多くの方が知っている探偵業という仕事。たとえば『名探偵コナン』のキャラクターである毛利小五郎は個人で探偵事務所を営んでいますよね。しかし、実際に探偵がどのような仕事をしていて、そもそもどうやって探偵になるのかは知らないことの方が多いのが現状です。実は、探偵になるには資格は不要で、探偵としての知識と技術があれば誰でも就職することが可能です。就職先は大手探偵社がよいでしょう。 本記事では、そんな探偵の仕事内容や年収、3種類の働き方など詳しく解説します。記事の最後には探偵を目指すにあたっておすすめの本を3冊紹介しているので、そちらも合わせてご覧ください。
探偵とは、相談者から受けたさまざまな依頼を調査する仕事です。ありとあらゆる依頼を受けるため、万屋と呼ばれることもありますね。
そのなかでも浮気や不倫などの男女問題に関する調査が6〜7割におよび、依頼内容によっては浮気相手との間に介入し、別れさせることもあります。そのほかにも失踪した家族・友人の所在や融資先の信用度の確認など調査内容は多岐にわたります。
探偵は主に調査業務をおこない、警察などの公的機関では対応してくれない案件を対応することもあります。しかし、警察のように逮捕する権限があるわけではないのであくまで第三者という立場で対応します。
探偵の平均年収は約400万円前後です。20代は月収20万円未満と、他業種と比べて少し低いくらいだといえるでしょう。これは、探偵の業務を完璧にできるようになるには時間がかかるため修行期間として低めに設定されているようです。
依頼によって拘束時間が長くなることもあるので、割に合わないと感じる方も多いようです。その分、成功報酬があるなど一般の企業とは違った楽しみもあります。
一般的な福利厚生に加えて、車の貸し出しがある会社もあるようです。調査をする際に必要な場合が多いからです。会社によって給料や年収、福利厚生には違いがあるため、事前にチェックをしておくことが大切です。
探偵として活躍するには大きく3つの働き方があります。
フリーランスとして働く方の多くは、既存の探偵社で経験を積んでから独立して探偵社を持つという人もいます。
独立するためには公安委員会に届け出を出す必要があります。ただし、未成年者、破産宣告を受けた成人被後見人、暴力団関係者や暴力団を辞めても5年以上経っていない場合、過去に禁固刑以上の有罪で刑が執行終了してから5年未満の人、過去に探偵業をおこなっていて、5年以内に営業停止や廃止の命令を受けた人間は認可がおりません。
それ以外の方であれば、フリーランスの探偵として独立することは可能です。
探偵として働くには、探偵社、探偵社に就職する必要があります。求人はあまり多くありませんが、他の職種同様、大手求人サイトに求人情報が掲載されています。まずはどんな探偵社があるのか、大手探偵社をご紹介します。
大手探偵社は全国に支社を構えており、調査技術も優れているという特徴があります。
探偵という職業から、大きく目立たないように事務所を構えているイメージを持つ方も多いでしょう。そのイメージはあながち間違いではありません。警察庁生活安全局生活安全企画課が公開している「平成30年中における探偵業の概況」では、平成30年に届出が出されている探偵業は5852社です。
そのほとんどが個人事業者や零細企業です。開業費用があまりかからないため、参入と廃業が頻繁に繰り返されているのです。そうした面を考えると、大手探偵社への就職だと、安定した収入とスキル、仕事を得られるでしょう。
本記事では、一例としてHAL探偵事務所の求人内容を参考に説明していきます。
主に募集しているのが上記の職種です。
調査員は名前の通り、実際に調査をおこなう人たちのことです。移動が多いため、普通自動車免許の取得は必須です。
相談員は、実際に調査をおこなう前に依頼者の話を伺う仕事をおこなう人たちのことです。電話応対から依頼内容に応じた戦略を立てたり、依頼者にとって有利な条件で離婚をおこなうにはどうすればよいか、依頼者と二人三脚で考えていきます。
それぞれ調査員は20歳以上の男女、相談員は30歳以上の男女と年齢制限が設けられています。自分の年齢と、どういった働き方がしたいのかで職種を選択するのがよさそうです。
参考:HAL探偵社
まずは時間を自由に決めやすいことがあげられます。フリーランスのメリットは、比較的自由に休みや依頼を受けることができることです。探偵をしながら、自分の時間を持ちたいという方におすすめの働き方です。
また依頼内容を選ぶことができるのも、フリーランスの強みでしょう。ひとつの依頼内容に特化して依頼を引き受けることも可能ですし、自分の方針に納得してもらったうえで依頼を受けることができるので、得意としている分野で働くことができます。
選んでもらうための工夫が必要です。先述した通り、探偵社はライバルも多い業界です。探偵への依頼費用は決して安いわけではありません。そのため依頼者の多くが実績のある大手探偵社に足を運んでいるのが現状です。
フリーランスで探偵士として活躍するためには、選んでもらうための工夫やオリジナル性は必須です。口コミで広げていく、SNSやブログでの発信を強めていくなどさまざまなアピールが必要であることは覚えておきましょう。
知らない方は多いと思いますが、実は探偵を目指す方向けに作られた探偵学校が存在します。
探偵になるために特別な学歴や資格必要ありません。しかし探偵学校に通うことによって、技術や知識を習得したり、就職先を探したりしてくれるサービスもあります。時間や費用と見合わせて、入学を検討してみるとよいでしょう。
探偵学校とは、探偵を育成するための専門学校です。探偵業法第11条の「教育」を目的として、調査員の人材育成のために開設されています。学べることは主に5つの技術です。
探偵学校の運営は、探偵社です。そのためカリキュラムの内容は、運営元の探偵社によって違います。しかし講師のほとんどは現役の探偵や、過去に探偵業をしていた方ですので、実践に基づいた知識と技術を学ぶことが可能です。
探偵学校のほとんどは東京と大阪にあります。
ガル探偵学校は、1992年に日本初の探偵学校として開講しました。全国に124の拠点を持つ総合探偵社だからこその、超一流の知識と技術を徹底して学ぶことができます。
運営元の探偵社の強みを活かした授業を受けることができます。探偵社の実績や特徴を分析することで、求めている知識を学べる探偵学校を選べるはずです。
参考:ガル探偵学校
最後に、探偵に向いている人の特徴を解説します。
探偵は、季節や場所問わず長時間張り込むこともあります。このような業務に対応できる体力や忍耐力が必要です。
チームで行動したり、聞き込みをおこなったりすることもあるため、コミュニケーション力は大切です。探偵の仕事は顧客からの信頼がないと成り立たない仕事なので、明るく誠実にコミュニケーションをとることができる人は向いているといえるでしょう。
尾行や聞き込みなど、さまざまな場面で観察力は必要です。また依頼内容によっては依頼人や探偵自身にも危険がおよぶことがあるため、対象者の変化や行動に気付ける探偵は活躍できるでしょう。
探偵に向いていない人についても解説していきます。
まず、マニュアル通りの仕事が好きな人は、あまり探偵には向いていないかもしれません。
探偵は、急な予定変更がつきものの仕事です。決められた時間や場所でおこなわれる仕事ではないため、臨機応変な対応が必要となります。ルーチンワークが得意な人より、変化の多い仕事が好きな人のほうが向いているのです。
また、派手な身なりをすることが好きな人も、探偵という職業は難しいかもしれません。
探偵は対象者にバレずに任務をおこなう必要があります。顔や身体に大きな特徴がある人より、あまり特徴がない人の方が向いているといえます。
探偵社や興信所で、調査の仕事をおこなう探偵という職業。今ではITの普及も広まり、一般の方でもストーカーやネットでのいじめなどの被害者になってしまうことも多くなってきています。
探偵自ら逮捕をすることはできませんが、警察では介入してくれないような内容を解決に導くのが探偵の役目です。
今回は、そんな大切な役割を持ちつつも実態があまり知られていない「探偵」という仕事について詳しく解説している本をご紹介します。
- 著者
- ["金澤 秀則", "児玉総合情報事務所"]
- 出版日
金澤秀則氏著作の『こんなにおもしろい調査業の仕事』という本です。著者の金澤氏は、株式会社児玉総合情報事務所の代表取締役をするかたわら、東京都調査業協会、日本調査業協会の各専門員、理事の要職を務めるプロの調査員です。また、調査業界全体のコンプライアンスを強化する活動もおこなっています。
この本では、調査のプロとして活躍する金澤氏が細かい業務内容や依頼方法などを詳しく解説しています。探偵という仕事に興味がある方や、困りごとがあるけれど探偵に依頼しようか迷っている方にはぜひ手に取ってもらいたい1冊です。
現在では、マッチングアプリなどで多くの方が出会いやすくなっています。一方、それを悪用した問題(独身と偽ってマッチングアプリを使うことや、パパ活などの行為)も多くなっています。
芸能界でも不倫が問題となっていますが、一般の方にとっても人事ではありません。もし自分が当事者となってしまったらどうなるのでしょうか。
- 著者
- 岡田 真弓
- 出版日
探偵社に寄せられる依頼の77%が不倫の問題です。探偵社で働く場合に、絶対に関わる案件です。そんな不倫の実態について探偵という独自の目線から追及している本がこちら。
岡田真弓氏著作の『探偵の現場』という本です。この本では、探偵の仕事の実態や探偵学校についてをはじめ、依頼内容の77%を占める不倫の調査について詳しく解説しています。
探偵の仕事内容について詳しく知りたい方はぜひご覧くださいね。
探偵としてキャリアを積んだら、フリーランスになる人や独立して事務所を持つという方もいます。しかし、探偵社は全国にあり、生き残るには工夫が必要です。今回は、顧客獲得のための営業方法や開業の仕方などを詳しく解説しているおすすめの本を紹介します。
- 著者
- 米澤 太
- 出版日
米澤太著作の『誰も教えてくれない探偵の始め方・儲け方―低リスクで開業!生涯現役でいられる仕事』という本です。探偵社の開業の基本から人脈の作り方、トラブルの対処法について詳しく解説しています。
将来、探偵業で独立を考えている方におすすめの1冊になっていますのでぜひご覧ください。
今回は探偵の仕事内容やなり方、探偵に向いている人について詳しく解説しました。資格が不要な分、知識や技術の高さが問われる仕事です。依頼者から依頼を受け、依頼者にとって有益な情報を取得したり、真実を明かさなければなりません。依頼者から費用をもらっている分、確実に仕事の結果を持ってこなければならないのです。常にプレッシャーと隣り合わせですが、仕事の成果によって依頼者から感謝された時の達成感は大きいでしょう。
記事の最後には、探偵の仕事にまつわる書籍を紹介しています。探偵を目指している方や、独立を考えている方におすすめの書籍です。ぜひご覧くださいね。