政治・経済などの時事テーマや、生活・教育・文化・スポーツまで、人々の暮らしに関係するあらゆる事柄を記事にするのが新聞記者の仕事。まだ世の中に知られていないニュースや、より詳しい情報が望まれる出来事を多くの人に正しく伝える社会的役割を担っています。そんな新聞記者の姿に憧れを抱いている方は少なくないでしょう。 この記事では、新聞記者の仕事内容や年収の例、さらには新聞記者に就職・転職する際に知っておきたいことや必要なスキルなどを詳しく解説。おすすめの書籍とあわせてご紹介します。
新聞記事の対象となる分野は多岐にわたります。たとえば以下のようなニュースなどがあります。
全国紙、地方紙、専門紙、業界紙によっても取り上げるトピックスが異なるため、ありとあらゆる情報が記事の対象になるわけです。
特に全国紙はセクションごとに編集局が設けられており、国内外問わず幅広い分野の出来事を記事にしています。
「人や物事について取材をおこない、その内容を文字に起こし記事にする」。おおまかに説明するとこうなりますが、世に出る記事になるまでには多くの人が関わり、さまざまな工程を経ています。
一般的な工程の流れもチェックしてみましょう。
新聞記者だけでなく、整理記者や校閲部などさまざまな人が関わり、やっと紙面が完成するのです。
新聞記者の勤務先は新聞社です。新聞社の数は、専門紙を含めると全国129社(2018年)となっています。ここでは全国紙を例に挙げ、勤務先について紹介します。
全国紙を扱うのはいわゆる大手と呼ばれている新聞社がほとんどで、各地に地方支局を構えています。記者の大半はまずその支局で勤務。全国を周りながら経験を積み、最終的に本社勤務となることが多いようです。
地方支局は1つの県に1社が基本です。記者の数も少なく数人程度で仕事を分担しておこないます。ただし支局でも大都市になると記者も多く、カメラマンやアルバイトが在籍しているところもあります。
一方、本社の場合は、支局と異なり政治・経済・国際・社会部などセクションが細分化されており、そのぶん記者も多く勤務しています。
ちなみにフリーの記者という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、その場合は雑誌や週刊誌に記事を掲載している記者を指すことが多いです。新聞に掲載されている記事は基本的に、新聞社の記者が書いています。
過酷なイメージのある新聞記者の仕事ですが、実際どうなのでしょうか。職種により違いますが事務職の場合は9時半〜17時半となっております。
しかし記者職はトピックスになる出来事があれば昼夜を問わず現場に駆けつけなければならないわけですから、やはり楽ではないようです。残業は多く、交代で夜勤もあり、生活は不規則になりがちです。
毎日の締め切りと、新聞に掲載できる文字数の制限など常に大きなプレッシャーのなか、新聞記者の人たちは社会的使命や正義を果そうと奔放しているのです。
新聞業界全体の平均年収は年代ごとに上がっていく傾向にあります。
年に2回の賞与や、記者には記者手当など、支給される手当の金額が多いことから、年収の水準も高くなっているのです。
読売新聞社の求人を例にとってみてみましょう。
基本給だけでみれば決して高い金額ではありませんが、賞与は年2回、基準外手当(記者は記者手当)があり、基本的には支給される手当の金額が大きいといわれています。
また年に一度の昇給制度も設けられているため、長く勤務すれば年収があがる仕組みになっているようです。全国紙を扱う大手新聞社の場合は年収が高くなる傾向があり、30〜40代で年収は1000万円にもなります。
参照:読売新聞社
新聞記者には、「問題提起をする」といった役割があります。国や企業の正すべき行為を取り上げ、世間に発信することも少なくありません。権力に屈しない強い正義感や責任感を持って仕事に臨むことが求められます。
そのほか幅広い知識を身に付けようとする好奇心と探究心も重要な要素。間違った情報を載せることは論外ですが、情報の薄い表面的なことしか書かれていない記事では人々の関心を引くことはできません。
1.情報を引き出すコミュニケーション能力
記事を書くには、基本は取材から情報を得ます。その取材で重要になるのが質の高いコミュニケーションです。対象者は取材に慣れている人ばかりではないし、なかには「記者には話さない」と言う人もいます。それでも情報を聞き出すのですから、相手が話したくなる、または話さざるを得ないようにコミュニケーションを取る必要があるのです。
新聞記者になるのは簡単なことではありません。採用試験の倍率は高く、狭き門であることに加え、不規則な勤務体系で勤め続ける覚悟も必要です。ただし、センセーショナルな記事で人の感情や感覚をゆすぶることができるといった大きな魅力と、社会的意義も十分にある仕事です。
この記事を読んで興味がわいた方、より意思が固くなった方は、ここで紹介している書籍などで対策を練り、新聞記者への一歩を踏み出してみましょう。