5分でわかるフローリスト!資格よりセンス重視。仕事内容や年収、転職事情などを解説!

更新:2021.11.23

さまざまな場所で活躍している「フローリスト」という職業。結婚式のブーケ作りから、ショーウィンドウの飾り付け、ホテルやレストランに飾ってある花など、これらをデザインし生けているのがフローリストなんです。必須の資格が定められていないため転職する方も少なくなく、働き方は企業や個人経営など多様です。その分、年収にもばらつきがあります。 今回はフローリストという職業について解説します。また、普段ではなかなか出会うことのできないようなフローリストに関する本もご紹介。お花屋さんに興味がある方も、実際にフローリストを目指している方も、ぜひチェックしてみてください!

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フローリストってどんな仕事?

フローリストの別名

フローリストは「フラワーデザイナー」「花屋さん」と呼ばれることも少なくありません。花を販売するだけでなく、花束をはじめとしたアレンジメントをデザインからおこないます。花に関する知識のほかに、人を惹きつける芸術的センスも必要とされる仕事です。

フローリストの国家資格はある?

フローリストは、特に決まった資格や検定がなくても働くことのできる職業です。資格の取得を希望する場合、「フラワー装飾技能士」という国家資格も存在します。

主に花の販売がメインですが、信頼の得られるフローリストになるためには、花に関する深い知識とデザインや色の配色に関するセンス・知識・アイディアも必要です。

フローリストの経営形態

経営の形はさまざまで、個人経営から大手企業までいろいろな就職先があります。もちろん、フリーランスという形でひとりで活動している人もいれば、夫婦・家族のみで運営しているところもあります。

フローリストとして販売する花は、アレンジした状態で提供することがほとんど。花束のほかに、スタンド花・リース・スワッグ・正月飾りといったアレンジの種類もあります。


フローリストの仕事内容

花を束ねるだけがフローリストの仕事じゃない

フローリストは、綺麗な花を束ねるだけが仕事ではありません。日々おこなわれている業務のなかでも、代表的なものをご紹介しましょう。

  • 市場へ行って花を仕入れる
  • 水揚げをする
  • 花の管理と保管
  • アレンジメント
  • 配達
  • 出張で生け込みや飾り付けをする
  • 結婚式などのイベント会場の飾り付けを請け負う

上記のように基本的な仕事内容を取り上げただけでも、これだけの数があります。

特に結婚式など特別なイベントを請け負うときは、依頼主との打ち合わせも欠かせません。「どんな式にしたいか?」「ふたりのイメージは?」など、上手にコミュニケーションをとって相手の希望を聞き出すことも必要です。

さまざまな場所で活躍するフローリスト

花屋さんというと、優雅に花を束ねる姿を想像する方も多いかもしれません。しかし実際は、花々をスピーディーに仕上げていく技術を必要とします。というのも、花は生モノのため「鮮度が命」です。一本一本、生え方の違いや動きの個性もあり、仕上げながらデザインするバランス感覚やセンスも持ち合わせていないと務まらない仕事です。

以下に記載したものは、フローリストの主な活動場所です。「花を活けている姿をみたことがある」という方もいるのではないでしょうか。

  • 花屋の店舗に配属される
  • 個人経営の花屋
  • アトリエ
  • ホテル
  • 葬儀場
  • イベント会場
  • アパレルショップ
  • レストラン
  • 美容室
  • 個人の自宅

ホテルに関しては、専属のフローリストが存在することもあります。ホテルでおこなわれるイベントや結婚式は1日に1回とは限りません。そこで専属のフローリストが雇われていることも多いようです。

ホテル以外の結婚式場、葬儀場やその他のイベント会場では、大手の花屋と業務提携していることもあります。

フローリストの年収は?

フローリストの収入、決して高くはない

一般的な社会人と比べると、フローリストの給料は決して高くありません。花屋さんに入社してすぐの手取りは、15万円前後といったところ。時給の場合、その地域の最低賃金かそれに毛が生えた程度の金額のところも多く、同年代の年収と比べるとかなり低くなります。

大手企業や個人経営で高収入の方も

もちろん大手企業のマネージャー的立場であったり、個人経営でうまくいっているような場合、年収が500万円以上という方もいます。自分のセンスと力で稼ぎたいと考える方は、大きなお店や企業で経験を積んだあと独立することも多い業界です。

フローリストになるには?

フローリストを目指す前に覚悟するべきこと

フローリストの仕事は想像以上に体力勝負です。花は暖かい場所では保管できないため、冬場でも暖房のない凍えるような寒さの中で作業をおこないます。もちろん花にはお湯も使えません。常に冷たい水を扱うことになり「1年中手が荒れてしまう……」という方も多いのです。

また、花を保管するための水が入ったバケツを何回も運んだりと重労働も多く、市場へ仕入れに行く時間は早朝のため、早起きができないことには仕事になりません。仕入れ〜配達までおこなう場合、1日がかりの仕事になるため長時間労働になる日もあります。個人経営など、少人数で運営しているお店は、そういった傾向が強いようです。

このように、肉体労働や長時間労働に耐えられる自信がある方は、フローリストを続けていく上での強みになるでしょう。

フローリストになるには?

フローリストになるには、いくつかのルートがあります。

  • フローリストの専門学校を出る
  • お花屋さんで働きながら実務経験を積む
  • 独学で学び、開業する

資格がなくても働けるとはいえ、専門学校や通信教育を利用して花やデザインの知識をつけることで、役立つ場面は多くあります。

もしも働きたいお店が決まっていたり、憧れのフローリストがいる場合は、修行の意味も込めてそのお店(またはその人)の元ですぐに働き始めるのも実力をつけるのもひとつの方法です。

フローリストに向いている人

花が大好きな人・人を喜ばせることが好きな人はもちろん、相手の気持ちを汲み取ることができる人(たとえば、新郎新婦のブーケのイメージや葬儀での故人や家族の想いなど)、特別な瞬間を演出することが好きな人もフローリストに向いているといえるでしょう。

花に対する愛情だけでなく、人に対する愛情を持っている方はフローリストに向いているのです。

フローリストとして役立つ資格は?

役立つ資格や検定は?

草花に関する資格はもちろんですが、色やデザインに関する資格や検定が役に立つこともあります。

  • フローリスト検定
  • フラワーデザイナー検定
  • グリーンアドバイザー資格
  • 色彩能力検定

フローリストを目指している方は、上記の資格・検定を参考に挑戦してみてはいかがでしょうか。学んだ知識が役に立つ場面が多々あるはずです。

経験者がおすすめする資格

先ほどご紹介した資格・検定のほかに、フローリストの業務に欠かせないものが「自動車運転免許」です。今は車がなくてもどこにでも行ける時代だからこそ、意外に思う方も多いはず。

しかしフローリストの仕事では、仕入れや配達・イベント会場への移動・花の運搬に、必ずと言っていいほど車を使用します。車を所有していないと仕事の幅が狭まると言っても過言ではありません。

社会人として運転免許を持っていると役立つ場面は多くあります。フローリストを目指す際、可能であれば自動車運転免許を取得しておくとよいでしょう。

今は亡き、カリスマ女性店主の花物語

著者
高橋 郁代
出版日

東京・渋谷の東急ハンズ内の花屋からスタートし、1997年東京・青山に花屋「ル・ベスべ」をオープン。スタイリストや著名人から絶大な人気を誇った、高橋郁代さんの花と人との関わりを書いた物語です。

著者である高橋さんの行動力や工夫の仕方は、花屋に限らずすべての社会人のロールモデルとなって、夢と元気を与えてくれます。

残念ながら、高橋さんは2014年にお亡くなりになりましたが、今でも彼女の存在を感じることのできる貴重な1冊です。きっと花に関わる仕事をする人なら、感動してしまう場面がいくつもあるのではないでしょうか。

フローリストになるために必要な心構え

著者
ピエトラ・ディ・フィオーリ
出版日

小さい頃は何げなく眺めることの多かった図鑑。こちらは、図鑑を開くことが少なくなった大人にもぜひ手にとってほしい1冊です。

掲載されている227種類の花の美しさだけでなく、花の選び方・アレンジの仕方・花言葉までを網羅。直接、花を仕事にする予定のない人でも、家でのアレンジメントや花屋でのお買い物に役立つ内容が載っていますよ。

ハンディサイズの本になっているので、お散歩のときや花屋さんに行くとき、花園に行くときなどに持っていくのもよいでしょう。

センスのよいスワッグを作るには

著者
誠文堂新光社
出版日

贈り物しても人気のあるスワッグ。スワッグをよく知らないという方も、スワッグが大好きという方も関係なく楽しめる本です。

必要な道具や作り方の説明も記載されているので、初心者でも本を見ながらスワッグ作りに挑戦できます。

花瓶に飾る花束とは違って、壁に飾ったり、窓際に吊るしたりといった楽しみ方ができるスワッグ。たくさんの写真を眺めているだけで、イメージが膨らんでくるような1冊になっています。

本の表紙も、これ自体をインテリアのように飾ってしまえるほどおしゃれですよ。

フローリストは、花という「物の販売」と「デザイン」の両方を手がけることのできる面白い仕事であり、美しい花々に囲まれて華やかなイメージも強い職業です。しかし、そのほとんどが裏方の作業で体力的にも辛いことは多いでしょう。
そういった面を除けば、自分のセンスを存分に活かし、人が喜ぶ顔をたくさん見ることができる魅力に溢れた職業です。
本格的に目指したいという方は、検定を受けてみるのもフローリストに近づくための一歩となります。ぜひ、挑戦してみてはいかがでしょうか。

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