5分でわかる小学校教師!年収水準は高め。資格取得ルートや就職・転職などを解説!

更新:2021.12.4

小学校教師は、教科の指導のみならず学級経営や他職員との情報交換、保護者とのかかわりなど仕事の幅が広く、大変ではありますがやりがいのある職業です。小学校は社会生活の基盤を身につける場所でもありますから、小学校教師は重要な役目を担っています。生徒一人ひとりをしっかり指導・教育していくことが求められるのです。 今回の記事では、仕事内容や年収、やりがいなど小学校教師について詳しく解説します。記事の最後には小学校教師を目指すうえで役に立つ本を3冊紹介しているので、こちらもぜひ参考にしてくださいね。

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小学校教師の仕事とは

小学校教師とは、小学校に通う6歳〜12歳までの児童に勉学と学校生活について指導・教育をおこないます。

一般的には、国語や算数などをはじめとした全教科を担任の教諭がおこなうことが多く、そのため小学校教師はかなり多くの仕事を毎日こなしています。

具体的にどのような仕事をしているのかを確認しましょう。

教科の指導

教師の仕事として一番に思い浮かぶのが教科指導ではないでしょうか。基本的に小学校教師は全教科を指導します。しかし、学校や地域によって教科担任制を取り入れているところや、音楽や体育などの専門的な教科のみ担当教師が指導しているところもあります。

また、現在は英語などでチームティーチングを取り入れている小学校も多いです。チームティーチングとは先生が2人以上で協力してして指導することもいいます。

学級経営に関すること

小学校は6〜12歳の幅広い年齢の児童がいます。そのため年齢によっても問題は違います。たとえば入学後の小学1年生が集団行動がとれなかったり、授業中座っていられなかったりと幼稚園とのギャップに対応できない「小1プロブレム」や、いじめや不登校などがあります。

学級で何が起こっているのかを正確に把握しトラブルを未然に防ぐのも教師の大切な仕事のひとつです。

保護者の対応

保護者と連絡帳などで連絡をとったり、個人面談で児童の様子を報告したりします。勉強や友達との悩みも学校だけでは把握できないこともあるので保護者との連絡は大変重要となります。現在では過度なクレームやトラブルを起こす「モンスターペアレント」が問題となっています。

授業準備

子どもにとってわかりやすい授業をおこなうためには、授業の準備は欠かせません。特に低学年だと理解力や集中力が低いため絵や写真などの視覚的教材を組み合わせることも重要です。

行事準備・経営

小学校には運動会や発表会、入学式・卒業式などたくさんの行事があります。会場を作ったり、出し物を考えたりするのも教師の役割です。学校や規模によりますが委員会を設けてリーダーとなる先生のもと準備することも多いです。

地域とのかかわり

小学校では地域の方とかかわることも多いです。たとえば校外学習で郵便局、スーパー、市役所、消防署などいろいろな場所へ行きます。その際の連絡や校外学習後のお礼の手紙など地域の方とよりよい関わりが持てるようにします。

このほかにも仕事はありますが、大きく分けて6つの仕事があります。やることは多いですが責任感を持ってできるやりがいのある仕事が多く、また人とかかわる仕事なので飽きずに働けます。

小学校教師が担う役割は大きい

子どもにとって小学校に通う期間は、社会生活の基礎を学んだり、社会性を身に付けたりするという意味でとても大切な期間です。そのため小学校教師が担う役割はとても大きいもの。学級の人数は多いところでは30人を超えますが、生徒一人ひとりを理解し、公平な指導をすることを常に心掛ける必要があります。

小学生の成長は早いので、昨日できなかったことが今日できるようになったり、1年進級しただけでぐっと大人に近づきます。仕事の多忙さはありますが、そのような成長した姿を間近で見られることは、小学校教師のやりがいにつながるでしょう。

小学校教師の年収

小学校教師の初任給

小学校教師の初任給は月給19~23万円です。勤務地や最終学歴によって多少の差はあるものの、大きく違うということはありません。また一般企業に務める場合の初任給ともあまり差はありません。

しかしその後の月給は年齢や役職によって毎年あがっていきます。その点は一般企業とは異なる点といえるでしょう。また福利厚生も充実しており、住宅補助や育児休暇などがあるため生活に困ることはないと考えられます。

小学校教師の平均年収

総務省が公開している「平成30年地方公務員給与の実態」によれば、平成30年度の小・中学校の教育職の平均月収は以下のようになっています。

  • 平均給与月額:約41万円
  • 平均給料月額:約35万円
  • 諸手当月額:約6万円

平均給料月額は30万円台ですが、生活給的手当や職務給的手当などの諸手当が支給され、給与月額は40万円前後となります。1年に換算すると約480万円ほど。この金額に年に2回のボーナスが約100万円ほど支給されるため、平均年収は600万円前後になります。

年齢や役職によって年収があがるため、40代には年収は700万円ほどになります。他業種と比べても高いといえるでしょう。

小学校教師に就職するには。教員免許の取得が必須

小学校教師になるには

小学校教師になるにはまず、短大・大学・大学院において教職課程を履修し教育実習を経て教員免許状を取得することが求められます。短大では二種免許状、大学では一種免許状、大学院では専修免許状が取得できます。

どの免許状でも特に仕事内容の差はありませんが、管理職を目指すのならば一種免許状以上を取得する必要があります。

公立小学校教師になる場合にはその後都道府県ごとにおこなわれる教員採用試験に合格したら晴れて教員として教壇に立つことができます。もし、落ちてしまっても講師として働くこともできます。

私立小学校教師になる場合には一般の会社と同じように入りたい学校の採用試験を合格することによって教員として働くことができます。

公立・私立・国立問わず教科を教えるには教員免許状が必須ですので、大学は教職課程のある大学に通うことがよいでしょう。

小学校教師を目指せる進学先を選ぶ

全国に教職課程のある大学は複数あります。今回はそれらの大学のなかからピックアップしてご紹介します。

▷明星大学(東京)

明星大学では「教育学科」と「心理学部」において小学校教師を目指すことができます。大学2年次に週1度教育インターンシップに参加しより実践的に学ぶことができます。また、教職センターの講座が充実しているため教員採用試験の合格率が高いのも特長です。

▷大阪成蹊大学(大坂)

大阪成蹊大学では「教育学科」において小学校教師を目指すことができます。大阪市をはじめとした15の市や町の教育委員会と連携協定を結んでおり、独自の現場実習ができるのが魅力です。また、教員採用試験に詳しいスタッフが常駐しているため悩みをすぐに解決できます。

▷北海道文教大学(北海道)

北海道文教大学では「こども発達学科」において小学校教師を目指すことができます。小学校教員免許のほかに幼稚園教員免許、保育士免許、特別支援学校教員免許のなかの最大3つの資格を取得することができます。入試方法も特殊で独自の「ユニーク入試」を取り入れており総合的に資質を判断します。

これらの大学の他にも、教職課程が充実している大学はいくつもあります。自分が学びたいことを学ぶことができる大学を選択できるよう、いろいろな大学の情報を見てみてくださいね。

小学校教師に向いている人とは。小学校教師だからこそのやりがい

小学校教師に向いている人

▷責任感のある人

子どもが好きというだけでは小学校の先生は務まりません。子どもは元気いっぱいなのでその分怪我をすることも多いです。校外学習や体育など授業をする際に危険な場所を確認したり起こりうる危険を予測したりするなど事前に防止策を考えるなどすることが大切です。

子どもの命を預かる仕事として責任感を持って仕事できる人には向いている仕事だといえるでしょう。

▷小さな変化に気付くことができる人

子どもたちはさまざまな悩みや考えを持っています。そのため、いじめや不登校、勉強での悩みなどを抱えていないか子どもたちの様子をよく観察していく必要があります。少しの変化が学級崩壊などの問題につながるため小さな変化を見逃さない人は教師に向いています。

小学校教師のやりがい

▷子どもの成長を感じられる

小学校教師は運動会や発表会で協力し合う姿やできなかった問題ができるようになるなど子どもの成長を一番感じられる仕事です。また、卒業後も成長した姿を見せに来てくれるなど長く付き合えることも魅力でしょう。

▷裁量をもって働くことができる

小学校教師は1年目から学級担任を任されることが多くあります。教科指導や保護者対応、行事の準備など責任のある仕事をたくさん経験できるためうまくできたときは大きな達成感を感じるでしょう。

公立小学校教師と私立小学校教師の違い。どちらがいいの?

小学校教師を目指すにあたって気になるには、公立と私立での業務の違いや、メリットやデメリットです。自分が理想とする教師像や、教育ができるのは公立、私立どちらなのか、簡潔に説明します。

公立小学校のメリット

▷さまざまな境遇の子どもに対応する力がつく

公立小学校には性格や学習状況、家庭環境など境遇のちがう子が多くいます。そのため、それぞれに合った教育をするのは難しいですがやりがいを感じることは多いでしょう。

▷公務員として安定している

公務員なので給料や休みが安定しています。夏休みや冬休みも取りやすいので安定した生活を送りたい人には向いているでしょう。

私立小学校のメリット

▷オリジナルな授業ができる

公立だと計画が決められている部分が多いので変えることは難しいですが、私立小学校はアクティブラーニングを取り入れたり児童の様子を見て実験を取り入れたりとオリジナル性を持って仕事できます。

▷実力で評価される

公務員だとどうしても年功序列で年収が変わっていきますが、私立の場合は一般企業と同じなので仕事ができればできるほど年収が上がります。速いスピードで成長したい人には向いている環境でしょう。

公立小学校のデメリット

▷転勤がある

約5年に1度、転勤があります。そのため、環境に慣れてきてもまた一から人間関係などの形成をしなければいけないため大変でしょう。もし、人間関係に悩んでも数年我慢すればいいと考えたらメリットかもしれませんね。

▷地域や校長によって校風がちがう

隣の小学校でも地域や校長によって学校の雰囲気がまったくちがいます。また、使用している教科書がちがう場合もあるので校風や教育方針が合わないと感じる小学校に配属されると大変でしょう。

私立小学校のデメリット

▷保護者からの要望や求められるスキルが高い

私立小学校だと教育にお金をかけているのでその分高いスキルが求められます。自分の授業に自信が持てない人やオリジナル性のない人には大変に感じるかもしれません。

▷休みや給料が学校によって異なる

給料は公立と比べて高い所が多いようですが、休みは公立よりも少ないです。夏休みや冬休みが短い学校もあるので安定した生活をしたい人には難しいでしょう。

その学校によって決められた授業や教育方針に則った授業がしたい方は公立に。時代や受け持つ生徒に合わせたスタイルで授業をしたい方は私立に。と考えるのが簡単でしょう。私立の小学校教師の方がややハードルが高いのは否めませんが、その分とことんやりがいを追求することができるでしょう。

現場でどんな教師が求められているのかがわかる

「いい教師」と聞いて、どのような教師が浮かぶでしょうか?

厳しくも優しい教師、授業が面白い教師、心に寄り添ってくれる教師……。皆さんが今でも覚えている教師や憧れている教師はひとりはいると思います。このように記憶に残るいい教師になるにはどのような条件が必要なのでしょうか。

そのことについて詳しく解説している本がこちら。

著者
諸富祥彦
出版日

諸富祥彦氏著作の『いい教師の条件 (SB新書) 』という本は、2020年10月7日に発売されました。

この本ではアフターコロナで求められる資質・能力やさまざまな学校課題に対する対応策が書いてあります。教師の仕事では何が大変なのか、これほど多忙な仕事の中にある魅力とはなんなのか。教師が置かれているリアルな現実を丁寧に解説しています。

今までの教育現場・これからの教育現場に興味がある人はぜひご覧くださいね。

教師の大切な仕事、学級経営のやり方がわかる本!

教師は長年の経験や勘で分かることも多く、どうしても新人のうちは学級経営がうまくいかない人が多いです。最悪の場合、学級崩壊してしまうことも。すると授業の質やモチベーションも下がってしまうため教師でいることが辛くなってしまいます。

そのような事態にならないためにも、学級経営はうまくやりたいですね。勘や経験に頼らず新任のうちから実践できる技を知りたい方にはこちらの本がおすすめです。

著者
阿部真也
出版日

 阿部真也氏著作の『心理テクニックを使った!戦略的な学級経営』という本です。

この本では心理学という根拠のある視点から、学級経営の仕方について詳しく解説しています。自分がやっている指導には一体どんな意味があるのか。ずっと続けられてきた教育・指導にはどんな効果があるのかを知ることで、より自分の指導に自信を持つことができるはずです。

新任の先生や実習生、教育現場を目指している人にはぜひ読んでもらいたい作品です。

SNSで人気のたいち先生に学ぶ!クラスがまとまるクラス会議とは?

1クラス30人もいると、児童同士不満や悩みが出てきてしまいます。そこで放置してしまうといじめや不登校、学級崩壊などさまざまな問題が起こります。

このような問題を起こさないためにも話し合うことが大切になってきます。「クラス会議っていってもどうやったらいいの?」、「クラス会議をすることでどのような効果が得られるの?」と疑問の方におすすめなのがこちら。

著者
深見 太一
出版日

深見太一氏著作の『対話でみんながまとまる!たいち先生のクラス会議』という本です。この本ではアドラー心理学を用いたクラス会議のやり方を丁寧に説明しています。

クラスで起こるトラブルは、先生が一方的に解決しては本質的な問題解決になりません。そこで先生がやるべきは生徒同士が平等に話し合いをできる「クラス会議」を開くこと。クラス会議を成功させるには、クラス全体の団結を高めるためにはどうしたらいいのか。その方法がこの1冊にまとまっています。

すぐに実践できるわかりやすい内容になっていのでぜひご覧くださいね。


今回は小学校教師の仕事内容について説明しました。受け持つ授業の幅が広く、また学力だけでなく社会生活の基盤を身につけるための指導もおこなうため、小学校教師に期待されていることは多いのです。

しかしその大変さ以上に、生徒たちが成長していくのを間近でみられるやりがいや、成長途中の子どもだからこそ感動するようなやりとりもあったりして、魂がふるえるような場面も多くあります。

小学校教師になるには大学に進学し、教職課程で学び、教師免許が必要となります。大学入学前の方はどの大学で学ぶのが自分にとって一番よいのか、あらゆる大学の情報を見てから進学先を決めるのがよいでしょう。

最後に紹介した書籍はこれから教師を目指す方にぜひ読んでほしい内容です。時間があれば手にとってみてくださいね。

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