本作は、吹奏楽部員と野球部員の青春ラブストーリー。主要人物は、白翔高校の吹奏楽部に入部し、トランペットを始める小野つばさと、同級生で野球部員の山田大介です。名門吹奏楽部で、唯一の初心者としてトランペットに取り組むつばさと、甲子園を目指す大介。2人が挫折をくり返しながら、成長していく過程が描かれます。今回は、土屋太鳳と竹内涼真の主演で映画化もされた『青空エール』の見所を結末まで紹介します。 本作は、スマホの漫画アプリでも無料で読むことができるので、気になった方はそちらもチェックしてみてください!
『青空エール』は、河原和音による少女漫画で、名門高校の吹奏楽部が舞台の部活青春ラブストーリーです。2008年から2015年まで連載され、2016年には土屋太鳳と竹内涼真主演で映画化されています。
主人公の小野つばさは、落ち込むとすぐに足元を見る癖がある、気弱な性格の持ち主。本作では、つばさが名門吹奏楽部に唯一の初心者として入部し、何度も挫折を味わいながら成長をしていく様子を描きます。
- 著者
- 河原 和音
- 出版日
- 2008-12-25
つばさの夢は、野球部が甲子園に出場した時にアルプススタンドで応援演奏をすること。大介の夢は甲子園に出場すること。
『青空エール』は、お互いに夢を応援し支え合いながら、甲子園を目指して部活動に打ち込む2人の成長の物語であり、ラブストーリーでもあります。
ここから先は、本作の胸キュンエピソードや、リアリティのある部活事情の一部を紹介します!ネタバレを含みますので、苦手な方はご注意ください。
すでに『青空エール』が気になっている方は、まずはスマホの漫画アプリで読むことをおすすめしています。下のボタンから簡単にインストールできるので、ぜひ利用してみてください。
竹内涼真が出演した作品を見たい方は、こちらの記事もおすすめです。
竹内涼真が実写化出演した役柄を総まとめ!池井戸ドラマやあの映画も原作紹介
土屋太鳳が出演した作品を見たい方は、こちらの記事もおすすめです。
土屋太鳳が出演した作品一覧!実写化した映画・テレビドラマの原作作品の魅力を紹介
- 著者
- 河原 和音
- 出版日
- 2004-03-25
河原和音は1972年生まれ、北海道出身。1991年に漫画家デビューしてから第一線で活躍し続ける、大人気少女漫画家です。
魅力的なヒロインや登場人物は、多くの少女漫画ファンから共感を得ています。キャラクターの心理描写も見事で、読むといつの間にか応援している自分に気づくはず。
代表作は『青空エール』『高校デビュー』『先生!』『素敵な彼氏』など。『高校デビュー』は累計600万部以上を売り上げる大ヒットを記録しており、『素敵な彼氏』は小学館漫画賞を受賞しました。
また、人気漫画『俺物語!!』では原作を担当し、講談社漫画賞少女部門を受賞。『青空エール』『高校デビュー』『先生!』の3作は実写映画化もしています。
河原和音のおすすめ作品を紹介した<河原和音のおすすめ漫画、代表作5作品!『青空エール』の作者>の記事もおすすめです。気になる方はぜひご覧ください。
『青空エール』の舞台となる白翔高校は、北海道の札幌白石高校がモデルです。実在する高校をモデルに、しっかりと取材をしているからこそのリアリティを感じられる作品になっています。
札幌白石高校は、過去に全日本吹奏楽コンクール全国大会で5年連続金賞受賞するなど、吹奏楽部の超名門校です。それをふまえ、白翔高校の吹奏楽部でも厳しい練習の様子がたびたび描かれています。
メンバー争いの熾烈さや、吹奏楽の大会で勝つ事の難しさなど、取材に裏打ちされたリアルな部活事情は読みごたえ抜群です。ただ爽やかなだけではない青春の一面が垣間見えます。
- 著者
- 河原 和音
- 出版日
- 2010-07-13
また、そんな厳しい環境下での心理描写も見事。主人公のつばさはもちろん、さまざまなキャラクターたちの複雑な内面が描かれます。技術的な葛藤、人間関係での悩み、怪我など、それぞれの事情が問題をより複雑にします。
しかし、そんな悩みを乗り越えて部活動に打ち込む様子が、登場人物1人1人の人間性を際立たせるのです。吹奏楽名門校という設定を最大限に活かし、等身大の青春を描いていることは本作の魅力といえるでしょう。
主人公つばさにトランペットの才能がまったくないことも、本作を面白くしているポイントです。
名門吹奏楽部に唯一の初心者として入部し、実力差にうちのめされながらも、懸命に練習を重ねるつばさ。どこかで眠れる才能が目覚め、仲間が彼女を認めるのかと思いきや……。
- 著者
- 河原 和音
- 出版日
- 2009-07-24
そんな都合の良い展開はなく、挫折につぐ挫折がつばさを待ち受けているのです。果てには他の部員の迷惑になると言い放たれ、顧問の先生からは「才能がない」と断言されてしまいます。
しかも吹奏楽部の人たちだけでなく、家族や友人までもが、つばさの部活動がうまくいくはずがないと思っている始末。
そんな中でも、大介だけはつばさが甲子園のアルプススタンドでトランペットを吹く日が来ると信じているのです。
彼が信じてくれたことを支えに、夢を追うつばさ。才能がないなかでもがき、結果を出そうと努力する姿は、思わず応援したくなります。
つばさが思いを寄せる相手となる大介は、どこにでもいる野球部の少年として描かれます。少女漫画の男性キャラクターといえば、ハンサムで手足が長く、勉強も運動もできる完璧な人物を思い浮かべるでしょう。
しかし、大介は坊主頭で、決して派手な見た目ではありません。部活でもエースで4番ではなく、キャッチャーです。地区予選の決勝でエラーをすることもあります。
- 著者
- 河原 和音
- 出版日
- 2015-01-23
しかし、秀でた才能があるわけではないごく普通の二人だからこそ、青春をかけて部活に打ち込む姿に読者も共感し、物語に引き込まれるのです。
お互いに支え合い成長していく過程で惹かれあっていく様子は、恋愛展開ではあるのですが胸キュンだけではなく、人としての絆を感じさせます。
もちろん恋愛展開ならではのドキドキも丁寧に描かれており、くっつきそうでなかなかくっつかない2人にやきもきしてしまいます。お互いに惹かれあっているのに、恋人ではないというあいまいな関係の描き方が絶秒です。
『青空エール』はつばさの3年間の高校生活を描いた作品です。入学からはじまり、卒業で物語は幕を閉じます。
高校2年の甲子園大会予選、大介はレギュラーになれないまま、白翔高校野球部は決勝で敗退。1年の夏に大介に告白し、一度ふられているつばさですが、彼に2度目の告白をします。主将に任命されたばかりで今すぐ付き合うことはできないと言われますが、甲子園に行けたら付き合おうという約束も交わすのでした。
- 著者
- 河原 和音
- 出版日
- 2016-01-25
そして時間は経過し、高校3年になってクラスが別々になった2人。つばさは吹奏楽部でトランペットパートセカンドとしてコンクールでの金賞受賞を目指し、大介は野球部の主将として甲子園を目指します。
白翔高校野球部は、南北海道大会決勝まで勝ち進みました。9回表ツーアウト、ランナー1、2塁、ここを抑えれば甲子園へ出場という場面。
これは1年の時に大介がエラーをしてしまい、甲子園行きを逃した時と同じ状況です。大介は甲子園行きを決めることができるのでしょうか?2人の恋の行方は?つばさはコンクールで金賞を取ることができるのでしょうか?
最終回では、部活を引退した後の2人が描かれます。部活推薦で大学が決まりそうな大介は、つばさを同じ大学に誘います。高校時代を部活動に捧げ、甲子園出場、コンクール金賞という夢を目指した2人は、新しい夢に向かって歩きだすのでした。
本編完結後、『青空エール』の映画公開記念として特別編が発表されました。高校を卒業し、大学生になったつばさと大介のエピソードを描いています。
東京の英翔大学に進学した2人。白翔高校吹奏楽部の水島とまるちゃんも同じ大学に進学し、懐かしい面々が揃っています。つばさは吹奏楽部、大介は野球部に入部します。恋人同士になった2人ですが、お互いに相変わらず部活中心の生活ですれ違いが続いていて……?
16ページの読み切り作品なので、大事件などはおこりませんが、大学生になっても相変わらずピュアで頑張り屋の2人の姿を楽しめるため、ファンにとっては必見のエピソードです。
こちらは残念ながら単行本未掲載で「別冊マーガレット」2016年9月号でしか読めませんが、気になった方は探してみてはいかがでしょうか?