5分でわかる医療秘書!仕事内容やおすすめの資格、年収事情を解説!

更新:2021.11.24

医療機関で働く事務職のスペシャリストともいえる医療秘書。医療に関わる仕事のため秘書という職業のなかでも待遇がよいことが特徴で、雇用も安定していることから人気のある職業ともいえます。未経験からでもはじめやすく、関連する資格を取得することで医療秘書としての信頼を得ることもできます。 今回はそんな医療秘書の仕事や働き方、おすすめの資格や年収事情などについて詳しく解説します。記事の最後にはあわせて読みたい書籍も紹介しているので、興味のある方はそちらもぜひ目を通してみてくださいね。

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医療秘書の仕事とは

医師の代わりに事務を担う秘書

医療秘書とは、医師や看護部長などの秘書業務を担当する職業で、最近ではメディカル・セクレタリーとも呼ばれています。

医師の仕事が多忙をきわめているという背景から、医師の業務負担を軽減し医療行為に集中できるよう、医師の事務職を代わりに担う職業として医療秘書が重宝されるようになりました。近年医療が進歩していくにつれて医療秘書が担う仕事も増えてきており、医療現歯では書かすことのできない職業であるともいえます。

事務、秘書、情報管理の仕事をおこなう

医療秘書の仕事は医療機関でおこなうのですが、その仕事は主に4つです。

▷秘書業務

1つ目は秘書業務です。医師の学会や研究会へ出席できるよう医師の予定を調整し、スケジュールを管理をおこないます。また、関係各所への電話応対や来客応対も医療秘書がおこないます。

外部のスタッフだけでなく医師と看護師やほかのメディカルスタッフ、患者さんやその家族との連絡調整などをおこなうこともあります。

▷一般事務

2つ目は一般事務です。医師の会議に同席して会議内容を記録したり、医師の指示で書類を作成したりします。他にも病院内外に提出する書類の作成代行も医療秘書がおこないます。

患者さんへの診断書や、証明書の作成代行、診療記録の代行入力をおこなうこともあります。

▷保険請求事務

3つ目は保険請求事務です。これは、医療事務や外来クラークもおこなう仕事で、健康保険組合などに診療報酬を請求するための書類の作成などをおこないます。

医療機関の中には医療秘書を医療事務あるいは外来クラークというポジションにつけてこの業務をおこなってもらうというところもあります。

▷情報管理

4つ目は情報管理で、医師の診断結果や検査結果、治療方法、病状経過などが記載されている診療情報や検査結果、レントゲンのフィルムなどを管理・保管し、必要な時に必要な情報を医師に提供します。

情報管理は非常に重要で、他の職業には任せづらい、医療秘書だからできる仕事であるともいえます。

医療秘書の就職先。活躍できる場所

医療秘書が働ける場所は病院あるいはクリニックです。大学病院や総合病院で働かれている方が多い傾向にあります。医師と看護師がいればどこでも働けるため福祉や介護の施設で働いている方もいらっしゃいます。

秘書という言葉を聞くと、秘書として人のいうことを聞くというイメージがあるかもしれません。ですが医療秘書は主体的に行動ができて、相手のことを考えられる人が向いている職業です。

医療であるため、医療の専門用語を熟知していることも必要となるので勉強熱心であることや、向上心があることも必要です。

また医師や看護師だけでなく患者さんや外部の業者とコミュニケーションを取ることもあるため、コミュニケーション能力は最重要であるといえます。

医療秘書の給料。ボーナスで年収アップが見込める

医療秘書の平均年収は320万円ほど

医療秘書の年収は320万円くらいが平均的とされています。医療機関はボーナスが高い傾向にあるため、ボーナスで年収アップが期待できるという印象です。そのため、ボーナスがもらえないというところやパートなどボーナスの出ない雇用形態では収入が低くなる傾向にあります。

雇用形態や勤務地で年収差がある

先述した平均年収は正社員の年収です。正社員であれば福利厚生も充実していますし、年2回のボーナスを支給している医療機関は多いでしょう。

しかし派遣・契約などの非正規職員の場合はボーナスや福利厚生は期待できません。時給は800円〜1500円が相場であり、資格の有無による給料の差はあまりないと言われています。

なぜなら医療秘書の仕事は医療の知識が証明されているのは大事ですが、それ以上に医療秘書としての経験が重視されるからです。無資格の場合は働きながら資格を取得し、とにかく多くの経験を積むことを意識するとよいでしょう。

また勤務地によって給料の差があります。最も高いのが都心の病院勤務の場合で、平均年収は450万円前後となります。地方の場合では280万円前後の平均年収となりますから、高い収入を得たい方は都心で働くのを検討するのがおすすめです。ただもちろんその分、就職競争率は高くなります。

医療秘書になるために必要な資格

医療秘書は無資格・未経験から始められる

医療秘書になるために必要な資格はありません。

そのため、無資格未経験でも医療秘書になることはできます。ですが医療機関で秘書業務をすることができるということ、雇用が安定していること、待遇がよいなどといった理由から医療秘書の雇用の倍率は高い傾向にあります。そのため、何か周りと差をつけることができる資格を持っているとよいでしょう。

医療秘書として働く場合のおすすめ資格

医療秘書としての力量を示すことができる資格として、医療秘書教育全国協議会が実施している「医療秘書技能検定」や日本医師会が実施している「日本医師会認定医療秘書」の養成講座などがあります。

▷医療秘書技能検定

特に医療秘書技能検定は医療秘書として就職するときの条件としている医療機関もあります。そのため、もしも周りと差をつける資格の取得を検討している場合は医療秘書技能検定を受けておくことをおすすめします。

医療秘書技能検定は1級・準1級・2級・3級の階級があります。1級や準1級を持っていると就職に有利と言われています。

また医療秘書技能検定は検定試験を受けるための条件はなく、学生のうちからとることができるので将来を見据えて高校や専門学校に通いながら勉強して検定を受けられる方も多いです。 

医療秘書になりたい方に読んでいただきたい1冊

著者
外村美恵子
出版日

医療秘書の手引書ともいえる1冊をご紹介します。本書には、医療秘書のなり方、医療秘書の役割に加えて、実践でも使える仕事の内容が載っています。

2部構成になっているので、医療秘書になるまでと医療秘書になってからとその時の状況に応じて活用することができます。

特に実務編では実際に働かなければ教わることができない業務について詳しく載っているので参考にもなります。また、医療職のそれぞれの役割についても書いてあるので実際に仕事をするうえでも非常に役立つでしょう。

医療秘書になりたいという方はにぜひ読んでいただきたい1冊です。医療秘書になった後でも長く活用できるので、持っていて損はない本です。

医療秘書の勉強を先取りしたい!

著者
医療秘書教育全国協議会試験委員会
出版日

2020年に「医療秘書技能検定」を受ける方のために作られた問題集です。すでに販売されている問題集のなかでは最新版です。

試験を実施している医療秘書教育全国協議会試験委員会が編集をしていることもあり、試験の内容がしっかりと網羅されていることが特徴です。

過去5年間分の試験問題も収録されています。医療秘書技能検定3級は医療秘書技能検定の1番下の階級となります。ですので、医療秘書を目指す方にまず勉強していただきたい内容が盛りだくさんです。

まだ、医療秘書技能検定を受けるかどうかはわからないけれど医療秘書としてどんな仕事をするのか、どんな知識が必要か知りたいという方にも参考になる1冊です。

医療秘書として知っておきたい医療英語を学ぶ

著者
山中マーガレット
出版日

医療現場で使える英語のフレーズや単語などがすべて網羅されており、実践でも使える1冊です。

医療用語を英語にしたい場合や、まったく日本語が話せない方への声かけや対応の方法、それぞれの場面で必要な英語のフレーズなども載っています。 特に医療秘書は患者さんだけでなくご家族と接する機会も多いため、患者さんやご家族と接する際に知っておきたいフレーズが盛りだくさんです。

国際化が進んでいる近年では医療秘書も外国人の方とやり取りをする機会があるため、他の医療秘書と差をつけるならこの1冊を活用してほしいです。CDもついているので、ネイティブの発音も聞けて勉強になります。

医療秘書だけでなく看護師などほかの職種も活用している1冊です。


医療の現場でマルチに働くことのできる医療秘書。秘書としての仕事や事務作業はもちろんですが、何よりコミュニケーションが大切である職業のため、人と関わることが好きな方にはやりがいのある仕事なのではないでしょうか。 

資格がなくても働くことはできますが、資格を取って周りに差をつけることで就職や転職で有利になります。

ご紹介した書籍は読んでおくだけで医療秘書の即戦力となることができるものばかりです。医療秘書を目指す方は一読していただき、チャレンジしていただきたいです。

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