5分でわかる弁護士!30代での転職は珍しくない。仕事内容や年収、司法試験の難易度など解説!

更新:2020.6.16 作成:2020.6.16

ドラマや小説で馴染みのある方も多い弁護士。弁護士は事件や紛争を防ぐことや、対処・解決をおこなう法律の専門家です。弁護士になるために合格しなければならない司法試験は難関ですが、晴れて合格した後は安定した年収と、やりがいを感じることができます。30代、40代で弁護士への転職をする方は珍しくありませんが、覚悟が問われる茨の道であることは間違いありません。 今回はそんな弁護士の仕事内容や年収、司法試験について解説します。困っている人を助ける社会的意義の大きい弁護士を詳しく知っていきましょう。

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目次

弁護士の仕事は依頼人の正当な利益・評価を守ること

弁護士は法廷以外でも多岐にわたる仕事がある

弁護士とは、事件や紛争への対処、解決、予防を法律に基づいてアドバイスしサポートする仕事です。小説やドラマなどでは弁護士は法廷に立って弁護する姿が多いですが、実際は法廷以外でも多くの仕事をしています。

弁護士法」によれば、弁護士の使命および職務は下記のように記されています。

 

  • 弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。
  • 弁護士は、常に、深い教養の保持と高い品性の陶冶に努め、法令および法律事務に精通しなければならない。
  • 弁護士は、当事者その他関係人の依頼または官公署の委嘱によって、訴訟事件、非訟事件および審査請求、再調査の請求、再審査請求など行政庁に対する不服申立事件に関する行為その他一般の法律事務をおこなうことを職務とする。

 

社会においての争い事を訴訟によって解決するのは最終手段です。訴訟の前に相手方と交渉をしながら、示談や和解といった解決方法も探していきます。

また、そもそも争い事とならないように事前にルールを取り決めるなど予防も大事な仕事です。

ただ、そのなかでもやはり訴訟や法廷に立つ仕事は弁護士ならではの仕事といえるでしょう。原則として、裁判に出廷して当事者の代理人になれるのは弁護士しか出来ません。(一部、司法書士も可能)

また、司法書士などは民事事件に関して相手方と交渉することは許可されておらず、民事事件の交渉代理人も弁護士にしか出来ない仕事です。(一部、司法書士も可能)

弁護士が扱う事件の種類

弁護士が扱う事件は大きく分けて2つにわかれます。

 

  • 民事事件
  • 刑事事件

 

事務所や弁護士それぞれに得意分野があり、弁護士になった後も専門性を追求していきます。

▶︎民事事件について

民事事件とは、金銭の貸借や売買・交通事故・離婚・相続など普段の生活で起こる人と人の間のトラブルです。

また、行政への訴訟や会社との問題なども民事事件に含まれます。民事事件では依頼人が正当な利益を受け取れるように、相手方との交渉や訴訟、それにともなう準備や手続きをおこないます。

▶︎刑事事件

刑事事件とは、罪を犯した疑いのある人(被告)の裁判に関する事件です。殺人や傷害、窃盗などの罪の疑いがかけられている被告の弁護人を務め、被告の立場から意見や証拠の提出をおこないます。

被告は本当に罪を犯しているのか、どの程度の刑罰が妥当なのかを裁判官や検察とともに明らかにしていきます。

依頼人の正当な利益・評価を守るのが弁護士の仕事

刑事事件・民事事件問わず、依頼人の正当な利益や評価を守り、得られるようにするのが弁護士です。トラブルに巻き込まれて困っている人を助け、社会正義を実現する仕事といえます。

弁護士になるには資格が必須。司法試験の合格率は30%前後

弁護士になるには司法試験の合格と研修が必須

弁護士になるには司法試験に合格する必要があります。司法試験はその難易度や専門性の高さから、医師、公認会計士とならび、日本三大国家資格のひとつと言われる事もあります。

また司法試験に合格後、1年間の研修期間(司法修習)を受けて終了試験に合格すると晴れて弁護士になることが出来ます。
 

司法試験の受験資格は?

司法試験は誰でも受けられるわけではなく、次のような受験資格が決められています。

  • 法科大学院(ロースクール)に2年間または3年間学ぶ
  • 予備試験に合格する

これらの受験資格をクリアする必要があるため、実際に弁護士免許を得て弁護士として働くには長い時間を要します。

  • ロースクール3年間
  • 予備試験に合格するまでの勉強期間
  • 司法試験に合格後、1年間の研修期間

順調にいっても、最低でも5年はかかると覚えておくのがよいでしょう。また予備試験、司法試験にはスムーズに合格することは難しいので、人によっては10年近くかかって弁護士になれたという方も少なくはありません。

司法試験の科目や内容は?

司法試験の試験科目は、法律基本7科目に加え、経済法や知的財産法などその他の法律から選択式で受験します。

 

  1. 憲法
  2. 行政法
  3. 民法
  4. 商法
  5. 民事訴訟法
  6. 刑法
  7. 刑事訴訟法

 

試験は短答式試験と論文式試験に分かれて計4日間です。試験では1科目でも最低ラインに到達しなければ不合格とされるので、全科目の知識を必要とします。

全科目を網羅的に勉強しなければならないため、司法試験は難関と言われる試験なのです。

司法試験の合格率は20%台

弁護士白書 2018年版」によれば、司法試験の合格率は例年20%台にとどまっています。

 

  • 2018年:29.1%
  • 2017年:25.9%
  • 2016年:22.9%
  • 2015年:23.1%
  • 2014年:22.6%

 

意外と合格率が高いと思う方もいるかもしれません。しかしこの数字は、法科大学院や予備試験といったハードルを越えた方たちが受験した際の合格率であることに注意しましょう。

法科大学院の倍率は平均して2倍を超える年が多く、予備試験の合格率は4.1%(2017年)となっています。司法試験だけでなく、受験するまでのハードルが高いことが司法試験の特徴でしょう。

難易度が高い司法試験の合格が必要であり、だからこそ高い専門性や独占業務(弁護士にしか出来ない仕事)の多さを持つのが弁護士です。

弁護士は独立できる?年収は700万円台が一般的

弁護士が活躍できるフィールドは広がっている

司法試験の合格者は司法修習後に、弁護士・検事・裁判官の職業に就く権利が与えられます。最初から弁護士になる方もいれば、検事や裁判官を務めた後に弁護士となる方もいます。

また弁護士は独立する方もいれば、勤務弁護士として弁護士事務所で働く方もいます。独立を目指す方も、最初は勤務弁護士として経験を積んでからの独立が一般的です。弁護士事務所によって民事事件や刑事事件など得意分野や顧客が違うので、将来的に目指す分野に合った就職先を探します。

他にも、企業の法務部門で働く弁護士や経営コンサルタントも兼ねる弁護士など、近年弁護士が活躍するフィールドは広がっています。

弁護士の年収は700万円台が一般的

厚生労働省が公開している「賃金構造基本統計調査」によれば、弁護士の平均年収は727.9万円(令和元年)。司法試験のハードルが高くそもそもの人口が多くない弁護士は、年収も高くなる傾向にあります。

勤務弁護士の年収は事務所や勤務地によって大きく変わります。東京の大手弁護士事務所では初任給で1000万円を超える事務所がある一方、初任給は他の一般企業と変わらないという事務所もあります。

弁護士が独立した後の年収は自分次第です。専門性が高い職業という事もあり、1000万円以上の収入を得ている弁護士は多くいます。

30代、40代で弁護士へ転職するのは珍しくない

司法試験合格者の平均年齢は28.8歳

日本三大国家資格のひとつと言われている弁護士資格。資格を得るために避けては通れない司法試験はとても難関なため、何度も試験を受ける人は多いです。

平成30年の司法試験の実施結果によれば、合格者の平均年齢は28.8歳となっています。20台前半で勉強を始め、早ければ20代前半で合格し、遅くとも30代、40代で合格する方が一般的のようです。

特筆すべきは最低年齢と最高年齢です。

 

  • 最高年齢:68歳
  • 最低年齢:19歳

 

このように10代で合格する方もいれば、定年を過ぎてから勉強をスタートし、60代で司法試験に合格する方もいます。難関と言われている試験ですが、自分に合った勉強法を見つけたり、そもそも司法に関する知識の習得が楽しいと思えたりするかどうかなど、受験する上で大切な点はいろいろとあるのです。

社会人を経て30代、40代で転職するのは珍しくない

定年を迎えてから試験を受ける方がいるのですから、30代、40代で司法試験に合格し、弁護士へ転職する方は珍しくありません。

しかしその場合は、現職を務めながら司法試験の勉強をしなければならないため、体力的にも精神的にもハードになることは間違いないでしょう。

平日は4〜5時間、土日は7〜8時間勉強している方も少なくありません。そのため独学で勉強するよりも、社会人向けのスクールに通うことを検討するのもよいでしょう。

法律に関する知識には、専門用語や独特のルールなどが多いためはじめなかなか身に付きません。プロの力を借りることで合格率をあげることができるはずです。

法律に触れてみたい方におすすめの本

著者
["品川 皓亮", "佐久間 毅"]
出版日

弁護士など法律を扱う仕事に憧れは持っていても、難しさや固いイメージから遠ざけている方はいるのではないでしょうか。そんな方に特におすすめする1冊です。

法律は専門用語も多く独自のルールがあるため、初学者が難しさを感じやすい学問です。しかも、高校生までにはほとんど学ばないため、そもそも法律が何なのかをわからない方もいるでしょう。『日本一やさしい法律の教科書』は「法律ってどんなもの?」という基礎からわかりやすく解説しています。

弁護士を目指している方の入門書としては非常におすすめの本です。他にも法律を勉強しなければいけない方や、法律に少し興味を持っている方もぜひ読んでみてください。法律の基礎を知ることで興味もさらに出て理解もしやすくなるでしょう。

社会人から弁護士への転職を考えている方、必読の体験記

著者
菊間 千乃
出版日
2015-01-05

フジテレビの元アナウンサーである菊間千乃さんが、弁護士になるまでの軌跡や苦悩を書いた自伝的1冊です。

司法試験はハードルが高い試験であり、弁護士になるにはお金も時間もかかります。ましてや、社会人からの司法試験の受験は勉強時間の確保が難しく、覚悟が問われる茨の道。その道になぜ挑戦したのか、どんな苦労があったのかを赤裸々に語っています。

弁護士への憧れはあっても司法試験への不安が大きい方は少なくないでしょう。筆者の頑張りや覚悟を知ることは、自分自身の弁護士になる覚悟を確認し、背中を押してくれるきっかけにもなるのではないでしょうか。

弁護士だけではなく、自分の進路に不安がある方や進路の変更を考えている方にもおすすめの本です。

弁護士の仕事や魅力をもっと知りたい方へおすすめの本

著者
["千原 曜", "日野 慎司"]
出版日

さまざまな職業の仕事内容や魅力を紹介している「こんなにおもしろい」シリーズの弁護士編です。

1988年から弁護士として活躍する千原さんと、2013年から弁護士として活躍する日野さんが共著しており、ベテラン弁護士と新人弁護士の話をどちらも知ることができます。

司法試験制度は2006年度に大きく変わっており、弁護士業界の状況も変化しています。弁護士の仕事内容や魅力に加えて、現在の弁護士業界の状況も知ることが出来るのもこの本の魅力です。

弁護士を目指そうと思っている方や興味を持っている方はぜひ読んでみてください。

今回は弁護士の仕事内容や年収・司法試験について解説してきました。弁護士は資格を得るまでのハードルが高い分、他の仕事にはないやりがいや魅力・チャンスに溢れている仕事です。困っている人や企業を手助けできる、社会的にも意義のある弁護士。興味を持った方はぜひ弁護士や法律について調べてみてください。