『ヤスミーン』が面白い!激アツのサバンナ漫画をネタバレ紹介!

更新:2019.9.20 作成:2019.9.20

『ヤスミーン』は、「ミラクルジャンプ」で連載されていた、畑優以(はたゆい)の作品です。美味いか不味いかで生き死にが決まる、弱肉強食のサバンナが舞台。絶対王者・ライオンの国家に、被捕食者の動物たちが対抗していく、異色のサバイバル漫画となっています。 本作は、スマホの漫画アプリでも無料で読むことができるので、気になった方はそちらからもどうぞ!9/25まで、今なら1巻分まるまる読めちゃいます!

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『ヤスミーン』が面白い!動物たちの熱い戦い!【あらすじ】

アフリカのサバンナは、時に「野生の王国」と言われます。その王国で王者となるのは、百獣の王都いわれるライオンでしょうか。

本作は、ライオンが支配する王国が存在している世界の物語です。

あらゆる肉食獣のなかで、最強のライオン。サバンナでは、ライオンから逃げ惑うか、従順に従うかの2択しかありません。この世界で草食動物が生き残るためには、ライオンの価値基準である「美味い」か「不味い」かの判断で、後者になる必要があります。

美味ければ、餌として食われるしかありません。

しかし絶望だけではありませんでした。恐怖でサバンナを支配するライオンの王国に、たった1匹で真っ向から挑む動物がいました。それは、ライオンですら「白い悪魔」と恐れる、白い雌のチーター。

これは、白い悪魔の存在によって導かれた別種の動物たちが、弱肉強食を体現するライオンの王国の牙城へと挑む、生存競争の物語です。

著者
畑 優以
出版日
2015-02-19

作者・ 畑優以とは

著者
畑 優以
出版日
2018-02-19

畑優以(はたゆい)は、福井県出身の漫画家・イラストレーターです。

漫画家を志すも、一度は挫折し就職しましたが、諦めきれずに上京。2011年、『She send to…』が第119回MANGAグランプリで、奨励賞+月間ベスト賞+画力賞を受賞。「週刊ヤングジャンプ」に読み切りが掲載されて、デビューしました。

代表作は、『ヤスミーン』『ふしぎの国の波平さん』など。本作は、初連載ながら「第20回文化庁メディア芸術祭」マンガ部門の新人賞を受賞しました。

まだ作品数の少ない作家ですが、たしかな画力と構成力がうかがえます。シリアス&バイオレンスから、少しコミカルでメルヘンなモチーフまで、器用に描き分けられるので、今後の活躍を期待されています。

『ヤスミーン』の魅力をネタバレ解説!立って喋る動物たち!

『ヤスミーン』の魅力をネタバレ解説!立って喋る動物たち!
出典:『ヤスミーン』1巻

本作には、人間が出てこない代わりに、独自の進化を遂げた「二足歩行」の野生動物が多く登場します。

擬人化されていますが、もとの動物の特徴が色濃く残っているのが目新しいところ。喜怒哀楽が表情豊かに描かれるので、野生の厳しい現実の中での登場キャラの言動が胸を打つでしょう。

物語の主人公は、トムソンガゼル族の青年・ブエナ。トムソンガゼルは、ライオンの王国に住むことを許された「唯一の草食動物」ですが、その実態は奴隷です。不味くて餌には適さないものの、扱いやすいから飼われているという不遇な一族。

ブエナは、ライオンに生殺与奪の権利を握られ、ほかの草食動物からは、裏切り者となじられる現状に不満を持っていました。

そして、ある日の雌ライオンたちの狩りで、シマウマ族の一団が捕らえられたときに、シマウマ族の子どもだけでも助けようと、ついにライオンに反攻することを決意します。

ライオンからすれば、圧倒的に貧弱な草食動物で、それもたったの1匹。それでも挫けずに、立ち上がり続けるブエナの勇気には、感動してしまいます。

肉食動物でありながら、友人と呼べるブチハイエナ族のゾンに協力を求め、シマウマ族の解放に向けて動き始めます。このブエナとゾンの種族を越えた信頼と友情は、とても熱いシーンが多く、本作の魅力のひとつです。

『ヤスミーン』の魅力をネタバレ解説!強くて恐ろしい肉食動物!

『ヤスミーン』の魅力をネタバレ解説!強くて恐ろしい肉食動物!
出典:『ヤスミーン』1巻

本作は野生の厳しさを前面に押し出した作品。弱肉強食という現実を前にすると、たった1匹の草食動物の決意が「ちっぽけなもの」だと思い知らされます。

最大の障壁となるのは、雌ライオンよりも強い「雄ライオン」の存在。屈強な体躯と、逞しい(たくましい)たてがみ。百獣の王の名に相応しい(ふさわしい)威厳があり、神々しさすら感じられるほどです。

雄ライオンの前足のひと振り、牙のひと噛みで、哀れな獲物はあっさり絶命し、その恐ろしさがブエナの怒りと勇気すら萎縮させてしまいます。

しかし、ライオンの理不尽な暴力を越える者がいました。それが「白い悪魔」と恐れられる、白いチーターです

チーターは、多くの動物が二足歩行に進化するなか、あえて四足歩行のままで、野生の強みを残して生きてきたサバンナの狩人。最大速度や瞬発力、力強さは雄ライオンを上回ります。

白い悪魔は、ライオンに一族を食い尽くされたチーター族の生き残りでした。たった1匹だけ生き残った彼女は復讐を誓い、「王族だけを食う」と決意して、孤独な戦いに挑んでいます。

その挑戦は絶望的なものでしたが、戦いぶりを見たブエナに、再び勇気と目標を与えてくれるのです。

『ヤスミーン』の魅力をネタバレ解説!団結して戦うための仲間探し

『ヤスミーン』の魅力をネタバレ解説!団結して戦うための仲間探し
出典:『ヤスミーン』1巻

ブエナの目標は、白い悪魔とともに戦ってくれる仲間を見つけること。「一緒に戦う」ではなく、「一緒に戦ってくれる仲間を探す」というのがポイントです。

はっきり言ってしまうと、ブエナだけではあまり役に立ちません。足を引っ張るか、あっさり死ぬだけでしょう。ブエナは、ライオンと白い悪魔の戦いを間近で見て、そのことを痛感します。

現実の草食動物も、単独では肉食動物に敵いませんが、数で上回れば追い返せることを、本能で知っているのです。そうした事情を踏まえると、ブエナの仲間探しが現実的だとわかります。

また、ライオンはサバンナで最強ですが、それに抵抗する動物もわずかながら存在します。ブエナがそういった勢力と接触し、少しずつ信頼されていくのは、王道ながらも熱い展開。

鍵となるのは、白い悪魔も身を寄せるという、「スクトゥの森」に住むチンパンジー族です。

そこに、ブエナが救ったシマウマ族の戦士や、白い悪魔を狙うライオン、その配下になったボノボ(チンパンジーの近縁種)などもからむことで、怒涛のラストに向けて物語が加速していきます。

『ヤスミーン』最終回の見所をネタバレ紹介!これからの世界の広がりを感じる結末!

チンパンジー族によって、密かに匿われていた白い悪魔の幼子・キト。チーター族の未来のために、ライオンの魔の手から、なんとしても守り抜かなければなりません。

ところが、ボノボ族のリーダー・トゥリブの報告で、ライオンの国で3番目の実力者・マルシアスに情報が漏れてしまいます。ブエナ、シマウマ族の戦士・バッジオ、チンパンジーの族長・マッドは、死に物狂いで、マルシアスたちを止めようとしますが……。

著者
畑 優以
出版日
2016-03-18

最終話に向けた怒濤の展開には、ただただ圧倒されます。

トゥリブの行動は、ブエナたちをピンチに陥れますが、彼も好き好んで裏切ったわけではなく、その理由も見所のひとつ。種族ごとにライオンへの姿勢(服従・懐柔・反抗・退避など)が違い、多種多様に描かれるのが本作の面白さでもあります。
 

ラストでは、広いサバンナに散らばった、仲間になりそうな「象」や「サイ」など、多くの動物の存在が示唆されます。残念なことに3巻で終わってしまいましたが、世界観にはまだまだ広がる余地があるので、応援の声が多くなれば、いずれ復活するかもしれません。

『ヤスミーン』は非常にパワフルで、それこそ野生動物のような躍動感に溢れた作品です。ぜひ実際に読んでみて、野生の力強さに触れてみてください!