その後の明治維新にもつながっていきました。信長をひとりの経営者と見立てた展開で、興味深く読めるでしょう。

豊臣秀吉の時代からグローバル経済は始まっていた?

 

寺社勢力という既得権益の打破を掲げた織田信長。豊臣秀吉もその路線を継承し、経済活動の主導権は寺社から武家、そして一般庶民へと移っていきます。

しかし「本能寺の変」が起きた頃、世界経済は大きな転換期を迎えていました。銅の枯渇で、貨幣制度が崩壊しかけていたのです。

 

著者
上念 司
出版日
2018-03-20

 

当時の国際的な情勢も踏まえて、危機管理に長けていた秀吉の成功と失敗を、経済的な視点で読み解く作品です。

秀吉政権下でおこなわれた検地や刀狩り、バテレン追放令などをあらためて見直してみると、彼がいかに日本の将来を見据えた政策を実行してきたのかがわかるでしょう。

信長と秀吉が天下統一を急いだのは、スペインやポルトガルなど迫り来る西洋列強に対抗するためでした。信長が暗殺された頃、世界では銅銭から銀銭へのシフトがおこなわれていましたが、銀の採掘場所はなんと日本の岩見銀山。日本から採掘された銀により中国経済が成長し、ヨーロッパに中国製品が輸出され、その結果現地の人々が職を失う……グローバリズムはすでにこの時代から始まっていたのです。

上念司は、秀吉について調べれば調べるほど、現代日本が抱える問題解決のためのヒントを得られると述べています。出てくる単語は教科書レベルなので、歴史に詳しくなくても大丈夫。これからの経済を考える際の助けになる一冊です。

 

明治維新が起きた理由を上念司が解説!

 

世界最強の資本主義国といわれていた江戸時代。なぜ滅んでしまったのか、なぜ明治維新が起きたのか、なぜ開国した後に一気に近代化することができたのかを解説した作品です。

江戸時代を近代経済の論理で見直してみると、経済の主導権が庶民へ移ったことが、日本を欧米列強から救う下支えになったことがわかります。

 

著者
上念 司
出版日
2016-04-09

 

江戸時代前期は、徳川幕府が日本中の鉱山を独占したことで貨幣量が増加し、インフラが整備されていきました。しかし家光の時代になると採掘量が枯渇して、デフレが始まります。上念司は、現代では悪名高いといわれることの多い田沼意次や荻原重秀などがおこなった賄賂政治が、実はデフレを脱却して経済成長を導く優れた政策だったと分析しているのです。

生き生きとした文章で読みやすく、庶民が市場の動向を見て売れる商品を作り、ダイナミックな経済を形成していく様子もわかるでしょう。明治維新が起きた背景を理解できる一冊です。

 

上念司が語る、金本位制と戦争

 

第一次世界大戦が終結し、第二次世界大戦が開戦するまでの流れを、金融政策の視点で解説している作品です。

キーワードは「金本位制」。世界では第一次世界大戦後に金が不足して深刻なデフレとなり、たびたび恐慌が起こります。金本位制をやめない限り抜け出すことはできないのですが、人々は金本位制をまるで神のように信じていました。

 

著者
上念 司
出版日
2015-01-24

 

昭和初期の日本は、当時のグローバルスタンダードだった金本位制の呪縛が解けず、不景気に喘いでいました。

上念司は、人間は経済的に困窮すると、普段であれば見向きもしない過激思想に染まっていくと指摘しています。管理通貨制度へ移行すればよかったのに、不景気を戦争で解決しようとした結果、第二次世界大戦に向かっていくことになったのです。

戦争と経済を結び付けて考えてみると、新たな視点で歴史を見ることができるはず。そしてそれは、これからの世界の在り方を考えるうえでも大切なことでしょう。

 

上念司が日本人の甘さを指摘したおすすめ本

 

日本には無意識の言霊信仰があり、危機管理の議論を避けたがる傾向があります。また、喉元過ぎれば熱さ忘れるような、「平和ボケ」をしている部分もあるとのこと。

本書では、このような日本人の特性が仇とならないよう、歴史を見直して「危機管理」をする重要性を考察した作品です。

 

著者
上念 司
出版日
2012-11-16

 

値段を下げてもモノが売れない、経営悪化がリストラや賃下げにつながる……日本の長期化するデフレスパイラルの原因を探っていきます。

上念司は、国民がリーダーに対して「この人に任せておけば大丈夫」という無意識の性善説を抱いているからこそ、どんな政策でも「よい」ものとして認識してしまうと指摘。これを「甘さ」といっています。思考を停止して安直に世論に流されることは危険だと述べているのです。

何が正しいことなのか、何が日本にとってよいものなのかをまずは考えられるように、知識をつけることが大切だと実感できるでしょう。

 

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