扉絵にて再登場し、その扉絵連載が物語本編の大きな伏線となっているのではないかと考察された人物がいます。それが、空島編で登場したエネルです。今回は、そんなエネルについてまとめてみました!
まずはエネルの基本情報をまとめてみます。考察などが早く読みたい方は、上の目次から気になるところをお選びください!
エネルは、自分の事を全能なる神と呼び、唯我独尊傲岸不遜を地で行く人物です。自らの能力に絶対の自信を持っており、自分以外は全て見下している様子もありました。
また、自分に逆らう者には容赦なく、容易に殺してしまう残忍さも持っています。
白い頭巾を被り長い耳たぶが特徴的な容姿をしており、「ヤハハハ」という笑い声が特徴的です。背中には空島の住人の特徴である羽根はついておらず、代わりに雷神の太鼓を背負っていました。
この記事では、エネルの活躍や秘密について徹底的に紹介していきます!
エネルは、上空1万mに位置する空島「スカイピア」にて、唯一神として初登場しました。
スカイピアの先代神であったガン・フォールを倒し追放した後に、神の座に就いた経歴があります。
神になった後は、相手の心の声や行動を読む能力「心網(マントラ)」(見聞色の覇気)と悪魔の実「ゴロゴロの実」の能力により雷を駆使し、その圧倒的な力で人々を恐怖により支配していました。
能力により、エネルはスカイピア全土のどこで何を話しているかなどを把握する事が可能でした。そのため、彼に対しての苦言を呈せば、それはすぐに彼の耳へと入ります。そしてその直後に、神に逆らった者として「神の裁き」を受け殺されてしまうのです。
その恐怖からスカイピアの人々は、エネルを「ゴッド」として崇め、機嫌を伺いながら生活をしていました。
また、スカイピアへの不法入国者(入国料を払わず入国した者)等をサバイバルゲームに巻き込むといったゲームも開催していました。空島には本来存在しない土の大地「アッパーヤード」。そこで、不法入国者やアッパーヤードの元の住人であるシャンディア達を自分の部下と戦わせていたのです。
人の命を弄ぶような行動は、神であると自負しているからこそ出来たことなのかもしれません。
また、エネルはアッパーヤードに拠点を置いていましたが、そこでは自分の能力と強制労働により方舟「マクシム」を製造していました。
空飛ぶ巨大船マクシムを使い、エネルはスカイピア全土を消滅さるという恐ろしい計画も企てていました。
さらにスカイピア消滅後に有能な部下だけを引き連れ「限りない大地」へと移り住む事も計画に盛り込まれていました。アッパーヤードにて開催されたサバイバルゲームは、有能な部下を見出す目的もあったようです。
「空島編」は、ワンピース26巻などで読むことができます!
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- 著者
- 尾田 栄一郎
- 出版日
- 2002-12-04
上記のアッパーヤードでのサバイバルゲームには、空島を訪れたルフィ達も巻き込まれてしまいました。
不法入国したとしてアッパーヤードへと強制的に流れ着いたルフィ達は、試練と称したエネルの部下との戦闘をくり広げます。また、アッパーヤードを取り戻すために奮起したシャンディアの人々とも、度々戦闘となりました。
神官と呼ばれるエネルの部下達とシャンディア、麦わらの一味の戦いは激しさを増し、多くの脱落者を出しました。そして、そのサバイバルに生き残った者達も、エネルに歯向かった事により戦闘不能へと陥ってしまいます。
エネルに恐怖心を抱き、対抗できなかったナミだけを連れ、彼は方舟マクシムに乗り限りない大地へと飛び立とうとします。
そこでようやく、ルフィが登場します。
エネルは自身の雷の能力に絶対的な自信を持っていましたが、それは攻撃を放った次の瞬間に打ち砕かれます。ゴムゴムの実を食べたゴム人間であるルフィには、彼の雷がまるで効かなかったのです。
空島にゴムは存在しなかったため、彼は電気を通さない絶縁体であるゴムという物を知りませんでした。
つまり、無敵だと思っていたエネルの唯一の弱点がルフィだったのです。その衝撃を受けた彼の表情は、「エネル顔」と呼ばれワンピースファンの間で有名になりました。
一瞬、心網を乱した事でルフィの攻撃を浴びたエネル。しかしすぐに持ち直すと、心網でルフィの行動を読み攻撃をかわすようになります。さらに持ち前の戦闘力でルフィを凌駕すると、ルフィの手に黄金の玉を付ける事で行動を封じ、マクシムから突き落としてしまいました。
これで唯一の弱点も居なくなったと安心したエネルでしたが、そこからルフィの執念の追撃が始まります。巨大な豆の木を駆け上がり、彼の前に再三現れたルフィは、エネルの攻撃を受けながらも引く事なく、殴り飛ばす事で勝利を収めました。
能力は優位であったにしても、戦闘力には圧倒的な差があったエネルとルフィ。なぜルフィはエネルに勝てたのでしょうか。
一番の理由はもちろん、能力の相性が良かったという点だと思われますが、しかし勝負を決定付けた要因は別にあったように思われます。
圧倒的な力の差を前に立ち向かったルフィと、相性の悪さから逃げを考えたエネル。その心の強さの差から、エネルはルフィに敗けたのだと考えられます。
ルフィとエネルの激闘は、ワンピース30巻から描かれています!
- 著者
- 尾田 栄一郎
- 出版日
- 2003-10-03
空島でルフィに敗れたエネルですが、意識を取り戻した後に目的地である限りない大地へ旅立っています。ワンピース44巻から始まる扉絵連載にて、その様子が描かれていました。
一人で限りない大地である「月」へ向かったエネルは、無事に月へと到着する事に成功しました。そこにはクレーターがあり、その中から妙な気配が。中へ入った彼は謎の生物を発見します。
どうやら、月は戦争中でありその生物「スペーシー中尉」は敵前逃亡して生き残っていた兵隊だったようです。 エネルとともに戦場へ戻ったスペーシー中尉は、仲間が倒れているのを発見します。
そこへ宇宙海賊が忍び寄り、スペーシー中尉はやられてしまいました。 宇宙海賊は、さらにエネルにも攻撃しますが、逆に反撃されてしまいます。
その時、突然遠くの地形が爆発した事により、大地(ヴァース)を破壊されたエネルは怒りを露わにしました。実は、宇宙海賊が月の遺跡発掘計画を行っていたのです……。
- 著者
- 尾田 栄一郎
- 出版日
- 2006-12-04
一方その頃、スペーシー中尉は走馬燈を見ていました。
カラクリ島で生まれたスペーシー中尉が月見をしていた際、月が突然爆発を起こします。 月見博士はその爆発に驚き、団子を喉に詰まらせて他界してしまいました。
月の爆発のせいで他界した博士の仇を取るために、スペーシー中尉達は風船を使って月へ目指したのです。しかしその前に現れた宇宙海賊の大群を前に、無念にも敗北してしまいました。
そんな過去の走馬燈を見ていたスペーシー中尉の耳に、雷鳴が轟きます。その頃、宇宙海賊はエネルになすすべなく倒されてしまっていたのです。
博士の礼をいうスペーシー中尉と、エネルは宇宙海賊が掘り当てた遺跡を探検する事に。 そこでエネルは謎の巨大地下都市を見つけます。その都市に向けて電撃で攻撃をすると、電撃により古代都市が充電され、眠っていた兵士達が目を覚ましました。
その後、2枚の太古の月の住人の壁画を見つけます。その壁画によると、どうやらその都市はかつて資源不足により地球へ目指していたようです。
その壁画を見た後、気が付けばエネルの周りには忠誠を慕う部下と限りない大地が広がっていました。
エネルの扉絵連載はここで終わっていますが、他の扉絵連載と違って、謎や意味深長な含みを持った物語には注目が集まりました。
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扉絵連載で登場した月の壁画。それが古代兵器やDの秘密を知る伏線なのでは……?と考えられています。
まず注目するのは、壁画に記された奇妙な絡繰りの様な者や生き物。これは古代兵器「プルトン」「ウラヌス」「ポセイドン」をそれぞれ表しているのではないかという事です。
分かりやすいのは、2枚目の壁画に描かれた海獣のような生物。これがポセイドンと考えると、他のものがそれぞれ古代兵器を表していると考えられます。
壁画では、1枚目が出発、2枚目が帰還の様に描かれていますが、1枚目の壁画にあったものが2枚目にはなくなっています。
さらに、2枚目の壁画の人物は泣いているように見えます。
これらを統括すると、「月の一族が資源不足を解消するために地球へ向かった」というように捉えられます。
しかし、その実は「持っていった古代兵器を奪われて涙ながらに帰還した」というようにも捉える事が出来るのではないでしょうか。
また、月の一族とは「Dの一族」の事を指すのではとも言われています。
ワンピースに登場する月の多くが満月ではなく三日月であり、それも伏線に考えられています。月は重要な意味合いを含んでおり、日月の形を文字どってDと呼んでいるのではと推測されるからです。
つまり、月の一族とはDの一族であり、かつて古代兵器の所持者だったのではないでしょうか。
地球に降りたの一族は繁栄したが、後の天竜人達により古代兵器を奪われ月への帰還を余儀なくされてしまいます。
その際に帰還できなかった人々がの隠し名を持つ人物達であり、宿命からかいつか天竜人を脅かす存在となるのです。そのために、Dの族は世界政府から注視されているのではないか。
こういった考えも出来るのではないか、と考えられます。
様々な伏線が隠されていると噂される扉絵連載の数々は、ファンブック「ONE PIECE GREEN」にもまとめられています!
- 著者
- 尾田 栄一郎
- 出版日
- 2010-11-04
作中ではルフィに倒されたエネルですが、その能力は作中最強とさえいわれています。
数ある悪魔の実の中でも最強と謳われる自然系「ゴロゴロの実」は、能力者の体を雷に変化させ、最大2億ボルトもの電撃を操る事の出来る能力を持ちます。また、雷の速度で高速移動ができる他、相手を感電させる事も出来ます。
さらに、たとえ心拍が弱まっても電気ショックで再び心臓を動かす事も出来るという、桁外れの戦闘力、回復力を持つ能力です。
その能力を使い、エネルは様々な技を繰り出します。以下ではその技の一部をご紹介します。
・放電(ヴァーリー)
手から雷エネルギーを放出し、相手を感電させます。
電圧は自由に調節でき、一撃で相手を戦闘不能に陥れる事も出来ます。
雷エネルギーであるため、防御はほぼ不可能です。
・神の裁き(エル・トール)
雷エネルギーに変化させた腕を撃ち出す、もしくは対象の頭上から叩きつける技です。
雷という次元の威力ではなく、地面を丸ごと抉り取るような強烈な威力のある技です。
・雷鳥(ヒノ)/雷獣(キテン)/雷竜(ジャムブウル)
背負った太鼓を打ち鳴らし、太鼓をそれぞれの技名に由来する生物の形に変化させて相手に放つ技です。
雷の獣が対象に襲い掛かる、強力な技です。
・雷治金(グローム・パドリング)
のの様棒に高圧電流を流す事により、その電熱で武器の形状を変える技です。
これにより武器が高い電熱を帯び、打撃だけでなく触れれば重傷の火傷を負わされます。
・雷迎(らいごう)
マクシムから排出された積乱雲を球体状にしてまとめ、目標に向けて落下させる技です。
雷エネルギーを内包しており、スカイピア全土を消滅させてしまう程の威力を持ちます。
・2億V”雷神”(アマル)
全身に限界まで高めた雷を纏い、自身自体を雷に変化させる技です。
その姿は正に雷神であり、触れるだけで相手に2億ボルトの高電圧をかける事ができます。
以上のように、ゴロゴロの実は超広範囲に壊滅的ダメージを与える事のできる、超強力な威力を持った実だという事が分かります。
作者・尾田栄一郎は、エネルにもし懸賞金が掛けられていたら、その額は5億は下らないとワンピース43巻の質問コーナー「SBS」で語りました。
作中ではルフィに敗れたエネルですが、果たして懸賞金5億以上は妥当なのでしょうか?そして青海において四皇クラスの強さなのでしょうか?
懸賞金は、ワンピース世界において危険度と強さの指標とされています。一般人に与える影響を考えた危険度、そしてどの位の強さか、それを総評して懸賞金は付けられます。
それに当てはめて考えれば、エネルの懸賞金が5億というのも頷けます。
上記にも描いた通り、エネルの「ゴロゴロの実」の能力は島つを簡単に消し去ってしまう程の威力を持ちます。対象が離れていたとしても、心網の能力により、相手の置を把握する事が可能です。
つまり、海軍の軍艦が遠くからエネルを狙ったとしても、近付く前に消し炭にされても不思議ではありません。
そして自分以外の人間を下に見るという傲岸不遜振りは、もちろんそのまま危険に直結します。
その事から、エネルが青海に降りて懸賞金が付いた場合、5億は下らないというのも間違いではないと思われます。
- 著者
- 尾田 栄一郎
- 出版日
- 2006-09-04
ただし、エネルは心網という「見聞色の覇気」は使えるものの「武装色の覇気」を使えるという描写はありませんでした。
空島にはおそらく、覇気という概念もないのだと考えられます。そうであれば、四皇クラスの強さを持っているというのは難しいかもしれません。
しかしそれは、エネルが武装色の覇気を会得していなかった場合です。
登場しなくなった以降に武装色の覇気を会得していたとしたら、その強さは間違いなく桁違いになっていると思われます。
そしてさらに、青海の知識を仕入れていたとしたら、その強さは確かに皇クラスといっても過言ではなくなっているかもしれません。
自信に満ち溢れた言動が目立つエネル。その名言や名シーンを紹介していきます。
「我が神なり」
(『ONE PIECE』27巻より引用)
エネルといえば、まずこの一言が上がります。
初登場で、神の座で悠々頬杖を突きながら横になり発せられたこの台詞には、エネルの全てが詰まっているといっても過言ではありません。
「…………不届き」
(『ONE PIECE』29巻より引用)
サバイバルゲームを生き抜き、エネルの前に辿り着いたゾロやガンフォール、ワイパー達。
彼らを部下に誘うが、全員に武器を向けられ断られた際にエネルが発した台詞です。
自らを神と名乗り憚らず、自分に相対する事自体が間違いだといった態度は正に唯我独尊。
エネルにこそ、発せられる台詞のように思います。
「“恐怖”こそが“神”なのだ」
(『ONE PIECE』29巻より引用)
これも、エネルならではの台詞。
ワイパーの攻撃により倒れたエネル。勝利を感じたのも束の間、エネルは雷で自分の心臓をマッサージして再び立ち上がります。
そして発した台詞は、思わずゾッとするような恐ろしさを含んでいました。
- 著者
- 尾田 栄一郎
- 出版日
- 2003-07-04
アニメ版のエネルの声優は森川智之が担当しました。
イケメンボイスで人気の森川ですが、エネルの底冷えするような冷酷な声色も見事に表現していました。
そんな森川が演じた役は、『遊戯王』の城之内や『犬夜叉』の奈落、『スラムダンク』水戸洋平など。今もなお人気のある、錚々たる大人気キャラクター達を演じている事でも有名です。
さらには、ブラッド・ピットの吹き替えも担当した事があるのです。
格好よいーの声と言えばこの方!ともいえる森川が演じるエネルは、声のおかげか恰好良さも倍増されています。
扉絵連載以降は登場がないエネルですが、今後の展開がどうなるのか考察してみました。
本来の目的であった月に到達し、古代都市を発見したエネル。
その都市の名前はビルカであり、エネルが生まれた空島の名前もビルカでした。しかも月で発見した壁画には、羽の生えた人物の描写もあり、これは空島の住人の特徴でもあります。
という事は、エネルの祖先が月の住人であったと考える事が出来ます。
壁画や古代都市を通してエネルがその事実を知ったとしてもおかしくはありません。
上で考察したように、月の住人達が天竜人に古代兵器を奪われた、または地球のどこかに隠した事も知ったかもしれません。そうなれば、それは自分の物だとエネルだったら考えるのではないでしょうか。
そう考えると、天竜人を倒し再び地球で自分が繁栄するために、再び地球へと帰ってくる事が考えられます。また、月の民がDの一族であった事も知ったとするならば、ルフィが同じ族であったと知ったかもしれません。
ルフィは世界の覇権などには興味がないでしょうが、天竜人と戦うために時だけ手を組むというのもありえそうです。
どちらにしても、エネルが重要な事実を知った事に間違いはないと考えられます。そうなれば、再登場はそう遠くないのではないでしょうか!
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