「ワンピース」90巻で初登場したイムですが、年齢や身長・性別など基本的な情報すらも一切明かされておらず、その正体は未だ謎に包まれています。 しかし、その限られた登場シーンから考察を深めることは可能です。 この記事では、謎多き人物・イムについて考察していきます。これまで明らかになっている情報や複数の伏線を紐解き、イムの素性やマリージョア地下に保管されていた巨大な麦わら帽子、さらにはシャンクスの正体についても考えていきます。
「ワンピース」90巻で初登場したイムですが、そこで描かれたのは後ろ姿や黒い影だけでした。年齢や身長・性別など基本的な情報すらも一切明かされておらず、その正体は謎に包まれています。
しかし、その限られた登場シーンから考察を深めることは可能です。
たとえばシルエットのサイズ感やパンゲア城内の「花の間」にて蝶々のようなものと戯れていたことから考察するに、正体が子供なのではないかともいわれています。
さらにイムは世界の頂点に君臨する絶対的な人物であり、五老星の上に立つ人物だということも明らかになっています。
イムは、誰もそこに座らないことで世界の平和を象徴する、パンゲア城内の「虚の玉座」に堂々と座ったのです。さらに、そこに座ったイムに対し五老星が跪き、仕えているかのような描写がなされたのです。
これからますます重要になってくるであろう、イム。このあとは彼の秘密やその存在の重要性について、さらに考察していきましょう。また、イムについてはひとまず「彼」と呼ばせていただきます。
- 著者
- 尾田 栄一郎
- 出版日
- 2018-09-04
第906話では、イムが地下の冷凍庫のような場所に行く描写があります。そこには巨大な麦わら帽子が保管されていました。
この麦わら帽子について今なされている考察で有力なものは、マリージョアに眠っているという「国宝」だというものではないでしょうか。
第761話にてドフラミンゴは、(政府を動かせる理由として)「おれが聖地マリージョア内部にある重大な「国宝」の事を知っているからだ」と発言しています。その言葉から、マリージョアには重大な国宝が眠っていて、彼はその正体を知っている人物だということが明らかになりました。
さらに906話で巨大な麦わら帽子が登場するシーンの前に、インペルダウンに捕まっているドフラミンゴが「マリージョアの秘密の「宝」のこと」について牢屋内で語るシーンが描写されています。
これらのドフラミンゴの言動や地下で厳重に保管されていることから、巨大な麦わら帽子の正体はマリージョアに眠る国宝なのではないでしょうか。
ワンピースの世界において、麦わら帽子はキーアイテムです。過去にはロジャーが身につけており、現在はシャンクスから預かっている物をルフィが被っています。
ひょっとすると地下にあった巨大な麦わら帽子は、世界政府の脅威となる人物を象徴する物なのかもしれません。
- 著者
- 尾田 栄一郎
- 出版日
- 2014-12-27
イムがパンゲア城内の花の間で登場した際、その周りにはルフィと黒ひげの手配所が切り刻まれており、リュウグウ王国の王女しらほしの写真にはナイフが突き立てられていました。さらに虚の玉座に登壇する前にはビビの写真を眺める描写も。
五老星が第908話にて「ここらで一度大きく掃除する必要がある」と発言し、「歴史より消すべき灯がまた、お決まりでしょうか?」とイムに問うていることから、彼は次に処刑する人物を選んでいたのではないでしょうか。
実はイムとともに手配書や写真が登場したキャラにはあるポイントがあります。
ルフィと黒ひげは、名前に「D」が入っている「Dの一族」という共通点があります。
そして66巻にて、しらほしの正体は古代兵器ポセイドンだと判明しました。さらにビビが王女であるアラバスタ王国には古代兵器プルトンの在り処が記されているポーネグリフがあります。
このことから推測されることとして、イムの処刑には、Dの一族と古代兵器が大きく関係しいているのではないでしょうか。
そしてビビの写真を眺めていたのは、次に消されるのは彼女だという伏線かもしれません。
- 著者
- 尾田 栄一郎
- 出版日
イムに「歴史より消すべき灯」を決める権限があり、花の間ではその対象を選んでいたとするならば、過去にはどんなものがイムの命令により消されてきたのでしょうか。
「オハラ」は、そのイムの命令により消されたものの一つかもしれません。オハラはロビンの故郷であり、世界政府により禁止されていた「空白の100年」という時期やポーネグリフの研究をしていた国家。政府のバスターコールにより跡形もなく島ごと消し去られました。
これはイムが、空白の100年についての真実が世間に明らかになることを懸念し、オハラの人々を島ごと吹き飛ばし処刑する命令を下したのではないでしょうか。
次に考えられるのはゴールド・ロジャーの死です。彼は24年前にローグタウンにて公開処刑され死亡しました。世界の全てを知りDの一族であるロジャーを殺すということを成し遂げられるというのは、イムの命令だったからであれば納得できます。
またゲッコー・モリアもその一人かもしれません。彼は、頂上戦争の中でドフラミンゴに暗殺されそうになった人物。
その際、「誰からの命令だ、センゴクか?」というモリアの問いに、ドフラミンゴは「もっと上だ」と答えています。 この「もっと上」がイムからの命令ということだったのかもしれません。
- 著者
- 尾田 栄一郎
- 出版日
- 2010-08-04
イムが登場した際、体や顔のほとんどは黒く描かれており、その詳細は一切明かされませんでした。しかし、唯一目だけはその形状が分かるように描かれていました。その目は特徴的で、二つの円の中に黒い丸というデザインでした。
ワンピースの作中にはこれと似た目を持つ人物がいます。それが王下七武海の一員であるジュラキュール・ミホークです。彼も同様の造形をしており、「鷹の目」という異名を持つことからも目が特徴的だといえるキャラクターです。
わざわざイムの目だけを描写したのは、同じ目を持つイムとミホークに何か関係性があることを暗示するためだったのではないでしょうか。
また、イム=ミホークという訳でなく、2人は親子だという可能性もあります。もし2人が親子であったとすると、イムはミホークを守るために政府公認の制度である王下七武海や、世界政府を設立したのではないでしょうか。
82巻で登場した「ズニーシャ」もまたイムと同じような特徴的な目を持っています。 ズニーシャは1000年以上もの間歩き続けている巨大な象です。その背中にはモコモ公国という街がありミンク族が1000年近く前からその背中の上で暮らしてきました。
ズニーシャは大昔に何かしらの罪を犯し、1000年以上の間歩くことしか許されていません。もしかするとそれもイムに関わっているかもしれません。ズニーシャは昔、イム属する王家に飼われていて、そこで何か裏切りを犯したのではないでしょうか。
今のイムの地位を考えると、その王家は相当な権力を持っていたことが伺えます。そんな一家を裏切ることは大罪であり、1000年もの間歩くことしか許されないことにも納得がいきます。
ルフィやロジャー、おでん様にはズニーシャの声が聞こえ、モモの助というキャラにいたっては命令を下すことも出来ました。もしかするとズニーシャが犯した罪というのは、イムの属する王族から、Dの一族や光月家などのそれに反する側に寝返ったということかもしれません。
- 著者
- 尾田 栄一郎
- 出版日
- 2016-07-04
オペオペの実は、現在はトラファルガー・ローが所有する悪魔の実で、その秘められた能力の一つに「不老不死手術」があります。ドフラミンゴによると「才気ある者が命を失う代わりに対象に永遠の命を与える手術が出来る」といいます。
なぜそのような考察が出てくるのかというと、五老星がこの不老手術を高い確率で受けていると思われるからです。
というのも、ワンピースの世界では過去と現在で年月の差がわかるように、キャラクターの見た目も変化させて描かれています。1巻と61巻の表紙を見比べてもらうと一番わかりやすいかもしれません。
しかし一方で、五老星はというと、25巻の第233話で初めて登場した時の姿と90巻での姿がまったく一緒です。これは彼らが歳を取っていないということ。つまり過去に不老手術を受けているかもしれないのです。
五老星が不老手術を受けているなら、彼らより上の地位にいるイムも不老手術を受けていてなんら不思議ではありませんし、子供の姿であることも合点がいきます。
そして不老不死であるイムが、空白の100年の時代からずっと世界政府の最高位に就いていることで世界の平和と秩序は保たれてきたのではないでしょうか。
- 著者
- 尾田 栄一郎
- 出版日
- 2002-09-04
イムが花の間で蝶々のようなものと戯れている描写がありましたが、これは彼がバタフライエフェクトを起こすことが出来るということを暗示していたのかもしれません。
バタフライエフェクトとは、簡単に言うと「一匹の蝶の羽ばたきが嵐を巻き起こすように、僅かな変化が後に大きな変化をもたらす」「些細なことが原因となり大事件を引き起こす」というような意味です。
もし暗示なのだとすれば、イムが花の間で戯れていた蝶のようなものは、大きな変化・大事件をもたらす因子であり、その影響が手配所で床に散らばっていたしらほしやルフィ・黒ひげに降りかかるという構図になります。
イムは些細なことを大きな出来事にすることができる能力の持ち主で、黒い蝶々のような物体を発生させ、それを使い世界に大きな変化を引き起こしているのかもしれません。
この能力によって彼は、パンゲア城内にいても世界情勢を把握することができ、そこから自分が思うように世界を操れているのではないでしょうか。
このほかにおこなわれている考察として、イムは「ウミウミの実」の能力者なのかもしれないというものもあります。イムは、英語表記では「IMU」書くことが出来て、これを逆にすると「UMI」(海)と読むことが出来るという理由からです。
もしウミウミの実の能力が海を作ることだとしたら、海と関係する海賊を主題にしているワンピースの物語の根幹に関わる能力です。
イムがいなければ「海」は存在しておらず、海が無ければ海賊も存在し得ません。もしくは、彼を倒すことで「海」がこの世から無くなり、全ての大陸が繋がり一つになるという考え方も出来ます。
さらに海は「生命の起源」と呼ばれているように、その海を作り出すことが出来るということであれば、すべての生命の起源である創造主ともいえる存在なのかもしれません。
「イム」という名前は、その文字の形から「仏」が由来なのではないかともいわれています。単純に崇められる存在としての「仏」という意味かもしれませんが、「フランス」という意味もあるかもしれません。
フランスのルイ16世はフランス革命において処刑されたフランス最後の絶対君主です。さらに「16」という数字が「イム」と読むことが出来ることからも、ルイ16世をモデルとしているのかもしれません。
さらに作者・尾田栄一郎は、漫画内のSBSにてルフィの誕生日は5月5日と言っています。この5月5日はフランス革命が起きた日付です。
ここまでくると偶然ではなく意図的なのではないかと思ってしまいますよね、ルフィが絶対君主であるイムを倒し世界に革命を起こすという伏線なのではないでしょうか。
また、旧約聖書に記されている「アダムとイブ」の名前を合わせて「イム」ということも考えられます。しかしアダムとイブは「宝樹アダム」と「陽樹イブ」としてすでに使われていることから可能性としては低いかもしれません。
90巻の第907ではシャンクスが五老星と繋がっていたことが明らかになりました。「君だから時間をとった」と五老星が言っていることから、特別扱いされていることがわかります。
また花の間でイムが登場した際に地面に刺さっていた剣の造形が、シャンクスが持つグリフォンに似ていました。そこからイムとシャンクスの間には何か特別な関係があるというのも考えられます。
マリージョアの地下には巨大な麦わら帽子が保管されてました。ルフィに麦わら帽子を預けたのはシャンクスであることからも、彼は政府、もしくはイムとなんらかの繋がりがあるように思われます。
そこから、シャンクスがイムに仕える世界政府側のスパイだということも考えられます。そして今後世界に影響を及ぼすであろう人物に目印として麦わら帽子を預けたのかもしれません。
そしてその麦わら帽子をいつか自分に返しに来るように伝え、最後は自分の手で葬るという役割を担っているのではないでしょうか。
シャンクスはルフィの命の恩人であり、間違いなく物語の動向に大きく関係するキーパーソンです。しかし今まで物語でその素性はほとんど描かれてきませんでした。
もしかするとシャンクスはルフィの恩人であると同時に、最後に立ちはだかる最大の敵なのかもしれません。
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- 著者
- 尾田 栄一郎
- 出版日
- 2018-09-04
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いかがでしたか?謎が多いからこそ考察しがいのある人物。少しの情報も見逃さないでおきたいキャラです!
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