『喧嘩稼業』誰が最強?トーナメント最新結果をネタバレ考察!アツすぎる登場人物たちも合わせて紹介

更新:2021.12.1

精神と肉体を極限まで高め、ぶつかり合う格闘漫画は読者の心を熱くしてくれます。『喧嘩稼業』は、様々な流派を極めた猛者がトーナメントで対戦し、頂点を目指す究極の格闘漫画。この記事ではトーナメントの行方はもちろん、出場者のデータや誰が1番強いかなど、徹底的に解説していきます。

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『喧嘩稼業』は王道でもあり異色⁉異種格闘技漫画をネタバレ考察

『喧嘩稼業』は、木多康昭の漫画作品。いじめられっ子だったために様々な喧嘩の技を身につけた主人公・佐藤十兵衛が、喧嘩に負けた屈辱を味わったことから古武道の道場へ正式に弟子入り。肉体を鍛え上げ様々な相手と戦うという物語です。

本作は前作『喧嘩商売』の続編にあたり、ノールール制「陰陽(インヤン)トーナメント」がメイン。16名の出場者が己の技や力を駆使して相手を叩きのめしていく、極限の戦いが展開されます。試合は1対1なので出場者個人の描写が濃厚なのが特徴。戦いだけでなく、キャラクターの持つ背景にも触れるため、一層感情移入してしまいます。

芸能人にも人気で、多くの人がファンと公言しています。なかでもお笑い芸人のファンが多く、ケンドーコバヤシやスピードワゴンの小沢などが作中にモブとして登場することも。メインの登場人物だけでなく、背景の中に見知った顔を探すという楽しみもあります。

この記事では、本作のメインとなる陰陽トーナメント出場者の紹介を中心に、途中経過や誰が1番強いかなど、禁断の話題にも触れていきます

これを読まないと始まらない!前作『喧嘩商売』とは

本題に入る前に、まずは前作『喧嘩商売』をご紹介しましょう。

主人公・佐藤十兵衛は父親の職業の影響で転校が多く、身体も小さかったことからよくいじめられていました。中学1年生の時、空手をしている高野照久に助けられたことがきっかけで強くなることを決意。古武道富田流の6代目継承者である入江文学を師匠に、喧嘩の技を身につけていきます。

高校生になった十兵衛は、東京から宇都宮の高校に転校しました。その頃にはヤクザだけでなく空手の選手、プロの格闘家にも勝利してしまうほど負けなし状態。しかし、十兵衛に恨みを持つ暴力団に雇われたという喧嘩屋、工藤優作と戦い完敗したことで状況は一変します。

小便を漏らしながら泣いて命乞いをするという屈辱を味わった十兵衛は工藤との再戦を決意。富田流に正式に弟子入りし、肉体を鍛え上げていきます。様々な強者と戦いながら、十兵衛は工藤を追い続けるのでした。

著者
木多 康昭
出版日

『喧嘩稼業』のあらすじ。舞台はあらゆる流派の猛者が集うトーナメント戦!

『喧嘩商売』の後半、十兵衛の師匠である文学が父を死に追いやった田島彬との因縁が語られました。その田島はボクシングのヘビー級王者となり巨万の富を獲得。「様々な格闘技やスポーツがルールのない状態で戦ったとき、最強の格闘技は何なのか」を決定するためのトーナメント開催を発表しました。

本作は、出場者16名の中に工藤の名前を発見した十兵衛が、なんとかトーナメントに乱入しようと画策するところから物語が始まります。工藤と戦うことが目的ですが、トーナメント出場者である工藤はガードが固く、近づくこともままなりません。そこで十兵衛は、出場者1人を倒し、自分が勝ち上がって正式に工藤と対戦することを思いつくのでした。

十兵衛と出場者の1人との戦いから始まり、いよいよ表世界と裏世界を合わせた最強を決定するトーナメントが開催されます。出場者の16名の流派は違い、戦い方も様々。次からは出場者16名と主催者である田島彬をそれぞれご紹介していきます。

著者
木多 康昭
出版日
2014-04-04

 

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最強は誰だ!陰陽トーナメントに出場する17人の猛者たちを紹介

①佐藤十兵衛:卑怯なのも実力のうち!

 

最強は誰だ!陰陽トーナメント出場者を紹介①:卑怯なのも実力のうち!【佐藤十兵衛】
『喧嘩稼業』1巻

まずは主人公、佐藤十兵衛をご紹介します。高校生ながら格闘技センスに優れ、プロアマ問わず数多くの相手と戦ってきました。特筆すべきは手段を択ばない戦闘方法。富田流の古武道を習得しているので正攻法でも戦えますが、凶器だけでなく不意打ちも多用します。頭脳を余すことなく使った戦い方は、十兵衛の特徴といえるでしょう。

物語冒頭ではトーナメントへの出場権がなく、出場予定だったプロボクサー石橋強を非公式試合で撃破して出場権を獲得しました。工藤と再戦したいという執念ゆえですが、プライドが高くナルシスト気味な十兵衛だけに、人工藤に負けたという事実は人生を揺るがすほどの衝撃的な出来事だったのでしょう。主人公らしからぬダーティーさも魅力です。

 

②工藤優作:素手で全てを粉砕するタフさが魅力 

著者
木多 康昭
出版日

続いてご紹介するのは十兵衛の因縁の相手ともいえる工藤優作です。工藤は主に暴力団から金を受け取って相手を叩きのめす「喧嘩屋」を生業としています。上半身に全体に入れられた刺青が特徴で、武器は己の身体ひとつ。武道などを習った経験はなく、全て己の拳ひとつで戦い抜いてきた、まさしく喧嘩のプロです。

様々な相手と戦った経験や腕力はもちろんですが、工藤最大の武器は生後間もなく生死の境をさまよった経験から、神経伝達物など精神や肉体に作用するホルモンなどを自在に操るという特殊能力。痛みを感じなくすることも出来るため、打たれ強い工藤のタフさの秘密になっています。 十兵衛から執念を持って追われていますが、実力は拮抗していたため、工藤にとっても十兵衛は因縁の相手として脳裏に刻まれています。

 

③梶原修人:隻腕の実力者!忍術も嗜む

著者
木多 康昭
出版日

梶原修人は江戸時代初期の薙刀の達人梶原長門を開祖とする古武道、梶原柳剛流の継承者。日本刀のなかでも長大な野太刀を主な武器としていますが、梶原柳剛流には忍術も組み込まれており、梶原自身も忍者のようないでたちをし、他の出場者よりも身のこなしが軽く感じられます。

左手首から先がないという隻腕のキャラクターですが、これは過去に入江と対戦した際の負傷によるもの。敗戦を糧に己を鍛えてきたので、片手で野太刀を振るうなどハンデを感じさせません。

また、罠を使用するなど正攻法ではない戦い方も多用するため、油断は大敵です。実は富田流とは浅からぬ縁がある相手。トーナメントだけではなく、試合外で画策する狡猾な面もある人物です。

 

④佐川徳夫:まさに天才!日本拳法家

著者
木多 康昭
出版日

佐川徳夫(のりお)は日本拳法家を父に持ち、後述する佐川睦夫の弟でもあります。幼少のころから父に倣って日本拳法を学んできました。その界隈では知らぬものがいないほどの天才と評価されており、未経験であるはずの野球でもドラフト指名されるほど。ボクシングや空手のプロと対戦しても勝利するなど、対外的な評価だけでなく実力も折り紙つきです。

徳夫の武器は類稀なる動体視力の良さと洞察力の高さ。格闘技において攻撃はもちろんのこと、防御も優れなければ勝ち進むことは難しいでしょう。相手の攻撃をいなして自分の攻撃をするというカウンターは徳夫の得意とする戦い方。自身の能力を最大限に活かすというところが、天才たる所以だと言えます。

 

⑤櫻井裕章:記憶にはこだわらない?無敗の格闘士

著者
木多 康昭
出版日

櫻井裕章(ひろあき・ゆうしょう)はシラットの使い手。アメリカで開催されている非合法格闘技大会「アンダーグラウンド」においてS級格闘士という最高ランクに位置しています。シラットとは、東南アジアで行われている伝統的な武術で、現代ではスポーツとしても親しまれています。アンダーグラウンドでは無敗、トーナメントには自身の強さを証明するために参加しました。

実戦経験が豊富で棒一本でライオンを倒すなど武器や身体の使い方も超一流の櫻井。しかし、健忘症を患っており72時間しか記憶が持たず、中学生以降の20年間の記憶を持たないなど、日常生活面でのハンデを抱えています。戦いに関してハンデにならないのは、戦歴を見れば明らか。戦い方は身体が覚えているという、格闘家らしさを体現した人物でもあります。

 

⑥入江文学:弟子の卑怯さは師匠譲り!

著者
木多 康昭
出版日

十兵衛の師匠でもある入江文学は、戦国時代の剣豪富田勢源を始祖とする古武道、富田流の6代目継承者。富田流は一子相伝の流派で小太刀術のほか、素手での戦闘にも優れているのが特徴です。相手の心臓に打撃を加えて気絶させる「金剛」など、様々な技を習得。また、様々な相手と戦った経験の豊富さも入江の武器になっています。

入江は近代格闘技にも精通しており、自身が習得した富田流の技を組み合わせて戦うなど、勝つための手段は択ばないタイプ。武道家というと正々堂々といったイメージがありますが、勝利には貪欲です。勝利への執念や冷静な戦い方は弟子にも通じるものがあり、十兵衛がいかに入り江に影響を受けているのかがわかります。

 

⑦金隆山康隆:出場選手中最も大きい最強の横綱

著者
木多 康昭
出版日
2018-09-06

相撲の長い歴史の中で名力士は数多く登場しましたが、金隆山康隆(こんりゅうざんやすたか)ほどの大記録は生まれないでしょう。初土俵以来843戦負けなし休場なし。怪我に苦しむ力士が多い中、これは特異と言ってもよい記録でしょう。また、強敵そろいの出場者のなかでも一層身体の大きさを感じるのではないでしょうか。強さの秘密はこの恵まれた肉体にあります。

金隆山は先天的なミオスタチン関連筋肉肥大という特異体質で、常人の2倍以上もの筋肉量を誇っています。身体の大きさや肉体の強靭さで言うならトーナメント出場者のなかでも随一といえるでしょう。力士時代はその肉体の強靭さゆえに、出せる技が制限されていたという逸話もあるほどの人物。異なる戦い方の相手にどう対応するかに注目です。

 

⑧川口夢斗:最年少出場者!キックボクサー

著者
木多 康昭
出版日
2018-04-06

川口夢斗はキックボクシングのスター選手です。打撃系格闘技トーナメントのヘビー級チャンピオンで、鍛え上げられた肉体は圧巻の一言。特にキックボクサーでもあるので足は他の選手にはない大きな特徴です。太ももから足先にかけて丸太のように太く、頑丈。繰り出されるキックのスピードは速く、打撃力に優れていることは想像に易いでしょう。

通常の試合ではハイキックなどの一撃必殺技は使用しなかったとのことで、世界的な選手とはいえ真の実力は未知数なところがあります。顔が厳ついので誤解されがちですが、実は十兵衛をのぞく正規の出場選手の中では最年少。経験が浅いとみるか肉体的には有利と見るか、どちらにせよ未知数の部分が多い選手です。

 

⑨芝原剛盛:かつて最強と言われた病床の古老

著者
木多 康昭
出版日

芝原剛盛(ごうせい)は全国に支部を持つ合気道組織の長で達人でもあります。現代では同情もあり身近な武術の1つですが、創始されたのは大正末期から昭和初期。柔術や剣術など、様々な流派の武術を研究して出来上がった、究極的な武道であると言えます。体術を主としており、芝原も全盛期には形あるものは全て倒すことができると豪語していました。

トーナメント主催者である田島から、入江の父である無一、進道塾の創設者山本陸とともに国内で倒すべき強者として認識されていましたが、現在は末期がんを患っており余命1年を宣告されている状態。伝説的な人物ではありますが病がどの程度影響を及ぼしているのか、経験豊富な古老ゆえの戦い方にも注目です。

 

⑩上杉均:必殺の打撃技「煉獄」をマスターした唯一の空手家!

著者
木多 康昭
出版日
2019-11-06

芝原とともにかつて最強の一角と言われた山本陸。その山本と並び「喧嘩王」と称されたのが上杉均です。直接打撃制であるフルコンタクト空手の流派である進道塾の高弟でしたが、過去のいざこざにより破門されていました。9年の時を経て陸の息子、海の要請により復帰、トーナメント出場を表明しています。

喧嘩王という名前のとおり、打撃の強さは目を引くものがあります。また、進道塾の高弟にのみ伝えられている連続打撃技「煉獄」をマスターしているというのも強み。なかでも上杉はこの煉獄を完璧にマスターしているという数少ない人物でもあるため、打撃には絶対的な自信を持っています。手段を択ばない出場者が多い中、上杉は情に厚いタイプ。メンタル面がどう影響するのかがカギとなります。

 

⑪関修一郎:4大会連続金メダル獲得!柔道家

最強は誰だ!陰陽トーナメント出場者を紹介⑪:4大会連続金メダル獲得!柔道家【関修一郎】
『喧嘩稼業』1巻

日本の武道と言えば、最初に思い浮かべるのは柔道ではないでしょうか。人気も注目度も高い競技ですが、関修一郎はなかでも体重制限のない階級である無差別級に出場。4大会連続で金メダルを獲得しているという実力者です。圧倒的な強さから「仁王」の異名を持ち、国民栄誉賞を受賞するなど、国民のスターともいえるでしょう。

試合では投げ技を得意としていましたが、寝技を中心とした高専柔道にも増資が深く繰り出す技は多様です。入江も認めるほどの実力者ではありますが、何でもありがトーナメントのルール。武器を使用する相手も多く、柔道のルールにのっとった戦い方をすれば不利となるでしょう。どういった戦術をとるのか、国民的スター選手の動向から目が離せません。

 

⑫佐川睦夫:非凡なる努力の才を持っていたがゆえの悲劇

最強は誰だ!陰陽トーナメント出場者を紹介⑫:非凡なる努力の才を持っていたがゆえの悲劇【佐川睦夫】
『喧嘩稼業』1巻

佐川睦夫は天才的な才を持つ佐川徳夫の兄です。日本拳法家である佐川雅夫の長男として生まれ、父の期待に応えるべく必死に努力し続けてきました。しかし、中学の時に大会で田島に完敗したことで父に見限られてしまいました。その後精神を病んでしまい、血を求めて海外の戦場を転々とする傭兵として過ごすことになります。

天才である弟と比べ、睦夫は特筆することのない平凡な人間でした。しかし、常に死と隣り合わせという戦場で生きてきた経験は何事にも代えがたいもの。さらには愛憎の相手である父と相手を重ねることで、実力以上の力を発揮することができます。努力の才能に秀でているがゆえの悲劇に見舞われた睦夫。経緯が壮絶なだけに、戦う姿が痛々しく感じられます。

 

⑬三代川祐介:人格開放で強さ倍増!?

最強は誰だ!陰陽トーナメント出場者を紹介⑬:人格開放で強さ倍増!?【三代川祐介】
『喧嘩稼業』1巻

三代川祐介は召琳寺拳法の使い手です。中国の嵩山召琳寺で作られた召琳武術とは異なるもので、新興の流派。開祖の高弟だった祖父から手ほどきを受け、幼い頃から打ち込んできました。一度は離れてしまいましたが祖父の死後、心臓病を患っていた三代川への祖父の想いを知り一念発起、召林寺拳法家を訪ね15年間修業を積んできました。

召林寺拳法は打撃技や投げ、関節技などを使用する剛柔整に優れたオールマイティーな戦い方ができます。三代川も可もなく不可もなくと言いたいところですが、トーナメントに出場するほどの強者たる所以は人格にありました。実は祖父に教わった般若心経を唱えると人格が変わるという、多重人格者。人格が変わると戦い方にも変化がある様子。3人いるという人格、どのように変化するのかが気になります。

 

⑭反町隆広:元プロレスラーの総合格闘家!

最強は誰だ!陰陽トーナメント出場者を紹介⑭:元プロレスラーの総合格闘家!【反町隆広】
『喧嘩稼業』1巻

反町隆広は総合格闘家。元々はプロレスラーとして活躍しており、ヨーロッパのヘビー級チャンピオンになったこともあるほどの実力者です。しかし、あらかじめ決められたシナリオ通りに試合やリング外抗争をおこなう「ブック」に嫌気がさし、総合格闘家に転身しました。スター選手として活躍するも再びブックのオファーが来たことで引退してしまいます。

引退後は母親の年金で生活しながら強者との対決を待ち、トレーニングを積み続けてきました。総合格闘家だった頃は寝技の組み技が主体であるブラジリアン柔術の格闘家に勝利し続けるなど、実は寝技を得意とする格闘家。暴力的であまり深く考えないせいか野性味が強く、本能で戦っている印象の強い格闘家です。

 

⑮里見賢治:かつての田島のライバル!中国拳法家

著者
木多 康昭
出版日

里見賢治はかつて田島とともに進道塾の門下生として競い合っていました。「拳聖」と評され山本陸からも高い評価を得ていましたが、山本に組手で完敗したことがきっかけで空手を断念。中国に渡り、意拳を習得します。後に柔術などを組み合わせた独自の拳法「玉拳」を作り出しました。

型がビシッと決まっている空手に対し、里見が学んだ意拳は型が決められていることの多い中国拳法のなかでも、型がないという特徴を持っています。ゆらりとした構や立ち姿は独特で、掴みどころのなさから実力を推し量ることが難しく感じられるでしょう。田島とは過去との関りがあり、かつてはライバル関係にありました。道を違えた2人だけに、現在の実力差が如何ほどなのか気になります。

 

⑯カブト:悲運のレスラーが再び表舞台に

最強は誰だ!陰陽トーナメント出場者を紹介⑯:悲運のレスラーが再び表舞台に【カブト】
『喧嘩稼業』1巻

それぞれ壮絶な過去を背負っているトーナメント出場者ですが、なかでもカブトは悲運のレスラーだといえるでしょう。本名は阿南優太、反町と同時期に大和プロレスに入門し、覆面レスラーとして活躍しました。しかし、人気絶頂期に婚約者を強姦の上殺害されたことで激昂し、犯人だった中学生を殺害してしまいます。カブトは収監され、15年間刑に服しました。

大和プロレスの創始者であり師でもある生野勘助の働きかけにより出所、プロレスラーとして復帰することになります。かつては実力を認められたレスラーでしたが、15年もの長い間第一線から退いていたこともあり、どの程度戦えるのか誰にもわかりません。元々覆面でしたが、事件当時濃硫酸を浴びたことで皮膚が爛れた状態。未知数の実力に外見の異様さが加わり、得体の知れなさに拍車がかかります。

 

⑰田島彬:トーナメントのラスボス!?真の強者

著者
木多 康昭
出版日

表の世界と裏の世界、両方を合わせた時最強なのは誰なのか。そんなルール無しの格闘大会の主催者が田島彬です。トーナメントの勝者が田島と戦う権利を得るため、現在の田島が誰かと真剣に戦う描写はありません。しかし、入江や芝原、櫻井など因縁のある人物が多く過去の出来事から田島の実力を窺い知ることはできます。

ファイトマネーを稼ぐために未経験でボクシングのヘビー級王者になるという前代未聞の偉業を軽々とやってのけるなど、常識では測りきれない人物。実力はあるだろうと推測されますが、作中でもたびたび登場する山本陸からもはっきりと「強い」と評されている数少ない格闘家でもあります。多くの猛者が一目置く、格闘センスにも知略にも優れた田島に死角はありません。

『喧嘩稼業』は1回戦が進行中!組み合わせと試合結果をネタバレありで詳しく解説

主催者である田島を含め、17人のトーナメント出場者を紹介してきました。ここからは、現在進行中である試合の組み合わせと結果を解説し、今後の展開を予想していきたいと思います。

トーナメント組み合わせ

組み合わせはすでに決定されており、第1試合は梶原対工藤、第2試合は佐川徳夫対十兵衛、第3試合は櫻井対入江、第4試合は金隆山対川口、第5試合は芝原対上杉、第6試合は関対佐川睦夫、第7試合は三代川対反町、第8試合は里見対カブトとなっています。

現在第5試合まで終了しており、2回戦に進む出場者が決定しています。

第1試合

武器や毒など様々なアイテムを駆使する梶原に対して、拳ひとつで立ち向かっていく工藤という対照的な戦いになりました。双方苦戦を強いられ、工藤は片目を負傷しながら勝利を勝ち取っています。

第2試合

佐川徳夫十兵衛の戦いとなりました。試合結果は十兵衛が勝利を収めるのですが、試合前から会場外でいろいろと画策。計画自体は失敗に終わり、実力で2回戦に進むわけですが、十兵衛の勝利に対する貪欲さは想像以上だなと思わせられます。

第3試合

第3試合は櫻井入江。双方とも田島と因縁浅からぬ組み合わせです。戦う相手がいないためにライオンと戦っていた、という櫻井はやはり強敵。入江も技を繰り出しますが押され、左腕を折るなど満身創痍となってしまいます。櫻井優勢で試合が進み、結果入江が勝利しますが、入江が最後の技「高山」を仕掛けるシーンで男性読者の肝が冷えたのではないでしょうか。

第4試合

第4試合は金隆山川口です。相撲界とキックボクシングという、裏でなく表社会のスポーツ界を代表する2人の戦い。手数が多く的確にダメージを与えられる川口が優勢で試合が進みました。しかし、金隆山は一撃でも致命傷となるほどの怪力の持ち主。勝負は互角となり、最後には川口側のセコンドがタオルを投げたことで金隆山が勝利を収めました。

第5試合

第5試合は芝原上杉、出場者のなかでも特に年齢を重ねた2人の老人対決となりました。元々余命1年と宣告されている芝原の分が悪いという印象がありましたが、さすがは最強と言われた1人、老いを感じさせるどころか年齢を重ねたからこその巧みさが感じられます。結果上杉が勝者となりますが、ダメージは免れませんでした。

 

1回戦の勝敗予想と『喧嘩稼業』今後の展開を考察

第5試合まで終了し、十兵衛はこの時点で因縁の相手である工藤との対戦が決定しました。目的が果たされるわけですが、その背後では田島を襲撃する計画がなされるなど、はたしてそのままトーナメントが進行するのかという疑問も浮かびます。また、勝利を収めたものの思いがない形で金隆山が退場。準々決勝第2回戦がどのような形になるのか、展開が気になるところです。 

準々決勝については今後の展開とも深くかかわるので予想は難しいですが、1回戦の展開について予想していきたいと思います。

第6試合

実力から見ると明確な差はないと感じられますが、第6試合は入江が関について言及したセリフもあるため、フラグと考えると関が優勢

第7試合と第8試合

第7試合の反町と第8試合のカブトは同じ大和プロレス出身という因縁があるため、対戦カードとしてはドラマチック。ぜひ見てみたい組み合わせでもあります。

また、田島襲撃計画に里見も深くかかわっている関係上、成功しても失敗しても無事であるイメージがわきません。何らかのダメージを受けると考えると、特に里見が勝ち進んでいくのは難しいのではないのではないでしょうか。よって第7試合については反町優勢、第8試合は里見に何らかの不具合が起きることも想定し、カブトが優勢としておきます。

『喧嘩稼業』強さランキング!トーナメント出場者だけじゃない?結局誰が最強なのかを考察

試合結果なども踏まえて紹介してきましたが、ここまで進めてきて1番気になるのは「では誰が1番強いの?」ということではないでしょうか。こちらではトーナメント出場者を中心に、誰が1番強いのか考察していこうと思います。

トーナメント出場者

まず、トーナメント出場者を見ていきましょう。部門で分けるならフィジカル面では圧倒的に金隆山が1位です。身長2メートル、体重約200㎏という巨体の中には常人の2倍以上もの筋肉が詰まっているという、まさに戦うためだけの身体を持っていると言っても過言ではありません。またプロレスやボクシングなど、相手の技を受ける前提の競技者も身体ががっしりしており、川口反町、十兵衛に敗北した石橋強も強靭な肉体の持ち主です。

技の巧みさを見るならば、1位は圧倒的に芝原ではないでしょうか。経験は何事にも代えがたく、時に肉体差をも凌駕します。それぞれ場数は踏んでいますが、芝原は年齢を重ねている分、経験も他者より豊富。病身でも戦えるのは、技のキレがあったからこそでもあるのです。

トーナメント参加者以外

トーナメント参加者外での最強は、進道塾の創設者である山本陸。かつて入江の父や芝原とともに最強と評された人物です。「空手王」の異名を持ち、対人戦に飽きたと素手で熊と戦うという、とんでも行動を起こした過去も。作中では姿を消しているため具体的な描写はありませんが、トーナメント参加者外ではトップクラスの実力者というのは間違いありません。

以上を踏まえてランキングを考えていくと、やはり1位は田島彬ではないでしょうか。トーナメント主催者であり、本作のラスボス的存在。その実力は一端しか語られていませんが、最強の一角である山本ですら認める実力者であり、山本だけでなく入江の父など多くの武道家や格闘家を再起不能にしています。それだけ冷酷無比であるとともに、圧倒的な実力があるということなのでしょう。

1位が圧倒的なため2位以降のランキング付けが難しいのですが、やはり特殊な能力や恵まれた体格を持っていることは有利に働くでしょう。金隆山や川口だけでなく、脳の伝達物質すら操れる工藤や負けた経験がほぼ無いという櫻井も、純粋な実力だけで考えれば上位にランクインするはずです。

『喧嘩稼業』芝原対上杉戦決着!続きが気になる最新13巻あらすじと見所は

熱い戦いがくり広げられている本作、ここで最新となる13巻のあらすじや見所をご紹介しましょう。13巻は第5試合、芝原上杉戦の決着がつけられます。何度も形勢が逆転し、どちらが勝つかわからない戦いの中、上杉がついに「完全な煉獄」を放ちます。対する芝原は煉獄返しを試みるのでした。

一方、十兵衛は今後の試合を有利に運ぶため裏工作を仕掛けようと暗躍し始めます。熱い試合後にもかかわらず、通常運転の十兵衛の姿に肩の力が抜けるのではないでしょうか。とはいえ、十兵衛だけでなく里見や上杉が参加する田島襲撃作戦も進行中。最新話では田島襲撃計画だけでなく関の排除も進むなど、リング外抗争が過熱してきました。

見所は描き下ろしである芝原親子のエピソード。激闘を見た後だけに親子の絆が感じられ、心が温かくなります。

著者
木多 康昭
出版日

 

『喧嘩稼業』だけじゃない!作者・木多康昭はメタネタやギャグが持ち味

拳のぶつかり合いという、どこか神聖な印象すら受ける戦いの中に、非正攻法な戦い方も織り交ぜるという、新たな格闘技漫画のスタイルを築いた漫画家、木多康昭。本作ではコミカルシーンは少なくなりましたが、『喧嘩商売』ではギャグシーンも大きな話題となりました。

というのも作者は、元々ギャグ漫画で人気となったのです。1996年より「週刊少年ジャンプ」で連載が開始された『幕張』は、千葉県幕張地区の高校が舞台。他の「ジャンプ」作品のテーマである「セクシーコマンドー部に入部したくなかった」というメタな理由で野球部に入部した塩田鉄人や奈良重雄の日常が描かれています。

当時の「ジャンプ」に掲載されていた作品や芸能人のパロディのほか、下ネタなど今となってはかなりギリギリのネタのオンパレード。様々なやらかしを記憶している読者も多いはずです。講談社「マガジン」に移籍後ギャグ漫画は描いていませんが、メタなネタやコミカル展開は健在。読者を楽しませてくれています。

著者
木多 康昭
出版日

格闘技といっても競技は幅広く、武道は流派もあるため一括りにできないほど奥深い世界。その中で最強を決めるという戦いは、個人の思惑はどうあれ、夢のような舞台であると言えます。戦いはまだ続きますが、リング外の戦いも過熱しているので一筋縄ではいかない様子。続きが待ち遠しいですね。

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