アナウンサーとはテレビやラジオで情報を的確に伝える仕事です。メディアに出演し多くの人の目に触れているため、華やかな世界というイメージが強い方も多いはずです。しかし、アナウンサーの仕事は正しい発音や日本語を話す技術に加えて、幅広い知識・英語などの語学力を必要とします。華やかさだけではなく、常に勉強や努力が必要な仕事です。この記事ではアナウンサーの仕事内容や必要な知識・スキルを解説します。アナウンサーに憧れ・興味を持っている方はぜひチェックしてください。
アナウンサーとはテレビ・ラジオで原稿を音読し、情報を視聴者に伝える仕事です。テレビ局・ラジオ局の社員で実際に出演するのは基本的にアナウンサーのみ。メディアへの出演や音読に必要な専門知識・技術を持っている専門職です。
最近はスタジオで原稿を話すだけではなく、次のような仕事もアナウンサーが務めています。
アナウンサーは「話すプロ」としての技術を活かし、原稿を読む以外の仕事もこなしていきます。また、テレビ局のアナウンサーはタレント的な役割も果たすようになり、バラエティ番組などでタレントと一緒にトークをおこなうこともあります。
アナウンサーとキャスターは似た仕事として認知されています。2つの仕事の違いは下記の記事を参考にしてみてくださいね。
5分でわかるキャスター!アナウンサーとの違いや目指すためのステップなどを解説
→https://honcierge.jp/articles/shelf_story/9198
多様な仕事をおこなうアナウンサーに必要とされる知識や技術はどのようなものがあるのでしょうか。大きく分けると下記の5つの能力が必要と言われています。
アナウンサーは「話す」「読む」ことが最大の仕事。正しい発音やイントネーションなど話す技術が必要です。また、日本語の正しい知識も身につけなければなりません。読み間違いが許されないことはもちろん、意味を取り違えているとニュアンスが間違って伝わることもあるからです。
話す技術や正しい日本語を知って初めて視聴者にとって聞き取りやすい言葉でわかりやすく伝えられるのです。
アナウンサーはさまざまな原稿を読み、いろいろな情報を画面の向こう側にいる視聴者に伝えます。自分が伝える原稿や情報についての知識を持っていなければ伝えることはできません。国内・海外のニュースや経済・社会・一般教養の知識を日々勉強しているのです。
メディアに出演する上で視聴者に不快感を与えないことも重要。お辞儀や歩き方といった所作や礼儀作法は身につけるべきスキルです。また、アナウンサーの仕事は非常にハードと言われています。朝のニュース番組であれば、夜明け前から準備が始まります。細かい体調管理ができなければ安定した仕事をおこなうことはできないでしょう。
メディアの出演を通して大勢の人に影響を与える仕事だからこそ、アナウンサーにはレベルの高い知識・技術が求められます。
アナウンサーにはテレビ局やラジオ局の社員として働く人とフリーで働く人がいます。ただ、フリーで働く人はほとんどがテレビ局やラジオ局の社員を経ているので、テレビ局やラジオ局でアナウンサーとして就職することがもっとも現実的な方法です。
アナウンサーの採用はほとんどが大卒・短大卒・専門学校卒を条件としています。これは、一般教養がアナウンサーに必要なことから設けられた基準と言われています。キー局と呼ばれる東京のテレビ局では大卒以外採用しない企業も多いです。アナウンサーを目指すのれあれば、高校を卒業後に進学することが一歩目となります。
アナウンサーはテレビ局やラジオ局に就職しますが、専門職なので制作や営業など他の職種とは試験が違います。通常のエントリーシートや面接の他に、実際にカメラを前に話すというカメラテストを実施している会社も多いです。
アナウンサー試験は地方からキー局までおこなわれます。本気でアナウンサーを目指す人は全国を行脚しながら受験することも少なくありません。その試験内容とはどのようなものなのでしょうか。(下記の内容はフジテレビを受験する際の内容となります)
参照:フジテレビ
人気のテレビ局ではエントリーシートの時点で1000人単位の応募がありますが、まずはエントリーシートで10分の1ほどの数にまで絞られます。そのためアナウンサー採用試験のエントリーシートは最初の関門なのです。
また、上記の内容にも記載されている通り、添付する写真の枚数が多いことから、エントリーシートのなかでも写真選びは最重要と言われています。アナウンサーは動画以外に写真を撮られる機会も多いので、華やかさが伝わる写真が撮れるまで粘る人は多いようです。
アナウンサーは人気の職業だけあって、倍率が1000倍以上になることもあると言われています。たくさんの希望者のなかで、技術や知識の披露も含めて自分を表現してPRすることが求められます。ミスコンで受賞するとアナウンサーになりやすいと言われるのは、容姿が美しいという理由ではなく、自己表現が上手だと評価されるからです。
激しい競争を勝ち抜くために、アナウンサーの志望者の多くは学校に通いながらアナウンサースクールにも通っています。
アナウンサースクールでは発音や話し方といった話す技術に加えて、自己表現やトークといったスキルも学びます。テレビ局が運営しているアナウンサースクールでは現場で実際に話す機会をもらえることもあり、アナウンサーに必要な技術・知識を成長させるチャンスがたくさんあるのです。
アナウンサーの多くはテレビ局・ラジオ局の社員からキャリアをスタートさせます。
会社員のアナウンサーとして数年勤務した後は、そのまま会社員として働く人とフリーアナウンサーになる人に分かれます。フリーアナウンサーになると、勤務していた局以外の番組の仕事を受けることも可能です。ただし、実力や知名度がないと仕事がなくなってしまう厳しい世界でもあります。
フリーアナウンサーになると番組やプロジェクトごとに契約をして仕事をします。他に結婚式やイベントなどの司会進行といった仕事をしているアナウンサーもいます。アナウンサーとしてバリバリ働くか、ワークライフバランスを大事に時間を抑えて働くかも自分次第です。
年収も会社員のアナウンサーとフリーアナウンサーでは変わります。会社員のアナウンサーは他のテレビ局やラジオ局の社員の給料とそこまで変わりません。キー局などの大手メディアでは1000万円以上もらえることもあり、地方局では500万〜600万円前後と言われています。
フリーアナウンサーは自分次第で年収は大きく変わります。たくさんの番組と契約をして多く出演すれば会社員以上に収入を得ることも可能です。
- 著者
- 尾川 直子
- 出版日
アナウンサーの仕事について、実際のアナウンサーから話を聞ける機会はあまりないかもしれません。アナウンサーはテレビ局の顔ともいえる存在ですから、大勢の人の前で会社について多くを語ったりはしないからです。
それでも、アナウンサーのリアルな面が知りたい!という人は、現役アナウンサーである著者がアナウンサーのリアルな日常を書いた1冊を読むことをおすすめします。
アナウンサーの仕事内容ややりがい、日常がリアルに描かれており、アナウンサーの仕事をもっと詳しく知りたい方にはぴったりの本です。
また、著者は現役のフリーアナウンサーでありながら、アナウンサースクールの講師も務めています。講師目線からエントリーシートの書き方や面接対策もこの本で紹介しているのも嬉しいポイント。実際にアナウンサーに志望する際にも活用できる1冊です。
- 著者
- 国谷 裕子
- 出版日
キャスターとはニュースの解説や紹介、ニュース番組での取りまとめ役といった仕事。高いコミュニケーション能力に加えて、幅広い知識や取材能力、自分の意見をはっきりと言う姿勢が求められます。
キャスターはタレントやDJが担うこともある役割ですが、アナウンサーもキャスターを務めます。本作は「クローズアップ現代」で、23年間キャスターをしていたアナウンサーの言葉をまとめた1冊です。
ニュースに向き合い、時代の変化を敏感に感じ取りながら、情熱を捧げてきた仕事を振り返っている言葉はキャスターの魅力をダイナミックに表現しています。自分の言葉で情報を視聴者に伝える仕事の醍醐味に触れたい方はぜひ読んでください。
アナウンサーの話し方教室(角川oneテーマ21)
2003年07月01日
『アナウンサーの話し方教室』は、テレビ朝日アナウンス部による話し方について書かれた本です。実際のテレビ局のアナウンス部でどのようなトレーニングが行われ、何を学んでいるかを知ることができます。
本作では実際におこなわれているトレーニングが紹介されています。興味を持ち始めた方やスクールへの入学を考えている方は一度、この本に沿ってトレーニングしてみるとよりイメージを作れるでしょう。
会話に使える技術や話題のヒントなどアナウンサーではなくとも使えるネタがたくさん書いてあります。会話や言葉に興味を持っている方にもおすすめの1冊です。
アナウンサーはその華やかさが注目されがちですが、世の中の情報をわかりやすく伝える役割をになう大切な仕事です。そのため、話す練習や伝え方の工夫、知識の勉強など日々の努力を欠かすことはできません。それだけ大変でも、大きなやりがいや魅力がある仕事なのです。アナウンサーは人気の高い仕事ということもあり、採用試験を受けるには早めの対策・準備が欠かせません。興味のある方はぜひ今すぐにでも、アナウンサーになるための一歩目を踏み出してみましょう。