会社や役員のサポートをおこなう秘書。彼・彼女らがスムーズに、かつ効率的に業務をおこなうために秘書の存在は不可欠です。就職や転職の際に必須の資格は実はなく、そのため未経験の方でも経験を積みやすいという一面があります。 秘書は人気の企業は外資系、法律事務所などで必要とされる職業なので年収は比較的高く、ボーナスなども期待できます。またここ数年で秘書のあり方にも変化があり、派遣秘書やリモートで秘書業務をおこなうという働き方の多様性も出てきました。 秘書の仕事に憧れている方、人をサポートする仕事に興味がある方はチェックしてみてください。
「秘書」と聞くと女性の仕事とイメージする方は多いでしょう。実際、秘書として働く男女の比率は9:1ほどで圧倒的に女性の活躍が目立つ職業です。
秘書は、社長や役員など、重要なポジションに就いている人物の業務をサポートする仕事です。具体的には以下のような業務をおこなっています。
上記の仕事以外に、人気店のチェックや流行りの手土産のリサーチが必要な場合もあります。
これは、取引先に持っていく手土産や会食をおこなうお店などのセンスの良さが、直接上司が受ける評価に繋がる可能性もあるためです。日頃からデパートのお土産売り場をチェックしたり、口コミのよいレストランのリサーチをしておくと、上司の役に立てる機会も増えるでしょう。
また彼らが自分の業務だけに集中できるよう、さまざまな面でサポートをし、仕事の環境づくりをおこなうことが秘書の役目です。
秘書と聞くとどうしても、社長や役員ひとりに対してひとりずつ付いているとイメージしがちですが、実際、秘書には2つの形態があります。
このようにわかれており、個人秘書は外資系や法律事務所などでよく見られ、グループ秘書は一般企業でよく見られる形です。形態によっては先述した仕事内容の幅に違いがあるでしょう。
会社の内外どちらでも業務をおこなう機会があるため、デスクに座りっぱなしということはなく、さまざまな場所に出向いて業務をおこなっていることもあります。
基本的にはオフィス勤務ですが、担当する上司によっては外出が多いこともあります。たとえば、出張先まで同行したり、会食やパーティーに同行したりといった可能性があるためです。
秘書の新しい業務の形
昨今の働き方改革や出勤事情の変化にともなって「リモート秘書」「派遣秘書」という形の秘書も出てきました。ここでそれぞれの秘書の形について、少しご紹介しましょう。
▶︎派遣秘書
簡単にいうと、企業の秘書のアシスタント的な存在です。任される仕事の範囲が、正社員の秘書よりも少し狭くなると考えると分かりやすいでしょう。
また、派遣会社の指定する企業で仕事をするため、複数の企業で異なる人物の秘書業務を経験することができます。
▶︎リモート秘書
大企業の重役の秘書ではなく、中小企業の社長やフリーランス・個人事業主として働いている方の秘書業務をおこなうことがメインのようです。正社員で雇われることは少なく、業務委託契約を結んで働いている人も少なくありません。
文字通り「リモート」で秘書業務をおこなうため、担当する上司との会議なども在宅でおこなうことが可能です。通常の秘書とさほど変わらない業務内容ですが、WEB上でのやり取りも多いため、よりパソコンのスキルを求められる可能性もあります。
秘書の平均年収は330万円前後です。フリーで働くというよりは、会社に所属している方が多いようです。会社の経営状況にもよりますが、ボーナスにも期待できそうです。
外資系企業や金融業界、役員秘書経験がある人は年収が600万円〜1000万円になることも。派遣社員の場合は、時給制を取り入れているところも多く、おおよそ1500〜2000円が時給の相場です。自分のスキルや実力と比例して、給料が上がると考えておきましょう。
普段、身近で働いている担当上司からの「ありがとう」「助かったよ」という感謝の言葉は大きなやりがいに繋がります。また、上司の取引先などから「〇〇さんの秘書は優秀だね〜!」と評価される場面もあります。これは自分の評価だけでなく、直接会社や上司のイメージをも左右することもある程の活躍となることもあります。
また、上司からの無理難題な要求や状況を自身の力(またはチームで)打破したときの達成感は、自分の成長や実力を実感できる機会でもあります。
秘書の仕事をするにあたって、必須の資格というのは実はありません。資格はなくても就職や転職ができるため、未経験から秘書への転職を目指す方も多いのです。
ですが採用面接の際、資格があることで自己アピールがしやすくなったり、能力を証明することが簡単だったりとメリットがあります。秘書として働く上でおすすめの資格にはどのようなものがあるのでしょうか。
国内で有名な資格といえば「秘書検定」です。3級、2級の難易度はあまり高くなく、取得しやすい資格と言われています。
あまり馴染みがないかもしれませんが「国際秘書検定」は、外資系企業で秘書として働きたい場合に取りたい資格です。秘書業務に関する能力だけでなく、英語力も証明することができますよ。
秘書を目指す上で資格の取得を検討するなら、まず「秘書検定」で資格を取得するのがおすすめです。
4つの階級があり、3級、2級は比較的難易度が低いため取りやすいと言われています。またどの級にも受験資格がないため、社会人でも取りやすい資格といえるでしょう。
出題されるのは秘書としての資格を問う問題や、職務知識・一般知識、マナーや技能についてです。どの階級も、理論と実技のどちらも60%以上クリアすることで合格となります。
2級、3級は2人にひとりは合格することができるので、1発合格の可能性は高いでしょう。秘書としてだけでなく一般的な社会人のキャリアアップとしてもおすすめできる資格です。
業務で英語と日本語を使い、その上で秘書としての業務をおこなうのであれば「国際秘書検定」の資格取得を検討してもよいかもしれません。1979年に第1回目の試験がおこなわれてから、バイリンガルで仕事をする方の能力の証明として取得されています。
資格は2種類あります。CBS資格を取得するには準CBS資格を取得する必要があるため、まずは準CBS資格の取得を目指しましょう。
受験の際、そのほかの受験資格などは定められていません。準CBS資格は春と秋の年2回、CBS資格は9月に1回開催されますので、その試験に合格することで資格を取得することができます。
- 著者
- 昭文社 旅行ガイドブック 編集部
- 出版日
自分が美味しいと思った物を相手に贈るのは、最高の手土産を選ぶ上で大切なこと。食べてみたいお菓子を見つける感覚で眺めていただきたい1冊です。
秘書になる予定がなくても、お友達などに手みやげを持っていく場面でも活躍してくれますよ。眺めているだけでも楽しい気分になれる内容です。
等級は目安となるレベルを記載しましたが、これらの資格を持っていると就職の際に武器になることは間違いありません。
その他にも、PCの基本スキルは必須です。word、Excelくらいは問題なく使える技術を身につけておきましょう。
どんなにたくさんの検定を持っていても、コミュニケーション能力がなければ秘書は務まりません。これは、自分が担当している上司とだけでなく、外部の人とのコミュニケーションも含みます。
また一般常識・相手に不快感を与えないマナー力・臨機応変な対応力なども身につけておくと良いでしょう。はじめは至らない点が多くて落ち込んでしまっても、最後までやり遂げる心構えを持つことが大切です!
- 著者
- 佐藤 一明
- 出版日
この一冊で秘書検定に関する試験対策が全てできます。担当した生徒が合格率95%を叩き出すという人気講師が、試験の対策やポイントをナビゲート。
問題ごとの出題傾向・出題回数も完全に網羅し、最新の試験傾向がわかります。実際にこのテキストで勉強をした人にも「合格しました!」の声が多いロングセラー本です!
全国47都道府県の「メイド・イン・ジャパン」を著者自らが足を運んで完成させた、こちらの一冊。インタビューや写真集の要素も多いからこそ、活字が苦手な人にも読みやすい構成となっています。
日本独自の産業や職人技などにフォーカスしており、日本のどの企業、誰の秘書になったとしても、会話の種や情報として役立つこと間違いなしです。
直接秘書の仕事に興味はなくても、日本の様々な仕事を知ることで、どんな企業や人々がいるのかを知ることは大切です。日本で働くすべての社会人に向けて、仕事の幅や思考を広げるきっかけ作りになってくれるでしょう。
- 著者
- 三浦 春馬
- 出版日
秘書の仕事内容や収入、必要な資格について解説しました。資格の取得はもちろん大切ですが「誰かをサポートして成功をお手伝いしたい!」という強い気持ちがあれば、働くことが極端に難しい職業ではありません。
ご紹介した検定は、秘書以外にも社会人として役に立つものばかりです。秘書を目指していない人でもチャレンジする価値がありますので、ぜひチャレンジしてみてください。