哲学の入門書おすすめ6選!初心者や学生でも読みやすい簡単な本

更新:2021.12.1

哲学の本というと、難解すぎて手にとるのをためらったり、数ページで挫折したりしてしまうイメージがあるのではないでしょうか。しかし哲学は、生きていくうえで役に立つヒントを与えてくれる魅力的なものです。この記事では、予備知識がなくても読むことができるおすすめの入門書を紹介していきます。

ブックカルテ リンク

哲学を日常生活に活かせるようになる、おすすめ入門書『武器になる哲学』

 

「無知の知」や「ロゴス・エトス・パトス」など、偉人たちの50の哲学を紹介する作品。「人」「組織」「社会」「思考」の4つに分類し、ビジネスパーソン向けに解説していきます。

哲学を学ぶ際に挫折をしてしまうのは、結論だけを学ぼうしているから。大事なのはプロセスや背景を知ることだといいます。人類の英知ともいえる哲学を、ビジネスや日常生活に活かす方法を教えてくれる入門書です。

 

著者
山口 周
出版日
2018-05-18

 

経営コンサルタントとして活躍する作者が、ビジネスパーソンに向けて独自の視点で哲学を紹介します。

あくまでも「使える」ことを基準にした構成が特徴。状況を正確に洞察し、批判的思考を学び、アジェンダを定め、過ちをくり返さない……本書を読むと、ビジネスに必要なクリティカルシンキングに哲学がいかに有効かがわかるでしょう。

また、読者が知りたいコンセプトから逆引きできるのも魅力的。哲学に対し、これまで実生活に役立たないと思っていた人にこそ読んでほしい一冊です。

 

世界中でベストセラーになったおすすめ哲学本『「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義』

 

道徳哲学と規範倫理学の専門家として知られるシェリー・ケーガン。本書は、彼がイエール大学でおこなっている「死」をテーマにした講義をまとめたものです。

世界各国で翻訳出版されたベストセラーで、哲学に興味をもつよいきっかけになるでしょう。

著者
["シェリー・ケーガン", "柴田裕之"]
出版日

 

生と死の本質、不死、魂の存在、自殺……「死」というのは、誰にとっても身近なテーマです。決してスピリチュアルだったり宗教的だったりする内容ではなく、個人の死生観への批判が書かれているわけでもありません。哲学的な切り口で「死」を捉えようとしているのが魅力でしょう。

作者は本書を通じて、物事を多面的に考える方法を示してくれます。たとえば5人の命を助けるために1人の命を犠牲にすることは正しいのか。誰も「死」を体験していないのだから、一概に悪いものだとはいえないのではないか……。「死」という現象を考察することで、哲学をすること、考えることの楽しさがわかるでしょう。

とにかく面白い!おすすめの哲学入門書『史上最強の哲学入門』

 

偉大な哲学者たちの思想を解説した入門書。「真理」「国家」「神」「存在」という4つのテーマに分かれています。

古代ギリシアから現代まで、真理を求めて闘った哲学者が時代順に登場。歴史を感じながら哲学に触れられる一冊です。

著者
飲茶
出版日
2015-11-05

 

哲学や科学に関する書籍を多数発表している、飲茶の作品。表紙からもわかるように格闘漫画『グラップラー刃牙』のファンだそうで、同作の雰囲気を織り交ぜながら解説していきます。

とにかく文章が面白くてわかりやすいのが魅力的。ソクラテス、デカルト、サルトル、マルクス、ニーチェなどの偉人たちが次々と登場し、彼らがどんなことを洞察したのか、概要を簡単に知ることができます。初心者にぴったりの一冊だといえるでしょう。

難解な概念もイラストでイメージできる入門書『哲学用語図鑑』

 

古代ギリシャのピタゴラスから現代のサンデル教授まで、さまざまな哲学用語をイラストを交えて解説した作品。

ひとつの用語に見開き1ページを使ったシンプルな構成で、順に読んでいけば哲学の変遷の歴史も理解できるでしょう。

著者
田中正人
出版日
2015-02-26

 

約200の哲学用語を収録した作品。

哲学を学びたいと思った時、難しい言葉がたくさん出てくることで挫折をしてしまう人も多いでしょう。本書では「図鑑」とあるように、文字だけでなくイラストを用いて説明してくれているので、難解な思想や概念もイメージしやすくなっています。

人物紹介のページで自分の考えにあう哲学者を見つけるなど、楽しみ方もさまざま。逆引きもできるので、他の哲学書を読む際の副読本としてもおすすめです。

物語調で読みやすい、自己啓発できる哲学本『夢をかなえるゾウ』

 

主人公の「僕」は平凡なサラリーマン。これまでさまざまな自己啓発本などを読んできましたが、失敗続きです。

ある日パーティーに出席した時、そこにいたセレブたちの住む世界と、自分のいる世界に大きな差があることを痛感。泥酔して帰宅し、「人生を変えたい」と、インド旅行で買ったゾウの置物に泣いて訴えました。

すると翌朝、置物から化けて出た神「ガネーシャ」が登場。その日から「僕」は、夢を叶えるためにガネーシャから与えられる課題を実行することになるのです。

著者
水野 敬也
出版日

 

2007年に刊行された水野敬也の大ヒット作。「ガネーシャ」とは、4本の腕とゾウの鼻をもっている、インドで大衆に信仰されている神様のこと。本書では関西弁を話す強烈なキャラクターとして登場します。

ガネーシャが僕に出す課題は、「靴を磨く」「食事は腹八分目にする」「運が良いと口に出して言う」などこれまでに偉人たちがおこなったもので、なおかつすぐに実行できるものばかり。成功体験をひとつずつ積み重ねていくことで、僕の意識がどんどん変わっていくのです。

参考文献が多数掲載されているのも嬉しいポイント。気軽に哲学に触れられます。第2弾、第3弾も発表されているので、あわせて読んでみてください。

ベストセラーになった哲学の入門書『14歳からの哲学 考えるための教科書』

 

「言葉」「自分とは何か」「死」「心」「体」「理想と現実」「友情と愛情」「恋愛と性」「本物と偽物」など、思春期のうちに考えておきたい30のテーマを提示し、思考を促す作品。

初心者でも理解できる言葉を用いて、わかりやすく解説してくれます。

著者
池田 晶子
出版日
2003-03-20

 

作者の池田晶子を一躍有名にした作品。国語や道徳の授業でもよく用いられています。

「考える」ことを目的に書かれたもので、明確な答えを提示するのではなく、道筋を示してくれているのが特徴。日常やルールによって停止しがちな思考を動かし、考えるきっかけをくれるのです。

語り口は14歳に向けた優しいものですが、内容のレベルが落ちているわけではないので、哲学の入門書を探している大人の読者にもおすすめです。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena
もっと見る もっと見る