5分でわかるアスレティックトレーナー!憧れの専属トレーナーへの就職や収入事情などを解説!

更新:2021.12.4

スポーツ競技の世界で活躍する選手を裏で支えているのが、アスレティックトレーナーです。スポーツに関する知識と医療に関する知識のどちらも必要な職業であり、選手のメンタルをサポートする場面も少なくありません。 具体的にどんな仕事内容なのか、就職先や収入はどれくらいなのか。スポーツ業界の仕事に興味がある方は気になっていることでしょう。 今回は、基本的な仕事内容のほかに、アスレティックトレーナー資格、転職事情などもご紹介します。記事を読んでアスレティックトレーナーという職業に関心を持った方は、書籍もぜひチェックしてみてくださいね。

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アスレティックトレーナーとは

「アスレティックトレーナー」は、スポーツ選手の応急処置やリハビリテーション・健康管理をメインにおこなう職業のことです。各スポーツ選手が最高のパフォーマンスをおこなえるようサポートしたり、ときには怪我からの復帰も手助けし、精神的にも選手の支えとなる存在です。

たとえば、サッカーの試合を見ていると、選手が相手とぶつかり倒れた時などに駆けつけて、応急処置をしている人物がいます。見たことがある方は多いのではないでしょうか。彼らがアスレティックトレーナーとして活躍している人々です。

スポーツと医療どちらの知識も必要

実際に治療をするのは医師の仕事であり、アスレティックトレーナーは医療行為をおこなうことはできません

しかし、さまざまな治療方法を知っていたり、難しい医学の知識を選手にうまく伝えられるようにしたりすることは可能です。そうすることで、医師と選手の間に立ってストレスのない治療やケアにつなげることができます。

高齢者向けに活動するアスレティックトレーナーも!

最近では、一般患者や高齢者のリハビリテーションの現場で活躍するアスレティックトレーナーも存在します。その影響もあり、この先もアスレティックトレーナーの活躍の場は広がりつつあると予想されています。

アスレティックトレーナーの仕事内容

この章ではアスレティックトレーナーの具体的な仕事内容についてご紹介します。スポーツだけでなく医療の知識も必要な職業ですので、専門性の高い仕事が求められます。

アスレティックトレーナーの仕事内容

  • 選手の健康管理
  • スポーツ障害・外傷の予防
  • ケガの応急処置
  • 選手のリハビリテーション
  • 体力トレーニングのサポート
  • コンディショニング

アスレティックトレーナーをおこなっている間、医療関係の情報や競技に関係することは常に知識のアップデートが必要です。新しい治療法・トレーニング法・食事法など、学び続けることが求められる職業といえそうです。

アスレティックトレーナーが活躍する就職先

実際にアスレティックトレーナーはどのような場所で活躍しているのでしょうか。就職先は大きく3つに分けられます。

スポーツジムやフィットネスクラブへの就職

1つ目の働き方は、スポーツジムやフィットネスクラブへ就職することです。リモートワークなどの働き方改革が進められるなか、人々の健康への関心は高まっています。体を動かして健康を維持したいと考える方をサポートできるスポーツ関連の施設で、アスレティックトレーナーは活躍できるといえるでしょう。

若い人が通う施設だけでなく、高齢者や一般患者のリハビリテーションの場にも需要があるため、医療機関や保健所、福祉施設で活躍するアスレティックトレーナーも増えてきています。

プロスポーツチーム専属トレーナーになる

2つ目の働き方は、プロスポーツチーム専属トレーナーになることです。スポーツ関連の施設への就職より難易度があがりますが、チームメンバーひとり一人に対して深いサポートができるのが特徴です。専属トレーナーになれる人数は多くないので狭き門となりますが、やりがいも収入もぐんとあがります。

トップアスリートと専属契約する

3つ目の働き方は、トップアスリートとの専属契約です。プロスポーツチーム専属トレーナーになるより狭き門ですが、アスレティックトレーナーの多くが憧れる働き方でしょう。

世界的で活躍するトップレベルの選手が所属するスポーツセンターでの出会いから、専属となるケースが多いようです。

アスレティックトレーナーの年収

アスレティックトレーナー資格保有者の年収は、働き方によって異なってきます。

たとえばスポーツジムやフィットネスクラブ、スポーツ施設などで働く場合の年収は200〜400万円程度です。

プロスポーツチームの専属であったり、トップアスリートと契約している人であれば年収500〜1000万円となる方もいます。トップアスリートとともに働くのは狭き門です。医療に関する深い知識と、選手への理解や信頼関係がなければ就くことは難しいと言われています。

アスレティックトレーナーの資格以外に、理学療法士や鍼灸師など他の資格を持っていることで、収入をアップすることができる場合もあります。

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アスレティックトレーナーに必要な資格

アスレティックトレーナーとして活躍するのに必要な資格は大きく分けると2つあり、どちらも民間資格となります。以下のどちらかを取得するのが王道ルートです。

JATAC-ATCが認定する「認定アスレチック・トレーナー」

JATAC-ATCとは、「特定非営利活動法人ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会」のこと。すでに、次の資格をどれか持っていることでチャレンジできます。または、認定校で指定の単位を取得すればOKです。

  • 柔道整復師
  • 理学療法士
  • はり師、きゅう師
  • 作業療法士
  • 看護師
  • 保健師
  • 助産師
  • 救急救命士
  • あん摩マッサージ指圧師
  • カイロプラクター
  • 栄養士
  • 薬剤師
  • 養護教諭

「認定アスレチックトレーナー」の資格は他の国家資格を取得している必要があるため、取得難易度は高いです。ただこれらの国家資格は専門性が高いため、アスレティックトレーナーとしての信頼性は確保できるでしょう。

参考:特定非営利活動法人ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会

JASA-AT公認の「アスレティックトレーナー資格」

JASA-ATとは、「日本体育協会」のこと。日本体育協会HPの「役割」の部分には次のようにあります。

公認スポーツ指導者制度に基づき、JSPO公認スポーツドクターおよび公認コーチとの緊密な協力のもとに、競技者の健康管理、外傷・障害予防、スポーツ外傷・障害の救急処置、アスレティックリハビリテーション、体力トレーニングおよびコンディショニング等にあたる。

(引用:日本体育協会HP

こちらは、国家資格を持っていない方でも挑戦できます。しかし、受講条件が満20歳以上で関連団体の推薦と日本体育協会の認可が必要であるため、そもそも受講のハードルが高くなっています。

試験は、共通科目と専門科目、そして専門科目のなかの「理論試験」の合格者のみが受けられる実技試験の構成になっています。合格率10%と難易度の高い試験ですので、膨大な勉強量が必要なのは言わずもがなでしょう。

参考:日本スポーツ協会

他の資格と組み合わせることで有能なトレーナーへ!

柔道整復師や鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師などの国家資格をすでに持っているという人にも、アスレチックトレーナーの資格取得がおすすめできます

医療に関する幅広い知識を持っていることで、選手にしてあげられる処置の範囲が広がります。身体にアプローチする資格だけでなく、心理学など選手のメンタル面を支えられるような資格の取得もおすすめです。

アスレティックトレーナーを目指せる進学先

アスレチックトレーナーを目指す人から人気が高いのは、体育系の大学やスポーツ系の専門学校です。実際に働くアスレチックトレーナー達にも、体育系の学校の卒業生が多く活躍しています。

他業種からアスレティックトレーナーへの転職は可能か

トップアスリートの専属やプロスポーツチームに所属するための求人は、きわめて少ないのが現状です。

求人が出ていても「短時間契約」であることが多く、スポーツ選手に直接関わりたいというこだわりがなければ、高齢者施設などへ転職を考えるのがよいでしょう。高齢化社会が進み、健康寿命を伸ばしたい方が増えているため、プロスポーツチームよりも需要はあるといえます。

アスレティックトレーナーに向いている人とは?

最後にアスレティックトレーナーに向いている人物像をご紹介します。自分に当てはまる部分があると感じた方は、この機会にアスレティックトレーナーを目指してみるのもよいかもしれませんね。

人から信頼される人間性

親しみやすい人柄や話しかけやすい雰囲気を持つ人は、アスレチックトレーナーに向いているでしょう。「相手の話を聞くのが上手い」「思いやりがある」ということも大切です。

臨機応変な対応ができる

選手の怪我は予想のできない出来事です。怪我の内容を見極め、瞬時に処置する能力が必要となります。アスレチックトレーナーが焦ってしまっては、選手を不安にさせてしまいます。冷静さが必要です。

人をサポートすることにやりがいを感じる人

アスレチックトレーナーの仕事は、自分が表舞台に立つわけではありません。どちらかというと裏方の仕事に当てはまるでしょう。

自らが試合で得点を決めたりするわけではありませんが、「自分がかけた言葉で選手のパフォーマンスが上がって得点につながる」といったことに大きな喜びを感じられる人はアスレチックトレーナーに向いているでしょう。

スポーツでも大切な「呼吸法」を習得できる本

著者
["パトリック・マキューン", "桜田 直美"]
出版日

生活するうえでも重要な「呼吸法」。アスレティックトレーナーには、生活のなかで選手が自分で自分をコントロールできるようにする方法も教える場面も出てきます。

本書のような呼吸法は、意外と多くのスポーツ選手が取り入れているコンディショニング方法のひとつ。自分のためにも・将来関わる選手のためにも、呼吸に関する深い知識を習得したい人向けの1冊です。

すぐに使えるマッサージ法を学べる本

著者
山田晃広
出版日

ケガの予防や応急処置をすることもアスレティックトレーナーの仕事です。そして「選手に疲れを残さないこと」も彼らの重要な使命。そんな場面で実践的に使えるマッサージのテクニックが本書に掲載されています。

筋肉と骨との繋がりから施術方法の説明してくれているので、初心者でもわかりやすく使用できます。

「これがあれば安心」アスレチックトレーナーのための1冊

著者
["James H. Clay", "David M. Pounds", "大谷 素明"]
出版日

本書は、見やすい写真や図解が特徴です。自分でも「なんだか調子が悪い……」といったときに、本書と照らし合わせて筋肉や関節の場所を確認したりする使い方もできます。

医療系やスポーツ系の仕事に興味がある人や、スポーツをする人であれば、暇な時に眺めているだけでも学ぶことがたくさんあるはずです。

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スポーツ選手は、体のケアはもちろん精神的なケアやサポートも必要です。アスレチックトレーナーとして大きなプロスポーツチームで活躍したい方は、医療系の知識と合わせてメンタルケアの知識も学んでおくとよいでしょう。

進学先を選ぶ場合は、国家資格を撮ることができる学校やアスレチックトレーナー資格の認定校がおすすめです。今回ご紹介した書籍も参考にしながら「自分の強みにしたい分野」を探してみてくださいね。

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