ホテルで働くスタッフといえば、フロントマンやコンシェルジュ以外にベルボーイ・ベルガールが思い浮かぶという方も多いのではないでしょうか。最近では、男女の区別なく「ベルスタッフ」と呼ばれていることも増えているようです。 この記事ではベルスタッフのやりがいや仕事内容がわかります。就職活動や転職の際にホテルで働きたいという方に、ベルスタッフになるための近道や持っていると有利な資格についても解説していきます。 ホテル業界に興味がある方はもちろん、将来は接客業につきたいという方も、ぜひ参考にしてみてください。
ベルスタッフは「ベルボーイ・ベルガール」と呼ばれることもありますが、近年では男女を区別しない呼び方として「ベルスタッフ」と呼ばれることも多くなってきました。
ベルスタッフは、主にホテルのロビーに立ちゲスト(お客様)をご案内する仕事です。ゲストと接する機会も多く、ホテルの顔というイメージも強い職業のため、ホテルマンを目指す学生からの人気が高いポジションでもあります。
上記の仕事以外にも、観光客の多いリゾートホテルや首都圏のホテルでは写真を撮ってあげたり子供と接する機会も多く、ゲストの思い出づくりをお手伝いをすることもあります。
ホテルのコンシェルジュほどではありませんが、観光スポットなどに詳しいことも求められるため、周辺施設については説明できるようにしておくとよいでしょう。
初任給は大学卒業と専門学校卒業(または高校卒業)で金額が異なることもあり、おおよその数字は以下の通りです。
金額を見てみると、初任給としての水準はあまり高い方ではないようです。しかしベルボーイから昇級し、ベルキャプテンなどにステップアップすることで、年収が400万円以上稼げることもあります。入社してからの頑張り次第といったところでしょうか。
また、マネージャークラスまで昇格すると年収800万〜1000万円という人もいます。こちらも頑張り次第では一般的な会社員より稼げる可能性があります。
専門学校や観光学を学べる大学がベルスタッフへの近道
ホテルの専門学校や観光学が学べる大学に進学することで、ホテルに就職するために有利な知識や情報を学ぶことができます。
ホテル業界は、人事や経理、広報といった裏方の仕事以外は即戦力が求められる業界でもあるため、実用的なホテルマナーやホテル英会話を取得すると就職してからもすぐに活躍できる可能性があります。
◾️専門学校で学ぶなら
これらの専門学校は有名校であり、高い就職率を誇ります。短期間で実用的なマナーを身に付けるため実習などが充実しています。同じ目標を持つ友人と切磋琢磨できる環境なので、モチベーションを保ちながら着実にレベルアップできることでしょう。
◾️大学で学ぶなら
その他にもたくさんの大学で観光学やそれに関する学部が設立されていますので、ぜひ調べてみてください。
参照:スタディサプリ
ベルスタッフになるための就職試験に明確な学部の規定はありません。そのため、観光学を学べる学部でなくても語学系の学部で学んできた方が入社するケースはよくあります。
ホテルの専門学校を卒業したからといって、まったく英語が話せない……という人材より、観光学は学ばなかったけど英語とフランス語が話せますという学生の方が有利になることもあるようです。
世界情勢が落ち着いた後には、再びアジア圏観光客の倍増も予測されます。そのため、英語に限らず韓国語や中国語などを勉強してみるのもひとつの手でしょう。
また、実際の面接試験では学校で勉強してきたこと以外に、学生時代に頑張った活動や経験を聞かれることも多いため、アルバイトを頑張ってみる・お金を貯めて外国のホテルを見にいってみる・ボランティア活動に参加するといったことが役に立つこともあります。
またベルスタッフとして働くうえで大変なことも知っておくと、この先就職を考えるときにも役立つはずです。
ホテルではレベルの高いサービスを提供しなくてはいけません。そのうえで重要なのが「ホスピタリティ(おもてなしの心)」を持っているかどうかです。普段の生活でも人を思いやることのできる人、人が喜ぶことを考えるのが好きな人はホテルマンとして成長できる可能性が大きいでしょう。
ベルスタッフはホテルの「顔」であり、ゲストと接する機会も非常に多い部署です。そのなかで、ドアマンやフロントといった別の部署との連携も非常に大切にされています。基本的にホテルはチームワークで成り立っています。どんな人とでもチームワークを発揮することができ、その重要性を知っておくことはとても大切です。
なんといっても、一日中立ちっぱなしの状態が多い部署がベルスタッフです。さらにゲストから預かった荷物はスーツケースなど非常に重い荷物が多く、それらを1日に何回も運ばなくてはいけません。
1回の出勤で何組ものゲストを部屋まで案内するため、ホテルの構造によっては階段の昇り降りを繰り返すことも多いでしょう。「ベルスタッフとして働くということは、体力勝負である!」といっても過言ではありません。
これまで部活動で体を使ってきた、もともと体を動かすことが好きだという方には向いている仕事といえるでしょう。
ベルスタッフの仕事内容や、転職の際に覚えておきたいことなどはわかりましたが、肝心のベルスタッフのなり方がまだ不透明ですよね。
ベルスタッフになるにはどんなことが必要なのでしょうか。
「この資格を持っていないとホテルでは働けません」という規定を設けているホテルはほとんどありません。
しかし、ホテル業界と語学の重要性は切っても切り離せないのが現実です。英検やTOEICで、ある一定以上の点数をとっていないと就職試験を受ける資格が得られないこともあります。これは外資系ホテルや首都圏の有名ホテルによくみられる傾向です。
英検、TOEIC以外にも「観光英語検定」という試験があります。
この試験はホテルなど観光系の仕事で使える実用的な英語の検定です。即戦力も重要とされるホテル業界を目指すなら、持っておいて損のない検定です。試験勉強をする中で、旅行者として使える英語も多く出てきますので、興味がある方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
- 著者
- サマー・レイン
- 出版日
こちらはスタンフォード大学で言語学を研究し、自らも数カ国語を操るサマー・レイン先生のテキストです。確実に話す力が身につく「聞いて」「真似して」「使う」の3ステップトレーニング学習法で、すぐに使える英会話を学ぶことができます。
本書とサマー先生のYouTubeチャンネルの両方を使って学習することで、効率的にスピーキング力とリスニング力をつけることができるので、英会話学習が驚くほど楽しくなりますよ!
YouTube:サマー先生のなりきり英語音読
- 著者
- 詩歩
- 出版日
ホテルは「ゲストに非日常空間を提供する仕事」ともいえます。上質な空間に最高のサービス、まるで自分が国のVIPにでもなったかのような感覚……。勉強や仕事を忘れて、こうした時間を味わえるのもホテルの魅力です。
そんな非日常空間を味わいたいという方は、こちらの本で世界一周してみてはいかがでしょうか?
こちらは国内外問わず、ゆっくりと滞在しながら絶景を堪能できるホテルや旅館・キャンプ場・寝台列車を約60箇所厳選し収録。
「星空観測をするためにつくられた、ベットの上に窓があるホテル」「ピラミッドが目の前なのに、お手頃価格で泊まれるホテル」など、非日常とは何かを教えてくれる1冊です。
「おやすみ前にリラックスして読んでいただきたい」そんな思いを実現するため、手触りや質感にこだわった上質紙を使用しているところもポイントです。
- 著者
- 香取貴信
- 出版日
ホスピタリティって具体的にどんなサービスのこと? と思う方もいるかもしれませんね。そんな方に、具体的なエピソードをコミカルタッチに書いた1冊をご紹介します。
こちらは初版が2007年の本です。すでに10年以上経っている情報にも関わらず、今のホスピタリティ業界にも役立つ「働くこと・教えること・本当のサービスとは?」といった疑問に、実際に起こったエピソードを通して答えてくれています。
ヤンキー少年が東京ディズニーランドのアルバイトを通して社会人として成長し、現場の教育担当をするまでになった物語を体験談としてまとめた内容になっています。
辛いことや納得できないことも多い接客業界で、仕事のやりがいや責任感を持つことの大切さを作者の分かりやすいエピソードとともに綴っています。
難しい言葉は使われていないので、学生の方にも漫画のような感覚でさくさく読み進められるはずです。
今回はベルスタッフのやりがいや仕事内容を解説しました。ベルスタッフに限らず、ホテルの仕事は体力的に大変なことも多く、ここには書いていないようなイレギュラーなゲスト対応も発生するでしょう。
すでに体力に自信がある方は、語学を身につけておくと就職活動や転職活動のときに有利になります。また、アルバイトやこれまでの経験も大切です。ホテルで働く際、これまでの経験が意外にも役に立ったということは珍しい話ではありません。
「ホスピタリティ」という言葉に興味を持った方は、ぜひホテルについて調べてみてください。きっとホテルの魅力にハマってしまうはずです。