5分でわかる温室効果ガス!種類の内訳、影響と対策などをわかりやすく解説!

更新:2019.10.4

地球の環境について、真剣に考えたことはあるでしょうか。特に温暖化はさまざまな環境破壊につながる深刻な問題です。この記事では、温暖化を引き起こす「温室効果ガス」について、種類や原因、影響、対策などをわかりやすく解説していきます。あわせておすすめの関連本も紹介するので、チェックしてみてください。

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温室効果ガスとは。種類の内訳など概要を解説

 

地球の表面を覆っている大気は、太陽から出される放射エネルギーを取り込む一方で、地球が溜め込んだ熱に応じた赤外線を、宇宙空間に放出しています。こうすることで地球の温度が保たれているのですが、二酸化炭素やメタン、フロンなどは赤外線を吸収する性質があるため、これらが大気中で増加すると排熱量が減少し、地球の温度が高くなってしまうのです。

これを「温室効果」といい、温室効果をもたらす気体は「温室効果ガス」と呼ばれます。近年では、大気中の温室効果ガスの濃度が高くなり、さまざまな環境問題に影響をおよぼしていると指摘されています。干ばつや洪水などの自然災害だけでなく、農作物の被害や、生物の絶滅も懸念されているのです。

また温室効果ガスが増えて地球の気温が高くなる「地球温暖化」が進行すると、北極や南極の氷が溶けて海面が上昇。海抜の低い島が水没する可能性もあります。

これらの問題に対処するため、世界各国では温室効果ガスの削減に向けて、各種の取り組みを進めているところです。

人間の活動によって排出される温室効果ガスの種類の内訳は、

  • 化学燃料由来の二酸化炭素:65.2%
  • 森林の減少など土地由来の二酸化炭素:10.8%
  • メタン:15.8%
  • 一酸化炭素:6.2%
  • フロン類など:2.0%

となっています。

温室効果ガスの原因は?

 

では、なぜ温室効果ガスは地球の環境に影響をおよぼすほど増えてしまったのでしょうか。

主な原因は、18世紀の後半にイギリスから世界各地に波及した「産業革命」だといわれています。機械の内部に設置され、燃料を燃やして発生したガスを原動にする内燃機関が普及。この際に、燃やすと二酸化炭素を排出する化石燃料が用いられたため、大気中の二酸化炭素量が増えました。

また意外なところでは、家畜が増えたことも温室効果ガスの増加に影響を与えているといわれています。牛や羊は、飼料を消化する過程で体内にメタンガスが発生するため、げっぷやおならとして排出しています。牛の場合、1頭で1日に150~300リットルほどのメタンガスを排出するそうです。

さらに、水田もメタンガスを発生させる原因になっています。水を張ると、土の中の酸素が少なくなり、メタンが作成されるのです。

家畜を飼わないことや、水田を作らないことなどは難しいですが、メタンガスは二酸化炭素よりも温室効果が高いため、排出量を削減することは重要な課題。いずれも人間によって増え、管理されているものなので、対策を練る必要があるでしょう。

温室効果ガスの影響は?地球温暖化で何が起こる?

 

温室効果がないと地球上の熱が放出されすぎてしまうため、一定量の温室効果ガスは必要です。しかし量が増えすぎてしまうとバランスが崩れ、さまざまな問題が生じてしまいます。

地球温暖化対策に取り組むために、国際的な専門家でつくる政府間機構「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)」は、地球温暖化が進んだ際のリスクとして次の8つの要素を提示しています。

  • 高潮、沿岸域の氾濫、海面上昇による健康障害や生計崩壊
  • 内陸洪水による大都市部の健康障害や生計崩壊
  • 極端な気象現象によるインフラ機能の停止
  • 熱波による死亡や疾病
  • 気温上昇や干ばつによる食料不足、食料システムの崩壊
  • 水資源不足と、それにともなう農業生産性の減少
  • 沿岸部の人々を支える生態系、生物多様性の損失
  • 陸域の生態系、生物多様性の損失

日本でも、台風やゲリラ豪雨による大規模な水害、土砂災害などが頻発しています。また猛暑による熱中症で亡くなる人も。これらの問題は、温室効果ガスによって地球温暖化が進むことでさらに深刻化するといわれていて、地球規模で対策を講じる必要があるのです。

温室効果ガスへの対策を紹介!日本の排出量削減目標は?

 

温室効果ガスを削減する取り組みの一環として、1992年に「地球サミット(国連環境開発会議)」が開かれました。「気候変動枠組条約」や「生物多様性条約」が提起され、調印されています。

1997年には、気候変動枠組条約締結国による「地球温暖化防止京都会議」が開かれ、先進国に温室効果ガスの排出削減を義務付ける「京都議定書」が採択されました。さらに2015年には「パリ協定」が採択され、途上国を含む197の国や地域が、温室効果ガスの削減目標を立てて取り組むことが決まっています。

しかし目標の「達成」は義務ではないため、工業発展を優先したい途上国では取り組みが後回しになってしまうことも。また先進国ではアメリカが「パリ協定」に反発し、2017年に離脱を表明。国際社会の足並みは揃わず、課題が残っています。

「京都議定書」では、先進国は1990年の温室効果ガス排出量を基準に、そこから先進国全体で排出量を少なくとも5%削減することが目標とされ、日本には6%の削減が課せられました。

「パリ協定」では、2013年の温室効果ガス排出量を基準にして、2030年の温室効果ガス排出量を26%削減することが目標とされています。日本では目標を達成するために、エコの推進や植林事業などが推進されています。

地球温暖化を学ぶ入門書としておすすめ

著者
小西 雅子
出版日
2016-07-21

 

作者の小西雅子は、環境保全団体「WWFジャパン」の専門スタッフとして地球温暖化問題に取り組んできた専門家。本書は、気候変動の科学的な仕組みや、日本のエネルギー政策の課題などを中高生にもわかるようにまとめたものです。

温室効果ガスや地球温暖化のメカニズムだけでなく、各国の動向にも言及しているので、全体像を把握しやすいのが特徴。パリ協定が作成された過程を知ると、いまの対策が今後の地球の在り方を大きく左右する分岐点だと実感するでしょう。

地球史規模で気候を考える。温室効果ガスの影響は?

著者
中川 毅
出版日
2017-02-15

 

温室効果ガスの増加による地球温暖化の進展が叫ばれる一方で、人類の活動が与える影響は、地球規模で考えると大したものでないと主張する人もいます。

本書は、地球温暖化については中立に近い立場をとりつつ、10万年単位で地球の気候変動を振り返り、歴史を踏まえた今後の展望を解説している作品です。現代からおよそ1万1600年前に、数年で地球の気温が7度も上がったことがあるなど、興味深いデータを見ることができます。

論理的に歴史を理解したうえで、これから地球に何が起こるのかを考えられる一冊です。

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