良くも悪くも時代の変化が激しい現代。自分を取り巻く「お金」についての不安を抱えている人は多いのではないでしょうか? 今考えているライフプランにはどのくらいのお金が必要なのか、老後に必要なお金はいくらくらいなのかなど、考えておかなければいけません。これからの時代を生き抜くために、お金について知っているのと知らないのとでは大きく違います。 本記事では『節約・貯蓄・投資の前に 今さら聞けないお金の超基本』のまとめをはじめとして、実践方法や関連本などを紹介していきます。お金について基本的なところを知り、ライフプランを見直すきっかけになれば嬉しいです。
本書は以下の全7キャプチャーで構成されています。まずは「お金とは」という概要の項目、そしてお金の機能である「稼ぐ」「納める」「貯める」「使う」「備える」「増やす」です。こうして見るだけでもお金には多くの機能があることがわかります。ただ単純に稼いで使うだけではないということです。意外と知らない年金・納税・仮想通貨まで、幅広くお金の基本知識を身につけることができます。
- 著者
- 朝日新聞出版
- 出版日
シンプルかつわかりやすいグラフや図解付きで、初心者でもわかりやすく書かれているのも特徴。また、各キャプチャーの最後にはお金のリアル事情が紹介されています。こういう使い方で失敗した、これを知っていてよかったなど、お金に関するあるあるが実際の体験とともに記載されているので、参考になることでしょう。
また、特定の項目について知りたい、ライフプランにマッチしたキャプチャーを手っ取り早く学びたいという人にもおすすめ。各キャプチャーは細かく項目分けされているため、目次から飛ぶことができます。
まさに『お金の超基本』は、人生100年時代と言われる今に対応したお金の教科書。特に、これまで難しいと思ってお金の問題から逃げてしまっていた人、これからマネープランについて考え始める新社会人の方にはおすすめの1冊です。
https://unsplash.com/
社会人になり、結婚して、子供が生まれ、家を買う……。そんな一般的と思われてきた人生を選ばない人も増えてきています。多様な生き方が肯定されてきている今、人の数だけ人生ルートがあるのです。しかし、どの人生にも必要不可欠なのがお金。
ますはどんな人生を生きていきたいかに沿って、ライフプランを立ててみましょう。もちろん立てたライフプランは随時変更可能。ライフイベントごとに必要なお金を「見える化」することが重要です。そうすることで、今自分にどんなお金の知識が必要なのかがわかります。マネープランは自己分析から始まるのです。
本書には便利なライフプラン表付き。まずは書き出してみることで、お金のことがグッと身近になることでしょう。
先ほどお金には6つの機能があると言いましたが、ここではもう少し詳しくみていきます。
①稼ぐ:生きていくためには基本の機能。お金を稼ぐ方法や、働き方と収入の関係について学びましょう。
②納める:主に税金の仕組みについて知識を深めることが必要です。
③貯める:効率的な貯め方の実践方法と、貯めるための家計の工夫を知りましょう。
④使う:最も身近。生活必需品の購入だけではなく、教育費や住宅費など、将来に使うお金について把握することも重要。
⑤備える:税金や保険料を使った社会保障制度のこと。自分で備える方法も知りましょう。
⑥増やす:運用によって100万円を105万円にすることも可能。投資のメリットとデメリットを学ぶと役立ちます。
自分らしい人生を生きていくために、お金は欠かせない「暮らしの道具」。知識だけではなく判断力・行動力も大切です。
お金は主に家計(個人)・企業・政府間を回っています。
①個人が働いて得た収入で家計をやりくりする。
②企業は家計からの労働力を用いて商品やサービスを提供し、利益を得る。家計に給料を払う。
③家計と企業は政府に税金を払う。
④政府は税金を使って家計や企業にサービスを提供する。
以上①〜④の流れによって、社会活動が支えられているのです。
そして、お金と社会が繋がっているからこそ景気の波が起こります。これがお金の価値変動です。需要より供給が上回ればデフレ(物価下落)、供給より需要が上回ればインフレ(物価上昇)になります。この変動が、生活に大きな影響を及ぼしているのです。
ここではお金の機能のうち2つ、「稼ぐ」「納める」について詳しく解説します。
https://unsplash.com/
お金の稼ぎ方は、自分で選ぶことが可能な時代。働き方によってお金のもらい方や収入は変わってきます。ここでは大きく分けて会社員とフリーランスの稼ぎ方について紹介します。
毎月決まった日に給料が支払われるため、安定していることが魅力の会社員。時間外勤務や深夜労働にも手当てがあります。収入が安定しているため、住宅ローンや自動車ローンなど、審査が通りやすいです。これは将来設計がしやすいというメリットにつながります。
また、福利厚生が手厚いことも特徴。有給休暇がある他、雇用保険や健康保険など、社会保険料の一部を会社が負担してくれます。給料明細の見方も解説されているので、ぜひ自分の明細を確認してみてください。
デメリットとしては固定給が基本のため、成果を上げてもそれに見合った対価が期待できないことや、仕事上の自由度が低いことなどが挙げられます。
勤務時間や仕事内容など、自分の裁量で決められるのがフリーランスの魅力です。仕事の成果が収入に直結するのも嬉しいポイント。能力次第では、会社員が一生かかっても稼ぐことができない収入を得られることも夢ではありません。また、仕事の経費を使用して節税するなど、賢く調整もできます。
デメリットとしては、収入に波があること。残念ながら会社員のように保証はされていません。そのため、住宅ローンなどが通りにくいことがあります。
会社員か、フリーランスか。メリットとデメリットを把握した上で、稼ぎ方の参考にしてみてください。
収入を増やすために転職する、独立する……。もちろんそれも大いにありです。しかし、急に転職・独立は難しいと感じる人は多いでしょう。ここではそれ以外の選択肢について紹介します。
一つ目は資格取得。会社によっては業務に関連する資格の取得に、資格手当を出すところもあります。
資格取得は昇級に結びついたり、いざ転職となったときに有利になる可能性があったりします。長い目でみたら、生涯賃金を増やせるかもしれません。これから歩みたい自分のキャリアに合わせて、どんな資格が有益になるか考えてみてください。
二つ目は副業。社会保険料が年々上がり、手取りが減っている現在。そんな時代だからこそ、もう一つの収入源を確保しておく人は増えてきています。
アンケートモニターや家庭教師、Webデザイナーやライターなど、職種は様々。自分の得意を見つけて、副業をはじめてみるのもいいですね。はじめる前に、働いている会社が副業可能かどうかは事前に確認しましょう。
税金とは、一言で言うと生活に必要なサービスを維持するために個人や企業が出し合うお金のこと。納税は国民の義務です。あらゆる所得、消費、財産には税金がかかっていますが、だからこそ私たち国民は健康で文化的な生活を送ることができるのです。
具体的に解説しましょう。会社員は給料から所得税や住民税が天引きされ、個人事業主は自分で所得を計算・申告し納税します。そうして納められた税金は義務教育、治安維持、インフラ整備、福祉・医療サービスなどに使われているという仕組みです。
また、税金には所得税のように状況に合わせて計算するものと、消費税のように固定されているものがあるということも知っておきたいところ。特に所得税は見直しによっては抑えることも可能です。これは10種類以上ある控除が鍵となります。『お金の超基本』p79にある控除の種類をうまく利用して、節税してみましょう。
次は身近な「貯める」「使う」について詳しく解説します。
https://unsplash.com/
生活に欠かせない金融機関である銀行。主な機能は3つあります。
一つ目は「貯める・増やす」。期間を決めて預ける定期預金は、いつでも預けることができる普通預金より金利が高いです。賞与などまとまったお金が入った時は特におすすめ。生活費と分けて貯蓄できるため、ついつい使ってしまうという人は活用してみてはいかがでしょうか?
二つ目は「借りる」。住宅や車など、大きな買い物をしたいときに使用します。将来的にきちんと返せるか審査されるというのが特徴です。
三つ目は「動かす」。これが最も身近でしょう。銀行口座で給料を受け取り、クレジットカード代金などを口座から引き落とすという機能です。キャッシュレスが広がっている今、こうしてお金をスムーズに動かすことができる銀行はとても便利です。
銀行を上手に活用することで、効率よく貯めることができます。ここでは上手な使い方について解説していきます。
銀行を分けることで金利管理がスムーズになります。銀行を選ぶときのポイントは5つ。
①店舗やATMが自宅の近くにあるか
②インターネットで取引ができるか
③自分が利用したいサービス(デビットカードや投資など)が揃っているか
④手数料はいくらか
⑤手数料が割引になるサービスがあるか
以上の点を考慮して銀行を選択してみてください!
インターネットバンキングのメリットは主に3つ。
①家計簿アプリと連携できること
②いつでもどこでも取引ができること
③手数料が安い
家計簿アプリと連携できることで、お金の流れが把握しやすくなります。手数料が安いこともポイント。300円程度だと思っていても、ちりも積もれば山となる。少し気にするだけで、あっという間に1回分のランチ代になります。
家計管理をする際は、銀行口座間でお金を動かす回数が最小限で済むようにすることが必要です。振込手数料の節約になります。例としては給与振り込み口座、貯めて増やす口座、家計用口座、子供用口座など。現在の家族構成やライフプランによって口座の種類を選択しましょう。
各口座残高や貯蓄額などについては、月に1度程度見直すことをおすすめします。
お金の使い方は大きく分けて生活に必要な支出と、娯楽支出の2種類。節約のためには娯楽支出さえ我慢すればいい、というわけではありません。バランスよく、メリハリのあるお金の使い方をしましょう。
まずは「何に」「いくら」使っているか整理してみてください。紙でもアプリでも構いません。何に使ったのか細かく記録することがポイントです。その上で見直しが必要な固定費はないか、削れるお金はないかを考えていきます。
支払い方法には主に3種類。前払い、同時払い、後払いです。詳しくみていきましょう。
事前にチャージなどしておく前払いは、電子マネーを使用している人が多いです。小銭を持ち歩かなくていいというメリットがあります。同時払いは現金もしくはデビットカード。購入と同時にお金が減るため、使う金額は手持ちの範囲におさまります。
そして注意したいのが後払い。代表的なのがクレジットカードですが、手元にお金がなくても買えるため、お金を使っているという感覚が薄れてしまう恐れも。月にいくらまで、と予算を決めておくのが賢い使い方です。
先ほど解説したように、手元にお金がなくても買えるのがクレジットカードです。つまり引き落とし日まではお金を借りている=借金と同じ。とはいえ現金を持ち歩かなくてよく、ポイントも貯まるため、非常に便利なもの。うまく付き合うためにも、良い使い方と悪い使い方を整理します!
まず、買い物は原則一括払いにしましょう。支払い回数によっては手数料がかかり、損をしてしまうことも。一回払いというルールを作ることで、闇雲にカードを使用することも減るでしょう。また、どの買い物の返済をしているかわかりにくくなるリボ払いは厳禁です。
さらに、使った分は家計簿に記録して整理することもおすすめします。毎月の請求書を確認するとともに、家計簿と照らし合わせて整理すると何に使用したか一目瞭然です。
最後に気をつけたいのが貯まったポイント。定期的にマイルや商品券に還元し、有効期限が切れてしまう前に使いましょう!
最後に、もしもの時のために「備える」「増やす」時のために知っておくべきことを解説します。
https://unsplash.com/
20歳以上60歳未満の人は、全員が国民年金保険に入ります。会社員や公務員は厚生年金保険にも加入。そのため、将来もらえる年金額は増えます。以上の2種類が公的年金です。そのほか、会社によっては企業年金があるところも。また、ほとんどの人が自己意思で加入可能な個人型確定拠出年金(いわゆるiDeCo)を使用する人も最近増えてきています。
現役時代にどの制度に加入し、年金を払っていたかによって老後にもらえる額が変わってくる、という仕組みです。
公的年金は物価等にともなって毎年改定されることを知っていますか?これが給付水準です。日本の公的年金は、現役世代が支払っている保険料でまかなわれるというシステム。少子高齢化で現役世代が減ってきている今、「将来年金をもらえるのか?」と不安を抱えている人も多いでしょう。
実は、基礎年金の半分は税金でまかなわれています。また、将来的に安定した給付を行えるように保険料の一部を積み立てて運用しています。それでも絶対安心とは言い切れません。年金制度自体がなくなってしまわないように、現在より給付水準が下がる可能性は高いため、自身でも老後資金を準備しておくと良いでしょう。
本書では老後の生活をイメージし、どのくらいのお金が必要になるか整理することができます。その上で、老後資産の準備をどのように進めていくか考えてみましょう。
医療保険や介護保険、火災保険などの各種保険が、「備える」ためのお金の使い方です。「なんとなく加入して支払ってはいるけど、どんな仕組みかいまいちわかっていない」という人多いのではないでしょうか?本書では各種保険についても詳しく紹介されています。
どんな保険に加入するかは個人のライフプランによって異なるもの。また、もしもの時がいつくるかは予想できません。いざ保険を活用するときに困らないように、以下に紹介するタイミングで保険の見直しをすることをおすすめします。
・転職、独立したとき
・結婚したとき
・子供が生まれたとき
・家を購入したとき
・専業主婦の妻(夫)が再就職したとき
・子供が独立したとき
しょっちゅう見直さなければいけない面倒なものではありません。もしものときに私たちを助けてくれる保険。この機会にぜひ見直してみてください!
皆さんご存知の通り、お金を増やす基本は投資です。投資とは、株式や証券、不動産などを購入し、長いスパンでそれらの資産が成長するのを目指していくこと。リスクはありますが、預金よりもお金が増える可能性があります。人生100年時代、と言われる今、投資に向き合って見るのもありでしょう。といってもリスクはつきもの。毎月の収支がギリギリの人にはおすすめできません。緊急時の予備資金に余裕があるときに行うのが基本です。
では、どのような資金が投資に適しているのでしょうか?最適なのが余裕資金や老後資金です。すぐには使う予定がなく、リスクがあっても増やしたいこれらの資金は投資に最適といえます。逆に、適していないのは生活資金。日常生活を送るためのお金は、なくなっては困りますよね?そのような資金を投資するのは避けましょう。
本書では、自分にどんな投資が合っているのかチェックできるチャートがついています。ぜひ活用して、リスクとリターンを考えて投資にチャレンジしてみてください!
お金の基本についてはわかった!もっと知りたい!という人におすすめの本を3冊紹介します。
こちらは発売5ヶ月で28万部突破した人気の本です。貯める・稼ぐ・増やす・守る・使うというお金に困らない「5つの力」について学ぶことができます。
- 著者
- 両@リベ大学長
- 出版日
「人生6大固定費の見直し方法」、「必要な保険は3つだけ」など、まずはここから気をつければいいんだ!ということがわかるのも初心者には嬉しいです。すぐに活用できる知識が詰まっています。まさに実践型のガイドブックです。
全カラーでイラストや図が豊富なことがポイント!大変わかりやすい構成になっています。お金って難しそう、という印象が覆るでしょう。ぜひ楽しくお金について学んでみてください。
フリーランスとして働きながらも、漠然と不安を抱えている人は多いのではないでしょうか?「収入はそれなりだけど、貯金がなかなかできない」「老後の資金について不安がある」そんな人にぜひ勧めたい1冊です!
- 著者
- きたみりゅうじ
- 出版日
青色申告のメリット、帳簿について、節税のポイントなど、知りたいポイントを税理士の先生がわかりやすく解説した本です。基礎控除の引上げ改正、今増えているiDeCo、消費税増税に対する対応など、知っておきたい最新情報が盛り沢山!
4コマ漫画やイラスト、会話形式で書かれた文章が多くわかりやすいのでサクサク読むことができます!
最後に紹介するのは、こちらの本。2017年の年間ベストセラーで第1位を獲得した人気本です。
- 著者
- 横山光昭
- 出版日
貯金だけでは将来の不安は払拭されない……でも投資は初めてで不安。そんな人におすすめです。3000円から始められるという、投資のきっかけにするには手ごろな金額も嬉しいですね。1万人の家計を見てきた家計再生コンサルタントが、「人生を変える」お金の増やし方を教えてくれます!
「とりあえず、これとこれをやっておけばいい」ということを端的に教えてくれるため、すぐに行動に移せるのがポイント。ネットで調べれば投資に関してはいくらでも情報が出てきますが、選択肢の多さに決断ができない人にはぜひ読んでほしい1冊です。
最後にお金についてわかりやすくまとめられたYouTubeを2つ紹介します。
こちらの動画ではわずか12分で『お金の超基本』について解説されたものです。「稼ぐ」「納める」「貯める」「使う」「備える」「増やす」、それら6つの項目何分〜解説されているか概要に記載されているので、知りたい項目だけを見ることもできます。
本をじっくり読む時間がなく、さくっと知りたいという人におすすめ!
こちらの動画は人気お笑い芸人「中田敦彦のYouTube大学」シリーズです。計16冊のお金に関する本を読んで、彼なりの結論を出しています。
ホワイトボードを使い重要なポイントを抑えていて、とてもわかりやすいです。動画を見た人の中には、「早く知っておきたかった!」という声多数!20分間の動画とやや長めではありますが、見ておいて損はありません!
お金は私たちが生きていく上で必要不可欠。その身近なお金について知っているか知らないかは大きな差になります。これからの時代、お金と上手に向き合っていくにはまず知ることが大切です。ぜひ本記事を読み、『お金の超基本』を手にとって、お金について見直す時間を作ってみてください!