5分で分かる証券業界!証券の仕組みって?仕事内容や職種、注目のニュースを解説!

更新:2020.12.3 作成:2020.12.3

証券会社と聞くと、株式や債権の取り次ぎをやっていることはなんとなく分かるけれど、具体的にどんな仕事をしているのかは知る機会は少ないですよね。最近では「ネット型」の証券会社が業績の伸びを見せ、従来型の証券会社も続々と参入しています。また「フィンテック」の話題にも注目が集まっています。 本記事では、証券の仕組みから証券会社の仕事内容、職種などをわかりやすく解説していきます。今後の業界を考えるのに役立つ書籍もあわせてご紹介します。

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目次

証券会社って何をするところ?

証券会社とは一体どのような仕事をしているのでしょうか。それを知るために、証券の仕組みを簡単に確認してみましょう。

証券などの売買をおこなう

名前の通り、証券会社は証券にまつわる仕事をします。どのようなことかというと、証券の売買です。

まず証券の仕組みについて考えてみましょう。ここでは簡略化するために、株式会社が発行する株式について解説します。

株式とは、株主が会社に対して投資した金額を証明するものです。会社概要を見ると「資本金○○円」という金額が書いてありますが、この資本金とは、会社が株主に買ってもらった株式の総額なのです。

株主が投資する目的はいくつかあります。

  • 会社が成長して株価が上がるのを待って売却する
  • 経営に携わりたい
  • 業績に応じておこなわれる株主への利益配分(配当)を期待するなど

株式は証券取引所で売買されます。ただし、誰でも出入りして取引できるわけではありません。証券取引所で売買ができるのは証券会社のみと定められています。

つまり、法人でも個人でも株式を売りたい、買いたいと思ったら、証券会社に依頼しなければならないのです。

顧客の資産運用にアドバイスをする

証券会社は顧客の依頼を受けて株式の売買をおこなうわけですが、「A社の株を○株買ってください」など頼まれただけの仕事しかしないわけではありません。顧客の資産を預かることになるので、資産運用についてのアドバイスや商品提案をおこないます。

顧客がどのような目的で株式を売買するのかをヒアリングし、その目的にあった投資方法を紹介します。証券会社は投資のノウハウを組み合わせた独自の商品も用意しています。そのため、「資産を増やしたい」という目的で始める場合などは、さまざまな投資商品を勧められることになります。

有価証券の引き受け役となる

株式会社は株式を発行することで会社の資本金を手に入れます。しかし、株式を発行してみたものの買い手がつかなかった場合、必要な金額が手に入らないことになります。このような事態を事前に防ぐために、いったん証券会社が株式を入手することを「引き受け」といいます。全額を買い取る場合もあれば、代理で販売して売り切れなかった分は企業に返却する場合もあります。

ちなみに、国や地方自治体も株式のようなものを発行することがあります。「国債」「地方債」と呼ばれるものです。これらも同様に証券会社を通して売買されます。

証券会社の4つの職種

続いては証券会社に入社した後の仕事内容を紹介します。証券会社には専門性が必要な業務も多数存在しますが、まずはとくに専門性を持たずに入社する総合職のキャリアパスを考えてみましょう。

営業(総合職)

証券会社の総合職は、ほぼ全員が営業職です。入社後は各地にある営業所などに配属されます。

証券会社の場合、現代でも飛び込み営業を研修としておこなっているところがほとんどです。飛び込み営業では新規顧客の獲得をノルマとして課せられます。

営業職として入社した後はそのままキャリアを積んでいく人もいますが、一部は別部署に異動することもあります。

トレーダー

実際に株式の売買をする担当者です。現在は電子化が進んでいるので、自社のオフィスで業務をおこなう場合が多いようです。

  • 顧客の投資業務をおこなうパターン
  • 企業の株式発行に携わるパターン
  • 証券会社の自己資金でトレーディングをおこなうパターンなど

市場を見極める経験と知識が必要とされます。国外市場を担当する場合は、時差に合わせて勤務時間が不規則になることもあります。

商品開発

「商品」というと分かりにくいかもしれませんが、「この証券にこういった枠組みで投資するとメリットがあります」という提案をパッケージングしたものを商品と呼んでいます。たとえば「A国の国債をドル建てで買って運用する」というような内容です。

世界には数多くの証券があります。そのなかでリスクが少ないもの、リスクは高いが利回りがよいもの、節税になるものなどを選び、顧客に提案するパッケージを作成する部署です。市場への理解とともに、顧客のニーズを知るマーケティング的な視点も必要です。

法人担当

企業の資金調達(株式発行)や企業間の買収などを担当する部署です。取引する金額が大きいことや、企業の経営に深く関わることなどから、一般的な投資業務とも異なる専門性が求められます。

専門性が強く求められる業務も多い

上記のほかに、高度な専門性が求められる職種もあります。

  • 金融や数学の研究職
  • エコノミスト・アナリスト
  • 金融システム設計開発など

これらは専門の学位を取得した院卒者などが採用される傾向にあります。

総合職から移動する場合もないとは言い切れませんが、こちらの仕事を目指すのであれば大学で専門的な勉強をしておくことをおすすめします。

証券業界で注目のワードは?

続いては最近気になる証券業界の話題を見てみましょう。投資に関心のある人には、進路が広がる可能性もあります。

ネット証券会社

来店不要で口座開設や取引ができるネット証券会社。店舗型の証券会社と比べると営業担当者との人間関係などがさほど気にならないということもあり人気が増してきています。自動化が進むなか、旧来の証券会社にとっては脅威となるかもしれません。

フィンテック

金融の(financial)テクノロジー(technology)を合わせた造語FinTec(フィンテック)。証券会社に関係のあるところでは、市場の動向をAIが予測するサービスなどがすでに生まれています。

顧客への商品提案など、人間の感情や諸事情を察する必要がある業務に進出するのはまだ先のことになるでしょう。しかし、トレードなどの正確で素早い判断が必要とされる業務の自動化はさらに進んでいきそうです。

規制緩和

個人投資家の利益を一定程度非課税にする「NISA」の開始、個人型確定拠出年金(iDeCo)の対象拡大など、取引がしやすくなる規制緩和が進んでいます。それらに合わせた商品の拡充、新規顧客層の獲得などに各証券会社は工夫を凝らしています。

「デイトレ」を知るための入門書

現在ではギャンブル的な投資の代名詞と言っても過言ではない「デイトレード」。本来の意味は1日のうちに売買を完結させる手法です。

株式を買ったら、その日のうちに売り切ってしまうのです。日によっては利益が出ることもありますが、損をすることもあります。しかし次の日に予想外の要素で株価が乱高下するリスクからは逃れることができます。

著者
["ベレス,オリバー", "カプラ,グレッグ", "Velez,Oliver", "Capra,Greg", "康史, 林", "隆太, 藤野"]
出版日

『デイトレード』はアメリカのデイトレーダー養成機関創設者が執筆した入門書です。翻訳から20年経っていますが、デイトレードの基礎を学ぶには十分な内容として評価されています。実際に自分がデイトレードを始めるかどうかは別として、関心がある人は一読しておくとよいでしょう。

フィンテックについて知ろう

著者
大和総研
出版日

人間の感情や勘を割り込ませないフィンテックは一定の成果を上げつつあります。

そのため、今後証券会社はこれまで人間が行っていた仕事をコンピューターに任せ、人間の仕事はフィンテックの活用方法を考えると言う方向に変化していく可能性があります。これからの市場を考える上で、知識をつけておくに越したことはない分野です。

証券マンを目指すなら

証券会社の営業職は会社からノルマが課せられていることが多いため、ともすると「売れればよい」という態度になってしまいがちかもしれません。しかしそのようなやり方を続けていくと、最終的には顧客の信頼を失ってしまいます。

著者
金融証券問題研究会
出版日

そのような現状に疑問を呈しているのが『証券営業プロフェッショナル』です。IFAと呼ばれる独立系証券アドバイザーの仕事と働き方を紹介しています。証券のプロを目指すのであれば、このような方法もある、と知ることができます。


若年層にはあまりなじみのない証券会社と仕事内容について解説しました。投資や資金調達はそうそうなくならない業務ではありますが、仕事の内容は今後大きく変わっていく可能性のある業態です。

ぜひ新しい情報を積極的に取り入れていく姿勢を持って進んでいってください。