きらびやかなエンターテイメント業界。そのなかでも、タレントの芸能活動をサポートすることのできる芸能マネージャーは人気の職種であるといえます。担当のタレントをサポートし、その魅力を一般の人に知ってもらうため活動する。とてもやりがいのある仕事です。 当記事では芸能マネージャーがどのような仕事をしているのか、就職・転職の時に有利な資格、年収事情などをご紹介します。また、実際にマネージャーとして勤務したからこそ書くことのできる経験や思いを伝えている本も、あわせてご紹介しています。ぜひ興味のある方は本にも目を通してみてくださいね。
タレントに付き、芸能活動がスムーズにおこなえるようにサポートすることが主な業務となります。競争や動きの激しい世界であるため、タレントをプロデュースする力や、うまく管理していく能力が求められます。
それでは具体的にどのような業務をおこなっているのかを見ていきましょう。
タレントを仕事の現場まで送迎し、現場へと同行するお仕事です。テレビなどの収録は早朝から始まったり、深夜までにかかったりすることもあります。そのため、タレントを道中安全に送り届ける必要があります。また、収録前・収録後の時間となるので、移動中に打ち合わせをおこなったり反省会をしたりして利用しているパターンが多いようです。
担当タレントを起用してもらえるよう、芸能関係者へと売り込みます。担当しているタレントの持つ「魅力」をさまざまなメディアのプロデューサーに伝えて、番組に起用してもらえるような交渉をおこなうお仕事です。事務所によっては、営業専門の担当を置くこともあります。
タレントは、テレビ局のスタジオで収録したり、雑誌の取材を受けたり、イベントに参加したりと、さまざまな仕事を日々こなしています。タレントが売れっ子になると、分刻みのスケジュールで行動することが必要となります。もし遅刻や仕事バッティングが一度でも起こってしまうと、次からはオファーが来なくなってしまうなんてことも起こり得ます。
スケジュール管理は、信頼で成り立つ芸能界を生き抜くために重要な仕事のひとつです。
事務所内でおこなう作業など、タレントが芸能活動に集中できるようにするためのサポートなどをおこないます。
事務処理の他には、タレントにモーニングコールをしたり、楽屋での環境を心地よくするために整えたりと、細部にまで目を配りながらサポートします。また他のタレントや事務所への挨拶回りなどもおこない、タレントが働きやすい環境を作り出すこともあります。
担当するタレントが芸能界で成功を収めることで一緒に喜ぶことができます。また、担当したタレントに頼りにされること自体がやりがいだと感じられます。時間も不規則なお仕事ではあるので、その分肉体的にも精神的にも疲労を感じてしまうことはあるかもしれません。ただ、芸能マネージャーと同じく担当タレントと苦しんでいることは少なからずあります。そういった苦楽をともにすることで、一緒に頑張っている感覚を覚えることができます。
必須の資格はありませんが、持っているとよいとされる資格はあります。
先ほども記載したように、マネージャーはタレントの送迎をおこなうことがあります。
たとえば、時間があまりにも早かったり遅かったりする場合や、公共交通機関では行きにくい場所の場合など、芸能マネージャーが運転してタレントを送り届けます。自動車免許を持っていないと業務の幅が狭まってしまうので。持っていると働きやすくなるのではないでしょうか。
信頼関係を大切にする芸能界であるため、横でのつながりを強化することは重要です。さまざまな方面・分野の方々と円滑にやり取りをする必要があります。そのためにも高いコミュニケーション能力を持っておくべきでしょう。
分刻みで働くタレントが、スムーズに仕事を進められるようにするためのスキルです。無駄な時間を作ってしまわないか、タレント自身に負荷がかかりすぎるスケジュールなっていないかなどを確認します。入り時間から収録の開始時間まで、全体のスケジュールを把握する必要があります。
この場合のマネジメント能力は、担当するタレントとの信頼関係を築き上げること、また、担当するタレントの才能を引き出すことを指しています。仕事に対するモチベーションを上げ、維持をしながら、本人や所属事務所もまだ気付いていない魅力を発見してあげましょう。
発見した魅力も、伝わらなければ意味がありません。自分の担当するタレントの魅力や強みをしっかりとアピールし、お仕事につながるように話を進めていく力が必要となります。高い営業力があれば、担当するタレントが売れっ子になるチャンスを多く作ることができます。
芸能マネージャーとしての実績を積んだ30代で平均年収が上がる傾向にあります。
こちらはあくまで平均であり、所属する事務所の規模により変動があります。
給与制度は在籍する事務所の規模によって大きく2つに分かれます。
まずは固定給が支払われて、時間外手当は申請すれば支払われます。なお、年俸制が取り入れられていることが多く、定期的に査定の上給料アップが見込めます。
固定給と歩合給を併用しています。固定給に加えて担当タレントの売り上げに比例した金額が支払われます。芸能マネージャーとしての手腕が給与に直結するため、より自分の手腕が試されます。また、事業全体で大きく売り上げを伸ばすことができれば、臨時ボーナスが支給されることもあります。
- 著者
- 和田 哲幸
- 出版日
本著は芸能界の仕事を網羅している、まさに芸能マネージャーのための教科書。華やかな芸能界のなかで、芸能タレントの活動領域が多岐にわたるように、芸能マネージャーの仕事もそれに合わせて多岐にわたっています。
芸能プロダクションの経営に携わる著者が、ステージ市場、放送市場、音楽市場、映画市場、広告市場などの各領域で活躍する芸能タレントの世界を丁寧に解説してくれています。裏側から支える芸能マネージャーの業務を体系的に解説することで業界を俯瞰的に捉え、業界理解を深めていくことができるでしょう。
また、芸能プロダクションの経済構造を分解し、具体的な実務について解説しています。具体的な芸能マネージャーの仕事について知りたい方は、入り口としてこちらの本を開いてみてはいかがでしょうか。
- 著者
- 大谷 由里子
- 出版日
本著の作者は「横山やすしに殴られた人は多数おりますが、横山やすしを殴ったのは大谷由里子ぐらいなものです」と言われており、長く芸能界に関わってきた彼女だからこそ綴れる貴重な芸能史を知ることができます。
吉本興業の芸能マネージャーとしてとして過ごしていた半生、そして続出するエピソードをドキドキハラハラしながら読んでいくことができ、著者の反省を通して、社会人として働くということ、女性が会社で働くこと、働きがいとは何かなどの働き方の問題までを考えることができます。
マネージャーとしての仕事のつらさと、仕事を通して抱くことのできる夢について触れることができる1冊です。
- 著者
- 片岡 たまき
- 出版日
バンドマン・忌野清志郎の元マネージャーである著者が、清志郎との40年にわたる、バカみたいに濃い日々を描いた清志郎回顧録の決定版です。
著者は元々、熱狂的なファンとしてRCサクセション時代の清志郎を追い続け、ついには所属事務所にまで就職、ツアーに同行するにいたりました。ファン道を極めた著者が至近距離で見た清志郎への想いを生々しく語られています。清志郎を知りつくした著者だからこそ書けるハートフルな言葉の数々に、胸が打たれる1冊です。
タレントとマネージャーの固い絆を感じ取ることができ、自分自身が芸能マネージャーとして働いたときに、担当タレントへどのような思いを持った上で接するかリアルに考えることができます。
芸能マネージャーは担当するタレントと苦楽をともにすることで、成功を一緒に喜ぶことのできる、やりがいを感じられるお仕事です。働くために持っておくべき資格は普通自動車免許のみ。特別な資格や経験がなくてもはじめられるのも嬉しいポイントです。
今回紹介した本については、基本的な芸能マネージャーとしてのお仕事から、何年も働くことで身についた考え方、担当タレントと紡いでいく絆などを感じ取ることができるものを紹介しています。
「芸能界」に憧れがあり、飛び込んでみたいと思っている方で、タレントのサポートに回れる芸能マネージャーに少しでも魅力を感じているのであれば、一度手に取ってみてください。芸能マネージャーという仕事の魅力をより深く知ることができるはずです。