女性コンビ、阿佐ヶ谷姉妹の2人が2021年秋「実写化」決定!2人によるエッセイ『のほほんふたり暮らし』がNHKよるドラ枠でドラマ化します。姉の渡辺江里子を木村多江が、妹の木村美穂を安藤玉恵が演じます。阿佐ヶ谷の小さい部屋で共同生活を送る2人のリアルな日常に、どんな見所があるのでしょうか。
2人そろってのピンクのドレス姿、押しの強いキャラクターや歌声で強烈なインパクトと確実な笑いをお茶の間に届ける女性コンビ、阿佐ヶ谷姉妹。「実写化」というのは言葉の綾になりますが、2021年11月8日から放送されるNHKよるドラ枠のドラマの原作にこの阿佐ヶ谷姉妹によるエッセイ『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』が選ばれました。
コンビとして活動しながら、阿佐ヶ谷の小さい部屋で同居生活。私生活も四六時中ともにする「疑似姉妹」の日常をリアルに、コミカルにお届けするホームドラマです。町のアイコンとして有名になり、仕事も増えた2人はお互いの中に生まれた「倦怠期」をどのように乗り越えるのでしょうか?
姉の江里子さん(渡辺江里子)を演じる木村多江は、映画『ぐるりのこと。』で日本アカデミー賞を受賞する正統派であることはもちろん、近年「ブックオフ」CMでの怪演を見せギャップも記憶に新しい女優。あごのラインで揃えたボブヘアに赤ブチ眼鏡をかけた木村多江が、ふとした仕草で阿佐ヶ谷姉妹のお姉さんに見えてくるので圧巻です。
妹の(美穂さん)木村美穂を演じるのは安藤玉恵。劇団出身の彼女は代表作である映画『夢売るふたり』での大胆な演技の印象を持つ方も多いかもしれませんが、朝ドラ『あまちゃん』ではコミカルな演技を見せ作品になじみやすさと奥行きを増しました。「美穂さん」になりきって、お姉さんさんとの絶妙なパワーバランスの会話を見せてくれるでしょう。
そのほか、個性豊かなご近所の住民も鮮やかに登場します。語りをきたろうが演じる点にもご注目。
ドラマの情報や予告動画は<番組ホームページ>をご覧ください。
- 著者
- 阿佐ヶ谷姉妹
- 出版日
ライターがこの『のほほんふたり暮らし』の存在を知ったのは、阿佐ヶ谷駅前の書店のおすすめコーナーに平積みされていたのを見て。書籍の発売された2017年7月から2年ほど経った頃で、まだ実写ドラマ化が決まるよりも前でした。地元ゆかりのタレントということでのプッシュだったのでしょう。しかしこのエッセイには、「タレント本」としてファンが楽しむという以上の読みごたえがあります。
たとえば阿佐ヶ谷のお店やご近所さんの固有名詞がこまかいこと。そして家の中の様子が目に見えてくるように伝わる描写。生活感や暮らしの実態がリアルです。天変地異の大きな出来事は起きないのですが、2人それぞれの性格が垣間見える文章を読むごとに2人のことを好きになっていく不思議な魅力が詰まっています。
江里子さんと美穂さんが交代で執筆するこのエッセイ。江里子さんによるおすすめエピソードは、エッセイが思うように書けないなか迫る〆切と戦う心情を綴った章。責任感の強い江里子さんならではの心の葛藤に、読者も一緒に頭を悩まされます。
美穂さんのおすすめエピソードは、台所のゴミ箱の新調を検討する章。なんと「地味」なテーマだろうと思ってしまいますが、些細な心情の機微が読者に伝わるように表現され、ものを大切にする美穂さんの人柄が感じられます。
性格の違う2人がどのように再現されるのかに注目してドラマに期待したいところ。ドラマの雰囲気をもっと味わいたい方、ぜひ原作の文章も読んで2人の魅力を深めてみませんか。
最後に、『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』のようなエッセイを読みたい方へ。劇場に週2で通うライターが本気でおすすめしたい芸人エッセイを紹介します。本気で選んだら、たまたま女性芸人のものばかりになりました。
バラエティ界における女性芸人の道を間違いなく切り開いた、ご存知オアシズの光浦靖子による等身大のエッセイ。人生100年といわれる時代に折り返しの50歳をむかえ、これまでの仕事やコンビ、自分の体そして心に向き合って優しく綴った1冊に仕上がっています。
おすすめは「生理」「強い女」「男と女」について語るそれぞれの篇。人との距離感で悩んだり、「ふつう」に乗り切れなかったりしたあなたの経験に寄り添うこと間違いなし。「光浦さんかっこいい!」と応援したくなりますよ。
- 著者
- 光浦 靖子
- 出版日
こちらもnoteでのエッセイが書籍化したもの。最近メディアでヒコロヒーさんを知った方にも、昔から劇場で「ヒコロヒーのヒッコロコントを見ていました!」という方にも名刺代わりに受け取ってほしい書籍です。
近年急激に注目を集めるまで、劇場を主として活動してきた日々の裏側のエピソードや心情がクスッと笑える語り口で綴られています。ヒコロヒーさん独特の言葉遣いに乗せられて、文章が苦手な方でもテンポよく読みやすいと思います。ライターが好きなヒコロヒー語録は、「恋愛」のニュアンスで使われる「はれたほれた」。
- 著者
- 光浦 靖子
- 出版日
トリオとして人気が爆発、大活躍中のぼる塾ですが、本来は4人コンビ。育休中の4人目のメンバー・酒寄希望の視点でぼる塾メンバーの姿を見つめて描く(暴く?)noteでの連載が書籍化されます。2021年12月発売予定。
劇場でぼる塾を見ていた方にはおなじみだけど、テレビのバラエティでは100%活かしきれていないメンバーのあんな素行やこんなアクシデントを知ることができるでしょう。酒寄さんを含めた4人での漫才が見たくなる1冊になっているはず。
- 著者
- 光浦 靖子
- 出版日