『ふらいんぐうぃっち』可愛すぎ!人気の理由をまとめてみた

更新:2021.11.25

ファンタジー漫画なのに、ありえないほどゆるくて、日常的?そんな不思議な感覚の漫画が、『ふらいんぐうぃっち』。 主人公は木幡真琴15歳で、まだ魔法を十分に使いこなせない魔女見習いです。魔女の世界しきたりにならい、修行のために親戚の家がある青森県弘前市へとやってきました。 この記事では、不思議で癒されるる本作のあらすじ、魅力をご紹介します。

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『ふらいんぐうぃっち』が可愛い!癒されたいときにおすすめ!【あらすじ】

木幡真琴は魔女の世界のしきたりに習い、高校入学に合わせて親元を離れ、青森県弘前市にある親戚の倉本家で居候することに。使い魔である黒猫のチトと一緒に、魔女として一人前になるための修行します。今はまだ空を飛ぶことくらいしかできません。

そんな非日常のファンタジー要素が入った日常漫画が、『ふらいんぐうぃっち』。まったりした暮らしの様子や、何を話しているか分からない津軽弁など、ほのぼのとした田舎の空気のなかに、魔法のエッセンスやファンタジックな世界が入り交じった作品です。

著者
石塚 千尋
出版日
2013-12-09

また、ファンの間では飯テロ漫画としても話題で、地元の食材を使った料理の数々は、思わずお腹が空いてしまいます。

さらに漫画に登場する場所や家、喫茶店などが実際に弘前にあるスポットをベースにしており、ファンの間では聖地巡礼がされることもあります。

ほっこり癒される!ゆる~い魅力

魔女の成長物語というと、特殊能力の持ち主たちのバトルや、魔法使いであることを他人に知られてはいけないなど、ハラハラ、ドキドキの設定や展開がイメージされるのではないでしょうか。

しかし本作の魅力は、とにかくゆる~いところ。都会からやってきた少女が田舎暮らしを満喫するといった雰囲気です。(ただし、魔法は使える少女というところが変わっていますが)

著者
石塚 千尋
出版日
2014-06-09

弘前の観光スポットや実際のお祭りなどのイベントが登場し、特に大きなハプニングはなく、普通に日常が送られていきます。イベントがないときは、野菜を作ることに目覚めたり、親戚のお父さんの津軽弁が理解できずに?マークの顔をしたりと、さらに地味~に。

しかしそれがつまらないのではなく、読者も一緒になって癒されてしまうのです。

おいしそうな地元の食べ物や実際にある聖地巡礼など、青森のガイドマップ的な存在でもある本作。ファンタジーなのにリアルでゆる~い魅力があります。

登場人物が可愛い!

本作はとにかく登場人物がかわいらしいところも見所。作者・石塚千尋が描くキャラクターは、萌え系というよりは、キレイ系の美少女が多くのが特徴。しかも彼女たちだけでなく、使い魔である猫やハムスターもほんわか癒されるキュートさがあります。

作品のストーリーのベースをご理解いただけるよう、ここで何人か素敵な登場人物をご紹介します。

木幡真琴はこの物語の主人公で、魔女になるための修行中です。魔女といっても、マイペースでおっとりした性格なうえ、極度の方向音痴ですぐに道に迷ってしまうおっちょこちょいです。

チトは彼女の使い魔の猫で、賢くて冷静、さらにイタズラ好き。17年間生きているので真琴よりも年上で、真琴にとっては魔法の先輩です。

著者
石塚 千尋
出版日
2015-04-09

真琴の居候先・倉本家の長男が、倉本圭。真琴とは同い年で高校のクラスメイトにもなります。男の子ながら怖い話が苦手な臆病者で、家事全般が得意で料理が趣味という料理男子です。

圭の妹である千夏は、好奇心旺盛で活発な小学生で、真琴とは又いとこにあたります。食べることが大好きですが、苦いものは大人の味なので苦手。真琴が魔女であることを知り、自分も魔女になりたいとせがむ姿が可愛い小学生です。

真琴の姉・木幡茜は、自由奔放で、魔術の天才と呼ばれています。世界を放浪する旅に出ていて、1ヵ所にとどまることがありません。お酒が大好きで、だらしない姿を見せてしまうことも。

そんな茜の友人・犬養は、とある事情から昼間は犬の姿で暮らしています。人に姿を見せないようにローブで体を包んで、占い師として生計を立てています。世界を放浪している茜を探しているところです。

真琴の学校のクラスメイトたちもご紹介しましょう。石渡なおは圭の幼なじみで、真琴のクラスメイト。おしゃれが大好きな彼女は、実家の酒屋の手伝いをしながら洋服を買うためのおこづかいを貯めています。

鹿角小夜は真琴の1学年先輩で高校2年生。魔女としての経歴も上であり、真琴にもっと魔女として自覚を持つよう指導してくれます。

椎名杏子は考古学が趣味の中学生で古い建造物が大好き。作中にしばしば登場する、実在の喫茶店をモデルにした、「喫茶コンクルシオ」でマスターを務める母親の手伝いをしています。実はこの母親も魔女で、杏子も魔女見習いです。しかもここの喫茶コンクルシオで働く店員のひなは、なぜか幽霊。日常に非日常が入り交じった本作ならではのお店です。

このほかにもまだまだ紹介しきれていない、魅力的な登場人物はたくさん。ぜひ作品でご確認ください。

ちょいちょい出てくる設定がファンタジー!

 

魔法使いの漫画というよりは、日常漫画にちょっと不思議な要素が入ったという方がしっくりくる本作。ちょこちょこ出てくる設定がファンタジックで、子どもの頃に読んだおとぎ話を連想させます。

 

著者
石塚 千尋
出版日
2016-03-09

 

たとえば、倉本家に訪れた「春の運び屋」。青森の凍えるような冬を見送り、春をもたらす役割です。さらに青森の夏祭りの前夜祭・宵宮に出かけた真琴が再会したのは、なんと寝坊がちという夏の運び屋さん。

春や夏など季節の訪れは、運び屋さんたちがコントロールしているんですね。実は本作では夜も同じで、夜の帳という妖精が夜を連れてきます。ちなみに、この妖精は夜が来るまで暇なので、よくコンクルシオにやってきます。

またある時は、倉本家の近くの空に、空飛ぶクジラがやってくるというエピソードもあります。真琴と千夏を連れて見つけ出した茜は、クジラに乗ってみようと提案し、ちょっとした出来事が起こるのですが……。

小さな子どもたちがワクワクと目を輝かせそうな、こんなファンタジックな世界が顔をのぞかせる本作。しかし当たり前のようにその設定が日常に入れ込まれるので、ファンタジーなのにどこか所帯じみていて身近で、不思議な感覚に陥りいます。

実在の土地に行ってみたい!聖地巡礼してみたくなるリアルな魅力

弘前市では観光協会が本作とタッグを組み、漫画自体とそれにまつわる土地をアピールしています。2016年にはアニメ化がされ、地元ではますます盛り上がりを見せました。

漫画に出てくる実際のスポットを紹介したマップも作成され、多くのファンがマップと漫画本を手に聖地巡礼を楽しんでいます。

著者
石塚 千尋
出版日
2016-11-09

たとえば、弘前駅は真琴が最初に降り立った場所。ここから下湯口行きのバスに乗って倉本家へと向かったのが物語の始まりでした。

下湯口バス停は倉本家の最寄りのバス停。真琴が訪れたときはまだ雪が積もっていました。ファンたちはこのバス停を降り立ち、漫画本片手に真琴が歩いたルートを通って倉本家のモデルではないかと思わしき家をまわるのです。

また、真琴たちが通う高校のモデルとなった、弘前学院聖愛中学高等学校や、登場人物たちがしばしばイベントで訪れる弘前公園……。弘前城では、お城を前に下乗橋からの記念撮影をした真琴たちご一行にならって、ファンも同じ背景で写真を撮ります。

他にも、春の運び屋さんが舞い降りた岩木山神社や、真琴がホウキを買ったお店のあるイオンタウン弘前樋の口もあります。

ちなみに青森とは異なりますが、横浜にある山下公園も聖地のひとつで、真琴の夢に登場します。青森から横浜までなぜか泳いできたという、なおとばったり会うシーンが公園でのことでした。

ファンタジーだけでなく、夢の世界も、リアルな場所を舞台にして描かれる本作。日常と非日常、現実と漫画の世界など境界をゆる~く、あいまいにする魅力が増す要素です。

方言が面白い!勉強になる!

本作では、ところどころ津軽弁が出てきますが、なかでも倉本家のお父さんのセリフは一般的には分からず、だからこそ面白いと評判。たとえば、真琴が魔女修行の一環として野菜を育ててみたいとお父さんに相談したときのフレーズが……。

著者
石塚 千尋
出版日
2017-09-08

「えのうらさあるはだげっとばつかえばい 
くさおがってまってらはんで 
なんぼがとろけねばまいけど 
あそごだばいびょん」 
(『ふらいんぐうぃっち』1巻より引用)

意味は、わかりましたか?「家の後ろにある畑を使ったらいいよ。草が生えているから少し片付けなければならないけれど、あそこだったら、いいんじゃないか。」ということです。

さらにこんな言葉も続けられます。

「じぎもわんずかばしあるはんでそれまげばい」 
(『ふらいんぐうぃっち』1巻より引用)

何となくニュアンスが分かるかもしれませんが、これもまた、異世界に迷い込んだかのような不思議さを加速させます。これはファンタジー要素ではなく、実際に現実で使われている言葉というのがまた面白いですよね。

食べ物がおいしそう!料理シーンも!

ファンの間では飯テロ漫画とも呼ばれる本作の魅力を少しご紹介しましょう。

ある時、春の運び屋が挨拶にきた後、圭は道端に「ばっけ」を見つけます。ふきのとうのことで、初めて見たという真琴のために摘んで帰り、天ぷらにして楽しむのです。その様子は香ばしい香りや、春らしい風味などがこちらにまで伝わってくるよう。1巻でその様子を楽しめます。

またある時は、2巻掲載の、弘前公園でおこなわれた、さくらまつりでのこと。真琴は、そこで初めて真っ黒なローブに身を隠した占い師の犬養と出会います。

彼女は犬になったことがつらいのか、屋台で買ったもつ焼き片手に酒を飲みまくり、酔っぱらっていました。これを参考に、「もつ焼きオフ会」と称して飲み会を開いているファンも多いようです。

著者
石塚 千尋
出版日
2019-08-09

また、3巻の空飛ぶクジラのエピソードでは、杏子を自宅へ招き、朝ごはんとしてホットケーキをふるまうシーンもありました。ふわふわで自家製ならではの厚みのホットケーキは、幸せな1日の始まりを感じさせます。

そのほか、畑で育てる野菜を漬物にするシーンなど、実際に作りたくなってしまうものも多数。

ちなみに聖地巡礼でも食べ歩きができますが、真琴たちが立ち寄った「ぬいどう食堂」のうに丼には、ご注意を。実在するお店ではあるものの、季節やウニがとれない日には食べられないこともあります。単行本8巻掲載です。

おすすめは、5巻表紙でも描かれた、なおの実家のモデルとなった石場家住宅の吟醸生チョコ。お土産として販売されているので、容易に手に入れることができる、美味しいスイーツです。

作品を見返しながら、聖地で、もしくは同じ料理を家で食べるのも本作の楽しみ方のひとつでしょう。


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