5分でわかるOA機器業界!ペーパレスの影響はある?今後の動向を解説!

更新:2021.4.8

OA機器業界は、オフィス用品のなかでも主に電子機器を製造・販売・リースする業界です。現代の主力は複合機ですが、社会情勢の変化によって大きな変化が生まれつつあります。ペーパーレス化やリモートワーク、オフィスレスの推進により、今後の商品開発はどうするのかは気になるところです。 これからのOA機器業界はどうなるのかや、最近のニュースについて解説します。記事の最後にはOA機器業界の全貌を知るのにおすすめの書籍を紹介しています。こちらも合わせて読んでみてくださいね。

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目次

OA機器業界とは

OA機器のOAとは「Office Automation」の略です。直訳すると「オフィスの自動化」です。このような機能をもつ機器を扱うのがOA業界です。

主にオフィスで使う電子機器を製造・販売する

「オフィスの自動化」にもっとも貢献している機器にはパソコンがあります。しかし、パソコンを除いた電子機器をOA機器と指すのが一般的です。

具体的にはプリンタ、電話機、FAXなどが代表的なOA機器です。これらの機能をすべて持つのが複合機で、現代の主力商品です。実際にOA機器業界の大手企業を見てみると、キャノン・リコー・富士ゼロックス(富士フイルムHD)といったプリンタ大手が並びます。

参考:OA機器業界の現状・動向・ランキング・シェアを研究-業界動向サーチ

家庭用プリンタなども含まれる

OA機器という用語は基本的にオフィス用電子機器を指しますが、OA機器業界の売上には家庭用製品が含まれています。小規模な事業所であれば家庭用プリンタで事足りることも珍しくありません。一方、家庭でオフィス用複合機を使うというケースは珍しいですが有り得ます。

気になるOA機器業界の動向

ペーパレス化

近年OA機器業界の大きな課題として挙げられているのがオフィスのペーパレス化です。背景としては業務の効率化や環境への配慮があります。紙を減らしてデジタル化することで業務を効率化するDXや、温暖化ガス(CO2)排出量削減のためのごみ減量などは頻繁にニュースになるのでなじみ深いのではないでしょうか。

これらは世界的な動きであり、日本もその流れに歩調を合わせる必要があると認識されています。OA機器業界も変化に対応する準備を進めていましたが、2020年は下記にあげる理由で予想以上にペーパレス化が進んでしまいました。

リモートワーク・オフィスレス

2020年、業界の想定以上にペーパレス化が進んだ主な要因は、感染症対策でリモートワークが一般化したことです。普段であれば紙で資料が配られる会議がオンラインになる、請求書などがメール添付になるといった変化が見られました。

一部の企業ではオフィスそのものをなくしてしまう「オフィスレス」を推進しています。この動きは2020年に固有なものではなく、ある程度社会に受け入れられるスタイルとなっていくでしょう。

これまでの経緯から分かるように、OA機器業界は売上の多くをプリンタ・複合機に依存しています。プリンタは家庭用・業務用ともにほとんど同じビジネスモデルを持っています。プリンタ本体はある程度安価で販売し、消耗品であるインクやトナーを継続的に購入させるというものです。このため、プリンタを使わない現状はインクの売り上げが入ってこないことになってしまうため脅威が大きいのです。

オフィス空間などトータルで提案する方向性

急激にOA機器の利用が減っているなか、販売店は機器だけでなくオフィス空間全体を提案するという売り方を模索しています。オフィスの仕切りや個別ブース、オンライン会議に対応するためのカメラやマイクなど、これまでOA機器としては販売されていなかった商品が取り入れられています。

機器だけでなくソフトウェアやサービスの導入も今後進んでいくことが予想されます。とくに中小企業は大手と比較するとデジタル化への移行が遅れているという指摘もあります。これまで紙でおこなっていた事務作業などをオンライン化・クラウド化できるサービスを合わせて提案できると、複合機頼みだったOA機器販売業にも新しい活路が開けそうです。

参考:コロナ時代の新オフィス!郡山に開設 デスクの向きや配置工夫:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNetリコー、「GAFAと戦わない」コロナ後戦略の成否 | コロナショック、企業の針路 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準 

FAなど産業界への進出

販売店だけでなく、メーカー側も新しい活路を探しています。最近話題になるのはFA(ファクトリーオートメーション)です。オフィスと比べるとデジタル化への移行が遅れているという傾向にある工場の自動化支援です。

特に最近は政府によるDX(デジタルトランスフォーメーション)推進が盛り上がってきています。この流れに乗じてさまざまな商品開発が進んでいます。

参考:ソニーの高品質を産業機器へ、フラッシュメモリ製品の新会社Nextorageの挑戦 - MONOist(モノイスト) 

プリントされた生き物との暮らし

著者
迷子
出版日

もしプリンタが生き物を出力できたら。そんなIFで始まるマンガが『プリンタニア・ニッポン』です。見慣れた日本かと思えば、コンピュータによる管理が高度に発達した社会が舞台で、のほほんとしていながら正統SFとして楽しむこともできます。インターネット上で公開されて話題を呼んだ作品です。

イノベーションできなかった物語

著者
["スミス,ダグラス・K.", "アレキサンダー,ロバート・C.", "Smith,Douglas K.", "Alexander,Robert C.", "賢治, 山崎"]
出版日

アメリカに本社があるゼロックス社は、現代では複合機をはじめとしたコピー機メーカーです。しかし実は、1970年代に他社に先駆けてパソコンの先駆けを作ったことで知られています。

ゼロックスが作ったAltoというコンピュータは現代で主流となっている WIMPスタイルを備えたものでした。WIMPスタイルとは「ウィンドウ・アイコン・メニュー・ポインティングデバイス」の頭文字を取ったものです。

スマートフォンではポインティングデバイス(パソコンで出てくるカーソルなど)は省略されていますが、「アイコン」をタップしてブラウザ「ウインドウ」を立ち上げ、お気に入り「メニュー」からホンシェルジュを呼び出すという動作はWIMPスタイルが維持されています。

しかしゼロックス社はこの発明を活かすことができませんでした。最終的にWIMPスタイルはアップルとマイクロソフトに引き継がれていき、ゼロックスのコンピュータは姿を消していきます。『取り逃がした未来』はこの「世紀の大失敗」を詳しく知ることができます。

リコーの歴史を学ぶ

著者
大塚 英樹
出版日

カラーレーザー複合機で世界シェアを広げたリコー。とくに大ヒットを飛ばした「imagio MF200」時代の経営者にインタビューをおこなった本が『作らずに創れ!』です。ものづくり企業としてのリコーの企業研究にも活用できる書籍です。

自分の適正年収をアプリで診断

社会情勢の変化によって見通しが大きく変わったOA機器業界。

今後はものづくりの精神も持ちつつ、新たなビジネスモデルを展開していく必要に迫られています。メーカー以外は売り方の工夫も求められるでしょう。この先のことも見据えた長期的な視野を持つ企業を探していきましょう。