ラブコメ&ミステリー漫画といえば、登場人物たちの関係性が深まっていくのを楽しみながら、謎を楽しめる1作品で2度おいしいジャンル。はじめてミステリーを読むという人にもおすすめです。人が死なない謎解きに挑む、青春ミステリー『氷菓』や、宮廷を舞台にミステリー要素と身分違いの恋模様を楽しめる『薬屋のひとりごと』など、恋と謎に、ドキドキ、ワクワクできるラブコメ&ミステリー漫画を5つ紹介します。
「高校生」「部活」といった単語から想像するのは、甘酸っぱくも、青い日々ではないでしょうか。あの時しか楽しめないこと、たくさんありましたよね。
しかし『氷菓』の主人公・折木奉太郎は、青春を謳歌する気がまったくない省エネ男子です。本作は、そんな奉太郎が、好奇心旺盛なお嬢様・千反田えると出会い、彼女に押されて古典部に入部することから高校生活が一変。
彼らの他に福部里志と伊原摩耶花を加えた、4人の古典部員を中心に物語は進みます。基本的にやる気が無い奉太郎ですが、なぜかえるのキラキラした目で迫られると、断ることができず、そのまま毎回学内の事件に巻き込まれます。
物語を引っ張る「学内の事件」は、基本的に人が死なないミステリーです。原作者・米澤穂信は、「このミステリーがすごい!」大賞を2年連続で受賞するほどの本格派で、ラブコメに寄りすぎないしっかりとしたミステリー展開も楽しめます。
えると奉太郎。ストーリーが進むのとともに、二人の関係性が少しづつ深まっていく様子を楽しめます。それだけでなく、里志&摩耶花のくっつきそうで、なかなかくっつかない距離感も気になる所。お祭りや文化祭など、高校生らしい行事を通して、深まっていく古典部員達の中に注目です!
- 著者
- ["タスクオーナ", "米澤 穂信"]
- 出版日
「次に来るマンガ大賞2019」の大賞に選ばれた『薬屋のひとりごと』は、「小説家になろう」初のライトノベル作品が原作の漫画です。
舞台は後宮。主人公の猫猫(マオマオ)と、女性のように美しい宦官の壬氏(ジンシ)。二人が織りなすラブコメと、宮廷の複雑な人間関係の中で起きるミステリーに注目が集まります。
マイペースで好奇心旺盛な猫猫は、薬屋としての知識を生かし、事件の謎を解き明かして大活躍。そんな猫猫に好意を寄せているのが壬氏です。
薬以外には興味のない彼女ですが、壬氏のせいで後宮で起こる「不審な事件」に巻き込まれていきます。猫猫が事件を解決したかと思えば、また他の事件が……そして一人一人の影に隠された真相が少しずつ明らかになっていくストーリーに、どハマりしてしまうでしょう。
壬氏と猫猫、美形な壬氏の今後の関係と、後宮で巻き起こる事件に釘付けです!
- 著者
- 出版日
- 2018-02-19
一つの小説から2つの漫画が刊行されている本作。コミカライズ版は小学館とスクエアエニックスから発売されています。
スクエアエニックスから発売されている本作は、少女漫画のようなタッチの絵柄で、恋愛要素をしっかりと楽しめます。キャラクターの表情や猫猫と壬氏のラブコメ要素をガッツリ満喫したい方におすすめです。
謎解きとラブコメ、双方をバランスよく楽しめる作品です。こちらのほうが隔週連載のためテンポがよく、サクサク読み進めたい方におすすめです。
本作について気になる方は<『薬屋のひとりごと』原作、漫画2作の違い、どの順で読むべきかを解説!>の記事もご覧ください。
ドラマ化されたことで、タイトルを知っている人も多いのではないでしょうか。本作はコミカライズ版もあるのはご存知でしょうか?
25歳の探偵、掟上今日子は、別名「忘却探偵」と呼ばれています。通り名の由来は、絶対的な推理力と、病気により1日しか記憶が持たないという体質のせい。
ある日、彼女の元に依頼人としてやってくるのが、隠館厄介(かくしだてやくすけ)。素直な善人にもかかわらず、毎回事件に巻き込まれる珍妙な体質の持ち主です。はじめは今日子に助けを求めるだけだった厄介ですが、徐々に彼女に好意を寄せるようになります。
一日で事件を解決するという今日子のタイムリミットが、読む人をハラハラさせてくれる本格ミステリーです。今日子よりも先に、謎を解けるでしょうか?
また事件以外では、天然な今日子に振り回される厄介の可愛さや、コミカルなやり取りが楽しめます。しかし、今日子に好意を抱いているのに、毎回挨拶が「はじめまして」の厄介を思うと、少し悲しくなる場面も。
ある事件の時、今日子が知ると悲しむ事実を前に、正直な厄介が付く優しい嘘には、キュンとさせられます。1日しか記憶の持たない今日子と彼女に想いを寄せる厄介は、どんな結末を迎えるのでしょうか。
- 著者
- ["浅見 よう", "西尾 維新"]
- 出版日
人見知りながら、古書に関して並外れた知識を持つ篠川栞子。古書店の店主をしながら、「いわくつきの古書」にまつわる謎と秘密を解いていくビブリオミステリーです。もうひとりの主人公・五浦大輔は、ある事件をきっかけに栞子の古書店で店員として働くことになります。
人見知りで心を閉ざしがちな栞子、不器用ながら心優しい大輔。二人の距離が事件を通して、徐々に縮まっていく様子を楽しめます。話が進むごとに、呼び名が名字から名前に変わるように、ムズムズするほど初々しい二人の関係にヤキモキさせられるはず。
謎解きの中心にあるのはいつも古書。実在の古書が登場する事件は、漫画ながらどこかリアリティーを感じさせます。
原作小説をもとに、漫画は「アフタヌーンKC 」、「カドカワコミック・エース」の2つから刊行されています。「アフタヌーン」版は既刊3巻となっており、テンポよく進むのが特徴です。「アルティマエース」版は全6巻で、じっくりと原作に忠実にストーリーが展開されます。
2つの漫画版と原作小説は結末が異なります。原作小説を読んだことがある人も、ぜひ漫画版も読んでみてください。
※2020年5月現在、「アフタヌーン」版は2014年に3巻が発売されてから4巻は未発売となっています。
- 著者
- ナカノ
- 出版日
- 2012-06-22
物語の舞台は、第一次世界大戦後のヨーロッパにある架空の王国「ソヴュール王国」。本作は、今まで紹介した作品と規模の違うミステリーが楽しめます。貴族たちが集う華やかな学校の中で起こる事件から、国を巻き込む陰謀にまで、ヒロインと主人公の二人が挑む本作。
ヒロインのヴィクトリカ・ド・ブロワは、ヨーロッパらしいゴスロリ衣装に身を包んだ人形のような可愛いビジュアル。見た目とは裏腹に、意地っ張りでツンデレというギャップもあります。実は出生に秘密があるそう……。
事件をきっかけにヴィクトリカの相棒のようになるのが、真面目で優しい日本からの留学生で本作の主人公・久城 一弥(くじょうかずや)です。ヴィクトリカの生まれて初めての友人となって以来、彼女に振り回される日々を送ることに。
事件が起きた際、情報を一生懸命かき集めるのは、一弥の役目です。彼の情報のみで事件の全容を推理するヴィクトリカ。ミステリーのジャンルとしては、安楽椅子探偵です。
一弥を手足のように使う彼女ですが、実はとっても大切に思っています。一弥もそのことには気づいていて、お互いのピンチには助け合う場面も!ツンデレヒロインと優しい主人公が徐々に惹かれ合うラブコメとしても楽しめます。
原作小説と漫画版では終わり方が異なります。ラブコメ感のある、着かず離れずな関係を楽しむなら漫画版がおすすめです。
- 著者
- ["天乃 咲哉", "桜庭 一樹", "武田 日向"]
- 出版日
事件の謎を解くだけでなく、ストーリの進行を通して、登場人物の深まる関係を楽しめるラブコメ&ミステリー漫画。事件はスッと解決するのに、なかなか進展しない恋模様は、ウズウズしつつも見守りたくなります。現在、ヨーロッパの架空の国、陰謀渦巻く宮廷まで、舞台ごとに異なるシュチュエーションで恋や謎解きを楽しんでみましょう!