最近、一人暮らしの自分の部屋に不満がある。

築30年のアパートで、建物と内装はちょっとばかし古っぽい作りだ。

しかし立地条件の良い上に家賃も安い。

それになんと言っても部屋が広い。同じ家賃の物件と比べたら倍ほど面積が違う。

内見に訪れた時なんてあまりの掘り出し物件に驚き、まだ玄関で靴も脱がないうちに「ここにします!」と即決したほどだった。

それが今じゃどうだ。当時の輝きはどうした?

トイレのドアの建て付けの悪さが目につく。

風呂の入り口の妙な段差が気にくわない。

茶色のフローリング……、これ茶色か?なんか薄っすら黄色っぽい茶色、いや、茶色ならもっと高級感のあるこげ茶とかさ。そもそも壁一面真っ白なんだからフローリングも白系の方が良くない?やばい、一回黄色っぽいと思ったらどんどん床が黄色に見えてきた。

などなど……。

あげたらキリがない程、部屋に不満がある。

でもわかってる。

本当は部屋に不満なんかない、“部屋にいる自分”に不満があるのだ。

仕事もストップし、外にも出れない、この先が不安。でも何も出来ない自分。

そんな自分へ溜まった鬱憤を、ただ黄色っぽいだけのフローリングにぶつけているのだ。

そんなストレスは、フッと笑って吐きださないと。

僕は漫画を読むことにした。

言うほどじゃないけど

著者
森 もり子
出版日

ふとした時に訪れる「言うほどじゃないけど、言わずにはいられない」シチュエーションにズバッと切り込む“意識低い系本音漫画”。建前だらけの社会の常識や理不尽にイライラが溜まったら、これで息抜きどうですか?

坂本ですが?

著者
佐野 菜見
出版日
2013-01-15

クール、クーラー、クーレスト高校生の登場!

この物語は、とあるクール、いや、クーレストな高校生・坂本の学園生活を綴ったものである。

入学早々、クラスの、いや学校中の注目を集める一人の生徒がいた。その名は坂本。彼にかかれば、ただの反復横跳びは、秘技「レペティションサイドステップ」へと変貌し、上級生からの「パシリ」は、「おもてなし」へとクラスチェンジする。

そんな彼のクールな一挙手一投足から、目が離せない。

響~小説家になる方法~

著者
柳本 光晴
出版日
2015-02-27

とある文芸編集部の新人賞宛に送りつけられた、直筆の投稿原稿。

編集部員の花井は、応募条件を満たさず、ゴミ箱に捨てられていたその原稿を偶然見つける。

封を開けると、これまで出会ったことのない革新的な内容の小説であった。

作者の名は、鮎喰響。連絡先は書いていない……。

今日は不満でいっぱいの部屋を掃除した。 
冷蔵庫の下から押し入れの中、ブレーカーの上や窓のサッシまで全部ピカピカに磨いてやった。 
今、僕の足下には、ピカピカになり昨日よりもさらに黄色がかって輝いたフローリングがある。 
なんとなく、昨日よりは嫌いじゃない。 
皆さんも、溜め込んだストレス、漫画で小気味良くスカッとさせませんか?

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