5分でわかる不動産業界!三井・三菱・住友だけじゃない?業界の現状や今後を解説!

更新:2021.12.4

日本で大きな市場規模を誇る不動産業界。人口の減少や空き家問題もあるなかでその問題を解決したい・不動産業界で働いてみたいと考えている方も多いのではないでしょうか。今回は不動産業界の特徴から、どのような職種があるのかまでを詳しく解説します。また企業の売上高ランキングも掲載しているので、就職・転職の際の参考にしてみてくださいね。 記事の最後には不動産業界を知るのにおすすめの本を3冊ご紹介しますので、不動産業界に関心のある方はこちらもぜひご覧ください。

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不動産業界の現状

不動産業界とは

不動産業界とは土地や建物に関する仕事をあつかっている業界です。

主に物件を管理する管理会社や施設の開発を手掛けるデベロッパー、注文住宅や建売住宅を作るハウスメーカー、マンションや一戸建ての販売をする住宅販売会社、物件の仲介を担う不動産仲介会社など業界はとても幅広く、私たちの生活に欠かせない存在となっています。

そして、これらの仕事はさらに建てる・販売・貸す・管理の4つに分類することができます。

不動産業界の代表的な仕事

不動産業界にはさまざまな仕事がありますがそのなかでも代表的な仕事をご紹介します。

1.デベロッパー

企画や開発事業を主におこなうことをいいます。リゾート地の開発や、街の再開発、マンション開発など一からものを創りあげたい方には向いている仕事でしょう。また開発にあたって建築会社や行政など他の人とのかかわりもあるため、コミュニケーション力や協調性が必要となります。

2.ハウスメーカー

ハウスメーカーは名の通り一から家を創りそれを販売する会社のことです。有名な会社だと積水ハウスや大和ハウスなどがあげられます。家を買うのはお客様にとってビッグイベントなので責任が大きく自分の設計した家が形になる喜びを感じられるでしょう。

3.住宅販売会社

住宅販売会社はその名の通りマンションや一戸建てなどを新築販売する会社のことをいいます。顧客と直接売買契約を交わすため仲介手数料はかかりません。

4.不動産仲介会社

不動産仲介会社とはその物件を持っているオーナーとお客様の間を取り持つ会社のことです。今ではインターネットでの検索もすぐにでき、物件を探している人には欠かせないサービスをしてくれます。

不動産業界の現在の市場規模

不動産業界の市場規模は約43兆円と自動車業界、建築業界、医療業界に次ぐ大きさとなっています。(平成29年度)

ここ3年間はオリンピック開催の影響もあり市場規模は上昇していましたが、今回のコロナショック後の動向が気になるところです。すでにマンションモデルルームは来場者数の減少により閉館となるところもあり、今後も新型コロナウイルスの影響が大きくなると考えられています。

不動産業界の今後の動向

オリンピック開催の影響で市場規模が拡大していた不動産業界ですが、今後の動向や業界の課題とはなんでしょうか。

リノベーション物件の需要高まる

住まい選びの価値観が変化しており、新築ではなくリノベーション物件への抵抗感が薄れ、需要が高まりつつあります。

理由は大きく分けて2つです。ひとつは低予算で自由度が高く、自分らしい暮らしを実現することができるから。人気のエリアも新築より低コストで物件を購入できる可能性があるため、リノベーション前提で中古物件を探す方も少なくありません。

もうひとつは世界的なサスティナブルの活動の活発化です。環境問題に配慮した暮らしを実現するのにリノベーション可能な物件を選択するケースが増加しているのです。今後もリノベーション物件の需要はますます高まっていくと考えられています。

深刻化する空き家問題

超高齢化社会において空き家問題はさらに深刻化すると予測されています。理由としては団塊世代が高齢になり、子供宅や老人ホームなどの施設に転居することで空き家が発生します。今後も高齢者は年を追うごとに増加していきますから、空き家がますます増えていくことは自明でしょう。

そうした空き家問題について政府は、2025年には空き家数を500万戸から100万戸に抑制するという目標を掲げています。ここで活躍するのが不動産テック企業による空き家対策です。2018年には不動産テック企業の代表であるアットホーム、LIFLULLによって「空き家バンク」が本格的な運用を開始しています。

シェアリングエコノミーや民泊など、空き家を有効的に活用する運営をしています。とはいえまだまだ空き家問題の解決は遠い未来にあるようです。

少子高齢化、人口減少にどう対応していくかが肝

不動産業界の行末は社会情勢と大きくリンクしています。少子高齢化に加え、人口減少に対しどのように変化・対応していくかが不動産業界全体の課題です。

ポイントは、人々の暮らし、働き方などライフスタイルの変化にともないどのようなサービスを展開していくか。IoTやAIなど最新技術の活用から、シェアリングエコノミーの進展、ライフスタイルの多様化による地方創生の可能性などを、どんな形でサービスに還元していくか。

不動産業界の今後の動向は今までにないものとなることは間違いありません。

不動産業界の平均年収は大手・中小で大きく差が出る

業界平均年収1000万円の裏側

不動産業界の年収はさまざまですが平均的に高いところが多いようです。たとえば営業職の場合は個人の売り上げ次第で若くても年収1000万円に到達することもあります。実際に他業界からみたイメージからかけ離れてはいませんよね。

しかし覚えておきたいのは、年収1000万円前後を稼ぐのは大手不動産会社であるということ。中小企業では平均年収が400万円台である企業も少なくありません。三菱地所やヒューリック、三井不動産などの平均年収は1500万円ほどとなっているため、平均すると業界的には1000万円が平均年収となってしまうのです。

インセンティブで稼ぐか、固定給で稼ぐか

では給料面で選ぶなら大手企業ということになるのでしょうか。そんなことはありません。

大手企業は固定給が高めに設定されているものの、年収を占めている個人売り上げによるインセンティブの額は少ないのです。逆に中小企業では、固定給が低めに設定されているものの、インセンティブが多くつくようになっています。そのため個人の営業力次第では大手企業と同額、またはそれ以上の額を稼ぐことも可能です。

大手・中小どちらにしろ、結果主義の方や速いスピードで成長したい方にはおすすめの業界といえるでしょう。

大手不動産業者「三井・三菱・住友」の比較

デベロッパーの大手3社といえば「三井不動産」「三菱地所」「住友不動産」です。今回はその大手3社の違いを詳しく解説します。

三井不動産

三井不動産は特に商業施設に強いです。皆さんが知っているような施設でいうと「ららぽーと」や「三井アウトレットパーク」があげられます。また海外事業にも力を入れていて現在多くの国にホテルや商業施設を展開しており、海外で活躍したいという方にはおすすめです。

平均年収は1000万円ほど。20代後半で1000万円に到達する人も多いため、他業種と比べても高いといえるでしょう。また、リモート勤務を積極的に取り入れておりそれぞれに合った働き方ができる環境であると話題です。

三菱地所

三菱地所は特に新規事業の開発に力を入れています。そのために設立された「新事業創造部」は社長直下であり、より自分の考えを言いやすくなっているそうです。既存の考えにとらわれず、新しいことを生み出したい人には向いているでしょう。

平均年収は1200万円ほどです。またフレックスタイム制、育児休暇制度も充実しており働きながら子育てをしたりプライベートを充実させたい方にはぴったりの会社です。

住友不動産

住友不動産は特にマンション開発に力を入れています。また、ほか2社と比べても営業利益率が高いのも特長です。新卒からバリバリ働ける環境であるため、スピード感を持って成長したい方にはおすすめの企業といえるでしょう。

平均年収(総合職)は1200万円ほどで高収入です。そのため総合職は将来の幹部候補として責任ある仕事をすることができるでしょう。社宅制度やジムなども充実しているのでプライベートも充実したい方におすすめです。

三井は「仲間意識が強く団結力がある」、三菱は「真面目で堅実」、住友は「体育会系で結果を求める」などそれぞれ特色があるのも面白いですね。

不動産業界の業績ランキング

不動産業界の企業ランキングも気になるところです。今回は2020年の不動産業の売上高ランキングをご紹介します。

  • 三井不動産
  • 飯田グループホールディングス
  • 三菱地所
  • 住友不動産
  • 東急不動産
  • 野村不動産
  • オープンハウス
  • レオパレス21
  • イオンモール
  • パーク24

上記が売上高トップ10の企業です。三井不動産、三菱地所、住友不動産はもちろんのこと、分譲・注文住宅の大手である飯田グループホールディングスもランキング入りしています。

それぞれの企業で強みとしている領域があるので、就職活動・転職活動の際は、よくよく情報収集をすることをおすすめします。

短時間で不動産業界の実務知識を学ぶ

不動産業界で仕事をするには不動産の取引や契約において知っておかないといけない知識がたくさんあります。しかし、それを未経験から学ぶのは膨大な時間を要します。不動産業界に興味はあるけれどまずは基本から知りたいという方におすすめの本がこちら。

著者
畑中 学
出版日
2013-06-27

畑中学氏著作の『2時間で丸わかり不動産の基本を学ぶ』という本です。初めて不動産業界について学ぶ人や違う職種の人にもおすすめの1冊です。実務の基礎知識がポイント別にわかりやすくまとまっています。また、実務における問題点や解決策も解説されており、より実践的な知識を学ぶことができます。

不動産について基礎から応用まで学ベる1冊

不動産の投資家や不動産の営業をやっている方や目指している方におすすめの本がこちら。基礎知識から応用まで幅広く学ぶことができます。

著者
池田 浩一
出版日

池田浩一氏の『知りたいことが全部わかる!不動産の教科書』という本です。筆者の池田氏は有限会社ハウスコムの代表取締役で30年近く不動産経験を積み述べ2万人以上のお客様と取引をしてきた不動産業界のプロです。

そんな池田氏が基本から応用+αまでを詳しく解説しているこの本はプロの宅建業者を目指す方にはぜひ手にとってもらいたい1冊です。不動産の調査の基本や不動産を管理する側・売る側の人にも分かりやすく解説されているので、不動産業界に少しでも興味のある人はぜひご覧ください。

不動産業界を目指す就活生におすすめの1冊

「不動産業界は年収が高いって聞くけど実際のところどうなの?」「おすすめの会社は?」など不動産業界の就活について不安を持っている方も多いのではないでしょうか。そんな方におすすめの本がこちら。

著者
全宅ツイ
出版日

全宅ツイ氏著作の『稼げる会社が分かる!不動産就活2.0』という本です。この本では不動産業界で就職するにあたって知っておきたい知識やおすすめの不動産会社まで詳しく解説されています。

また、実際に不動産業界で働いている人のリアルな声や女性目線で見た不動産業界についても解説されているので、就職する前にぜひ読んでもらいたい1冊です。

自分の適正年収をアプリで診断

今回は不動産業界の動向や仕事内容について解説しました。また、今回紹介した三冊は不動産業界を初めて学ぶ方や目指す方におすすめの一冊となっているのでぜひご覧くださいね。

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