ワンピースの最悪な重要キャラといえば、黒ひげこと「マーシャル・D・ティ―チ」の名前を浮かべる人も多いでしょう。 ラスボスだと噂されることも多く、数々の悪行を重ね、黒ひげ海賊団の船長としてその名を知らしめた黒ひげ。 作中で唯一悪魔の実の能力を2つ手に入れることのできた理由や懸賞金に隠された秘密など、まだ明かされていない多くの謎を持っています。 この記事では重要キャラでありながら謎につつまれる黒ひげについて、6つの事実から迫っています。ぜひご一読ください。
まずは、黒ひげの基本的なプロフィールから振り返っていきましょう。考察などが読みたい方は、上記の目次から気になるトピックをお選びください!
黒ひげの本名は「マーシャル・D・ティーチ」。年齢は40歳で、身長は344cmです。
以前は白ひげ海賊団に所属していましたが、仲間であるサッチを殺した後、黒ひげ海賊団を結成し船長となりました。
懸賞金は22億4760万ベリーで、大塚明夫氏が声優をしています。
悪魔の実の能力を手に入れるため仲間を殺害するなど残忍な方法で強者にのぼりつめていきますが、海賊としての肝は据わっており、今後のルフィとの対決がとても気になるキャラクターです。
続いて黒ひげの活躍を時系列でご紹介します。
・シャンクスの目に傷をつける
黒ひげと同じく四皇の1人であるシャンクスの左目についている三本傷は、黒ひげによるものです。油断していなかった四皇のシャンクスの顔に傷をつけるほどの戦闘能力を持っています。(四皇については<「ワンピース」四皇を強さや懸賞金から徹底考察!ロックスも四皇だった?>の記事で考察しています。)
・白ひげ海賊団のサッチを殺害しヤミヤミの実を強奪
白ひげ海賊団の2番隊に所属していたころ、友人でもあった4番隊隊長であったサッチを殺害。
サッチが見つけた歴史上もっとも凶悪な悪魔の実といわれている「ヤミヤミの実」を奪いました。その後、白ひげ海賊団から脱走し、黒ひげ海賊団を結成します。
・ドラム王国を滅ぼす
黒ひげ海賊団がまだ5人のメンバーだったとき、チョッパーの故郷であるドラム王国を滅ぼします。
黒ひげは絶望的な力を見せつけ、敵わないと察知した国王・ワポルは真っ先にイッシー20を従えて国を見捨てて逃げだしました。
結果的に悪政を強いていたワポルを国から追い出しましたが、麦わら海賊団のように感謝されることがなかったことから、容赦なくドラム王国を襲撃したことがうかがえます。
しかし、黒ひげがグランドラインを逆走し、ドラム王国を滅ぼした理由についてはまだ語られていません。
・ジャヤでルフィと相対する
ジャヤで黒ひげとルフィは、初めて出会います。
2人してチェリーパイやジュースを口にして真逆な感想を言いあい、意地の張り合いをします。
ところが、ベラミーとの小競り合いで一切反撃をしなかったルフィたちを称賛するような言葉をかけます。
この時、ナミは気づいていませんでしたが、ルフィとゾロは黒ひげの気配に何かを感じている様子が描かれていました。
- 著者
- 尾田 栄一郎
- 出版日
- 2002-09-04
・インペルダウンを解放
黒ひげは世界政府が管理する世界一の大監獄であるインペルダウンに潜入し、幽閉されていた囚人たちを解放し、5人の仲間を黒ひげ海賊団に引き入れます。
王下七武海になったのは、インペルダウンに潜入するための計画の一つであったという黒ひげ。周到な計画性と、マゼランの毒にやられてしまうような軽率な行動とのギャップに謎が深まります。(王下七武海については<「ワンピース」歴代七武海強さランキング11!2位は黒ひげ、1位は……?>で紹介しています。)
・頂上戦争に乱入
10万人の海兵、軍艦50隻、王下七武海や白ひげ海賊団、ルフィ、牢獄インペルダウンの脱獄者なども加わり、ワンピース史上もっとも大きな戦いとなった頂上戦争の引き金をひいたのも黒ひげでした。
黒ひげはエースと対決し勝利すると、エースの身柄を手土産として引き渡し、王下七武海に加盟しました。
インペルダウンに潜入して凶悪な囚人を仲間にし、かつての船長である白ひげにとどめを刺すと、白ひげの「グラグラの実」の能力を奪いとり、2つ目となる悪魔の実の能力を手に入れます。
頂上戦争後の落とし前戦争を経て四皇の1人になり、その名を世界に知らしめたのです。
・革命軍の本拠地・バルディゴ襲撃
黒ひげは世界政府を倒そうとする革命軍の本拠地であるバルディゴを襲撃し、壊滅状態にあるとのニュースが流れます。
その後、海軍やCP0が到着し、一戦交えたが黒ひげは逃走したというところまで記事になっていました。革命軍については触れていなかったことから、黒ひげが到着したときにはすでに革命軍が本拠地を後にしていた可能性があります。
・海賊島ハチノスにて、モリアと対峙
黒ひげは元王下七武海のゲッコー・モリアと海賊島ハチノスで対峙します。モリアの部下のアブサロムはすでに殺されており、アブロサムの能力はシリュウが手に入れていました。
モリアはこれに対激昂しますが、黒ひげは相手から影を抜けば相手を気絶させることができる優秀な悪魔の実を持つモリアを仲間に誘うのでした。
海賊の勲章といえば懸賞金ですが、黒ひげの懸賞金は22億4760万ベリーで、意外に低い数字です。
ほかの四皇である赤ひげのシャンクス・ビッグマム・カイドウが40億を超えるなかで、大きなひらきがあります。
これは、黒ひげが四皇になって日が浅いためであると考えられます。黒ひげ海賊団の結成当初の懸賞金が0円だったことを考えると、急速に成りあがっている様子がうかがえます。
また、4760万といった端数の設定であることも稀なことなので気になりますが、これは規模の違いだと考えられます。
黒ひげは大物人物や組織だけではなく、中小海賊団を滅ぼすこともあり、数限りない海賊たちを倒してきました。そういった細かいところまでカウントしたので4760万という端数がでたという説が有力です。
ただし、ワンピースは伏線が多いため、今後この端数の意味が本編で語られる可能性もあります。
悪名高い黒ひげが率いる黒ひげ海賊団には、悪名高いメンバーが集まっています。
・ジーザス・バージェスト
1番船船長で海賊団の初期メンバーです。プロレスラーのようないでたちで家屋を投げ飛ばすほどの怪力で、「(格闘)チャンピオン」の異名を持ちます。
ドレスローザではサボに負けてしまいましたが、機転をきかせて革命軍の本拠地を突き止めました。悪魔の実はまだ食べていないので、今後手に入れる能力も気になります。
・シリュウ
2番船船長で、インペルダウンを脱獄して海賊団に入った後発メンバーです。
元はインペルダウンの看守長でしたが、肉が切れる感覚がたまらなく好きで気分で囚人たちを殺めていたため、監獄署長マゼランにより投獄されました。
武器は日本刀で人をバッタバッタと切り倒すところから「雨のシリュウ」という異名をもちます。
シリュウの悪魔の実はかつてアブロサムが所有していた「スケスケの実」。弱い実に分類されるこの能力を使ってどのように闘うのでしょうか。
・ヴァン・オーガー
3番船船長で海賊団の初期メンバーです。数km離れた場所から小鳥を仕留めるほどの腕前を持つ優れた狙撃手です。ワンピースのなかでも一二を争うほどの狙撃の腕で、「音越」という異名をもつほどでその速さは音速を超えます。
・アバロ・ピサロ
4番船船長で海賊団の後発メンバーです。2本の角と特徴的な髭をたくわえたパンチの効いたルックスをしていますが、それに似合わず「ニャー」という可愛らしい語尾を使います。
異名は「悪政王」で「とある国」を支配下にしていましたが、抑圧的な政治をおこなったため反乱が起こりインペルダウンに収監されていました。
・ラフィット
5番船船長で、初期からのメンバーです。頭が狡猾的に回るだけではなく、泥臭い裏方的な役回りもこなし、重要な局面で貢献しているメンバーです。
海賊団のメンバーになる前は、西の海で「保安官」をしていましたが、横暴が過ぎたため国を追い出されました。「鬼保安官」という異名を持ち、催眠術も使えます。
・カタリーナデボン
6番船船長で後発の海賊団メンバーです。インペルダウンでも「史上最悪の女囚」と恐れられていました。「若月狩り」という異名を持ち、美女の首を刈り取ってはその生首をコレクションとしています。
幻獣種の悪魔の実である「イヌイヌの実(モデル:九尾の狐)」で、他人になり済ませる能力を手に入れました。
・サンファン・ウルフ
7番船船長で後発メンバーです。玉ねぎのような顔の形をしていて「巨大戦艦」という異名を持つほどの巨躯を誇ります。
最大身長180メートルもあるため、巨人族とされていますが、悪魔の実の能力者であることから悪魔の実の影響で巨大化している可能性も考えられます。
・バスコ・ショット
8番船船長で後発メンバーです。「大酒のバスコ・ショット」の異名を持つほどの酒好きで、常に巨大なひょうたんを背負って昼間からでもぐびぐびと酒を飲んでいます。
バスコ・ショットも新魚人海賊団のヒョウゾウのように酒を飲むほどに強くなるメンバーなのかもしれません。
・ドクQ
9番船船長の初期メンバーです。海賊団唯一の船医であり、虚弱体質。
実は、重要な場面で働きをするメンバーです。初めて登場したときにリンゴをもっていた様子から、科学者的な立ち位置を担っている可能性もあります。
武器が巨大なカマで「死神」の異名を持ちます。
黒ひげの最大の特徴といえば、悪魔の実の能力を2つ手に入れたところでしょう。五老星すらも前代未聞と表現しているので、その特異性がわかります。
ヤミヤミの実とグラグラの実という最強クラスの実を手に入れた黒ひげ。黒ひげが2つ目の悪魔の実の能力を手に入れた背景として、一番有力とされているのがケルベロス説です。
これは、黒ひげが「イヌイヌの実 モデルケルベロス」を食べて3つの心臓(人格)を手に入れており、悪魔の実を3つ食べることが可能になったというもの。この説には、伏線と考えられるエピソードがいくつか登場しているため、有力視されています。
まず、歯抜けになっている黒ひげの歯の本数や位置が場面によって異なっています。
利き手や性格、発言も別人のように変化していることや、初登場した際にルフィとゾロが黒ひげを「あいつら」と表現したこと、黒ひげの海賊旗に3つのドクロが描かれていることにも説明がつきますし、マルコが「体の構造が異形」と話していたことも納得できます。
悪魔の実の能力が心臓に宿るとしたら、3つの悪魔の実を食べることも可能といえるでしょう。
また、63巻のSBSで描かれていた幼少期のティーチが傷を負い、月に照らされながら泣いていた姿には、夜に眠れない理由や、傷を負っていた原因が隠されているようにも見えます。
- 著者
- 尾田 栄一郎
- 出版日
- 2011-08-04
エースが黒ひげに対して放った「人の倍生きている」という発言から、3つの頭をもつケルベロスが順番に眠るように、本来眠っている時間にも起きている人格があるため、人の倍の時間を生きているとの表現になったのではないかと考えられます。
その他にも、ケルベロスが死者の魂を食べるといわれていることから、親友だったサッチからヤミヤミの実の能力を奪うときや、白ひげからグラグラの実の能力を奪う際に魂を食べていたと考えられます。
悪魔の実を奪うのでだけでなくサッチを殺害したことや、白ひげやエースがサッチの魂の行方について言及していたことも、ケルベロスの実の能力を知っているからこそでてきた言葉だといえるでしょう。
続いて黒ひげが食べた2つの悪魔の実であるヤミヤミの実とグラグラの実についてご紹介します。
・ヤミヤミの実
ヤミヤミの実を食べると闇を操り、自分の体を闇にする闇人間になります。闇の引力であらゆるものを黒渦の闇に引き込むことが可能になり、引き寄せたものを体内にとどめておき、後で放出することもできます。
また、悪魔の実の能力を無効化し使えなくさせます。具体的には、ヤミヤミの実を食べた黒ひげがほかの悪魔の実の能力者を自身の闇に引き寄せて、能力者に触れることで相手の能力を封じ込めます。
覇気を使うと相手の実体に触れることができますが、相手の能力を封じることはできないため、能力者にとって厄介な能力といえるでしょう。
ヤミヤミの実の弱点として、強力な引力で相手の技も引き寄せてしまうため、必要以上のダメージを負ってしまうというものがあります。
ただし、作中で黒ひげがダメージを受けて弱っている姿は描かれておらず、黒ひげの打たれ強さから相当な戦闘能力を秘めている可能性がうかがえます。
・グラグラの実
グラグラの実を食べると震動のエネルギーを自由に操ることができ、地震人間となります。地だけではなく、大気にも触れられるため、大気を殴り、ヒビをいれることで衝撃波を起こすことができます。
海を振動させれば、島を沈める大津波を起こすこともできます。このようにグラグラの実は世界を滅ぼせる力ともよばれ、悪魔の実のなかでも最強の攻撃力を誇ります。
この2つの実の能力をもつ黒ひげはまさに恐るべき存在になりました。
ロックス海賊団とは、40年以上前に世界最強といわれていた海賊団です。
世界初の偉大なる航路の一周をおこない、ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)を手にしたロジャーは海賊王としてその名をとどろかせましたが、ロジャーが海賊王となる前は、ロックスの時代だったようです。
ロックス海賊団は人望や強さで集まったものではなく、「とある儲け話」のために集められた個性の集団だったため、仲間殺しが絶えませんでした。
凶悪な海賊団として人々を恐れさせた彼らですが、海軍中将であるガープと後に海賊王となるゴール・D・ロジャーが共闘した「ゴッドバレー事件」にてロックスは倒されます。
そんなロックスの名前が、「ロックス・D・ジーベック」ということが957話で判明します。
そして、黒ひげ海賊団の船の名前が「サーベルオブジーべック号」だったことから、黒ひげがロックスの息子だったという可能性や、黒ひげ自体がロックスだったという説が考えられます。
ロジャーの意思をルフィが引き継ぎ、ロックスの意思を黒ひげが引き継いでいるのであれば、今後予想されるルフィと黒ひげの対決は、より一層重みのあるものとなるでしょう。
- 著者
- 尾田 栄一郎
- 出版日
- 2019-12-28
最後に黒ひげの名言・名シーンをいくつかご紹介します。黒ひげの生きざまが見えてきます。
・「人の夢は!!終わらねェ!!!」(『ONE PIECE』第24話より引用)
居酒屋で「海賊が夢を見る時代が終わってる」という意見に対し、黒ひげがルフィとゾロに投げた言葉です。残忍な印象が強い一方で、海賊が夢を見て何が悪いという見解に清々しさを感じます。
・「無駄だとは言わねェ この世に不可能という事は何ひとつねェからな」(『ONE PIECE』第56巻より引用)
監獄インペルダウンにて、エースを助けに行こうとするルフィに投げかけた言葉です。黒ひげ自身が不可能という壁を作らず、海賊として夢や闘いに挑んできたこれまでの真っすぐな姿勢があらわれています。
- 著者
- 尾田 栄一郎
- 出版日
- 2009-12-04
・「死ぬも生きるも天任せよ 恐れた奴が負けなのさ!次の一瞬を生きようじゃねェか!!」(『ONE PIECE』第56巻より引用)
監獄インペルダウンに潜入したものの、黒ひげ海賊団は監獄所長のマゼランの毒をくらってしまいます。シリュウから解毒剤を渡され九死に一生を得たときの黒ひげの言葉です。
海賊の生死は天任せ、それを真正面から受け入れ一瞬一瞬を思いきって生きる、そんな肝の据わった覚悟と生きざまが伝わってきます。
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