強烈に惹かれてしまう「裏〇〇」というワード。これにはなんだか理由があるようで……?そんな「裏〇〇」が気になってしまう人におすすめなのが、女の子が危険な裏バイトに手を染めていく様子を描いた漫画『裏バイト:逃亡禁止』です。 この記事では実際にある裏バイトの話も交えながら、本作のあらすじや見所も紹介していきます。
「裏メニュー」のようなテレビでもよく取り上げられるものから「裏ビデオ」という怪しいものなど、興味を引くために使われる「裏〇〇」というワード。それでもついつい気になって広告をクリックしまう……という方も多いのではないでしょうか。この「裏〇〇」という言葉に惹かれてしまうのには、ある理由があるというのです。なぜ日本人は裏〇〇という言葉が好きなのでしょうか?
その理由は2つあると言われています。
理由1:自分だけが知っているという特別感を味わえるから
たとえば「裏メニュー」や「裏話」といったもの。これは「自分だけが知っている」という特別感を味わうことができるワードです。他にも「裏原宿」「裏渋谷」といった言葉も、「多くの人には知られていない」「自分だけの楽しみ方がある場所」という優越感を感じれられるものとなっています。
日本人はとくに好奇心が高いと言われているため、このような特別感のある「裏〇〇」というワードに反応してしまうのでしょう。
理由2:日常では味わえないタブーに触れることができるから
少し危ないイメージのある「裏ビデオ」や「裏カジノ」という単語。「裏カジノに潜入!」という特番はつい目を止めてしまうことがありますよね。このように通常ではタブーとされているものは、非日常感を感じてしまいます。
やはり好奇心が旺盛な日本人は、タブーであることは知っていても「やってみたい」「覗いてみたい」という衝動に駆られるのでしょう。
特別感や非日常感を想像する「裏〇〇」というワードは、多くの人に興味を持たせるワードであることが分かりました。それでは、今回の主題である「裏バイト」。これは本当に実在するのでしょうか?
先ほど紹介したような「裏ビデオ」や「裏カジノ」などは、なんとなく耳にしたことがあり、その存在を知っている人も多いと思います。そんな「裏〇〇」好きの方は、「裏バイト」というものが本当に存在していることをご存知でしょうか。
実際にある「裏バイト」には、大きく分けて2つの種類があるようです。それが「一般には出回っていないバイト」と「報酬は高いけれど、違法性があるバイト」です。
一般には出回っていないバイトとは
これには遺体や遺品の整理、出会い系のサクラ、夜逃げを手伝う引越しスタッフなどがあります。やはり特殊な内容のため、バイト求人などではほとんど見たことはないですよね。
報酬が高く、違法性があるバイト
こちらはパチンコのサクラ、携帯や銀行口座の売買などが含まれるようです。提示される報酬は高いですが、違法な行為であることがほとんどのようですので、絶対にやらないように気をつけてください!
「裏〇〇」という響きに好奇心をくすぐられる気持ちは分かります。しかしやはり、手を出さないのがベター。そんな「スリルを味わいたいけど、安全に楽しみたい!」という方におすすめなのが『裏バイト:逃亡禁止』という漫画です。
本作の印象的なキャッチコピーは「あなたの命はいくらですか?」。ある事情で大金が必要な二人の女子がさまざまな裏バイトに手を染めていくお話です。
主人公である白浜和美と黒嶺ユメは、簡単な仕事なのに時給が法外に高いバイトに申し込みます。その時給は「命の値段」ということ。
この漫画で登場する裏バイトは、先ほどの紹介とは少し異なり、職場でたくさんの人が死んでいたり、雇用者がなんとなく怪しい雰囲気があったり……それによって、普通ではありえない出来事に巻き込まれていくホラー漫画です。
彼女たちは「裏バイトのススメ」という怪しい本を頼りに、さまざまな裏バイトで大金を手にします。主人公たちが命を賭けてまで大金を必要とする理由とは?そもそもなぜこんなバイトを募集しているのでしょうか?
『裏バイト:逃亡禁止』はジャンルとしてはホラーものではありますが、主人公達のやり取りが面白く、つい笑ってしまうようなシーンも。また裏バイトの謎に迫っていくミステリー要素もあるので、怖いのが苦手な人でも楽しめる作品となっています。
最初のページでいきなり「裏バイトの心得」というものが説明されています。
1.想像もし得ない事が起こると心得るべし
2.情報収集を欠かしてはならない
3.可能であれば、協力者を求めるべし
しかし、いざという時は…非情な決断も必要である
(『裏バイト:逃亡禁止』1巻より引用)
普通のバイトでは、このような心得を教えられることなんてありえませんよね。しかしやはり「裏バイト」なだけあります。この文面を見ると、日常では味わえないタブーが隠されているように感じます。逆にどんなバイトなのか、興味が沸いてくる文面です。
「裏バイトの心得」は危険なことが起こる事を示していますし、何が起こっても自分で切り抜けてね、というような内容になっているので、明らかに怪しいバイトであることがわかります。
最初のバイトは「緑心庵」というリゾートレストランで、ホールスタッフの仕事。依頼主のオーナーは、一見人当たりの良さそうなおじさんです。実際に働いてみても、普通に見えます。
しかし怪しいのはここから。とっくに業務も終わり、深夜になっても主人公達の行動をずっと監視しているオーナー。
そして奥さんがいるにも関わらず、住み込みでバイトをしている彼女たちに紹介しません。「人に感染する病気を患っている」と話し、どうしても奥さんに会わせたくない様子も気になります。
彼女たちを監視していたのも、奥さんに会わせないようにしていたため……?オーナーに何か危険なニオイを感じます。
仕事は順調でしたが、緑心庵に来てからずっと謎の夢を見るようになった白浜。
夢の内容は職場の近くにある森の中で、白骨化した女性のような幽霊が何か喋りながら近づいてくるというものです。明らかにおかしいと感じた白浜は、夜中にこっそりオーナーの奥さんの部屋へ忍び込み……。
夢に出てくる幽霊や白骨化した奥さんの絵は背筋をゾワリとさせます。そしてページをめくりたくなる 絶妙なコマ割り。予測できない展開を楽しみたい人はきっと本作の構成に満足できるでしょう。
さらに読み進めていくと、主人公達がどんどんパニックになっていく姿も描かれていきます。スピーディな展開で、読者をハラハラさせること間違いありません
白骨化したオーナーの奥さんを見つけ、パニックになる白浜と黒嶺。すると突然オーナーの声が。扉を開けない2人の様子をみて、斧を持ったオーナーが襲ってきます。
斧を振り回すオーナーを前に黒嶺はフリーズし、主人公達は絶体絶命!
裏バイトを募集していた謎が次々と明かされていきながら、主人公たちが圧倒的に不利な状況を打開していく展開にスリル感を楽しめます。
テンポよくストーリーが進んでいくので、まるで自分も同じ状況にいるかのような雰囲気を味わうことができます。
後日、オーナーはずっと独身だったことが判明。そして事件のあと、オーナーは消息不明となりました。奥さんと思われていた白骨は、ただの標本で……。
最後の最後でさらに深まる謎と、オーナーの最期の描写は逸材です。読み終わったあとモヤモヤ感やゾクゾク感を味わえるのも『裏バイト:逃亡禁止』の醍醐味となっています。
その後も「ビル警備員」や「個人向け配送業」「治験」などの裏バイトに応募し続け、命を張った展開が続きます。予想のつかないオチにハマってしまうでしょう。
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- 著者
- 田口 翔太郎
- 出版日
テンポよくストーリーが展開されていく本作。白骨体などは出てきますが、スプラッタ表現は少ないのでゾワっとするホラー漫画が好きな人におすすめです。
また次に主人公達が挑戦する裏バイトにどんなタブーや謎が隠されているのか、怖いと知っていながら覗いてみたくなりますよ!