5分でわかるホテル業界!就職難易度はあがってる?現状や今後の動向をご紹介!

更新:2021.1.24 作成:2021.1.24

2020年に開催予定だった東京オリンピックに向けて、日本はホテルの建設ラッシュでした。しかし、オリンピック延期が決まり、ホテル業界がどんな状況に置かれているのか気になる人は多いはず。ホテルに関するさまざまな情報がほしいという方もいるでしょう。 今回は、ホテルの種類・事業形式から今後の業界の動向まで、就職先を選ぶ際の指針にもなるよう解説していきます。ホテルを利用する予定がある方も、ぜひチェックしてみてください。

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目次

ホテル業界の役割と現在の状況

ホテルの始まりとは?

ホテルの起源は、11世紀頃のヨーロッパと言われており、「ホテル(hotel)」の語源は、旅人・客・宿主を意味するラテン語の「ホスぺス(hospes)」が元になっていると言われています。

このホスペスという言葉は、現在もホテル業界で使われているホスピタリティ(hospitality)の起源となった単語の一つです。

政府も期待するホテルの役割

ホテルでは「客室」「レストランなどの料飲」「結婚式などのイベント」これら各種サービスを提供しています。

政府は2030年までに「訪日外国人旅行者を6000万人まで伸ばす」という目標を掲げており、その追い風もあって日本全国でホテルの建設が進んでいる状況です。

日本はホテル不足?

しかし、どんなにたくさん外国人が来てくれても、泊まってもらうためのホテルがまだ足りていないという現状がありました。そんな理由から「民泊」の存在が広く認識されるようになったのです。

民泊はホテル業界のうちのひとつではなく、ホテルとは別物として扱われています。理由として、そもそもの利用者層が異なることがあげられます。

ホテル利用者の年齢層は、30〜60歳の中高年が対象なのに対し、民泊の利用者は20歳〜29歳と若年層が主な対象となっています。利用者側も「ホテルの次善策」として民泊を利用している……といった傾向のようです。

そのため、宿泊者が溢れてしまわないように助け合っている雰囲気もあり、民泊はホテル業界のライバルという存在ではないようです。

ホテルの種類と運営方式

ホテルの業態は大きく分けると3種類

  • シティホテル
  • リゾートホテル
  • ビジネスホテル

上記の3つは、利用する側の目的も、運営する側が力を入れている部門もそれぞれ異なります。

ビジネスホテルであれば「宿泊」に特化した運営が中心です。シティホテルの場合は、1つのホテルにいくつもレストランがあることが多く「料飲部門」の売り上げも大きいもの。レストランだけ利用するお客様も少なくありません。

運営方式は4種類ある

同じホテルでも運営方式が異なるため、それぞれの違いをみていきましょう。

▶︎所有直営方式

運営母体の会社が、土地と建物(ホテル)を所有する運営方式。ホテル経営でいう基本の方式。

▶︎運営委託型(マネジメント・コントラクト方式)

土地と建物を所有するオーナーが、ホテルの運営を別会社に委託して運営する方式。

▶︎フランチャイズ方式

コンビニと同じような運営方式と考えるとわかりやすい。建物の所有者がチェーンホテルの加入者となり、ホテルチェーン本部に加盟料やロイヤリティを支払うことで、ホテルを運営をする形式。

▶︎リース方式

所有者からホテル1棟を賃借し、運営会社が経営をする。その運営会社は、オーナーである所有者に賃料を払い、ホテルの経営・運営に特化するという方式。

今後のホテル業界の動向

まず、2019年の訪日外国人数「国別ランキング」を見てみましょう。

  • 1位 中国(959万人)
  • 2位 韓国(559万人)
  • 3位 台湾(489万人)

結果を見てみると、近隣諸国が大半を占めていたことがわかります。

しかし、今後は新型コロナウイルスの影響もあり、中国人を含むアジア諸国の人々が日本を観光すること、アジア人が多く観光に来る日本に対して「自分が日本を訪れることに危険を感じる」という他国の人々も残念ながらたくさんいます。

また、本来行われるはずだったオリンピックが延期になったこともあり、日本で働く側(労働者)の不安も拭えません。ホテル業界自体も大打撃を受けている状況であり、中には前年比が90%減のホテルや旅館も。

これらの課題解消や現状回復には、それ相当の時間がかかると予想されています。

出典:日本政府観光局(JNTO)

ホテル業界の課題

今の日本ホテル業界が抱える、3つの問題について触れていきます。

ホテルの供給過多

2020年開催予定だったオリンピックに向けて、日本はホテルの建設ラッシュでした。しかし、オリンピックが延期になったことで、それも今は供給過多に。今後どうやって客足を戻していくかは、最大の課題といえるでしょう。

安心感をどう提供していくか

2つ目は、どう新型コロナウイルスと同共存し、対策の徹底をしていくかという点。客足が戻ってきても「対策がきちんとされていなかったから、二度と行きたくない」と思われてしまっては本末転倒です。今後は施設も人も、訪問客に対して安心の提供を積極的に行っていく必要があります。

ホテルの価値の強化

元々ホテル業界では、客室やレストランの他に「形のないサービスやホスピタリティ」を提供し、価値を強化していました。今後はさらに顧客とのコミュニケーションに力を入れ、満足感と価値感を高めていく必要があるでしょう。

ホテル業界への就職・転職

華やかなイメージからか人気の高いホテル業界。ホテルのタイプ別に就職難易度をみていきましょう。

鉄道会社系列ホテル

景気に左右されやすいホテル業界ですが、鉄道会社系列ホテルは比較的安定しているため人気が高いです。ホテル自体も高級路線のため求めている人物像のレベルも高く、就職難易度は高いと言われています。

年収も安定しており、古い体質が残っている会社も多いため、勤務年数が長くなるほど給与の面もよくなっていきます。

  • JRホテルグループ
  • 私鉄系チェーンホテル

外資系ホテル

高級感あるホテルや、高いおもてなしの技術、そして実力主義である部分などでも人気があり、就職難易度は高いです。

また社内外でも外国語を使う機会が多いため、就職や転職の際は語学力がなくては採用を勝ち取るのは難しいと考えてよいでしょう。語学力以外にはコミュニケーション能力や人間力など、総合的な部分を問われます。

比較的年収は高めですが、非正規雇用も多いようです。

  • インターコンチネンタルホテルズグループ
  • マンダリン・オリエンタルホテルグループ
  • ハイアットホテルアンドリゾーツ
  • ヒルトン

ビジネスホテル

人々の働き方や時世に合わせて大きく変化してきたのが、ビジネスホテルやカプセルホテルです。このタイプのホテルは国内外問わず広く展開しているため、随時募集していることも多いです。そのためか就職難易度も比較的低めで、雇用形態問わず入社しやすく、また未経験の採用も積極的におこなっています。

しかしもちろん誰でも入社できるというわけではありません。ホテル業界で働くために必要な最低限の知識や心構えを身に付けて、入社面接にのぞみましょう。

他にもタイプに分けられないホテルはたくさんあります。最近ではリノベーションホテルも多くみられますし、利用者は必ずしも遠距離からやってくる方だけではなくなってきました。

ホテルは今どんな価値を求められているのか、基本的な知識以外に学ぶべきことは多いでしょう。

国内から注目を浴びる星野リゾートの凄さとは

老舗旅館がリゾートに生まれ変わった

星野リゾートは、土地や建物を所有せずに「運営」を専門としている企業です。運営方式でいえば、星野リゾートはリース方式に該当します。

社長の星野佳路氏は「リゾート運営の達人」「再生のカリスマ」とも呼ばれ、日本の観光業界を牽引する存在と言われています。星野リゾートの前身は、軽井沢で100年以上続く老舗旅館「星野温泉」であり、そこを経営していた3代目社長の息子が、現社長の佳路氏です。

人材育成に注力する星野リゾートの姿勢

星野リゾートは「再生事業」に力を入れており、各地で経営破綻した温泉旅館やホテルを驚くべき短期間で黒字化させ、注目を浴びています。この記事を読んでいる人の中には、テレビで組まれた特集を見たことがある人もいるのではないでしょうか。

星野リゾートでは、建物の良さや立地に頼りすぎることなく、人の力(スタッフ)に魅力を与えるうような運営を心がけています。社長自身も「人材育成に力を入れている」「日本人に支持されることが、まず目標」と言い切るほどです。

百聞は一見に如かず。興味がある方は、ぜひ近くの星野リゾートを訪れてみてください。各施設の運営情報は星野リゾート公式HPにて確認することができます。

廃業寸前のホテルが息を吹き返した理由

著者
宝田圭一
出版日

日本で再生事業に力を入れているのは、星野リゾートだけではありません。

著者の宝田圭一氏は、ビジネスホテル業態の業績不振ホテルの再生を得意としています。本書では、働くホテルの施設も人も輝くためのヒントが、たくさん詰まっています。

経営不振、約5億円の借金を抱えたホテルの業績が回復したのか。逆になぜ、ホテルは業績不振になってしまうのか。ホテルの可能性を再発掘し、より魅力的な世界を見せてくれる1冊です。

本書に書かれている内容は、ホテル業界だけでなくさまざまな業界の悩みを解決するヒントとなるでしょう。

ホテル業界と観光業界の密接な関わり

著者
["アトキンソン,デービッド", "Atkinson,David"]
出版日

著者は、政府が掲げている「2030年には、訪日外国人旅行者を6000万人まで伸ばす」という目標は、今の日本のままでは無理だと本書の中で提言しています。

なぜ、今の日本のままではダメなのか? という疑問に、本書ではきちんとデータを用いて解説。今後のホテル業界の動向を予想・研究したい人は、一度手にとってみてほしい1冊です。

本書では、日本を観光先進国にするためにはホテル業界が要と書いています。これからホテル業界で働きたい方、今すでにホテル業界で働いている方の必読書と言っても過言ではないかもしれません。

日本が観光立国になるために必要なこと

著者
デービッド アトキンソン
出版日
2015-06-05

少子化や低所得問題など、すぐには変えられない問題も多く抱える日本。そんな中、ホテル業界にできる日本への貢献とはどんなことなのかを知れる1冊です。

ホテル業界を含めた「日本の観光」がもつポテンシャルとは何か?ホテル業界が盛り上がることが、日本経済へどういった効果を及ぼすのか?といった経済の深いところまで知りたい方にもおすすめです。


今回は、ホテル業界の役割や今後の動向について解説しました。まだまだ不安や課題が残るコロナ禍ではありますが、外国人へのインタビューやアンケートなどでは「コロナが終わったら日本に行きたい!」という人は、とても多いというデータもあります。それだけ人々の需要や期待がある業界といえるでしょう。 

働く側の不安もまだまだ残る現状ではありますが、今後の日本のおもてなしには再び世界から期待が集まるでしょう。観光や詳しいホテルの仕事内容に興味がある方は、ぜひ参考書籍も読んでみてください。