リフレクソロジーとは、足の裏や手のひらなどを刺激して内臓の疲労を改善する療法です。足つぼマッサージや、手のひらのマッサージなどはリフレクソロジーの療法のひとつで、心身ともに癒されるその効果を実感したことがある方は多いのではないでしょうか。 そんな療法をあつかう職業を、リフレクソロジストといいます。民間資格を取得し、サロンや整体院などに就職し、活躍しています。年収水準は低いですが、その他の技術をあわせ持つ場合は年収は上がるようです。 そんなリフレクソロジストがどういったお仕事なのか、どうすればなれるのかを詳しく解説していきます。関心のある方は最後にご紹介する書籍にも目を通してみてくださいね。
リフレクソロジストとは、リフレクソロジー(反射学)の技術を習得したプロのセラピストのことをいいます。主に足の裏や手などをマッサージする職業がリフレクソロジストにあたります。
リフレクソロジーとは、アメリカ発祥の民間の反射療法のことをいいます。
人の身体の臓器や骨、神経などの各部分が足や手などに反射関連していると考えられています。この手や足にある反射区を刺激することで内臓の自然治癒力や血行、新陳代謝を活発にすると考えられており、この考えに則ってケアを提供するのがリフレクソロジストであるといえます。
リフレクソロジストの仕事は、リフレクソロジーを駆使して手や足のマッサージをおこなうことです。
近年ではマッサージだけでなく足湯や手浴の提供、アロマオイルを使用してリフレクソロジーをおこなうところや、全身マッサージのオプションとしてリフレクソロジーを提供するなど、さまざまな工夫を凝らしています。
近年、クイックマッサージ・リフレクソロジーの市場規模は、1093億円を超えており、マッサージ業界のなかでも根強い人気であるといえます。
手や足の部分のマッサージのため、身体全体へおこなうマッサージと比較すると短時間で手軽におこなえる特徴があります。またリフレクソロジーを提供する方への身体への負担が少ない、さらにリフレクソロジスト自身の身体への負担が少ないということもあって支持をされています。
これらの特徴から、長く続けやすいという特徴もあり、資格を取得されてライフスタイルが変わっても長く働かれている方も多くいらっしゃいます。
リフレクソロジストの就職先は民間企業がおこなうリフレクソロジーサロンが多い傾向にあります。そのほかにも整体院やリラクゼーションセラピーを複合的に提供するサロン、フィットネスクラブ、温泉施設、ホテルや旅館など働ける場所は多岐にわたることが特徴です。
一般的なサロンでは、お店の営業時間に合わせて朝の10時前後から夜20時~21時に勤務終了となるところが多いのですが、温泉施設や旅館、ホテルなどの場合は、夜間23時前後までの稼働となることがあります。また、土日祝日も営業することが多く、シフト勤務という勤務体制を取るところが多い傾向にあります。
リフレクソロジストの収入は企業によって異なります。リフレクソロジストの年収の相場は年収300万円程度とされています。
しかし、リフレクソロジー以外に、たとえば全身のマッサージやエステなどの技術があって提供できるという方や、リフレクソロジストとしてお客様から指名をされる方、個人でサロンを経営される場合にはもっと高い収入を得ることができます。
リフレクソロジストとしてだけでなく、他の技術も持っていることで複合的に年収が上がっていくようです。
リフレクソロジストになるためには民間資格を取り、リフレクソロジストとして働く必要があります。たとえば、以下のような民間資格があります。
それぞれの民間資格について解説していきます。
日本リフレクソロジー協会(RAJA)とは、英国式のリフレクソロジーを学ぶことのできる団体です。
資格を取得するためには日本リフレクソロジー協会(RAJA)直営校で学び、卒業試験に合格することが必要です。養成講座修了時に卒業試験を受けることができ、合格率はほぼ100%です。万が一、不合格の場合でも、補講・再試験を合格するまで受験できるため確実に資格が取得できます。
また、資格取得後の就職先に悩まれている方には、協会が直営するサロンやスポーツクラブ、美容院、健康関連サロン、医療福祉現場で働くことができ、就職先もサポートしてもらえるというところが特徴です。
日本ヒーリングリラクセーション協会(JHRS)とは、ヒーリング・リラクセーションという分野に力を入れており、英国式のリフレクソロジーを学べる団体です。
JHRSが資格取得実施機関として認定している養成校で学ぶことで資格を取得できますが、養成校が他の団体よりも少ないということが特徴です。また、レベルアップの資格も用意されており、その資格まで取得すると医療機関で活躍することもできます。
日本リフレクソロジスト認定機構(JREC)とは、1999年に発足したリフレクソロジー(反射療法)の資格認定団体で西洋式リフレクソロジーを提唱する団体です。この団体の民間資格取得には、医療、看護、介護関連の方々が非常に多くいらっしゃるとされています。
資格取得のためにはJREC加盟スクールで所定のカリキュラムを修了し、JRECが主催するライセンス認定試験に合格する必要があります。レベルは4段階で初級のレベルのライセンスを取得すればリフレクソロジストとして働くことができますがその後も開業資格などもありステップアップしていくことができます。
資格を取らずに無資格でリフレクソロジストのサロンに就職し、就職先で研修を受けながら資格を取得されていく方もいらっしゃいますので、必ずしも資格を取得してから就職をしなくてもよいのですが、やはり資格があったほうが就職先の幅は広がるといえます。
通学だけでなく通信講座も用意されているため、学校に通うことが難しいという方も、資格が取得できるため、働きながら資格を取得して転職される方もいらっしゃいます。
また、介護や看護などに携わる方が資格を取得し、自分の職場でケアを提供されている方もおり、資格はさまざまな形で活用できることが特徴です。
- 著者
- 市野さおり
- 出版日
1000以上の実例を徹底分析し、割り出したデータからリフレクソロジーのポイントや効果を解説している1冊です。
皮膚の状態など足全てから健康をチェックする方法や、足湯など反射区の刺激以外のリフレクソロジーについても詳しく解説しています。身体の不調はもちろん、妊活などお悩み別のリフレクソロジーについても解説していますので、リフレクソロジストになりたいという方だけでなく自分の生活に生かしていきたい方にもおすすめです。
著者は看護師をしながらリフレクソロジーの資格を取得し、資格を生かして医療とリフレクソロジーの基礎を築き上げてきた方。医療の視点も交えたリフレクソロジーのポイントは勉強になります。
- 著者
- 塩瀬 静江
- 出版日
リフレクソロジーの原理や歴史、施術方法など初歩的な内容が多く、初心者でも学びやすい1冊です。
日本ヒーリングリラクセーション協会(JHRS)公認校である日本リフレクソロジスト養成学院にて、学生や資格取得済みのインストラクターの指導にあたられている先生が書いています。人に教えているという方が書いていることもあり、本格的な内容ですが初心者でも分かりやすいということがポイントです。
これからリフレクソロジーを学んでいく方だけでなく、リフレクソロジーを現在学ばれている方も教科書代わりにもっておきたい1冊となるでしょう。
- 著者
- 狩俣 和沙
- 出版日
さまざまな境遇にあり、心身ともに疲れ果てた女性たちが癒やしを求めてやってくるリラクゼーションサロンで施術を受けながらセラピストに悩みを相談することでそれぞれの悩みを解決していくという物語です。
疲れを癒やすためのツボやリラックスの小技も書かれており、物語として楽しむだけでなく、リフレクソロジストとしての技術や知識も理解できます。
この物語の舞台はリラクゼーションサロンで、物語によってはリフレクソロジストがメインではないものもありますが、リフレクソロジストが働けるリラクゼーションサロンにおける役割を理解することができるでしょう。リラクゼーションサロンが物語の監修をしているため、現場での様子が忠実に再現されているという点もポイントです。
リフレクソロジーを題材にあつかう小説は数少ないため、本を読むのが好きでリフレクソロジストの世界に興味があるという方にはぜひ読んでいただきたい1冊です。
自宅で学ぶこともでき、社会的にも需要が高いリフレクソロジストという職業。働く場所も多彩で、開業もできるなどその可能性は無限大です。
職業として活用していくだけではなく自分の生活にも取り入れることができるので、自分や家族、友人を癒したいなどリフレクソロジストの世界に興味のある方は本を読んでみましょう。そしてまずは自分の生活にリフレクソロジーを取り入れるところから始めるとよいのではないでしょうか。