指先を華やかに彩り、心も華やかにしてくれるネイリストという職業。爪の一つひとつを魅力的にみせてくれるネイリストという職業に、憧れを持っている方は多いのではないでしょうか。 ネイリストにはどうすればなることができるのか、その働き方や収入、また必要な資格について詳しく解説していきます。また、ネイリストになりたいと考える方におすすめしたい書籍もご紹介します。ネイリストという職業に興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
ネイリストには明確な定義はありませんが、ネイルアートを施したり、爪のケアをしたり付け爪を作成したりする爪のプロフェッショナルをネイリストと呼んでいます。
日本ネイリスト協会が発刊しているネイル白書2020によると、2015年以降のネイル産業市場は前年比1%前後の増加を続けているということです。2020年の売り上げは2344億円になると予測しています。
1985年に日本ネイリスト協会(JNA:Japan Nailist Association)が設立されたことをきっかけにネイリストとしての基盤が確立されました。2000年にジェルネイルが流行りだしたのを機に、ネイリストの需要も高まっていきました。
ネイリストの働ける場所は主にネイルサロンです。ネイルサロンで腕を磨き、自分で開業するという道もあります。ネイルセットがあればご自宅などでも開業をすることができるため、家庭を持っている女性からも人気のある職業といえます。
さらにネイリストとしての技術を磨き、さらなる資格取得が必要とはなりますが他にもネイリストになるために学ぶ学生の講師として働くこともできます。
ネイリストの収入は働き方によっても異なります。サロンで働く場合ですと2020年時点で300万円が平均となります。都心部で働いている方の方が収入が高くなる傾向にあります。
自分で開業したり腕を挙げて指名料を取れるようになると、もっと収入は上がります。ネイリストを育成する講師になると年収は400万円前後になります。
ネイリストは座ってできる仕事のため年齢を重ねても長きにわたってできる職業です。自宅開業ができれば子育て中でもできるところがメリットでしょう。また、自分のデザインしたネイルチップの販売などいろいろな働き方ができます。
自分でデザインを考えることも多いため、絵を書くのが好きという方やデザインを考えるのが好きな方におすすめな職業です。
ネイリストになるには必ずしも資格が必要というわけではありません。ですが、ネイリストの民間資格が日本ネイリスト協会によって誕生したこともあり、近年ほとんどのネイリストの働ける職場がこの資格を取得していなければ雇用をしてくれなくなっています。
つまりネイリストになるためには、ネイリスト技能検定資格の1~3級と、ジェルネイル検定の初級~上級までの資格が必要であるといえます。
また、いずれ独立したい方はなおさらこの資格の取得は必須であるといえます。
ネイリストの民間資格は細かく分かれています。
◾️ネイリスト技能検定試験
まず、ネイリストとして働くには「ネイリスト技能検定試験」を受けることが必要です。ネイリスト技能検定は1級から3級まであります。
試験は、筆記試験と実技試験です。筆記試験よりも実技試験の難易度が高いとされており、練習は必須、独学での取得はかなり厳しいとの見方もあります。
2級を取得していると、ネイルサロンで働くことはできるもののできる業務は限られますし、2級でのサロン開設はほぼ不可能です。そのため、ほとんどの方が1級を取得しています。
なかには、2級を取得した時点でネイルサロンでアルバイトをしながら学び、1級まで取るという方もいらっしゃいます。
◾️JNAジェルネイル技能検定試験
これに加えて多くの職場では「JNAジェルネイル技能検定試験」の取得まですすめています。ジェルネイル検定とはサロンでジェルネイルを施術するために必要な理論と技術の修得を問うものです。こちらは初級、中級、上級にランクが分かれています。
ジェルネイル検定の中級まで合格していなければ、サロンでジェルネイルは施すことはほぼできません。
ネイルサロンの60%がジェルネイルの時代ですので、せっかくネイルサロンで雇用を得たとしてもジェルネイル検定の資格がなければほとんど仕事できないともいえます。
3級や初級の試験を受けるための条件などはなく、どなたでも受けることができます。ですので学生のうちから、あるいは他の仕事をしながら資格を取得してネイリストに転職するという方もいらっしゃいます。
スクールに通うなどの要件もないため独学でも試験は受けられますが、実技試験を独学でカバーすることは、階級が上がっていくにつれて難しいといえます。そのため、多くの方がスクールなどに通って資格試験の対策をされているのが現状です。
今回はまず独学で知識を身に付けたい、ネイリストの仕事についてさらに詳しく知りたいという方におすすめの書籍をご紹介します。
- 著者
- 日本ネイリスト協会
- 出版日
ネイリストの資格認定をおこなう日本ネイリスト協会が出している1冊です。
ネイリストのワーキングスタイルや、プロのネイリストに必要なスキルとネイリストの基本であるサロンワークなどについてしっかりと解説がされていることが特徴です。
また、フリーランスとしてさまざまなスタイルで働くネイリストと達を取材してその働き方を紹介。 ネイリストになった後の働き方の参考にすることもできるでしょう。
どうすればネイリストになれるのか、どんな勉強をしていくのかということから、ネイリストとしての働き方まで詳しく載っているため長期的に参考にできるのではないでしょうか。
さらに自宅でネイルサロンを開くためのハウツーも載っており、ネイリストになりたいという方から、ネイリストになった後にどのようにスキルアップ、キャリアアップをしていけばいいか悩んでいる方まで多くの方に見てほしい1冊です。
- 著者
- 嶋田美津惠
- 出版日
2020年上半期にテレビ番組でも取り上げられ話題を呼んだ1冊です。
予約のとれない人気「育爪サロン」の主宰者が美しい爪を作り上げるにはどうしたらよいのか、その技術や知識を余すことなく掲載しており、非常に見応えがあります。
カラー写真で手技を掲載していて見やすく初心者でもわかりやすいというところもポイントです。付録にネイルファイルがついてくるので本を見ながら自分の爪のケアもすぐに始められます。
ネイリストはネイルを施すだけでなく、自爪をきれいにケアするプロフェッショナルでもあります。まずはネイリストが扱う爪に対しての関心をこの本で高めてみてはいかがでしょうか。
この本の読者層は意外にも30代~50代が多く、幅広い世代の女性に愛されている1冊といえます。ネイリストの勉強を始める前にこの本を活用して自分の爪と向き合ってみてはいかがでしょうか。
- 著者
- ["「予約が絶えないネイルサロンのつくりかた。」編集部", "「予約が絶えないネイルサロンのつくりかた。」編集部"]
- 出版日
実際にリピート率9割を誇る人気ネイルサロンの12店の開業から起動にのせるまでの方法をまとめた1冊です。
マンションの1室から初めて4年で3店舗をオープンしたオーナー、自宅で開業して軌道に乗せた方などさまざまな境遇から繁盛店へと導いたネイリストのお話が載っています。
実際の開業テクニックやネイリストとしての経験の積み方など、これからネイリストになる方にも勉強となる1冊です。
特に開業を視野に入れている方は先取りとしてこの本から知識を入れていくのもよいでしょう。
ネイリストの方だけでなく、ネイリストの資格は持っていないがネイリストを雇ってネイルサロンを開業したいと考えている方にも読まれている1冊です。
ネイリストとして独立して働くためにはさまざまな資格を取得するだけでなく経験の積み重ねが必要といえます。ネイリストの資格は取得してしまえば長く働けますし、やりがいも感じられます。開業などキャリアアップの道も開けることがポイントです。
年齢の制限もないため学生のうちから資格を取ることも可能ですので、興味のある方は早いうちから始めてみてはいかがでしょうか。
まだネイリストの資格を取るか悩んでいるという方には書籍を読んでいただき、ネイリストもしくはネイルについて深く知るきっかけとなっていただければ幸いです。