5分で分かる社会福祉学!日本の大学や取得できる資格、就職先可能な職業を解説!

更新:2020.9.28 作成:2020.9.28

超高齢化社会にともない、需要の高まっている社会福祉の分野。一度就職をした方があらためて学びなおし、転職などに活用することも多い学問です。 社会福祉とは何を学ぶ分野なのか、また大学ではどんなことを学べるのか、社会福祉学を学ぶことによってどんな仕事に就職職できるのかなどを詳しく解説していきます。 また、社会福祉学を学びたいと考える方におすすめの書籍もご紹介していきます。社会福祉学を学びたいという方はぜひ参考にしてみてください。

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目次

社会福祉学とはどんな学問?

社会福祉学とは

まずは、社会福祉学で学べる社会福祉がどういったものかについてご紹介します。

社会福祉とは

社会福祉とは児童、高齢者、心身障害者、母子など生活不安を抱えている社会的弱者が自立し、能力を発揮できるように、国や地方公共団体などがおこなう公的サービスや民間団体の社会福祉事業のことをいいます。

社会福祉学とは

社会福祉学では、社会的弱者が自立して能力を発揮できるにはどうしたらよいのか、法的な制度や教育、環境などについて幅広く学んでいく学問のことを言います。乳幼児から高齢者まで幅広い年代に対応する分、おのおのの年代の悩みを解決するための知識をつける必要があるといえます。

社会福祉学を学ぶためには社会福祉事業について知っておくことが必要となりますので、ここからは社会福祉サービスを提供する社会福祉事業についてここで詳しく解説していきます。

まずは社会福祉事業について知る

社会福祉事業とは社会福祉法によって、下記のように決まっています。またその社会福祉事業は第一種と第二種に分類されています。
 

社会福祉を目的とする事業のうち、規制と助成を通じて公明かつ適正な実施の確保が図られなければならないもの

第一種社会福祉事業

第一種社会福祉事業とは「生活保護法に規定する救護施設、更生施設その他生計困難者を無料または低額な料金で 入所させて生活の扶助をおこなうことを目的とする施設を経営する事業」のことをいいます。

利用者への影響が大きいため、経営安定を通じた利用者の保護の必要性が高い事業がこれにあたります。

第一種社会福祉事業はにはどのようなものがあるのかを、それぞれの法律に分類してみていきましょう。

 

  • 救護施設
  • 更生施設
  • 生計困難者を無料または低額な料金で入所させて生活の扶助をおこなう施設
  • 生計困難者に対して助葬をおこなう事業

 

児童福祉法によるものでは、下記のような事業があります。

 

  • 乳児院
  • 母子生活支援施設
  • 児童養護施設
  • 障害児入所施設
  • 情緒障害児短期治療施設
  • 児童自立支援施設

 

老人福祉法によるものでは、養護老人ホーム、 特別養護老人ホーム、 軽費老人ホームがあります。 
 

障害者支援法によるもの には障害者支援施設があり、このほかにも共同募金をおこなう事業も第一種社会福祉事業となります。

第一種はその施設において生活をしていく事業が主となります。

第二種社会福祉事業

第二種社会福祉事業とは「生計困難者に対して、その住居で衣食その他日常の生活必需品若しくはこれに要する 金銭を与え、または生活に関する相談に応ずる事業」のことをいいます。比較的利用者への影響が小さいため、 公的規制の必要性が低い事業です。

第二種社会福祉事業はたくさんあるためすべてはここで紹介できませんが、一例をご紹介します。児童福祉法によるものでは下記のような事業があります。

 

  • 保育所
  • 放課後児童健全育成事業
  • 乳児家庭全戸訪問事業

 

母子および寡婦福祉法によるものでは母子家庭等日常生活支援事業があり、老人福祉法によるものではデイサービス事業、認知症対応型老人共同生活援助事業、小規模多機能型居宅介護事業があります。

障害者自立支援法によるものでは障害福祉サービス事業 、移動支援事業があります。

第二種社会福祉事業は在宅サービスが主体となり自宅から通いあるいは訪問してもらって支援を受ける者となります。

第一種社会福祉事業と第二種社会福祉事業の違い

第一種社会福祉事業と第二種社会福祉事業の違いは経営主体です。第一種の方が第二種よりも対象者の生活を守る事業であるため、経営主体が国や地方自治体と社会福祉法人と決められています。

一方、第二種は社会生活を支えるサービスとなるため経営者の制限はありません。

自分がどちらの視点から社会福祉を学び、社会福祉事業に従事したいか、社会福祉を学ぶ上での将来の選択肢となるようにぜひ覚えておいてください。

社会福祉と介護福祉はどう違うの?

社会福祉と混同されやすいのが介護福祉です。社会福祉と介護福祉の違いとしては、社会福祉は高齢者だけでなく子どもや大人、障害を持っている人、もっていない人とすべての人が対象となるといえます。

たとえば、身体的な障害で車いすに乗っているなど、目に見える障害を持っていなくても社会生活を送る上での障害(精神障害や貧困、経済的自立が困難など)を取り除くためにどうすればいいかに取り組む学問です。
 

一方、介護福祉は介護が必要となる高齢者、介護認定を受けている方が対象です。これが大きな違いといえるでしょう。

社会福祉学を学べる大学は?

社会福祉学部のある大学

社会福祉学を中心とした学問を学べる社会福祉学部を置いている大学は、日本全国で29校あります。少ないと感じるかもしれませんが、社会福祉学部は1957年に愛知県の日本福祉大学が最も古く、そこから私立大学でも急速に増設された背景があります。

公立大学は4大学、私立大学は25大学であり、過去には下記の4大学でも社会福祉学部が設置されていましたが、2020年9月現在では学部名が変更されています。

 

  • 大阪府立大学:人間社会学部へ移行
  • 東北福祉大学:総合福祉学部へ移行
  • 淑徳大学:総合福祉学部へ移行
  • 吉備国際大学:保健医療福祉学部へ移行

その他、学部ではなく社会福祉学科や社会福祉コースなどを設置している大学も存在します。

 

社会福祉学部を経て取得できる資格

社会福祉学部を修了することでまず取得することができるのが、「学士(社会福祉学)」です。その他、所定・特定の単位を修得することで取得できる資格はさまざまあります。

 

  • 高等学校教諭一種(福祉)の教員免許状
  • 社会福祉主事任用資格
  • 児童指導員任用資格
  • 児童福祉司任用資格

 

また4年制大学で養成課程を修了し、試験に合格することで得られる国家資格も存在します。

 

  • 社会福祉士
  • 介護福祉士
  • 精神保健福祉士

 

大学で社会福祉学を学ぶのであれば、所定・特定の単位を修得することで得られる資格と、卒業と試験合格にて得られる国家資格のどちらも取得しておきたいところではないでしょうか。

特に「社会福祉士」と「精神保健福祉士」の国家資格は、それぞれ社会福祉士養成課程、精神保健福祉士養成課程を修了すると実務経験が免除され、そのまま国家試験を受験することができます。この制度を利用した国家資格の受験は考えたいところです。

社会福祉を学ぶとどんな仕事に活かせるの?

社会福祉学を学べる場所はその後に活かしていく職業によっても異なりますが、大学、養成所などで学ぶことができます。大学院でも学ぶことができるので、さらに知識を深めたいという方は大学院まで進み、学ばれる方もいらっしゃいます。

社会福祉学を学ぶことで働ける場所

社会福祉学を学ぶことで働ける場所もさまざまです。

 

  • 幼稚園教諭
  • 保育士
  • 介護福祉士
  • 看護師
  • 心理カウンセラー
  • 養護教諭

 

たとえば、子どもの社会福祉に関わりたいという方は幼稚園教諭や保育士の免許を取得して働いていますし、高齢者の社会福祉に従事したいという方は介護福祉士として働かれている方もいます。

また、看護師や心理カウンセラー、養護教諭などの職業になるための学校でも社会福祉を学ぶことができますし、仕事で活用していくこともできます。

もしも、社会福祉を専門に扱う仕事をしたいという場合には、社会福祉士の仕事を目指すのがよいでしょう。社会福祉士とは社会福祉の問題に直面している方に助言などをおこない適切なサービスが受けられるように支援する職業です。

社会福祉学の知識と専門領域は異なる

先ほど挙げさせていただいた職業は、たとえば保育士であれば子どものみ、介護福祉士であれば高齢者のみと社会福祉学を活用して関われる対象が決まっています。

また、看護師や心理カウンセラーも社会福祉学を学んでいても介入できない場合もあります。

今回ご紹介した全ての社会福祉を必要とするすべての方に関わっていくことができる社会福祉学のプロが社会福祉士という職業ですの社会福祉学を活かしていきたいという方はぜひ挑戦してみてください。

社会福祉を学びたいと考える初心者の方におすすめの1冊

社会福祉学を学びたいという初心者の方におすすめしたい1冊はこちらです。

著者
岩間 文雄
出版日

タイトルの通り、初心者が読んでも社会福祉のことがよくわかる1冊です。社会福祉の道を志そうと考える高校生くらいの年齢から、大人まで幅広い年代をターゲットにしていることもあり、専門用語を極力使っていないことが特徴です。

社会福祉はどのようなことを学ぶのか、どこに就職できるのか、社会福祉を学ぶことで何を得ることができるのかなどが詳しく載っており、これから社会福祉の道を志す方の道しるべになるのではないでしょうか。

この本の著者は精神病院のソーシャルワーカーや大学の助教授など社会福祉の道で幅広く活躍されてきた方です。社会福祉を学ぶ学生を指導されていることもあり、文章も非常にわかりやすく、読みやすい印象です。

ですが、やさしくて読みやすいというだけではなく、疑問が解決できて腑に落ちるという感覚を得ることもできます。社会福祉を学びたいと考えたらまず読んでほしい1冊です。

社会福祉がどのように社会に関わっていくかを理解できる1冊

著者
渡部 伸
出版日

社会福祉学を活用して障害のある方に関わっていきたいと考える方にはこちらの本がおすすめです。

障害があることで利用できる福祉サービス、公的な支援策、経済的なサポート制度について年代やシーンごとにご紹介した1冊です。社会福祉を学んできた方や、障害のある子を持つ親など、さまざまな方に読まれています。

障害を持っている子が就職するなど、社会で1人で生きていくためのサポート体制などが載っています。幅広いサポート体制が社会福祉によってなされていることを知ることができるのではないでしょうか。

対象者が社会福祉を利用してどのように日常生活を送っているのかというところも知っていくことができます。また、社会福祉学を学んだことのない方にとっては今まで知ることができなかった社会福祉の事業についても知ることができるため、社会福祉の視点が広がるのではないでしょうか。

特に社会福祉を学んで子供と関わりたい、障害のある方に関わりたいという方には目を通してほしい1冊です。

社会福祉を学び始めた方におすすめな1冊

著者
山田 昇
出版日

社会福祉を学び始めた大学生・専門学校生・高校生・社会人など幅広い方を対象に社会福祉とは何か、社会福祉の展望など、社会福祉についてトータルで学べる1冊となっています。

1冊目にご紹介した本は社会福祉を職業として考えた内容が中心ですが、こちらは社会福祉を学問としてとらえ、社会福祉の現在から未来までを細かく解説している本です。

なので、 学問として社会福祉を学び始めた方や、他の職に就いているが社会福祉とは何かをいま一度考えたいという方におすすめです。

教科書的な要素が強く、難しいと感じる部分も多いものの、社会福祉の職に就いた後でも使い続けられまあす。

今の日本にもこれからの日本にも必要といえる社会福祉という学問。社会福祉を学び、職業としてあるいはボランティアとしてでも生かせる場はたくさんあるため、興味を持ったかたはぜひ一度、社会福祉という学問に触れてみてほしいと考えます。 
また、社会福祉学に関する書籍を読んでいただき、興味を持った方は資格取得など社会福祉学で学んだことを活用できる道にも進んでみてはいかがでしょうか。