5分でわかるエネルギー革命!石油や石炭、産業革命などをわかりやすく解説!

更新:2019.9.13 作成:2019.9.13

数十万年前に火を使い始めた人類。そこから幾度のエネルギー革命を起こし、現代の文明を築きました。この記事では、石油や石炭によってもたらされた従来の革命と、未来の社会について、わかりやすく解説していきます。おすすめの関連本も紹介するので、チェックしてみてください。

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第一次エネルギー革命をわかりやすく解説!イギリスは石炭を利用し産業革命へ

 

主として使われていたエネルギー資源が、従来のものから別のものへと移行する現象を「エネルギー革命」といいます。

人類が最初に用いていたエネルギー資源は、太陽光や風力などの自然エネルギー、馬や牛など動物の力、あるいは人間自身の力でした。

やがて人類は「火」を発見。これによって生活は劇的に変化します。加熱調理ができるようになって摂取する栄養素が増えたこと、獣などから身を守れるようになったこと、居住範囲が広まったことなどで、個体数を増やしていきます。

このように人類が火を発見して扱えるようになったことを指して「第一次エネルギー革命」という場合がありますが、一般的には火の発見を除き、人類が「蒸気」と「石炭」を用いるようになったことを「第一次エネルギー革命」ということが多いようです。

17世紀頃までヨーロッパにおける主要エネルギー資源は木材でしたが、製造業が盛んになって大量に伐採された結果、数が減って値段が高騰していました。特に森林の少ないイギリスでは深刻で、必要性にかられて他のエネルギー資源が求められるようになります。

人類史に残る最初の蒸気機関は、紀元10年頃に古代アレクサンドリアの工学者だったヘロンが考案した「ヘロンの蒸気機関」というもの。その後時が経ち、17世紀頃にはフランスの物理学者ドニ・パパン、イギリスの技術者トマス・セイヴァリ、イギリスの発明家トマス・ニューコメンらが研究。1712年に初めて実用的な蒸気機関が作られました。

一般に普及すると、人々の生活は大きく変わります。水力に頼れない土地にも工場を建設できるようになったため都市化が進み、機関車や蒸気船によって長距離の移動も容易になったのです。蒸気機関の発明は、「第一次産業革命」や工業化社会の礎になるとともに、その燃料である石炭を時代の主役にしました。

 

第二次エネルギー革命をわかりやすく解説!石炭から石油へ、アメリカでは自動車が普及

 

人類が「石油」と「電気」を用いるようになったことを「第二次エネルギー革命」といいます。

1886年、ドイツの技術者ゴットリープ・ダイムラーが、石油を動力とする内燃機関を自動車に搭載。1896年にはアメリカの実業家ヘンリー・フォードがガソリンを使ったT型フォードを大量生産し、一般家庭に普及していきました。

石油は石炭と比べてエネルギー効率が高く、第二次世界大戦以降にはエネルギー資源の主役になります。

電気に関する研究は、19世紀後半に急速に発展。トーマス・エジソンが蓄音機を発明、電球を開発。ジョージ・ウェスティングハウスが交流発電・送電システムを確立。アレクサンダー・グラハム・ベルが実用的電話を発明するなど、日常生活に欠かせないアイテムが相次いで誕生します。

これら石油や電気の技術革新は「第二次産業革命」の礎となり、工場の機械化が進みました。消費財の大量生産ができるようになったほか、工場の規模が大きくなったことで多くの雇用を算出。人々の生活水準が高まり、映画やラジオなどの娯楽も普及していきました。

 

エネルギー革命と日本の高度経済成長期

 

日本における「エネルギー革命」は、1950年代から60年代の高度経済成長期に、エネルギー資源が石炭から石油へ転換したことです。

第二次世界大戦後の日本は、GHQによる占領行政のもとで、戦争で疲弊した経済の再建に取り組むことになります。そこで用いられたのが、「傾斜生産方式」というもの。これは石炭や鉄鋼などの重工業分野に資金や資材、人材を優先して配分することをいい、特に主要なエネルギー資源だった石炭産業は最優先とされました。

その結果、石炭の生産量が飛躍的に伸び、戦後の経済復興そのものを牽引する存在となります。さらに朝鮮特需による好景気の影響も重なり、1956年の経済白書で「もはや戦後ではない」と記されるなど、戦前の経済水準を取り戻すことに成功するのです。

しかし、1950年代に中東やアフリカで大規模な油田が相次いで発見され、石油の価格が低下。採掘コストの高い石炭産業は苦境に陥ります。当初は輸入規制をしていた政府も、やがて石油を中心とするエネルギー政策に舵を切り、1962年に原油の輸入を自由化しました。

その結果、日本各地にあった炭鉱は相次いで閉山。炭鉱関係者や地域社会に大きな影響が出ます。

その後も石油需要は、マイカー時代の到来や石油コンビナートなど重化学工業の発展によって伸び続け、1973年には日本の一次エネルギーの約8割を占めるようになりました。

1973年に勃発した「第四次中東戦争」をきっかけに「オイルショック」が起こると、日本国内ではインフレが生じ、高度経済成長期が終焉を迎えます。以降は石油依存を軽減するために、太陽光や風力などの再生可能エネルギー、原子力発電などの技術開発が促進され、日本のエネルギー効率は飛躍的に高まることになりました。

 

次のエネルギー革命は?第四次産業革命とともに解説

 

「第一次エネルギー革命」の担い手だった「石炭」、「第二次エネルギー革命」の担い手だった「石油」、そして近年利用され始めている「天然ガス」「メタンハイドレート」「シェールガス」などはいずれも化石燃料と呼ばれる資源です。

動植物の死骸などが地中に堆積し、長い年月の間に変化してできたもので、いずれはなくなってしまう有限なもの。また燃やすことで二酸化炭素や窒素酸化物、硫黄酸化物などが発生し、地球温暖化や大気汚染の原因になるといわれています。

2015年12月12日に採択された「パリ協定」では、世界の平均気温の上昇を産業革命以前から2度未満に抑えることが目的に定められました。日本は2030年までに、温室効果ガスの排出量を2013年比で26%削減するという目標を提出しています。

温室効果ガスの排出量が少ない社会は「低炭素社会」または「脱炭素社会」とも呼ばれていて、実現に向けて「再生可能エネルギーへの転換」や「技術革新による高効率化、省エネルギー化」などの方法が提唱されました。

前者の「再生可能エネルギーへの転換」は次の「エネルギー革命」と呼ばれ、後者の「技術革新による高効率化、省エネルギー化」は「第四次産業革命」と呼ばれています。

再生可能エネルギーとは、太陽光、風力、波力、潮力、流水、潮汐、地熱、バイオマスなど、利用する以上の速度で自然界によって補充され、枯渇することのないエネルギー資源のこと。

また「第四次産業革命」とは、ロボット工学やAI、IoT、ブロックチェーン、ナノテクノロジー、量子コンピュータ、生物工学などさまざまな分野における技術革新のことです。

「第四次産業革命」が起こることで、製造業のデジタル化や自由化が進み、より効率よく省エネルギーな社会が実現すると考えられています。

 

日本が直面するエネルギー問題とは

著者
["竹内 純子", "伊藤 剛", "岡本 浩", "戸田 直樹"]
出版日
2017-09-02

 

本書では、日本が直面するエネルギー問題には「Depopulation(人口減少・過疎化)」「De-carbonization(脱炭素化)」「De-centlization(分散化)」「Deregulation(制度改革)」「Digitalization(デジタル化)」という5つのDがあると述べています。

従来のように大規模な発電所で化石燃料から大量のエネルギーをつくり、それを津々浦々に張り巡らした電線で全国に供給する仕組みでは立ち行かなくなるというのです。

160ページというコンパクトさながら、エネルギー問題を取り巻く外的要因、最新の技術、電力システム改革の状況まで網羅し、供給側と利用者側双方の立場で詳細な解説をしているのが特徴。電力業界第一線の専門家たちが、電力システムの近未来像を描いてくれます。

次はどんな「エネルギー革命」を起こすべきなのか、未来を考えるきっかけになる一冊です。

 

エネルギー革命と産業革命がもたらす未来とは

著者
江田健二
出版日
2017-02-25

 

かつての石炭と蒸気機関、石油と電力のように、「エネルギー革命」や「産業革命」が起こる時は、同時に巨大なビジネスチャンスが生まれます。

作者は、これから訪れる革命を「デジタル化されたエネルギーによる革命」だと定義。さらに革命の端緒を「電力の自由化」だと捉え、それに先立つ「通信の自由化」の軌跡を辿りながら、この先実現していくであろう技術を解説してくれています。

AIやIoTを用いた生活が未来のものではなくなってきた今、そこからどのようなビジネスを生み出していくべきなのでしょうか。すでに動き出している企業の例も挙げられていて、具体的な想像をしながら読める一冊です。