大企業同士が巨額の利益をかけて、雇った闘技者を戦わせることから始まる「拳願トーナメント」。様々な競技の実力者が揃い、最後までどちらが勝つかわからない試合をくり広げ、人気を博しました。 手に汗握る熱い展開に、一度みたらその面白さに惹きこまれること間違いなし。この記事では『ケンガンアシュラ』で描かれる全31試合の中から、絶対にハマってしまう5試合を挙げ、本作の魅力を紹介します。
本作はテンポよく試合が進んでいくため、27巻で31試合が行われます。ご都合展開などもなく、作り込まれたキャラと技、そしてページをめくりたくなる試合の行方に、読む手が止まらなくなってしまうのです。
格闘漫画好きなら、絶対に見逃せない『ケンガンアシュラ』。本作の試合を紹介する前に、まずはあらすじから説明します。
主人公の十鬼蛇王馬(ときたおうま)は、謎の武術に長けた青年です。自分より体格のよい相手でも一瞬にして倒してしまうほどの圧倒的な実力と、自分が最強だと信じて疑わぬ自信があります。
そんな彼は己が最強であることを証明するために、実力自慢が集う拳願トーナメントに挑むことになります。
拳願トーナメントの参加者は、格闘技界の名だたる選手から、裏社会の暗殺者まで様々。鍛え上げた得意技を使って、闘技者たちはぶつかり合います。
異なるジャンルの格闘技の使い手たちが対戦するのですから、戦いは一筋縄ではいきません。
相手の動きや技の特徴を理解し、その場で戦略を変えていく必要があります。読者の予想を覆す展開が連続し、ページをめくる手が止まらなくなるでしょう!
そんな『ケンガンアシュラ』の拳願トーナメントの中から、作品の魅力が詰まった絶対に読むべき5試合をご紹介します。
対戦の中で重要となる3つの項目を、グラフで示してみました。ぜひ参考にしてみてください。
まずは『ケンガンアシュラ』作品の全体ストーリや魅力を知りたい方は下記の記事をどうぞ。
『ケンガンアシュラ』は格闘漫画好き必見の名作!スマホで無料で読める|ネタバレ注意
今も昔も根強い人気を誇る格闘漫画。『ケンガンアシュラ』もその1つです。『あしたのジョー』や『空手バカ一代』のように1つの競技に絞った作品から、『グラップラー刃牙』のように様々なジャンルの格闘技が登場する作品まで、その種類は豊富です。 そのなかでも『ケンガンアシュラ』は、格闘漫画が好きな人はもちろん、格闘技にあまり詳しくない人にもおすすめできる漫画。異なるジャンルのキャラクターがさまざまな格闘技で闘います。パワーインフレなども起きず、誰が勝つか分からないドキドキハラハラ感が楽しめる格闘漫画です。この記事では、本作の魅力をたっぷり解説していきます!
2019年12月現在、『ケンガンアシュラ』は完結し、続編である『ケンガンオメガ』が連載中です。Netflixでは『ケンガンアシュラ』のアニメが2期まで制作されました。それだけにとどまらず、2020年1月にはテレビでの放送が決定するなど、まだまだ勢いは止まりません!
最初に紹介する試合は、寝技を武器にする今井コスモと、鍛えた抜かれた肉体を持つアダム・ダットリーの戦いです。本作の魅力が詰まった試合ともいえるでしょう。
171㎝68 kgと小柄なコスモに対し、アダムは192㎝107kgの大男。体格の差は歴然。体格だけをみると、コスモに勝機はなさそうですが、どのように戦いを進めるのでしょうか?
コスモが得意とする寝技は、相手の動きを封じることに特化しています。そして動けなくなった相手を締めて失神させるのが、コスモの常用手段。それゆえ「絞殺王」と呼ばれています。
開始直後はアダムのペースで試合が進みます。しかしコスモはアダムの隙をつき、寝技で動きを封じることに成功!このままコスモの勝利と思われましたが……。
なんと、アダムはその寝技を凌駕する能力を持っていました。通常、どんなに力があっても、寝技から抜け出すことは困難なはず。
しかしアダムは、鍛え上げられた体幹により、どんな体勢からでも強烈なパンチを繰り出すことができるのです!そして試合は振り出しに戻ります。
俊敏な動きで相手の攻撃を躱し、動きを封じることで勝利を掴むコスモと、どんな体勢からでも強烈なパワーで相手をねじ伏せるアダム。
タイプが正反対の2人の試合は、どちらが勝利するのか最後まで分かりません!止まらぬ攻防に両者譲らない展開!ドキドキの展開に、熱中してしまうこと間違いなしです。
2番目に紹介するのは、プロレスラー・関林ジュン(せきばやし じゅん)と、力士・鬼王山尊(きおうざん たける)の一戦です。両者ともに190㎝、140kgを超える巨体同士の試合は、まさに小細工なしの肉弾戦!
本試合は、闘技者としてのプライドを賭けた戦いが描かれています。
闘技者の競技に込める想いが丁寧に描かれており、読者も心を揺さぶられるでしょう。
プロレスラーは全ての攻撃を受けきる義務があると考える関林は、ノーガード戦法で戦います。それに対し、鬼王山は殴りや蹴りを交えたオリジナルの相撲を武器にしています。
互いのパワーはほぼ互角であるため、ここで差がつくところはありません。この試合で勝利を掴むポイントは、格闘技に対する信念でしょう。
「自分のプロレス」を貫く関林と、「新しい相撲」を追い求める鬼王山。
形は違うけれど、それぞれ理想や理念を持っています。自分の競技を深く理解し、その上で自分を鍛え上げることが勝利に近くのだと気づかせてくれる戦いです。
さあ、激しい肉弾戦を制するのはどちらでしょうか?
続いて紹介するのは、拳と脚の両刀使いのガオラン・ウォンサワットと、分析力に長けているほぼ一般人の金田末吉です。
ガオランは、ムエタイ史上最高の選手と称されていました。しかしパンチを使わないムエタイに疑問を抱き、ボクサーへと転向。すぐに世界王者の称号を手にします。
それに対し末吉は「格闘技経験があるのかも疑わしい」と疑問があがるほど。それもそのはず。ガオランと比較して、パワー、スピードなどは全てが劣っています。彼の唯一の武器は「先読み」。
相手の動きを徹底的に調査、観察し攻撃を防ぎ、隙をついて反撃するのが末吉の強み。この先読みを武器にガオランの攻撃についていきます。
相手の動きを先読みして躱し、そして急所となる目を狙って攻撃するなど、頭を使って戦います。ガオランの流れるような攻撃も、一打一打描かれ臨場感に溢れた戦いを見せるのですが……。
果たして、末吉はガオランの攻撃を読み切って、大番狂わせを起こすことができるのでしょうか
3つの試合を紹介してきました。先程の3試合は、アニメでも見ることができるんです!
そしてここから先は、アニメでは放映されていない試合を紹介していきます。トーナメントの2回戦を紹介するため、ネタバレになってしまう可能性があるため、1回戦を読み途中の方はご注意ください。
- 著者
- 出版日
- 2012-12-18
2回戦第3試合を紹介します。Netflixでは第2試合まで配信されているので、すぐ後の試合になります。
対戦カードは若槻武士vsユリウス・ラインホルト。1回戦を激闘の末に勝利した若槻とは対照的に、相手の棄権で勝利したユリウスは最高のコンディションです。
2人に共通することはどちらも怪物級のパワーを持っていること。大会に参加している闘技者のなかでも、両者の身体良力は屈指だといわれています。
「力」と「力」のぶつかり合いになるため、試合前のダメージは試合結果を左右します。ダメージを負う若槻は執念で食いつきますが、やはりユリウスの方が優勢のように見えますが……。
勝敗を分けるのは、パワーやスピードだけではありません。ここまでで何度も予想を裏切る展開を見せる『ケンガンアシュラ』です。負傷していても、若月にもチャンスはあるはず!
均衡なパワー勝負が続く熱い戦い。最後に勝利を掴むのはどちらなのでしょうか。
最後に紹介するのは、武を極めた暗殺者・黒木玄斎(くろき げんさい)と、王馬と同じ二虎流を含め、複数の武術の使い手・桐生刹那(きりゅう せつな)の戦いです。
彼らに共通するのは、腕を使った一撃必殺の技を持つこと。
黒木は手のひらを槍のように使い、相手を貫く「魔槍」。一方の桐生は腕をドライバーのように回転させ、肉体に力をねじこむ「羅刹掌」。
どちらの技も、まともに当たると命を落としてしまうことも......。そのため、両者ギリギリのところで技をかわし、反撃に転じます。
果敢に技を繰り出す桐生に対して、先読みで対応する黒木。彼らの実力差は歴然で、桐生は苦戦します。しかし桐生は試合中、信じられないスピードで己の武術を強化し、黒木を追い込み……!?
勢いのまま桐生が勝利を掴むのか、それとも、武を極めし黒木が再び圧倒するのか。激しい技の打ち合いに、どちらが勝つのか予想のできない試合です。
拳願トーナメントには、今回紹介した試合以外にも数々の名勝負が描かれます。闘技者によって異なる戦闘スタイルや、戦術がぶつかり合う名試合。
- 著者
- 出版日
- 2012-12-18
『ケンガンアシュラ』は試合ばかりが続くのではなく、ギャグ展開も随所に挟み込まれています。緊張感と試合の合間のギャップも読者を楽しませている要素の1つです。