5分でわかる理学療法士!国家資格を取るには?就職・転職事情から年収まで大公開

更新:2020.6.8 作成:2020.6.8

リハビリの専門家で、身体の機能回復や健康維持を担っている理学療法士。医療系の仕事で、大学や専門学校・短大で専門的な勉強をして国家資格を取得後になることができます。この記事では理学療法士の仕事内容やなり方、年収などを解説します。また資格取得後の就職先や、理学療法士の転職事情などもご紹介します。 医療の現場に携わりたい人や身体の健康に関わりたい人はぜひチェックしてください。

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目次

理学療法士が働く場所はどこ?年収は?

理学療法士とは

理学療法士は「理学療法」を用いて患者の治療をおこなう医療専門職です。理学療法でできることは、「理学療法士及び作業療法士法」にて下記のように定められています。

身体に障がいのある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行わせ、および電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えること

理学療法士は、長い入院生活や手術・高齢によって衰えてきた筋力・体力を鍛えるためのリハビリをサポートします。歩く・起き上がる・立つなど日常生活を送る上で欠かせない動作を、きちんとできるようにする大切な役割を果たしているのです。

理学療法士の活躍場所は?

理学療法士は非常に多様な場所で活躍しています。

  • 病院や診療所などの医療施設
  • 通所リハビリテーションや訪問リハビリテーションなどの介護保険サービス
  • 市役所や特別支援学級などの行政施設
  • 障害者福祉センター・障害者通所などの福祉施設
  • スポーツチームなどのヘルスケアサービス

近年、高齢化が進み高齢者が増えてきたことで、筋力の衰えからリハビリが必要な方も増えてきました。今後、さらに高齢化が進むにつれてますます需要は増えていくでしょう。

しかしそれだけではなく、知識と技術を活かしてスポーツの世界で活躍している理学療法士もいます。活躍のフィールドはどんどん広がっているのです。

理学療法士の年収は?

理学療法士の平均年収は300万〜400万円ほどとなっています。「賃金構造基本統計調査の職種別賃金額」による平成25年〜平成27年の平均月額は下記の通りです。

平成25年:約26万円
平成26年:約26万円
平成27年:約27万円

月額給与から換算できる年収は約312万円。この金額に年間賞与その他特別給与額が約60万円ほどプラスされ、年収としては300万円台後半となります。

 

これは医療職の中では中間に位置します。基本的には夜勤をすることがないため、生活リズムも崩れにくく、プライベートを充実させたい方にとってもよい仕事といえます。

 

理学療法士の仕事内容

理学療法士の仕事とは

理学療法はそもそも何のためにおこなうのでしょうか?

  • 病気やケガによる入院や手術による筋力・体力・可動域・痛みなどの改善
  • 寝たきりや閉じこもりがちな方の活動の支援
  • 健康・身体機能の維持のため
  • 障がいを持った方が快適な生活を送れるようにするため

医療系の仕事と聞くと、対象は病気やケガをした人だけと考える方もいるかもしれませんが、理学療法士は健康な生活を送るためにさまざまな方をサポートしています。

実際に理学療法士がおこなうのは主に2つ。

 

  • 運動療法
  • 物理療法(温熱や電気を利用した治療)

 

関節可動域の拡大や筋力強化、麻痺の回復、痛みの軽減などの治療や歩行練習、動作練習などの運動をおこないます。どんな治療やサポートをおこなうかは、各理学療法士がプログラムを作成して実行していくため、やりがいのある仕事です。

作業療法士との違いは?

理学療法士と似た分野の仕事として作業療法士があります。どちらも国家資格ですが、理学療法士は立つ・歩くなどの基本動作の回復・維持ですが、作業療法士は食べる・書くなど応用動作の回復・維持をおこないます。

理学療法士は体全体のリハビリをおこなうのに対し、作業療法士は手や指の動きといった細かい動きのリハビリをおこなうことが多いです。

理学療法士になるには?

理学療法士は独学ではなれない

理学療法士として働くには、国家資格を持っていることが必須条件です。さらに独学で国家資格を受験することはできず、国が定めた養成校で3年以上学ぶことが求められます。養成校には4年制大学・専門学校・短期大学があるので、まずは進学する学校を選び、入学することが目標に近づく一歩です。

自分の地域や全国の養成校を知りたい方はこちら(日本理学療法士協会HPより理学療法士養成校一覧)をご覧ください。全国に276校もの養成校があるので、自分が住んでいる地域で理学療法士になるための勉強ができるはずです。

理学療法士国家試験の内容は?

理学療法士の試験は年に1回、2月に開催されています。試験は、一般問題・実地問題からなる筆記試験のみです。試験科目については養成校のカリキュラムをきちんと勉強すればカバーできるので、しっかり復習しましょう。

◾️一般問題の出題科目

解剖学、生理学、運動学、病理学概論、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要(人間発達学を含む)、作業療法

◾️実地問題の出題科目

運動学、臨床心理学、リハビリテーション学、臨床医学大要(人間発達学を含む)、作業療法

出題範囲が幅広いため、養成校での日々の学習がどれくらい身についているかが問われます。また一般問題、実地問題あわせて200の問題が出題されるため、試験はかなりハードな内容となっています。1問に時間をかけるのではなく、全体をさくさく解いていく解き方が適していると言われています。

理学療法士国家試験の合格率は?

毎年、合格率は70%台〜90%台を推移しており、難易度が非常に高い試験というわけではありません。大学・養成施設別の合格率を見てみましょう。

<大学>
2014年:94.6%
2015年:90.8%
2016年:88.0%
2017年:94.3%
2018年:89.1%

<養成施設>
2014年:79.4%
2015年:68.6%
2016年:82.2%
2017年:87.4%
2018年:75.1%

過去10年の平均合格率は大学90%、養成施設80.5%となっています。大学・養成校ともに授業をきちんと受け、勉強すれば十分に合格は狙えるといえる数値でしょう。

理学療法士の転職事情とは

理学療法士の需要は高い

すでに理学療法士として働いている方の場合、引き続き理学療法士の資格を活かせる職場に転職する場合が多いようです。

転職には不安がつきものですが、前述したように理学療法士はさまざまな場所で活躍することができます。特に近年は超高齢化社会になりつつある過程において、介護施設などの介護分野や、訪問リハビリなどの訪問分野などに就職する方も増えています。

理学療法士は今後ますます需要が高まると言われておりますので、同じ業界であれば就職先に困るということは考えにくいでしょう。

理学療法士から他職種への転職は?

理学療法士は国家資格です。また受験資格を得るのにそれなりの勉強や時間も必要となります。ですので理学療法士から他職種への転職は、それなりの覚悟がいると考えられます。

その中でも他職種に転職する場合は、理学療法士の経験を活かせる医療職が最も多く、他にはスポーツトレーナーなどもあります。理学療法は病気や怪我、障害などによって運動機能が低下している方に対しておこなう治療法です。そのためスポーツ関連の仕事でも知識や経験などが活かせるのです。

他職種から理学療法士への転職は?

社会人から理学療法士への転職を考える方もいるでしょう。基本的には受験資格を得るために大学などの養成施設に通わなければならないことに変わりはありません。

多くの養成施設では夜間の学科も開設しています。そのため社会人でも働きながら理学療法士になるための勉強をしやすいといえるでしょう。

しかし日中は仕事をして、夜間は養成施設で勉強をする。臨床実習を受ける必要もあるため、社会人から理学療法士を目指す方の多くは勉強に専念するため休職したり、時短勤めに変更するなどして両立できる状態を作り出しています。

いくら夜間学科で勉強できるとはいえ、かなりハードになることは間違いありません。

理学療法士の1日を知りたい人におすすめの本

著者
["WILLこども知育研究所", "WILLこども知育研究所"]
出版日

理学療法士になりたい方向けに、リアルな1日を紹介している本です。

実際の1日を知ることで、仕事内容ややりがい、苦労などをイメージすることができるでしょう。理学療法士になるための学校の話や向いている人についても書かれているので、興味はあるけど不安も大きいという人にもおすすめの本です。

写真が多い本なので読みやすく、イメージしやすい作りとなっています。特に10代で進路として理学療法士になる道を考えている方は読んでみてください。

理学療法士の仕事の魅力をもっと知りたい人におすすめの本

著者
POST編集部
出版日
2016-09-30

理学療法士をはじめとして作業療法士など「療法士」と呼ばれる職業のリアルな声を紹介している本です。

仕事内容ややりがいはもちろんのこと、給料や恋愛などのプライベートまで書かれているので療法士になった後の自分をイメージすることができるでしょう。作業療法士など他の療法士との違いを知りたい方にもおすすめの本です。

医療職のなかでも「療法士」に興味を持った人は入門として、この本から読んでみてはいかがでしょうか?

理学療法士に必要な知識や技術を知りたい人におすすめの本

著者
日本理学療法士協会
出版日

理学療法士をまとめている、日本理学療法士協会が出版している理学療法士ガイドです。

「理学療法士に興味はあるけれど、何を勉強するのかもわからないし、難しそうで不安」と感じている人は少なくないかもしれません。そんな時はこの本を読んでみてください。これから身に着けるべき知識や技術について具体的に書かれています。

自分が理学療法士になるための道筋を理解するためにもおすすめの本です。

理学療法士は老若男女問わずさまざまな人の身体や健康に携わる仕事です。リハビリはすぐに終わるわけではないので、中長期的に担当する人と向き合います。少しずつ回復していく姿や維持のために懸命に頑張る姿を見られるのは仕事へのやりがいに繋がるでしょう。 
高齢化が進む日本において理学療法士はますます求められ、活躍の場もどんどん広がっていきます。人の身体や健康維持のサポートに興味のある方はさらに理学療法士について調べてみてはいかがでしょうか。