構造色とは!?美しい鳥類が持つ「色」にまつわるおすすめ図鑑3選!

更新:2022.5.2

春から夏にかけての時期は鳥類たちにとっては繁殖の時期であり、美しい鳥を見かける機会が多くなります。 しかし、時間や場所によって鳥の美しさが変わって見えることがあります。それは鳥たちが持つ構造色という羽の色に秘密があります。 今回は、構造色をもつ生き物を紹介しながら、関連するも図鑑を紹介していきます。

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構造色とは?

ものには基本的に固有の色があります。しかし、その物質自体には色がないのに、光の波長程度によって見える色があります。それが構造色です。

一見分かりづらそうなイメージですが、実は構造色は身近な色です。

身の回りのわかりやすいもので例えるとシャボン玉に光があたって虹のような色に見えるのは構造色によるものです。他にも、空や海の青色や、雲の白色から真珠やCDやDVDのキラキラしている面まで構造色にもさまざまな種類やパターンがあるので、皆さんが今まで綺麗だと思っていたものが構造色と言うことがあるかもしれません。

 

構造色を持つ鳥たちとは?

鳥の羽は非常に細かく複雑なつくりをしています。その羽に光が当たるときその光のぶつかり具合によって特定の色が強く反射します。

この構造によってインクなどのような特定の色素がなくても鳥たちがその色をまとっているように見えるのです。

それでは構造色の羽を持つ鳥をいくつか紹介しましょう。

・カワセミ

構造色の代表ともいえる鳥です。その姿から「渓流の宝石」と呼ばれています。カワセミの青い羽は、見る角度によって変わりづらいという特徴があります。人間にとっては美しく見えて見つけやすいカワセミですが、自然界では青もオレンジも保護色となっていて天敵にみつかりにくいようです。

 

・クジャク

こちらも構造色を代表する鳥です。大きな飾り羽根を持っているのはオスだけで、数にして150枚にもなります。クジャクの構造色は、羽毛の微細な溝が光に干渉することで発色します。抜け落ちた飾り羽は民芸品に活用されるそうです。

 

・ケツァール

世界一美しい鳥と言われるケツァール(カザリキヌバネドリ)。日本には生息しておらず、メキシコ南部からパナマ西部にかけて生息しています。長い尾羽があり美しい緑色の羽が特徴の鳥ですが、この色も構造色です。現在は個体数を減らしていて、現地でも幻の鳥と呼ばれています。

 

・ハチドリ

細長い嘴で蜂のように蜜を吸うことから名付けられたハチドリ。空中に一点に留まりながら飛び続けること(ホバリング)で有名な鳥ですが、加えて美しさも持ち合わせています。ハチドリの中でも種類が多くあり、色味もさまざまです。これも構造色が理由となっています。

 

・ドバト

一番身近に構造色を確認できる鳥類です。実はドバトの首から胸にかけての緑や紫色に見える部分は構造色です。見かけたらよく観察してみると面白いかもしれません。

 

鳥類以外で言うと、モルフォ蝶や玉虫などの昆虫やネオンテトラなどの熱帯魚などが構造色によって色彩豊かな美しさを放っています。

構造色にはどんな意味がある?

では鳥類の構造

色にはどんな意味があるのでしょうか。

鳥が構造色を持つ理由は異性への求愛行動と関係していると言われています。

特にオスに構造色を持つものが多く、色が特徴的であるが故に敵にみつかりやすい危険があるのですが、一般的に色が美しい方が鳥類界ではモテます。

そのため色に特徴がある生物は餌を食べることでその色の美しさを維持するのですが、構造色を取り入れている生物はエネルギーを使わずに光さえあれば異性にアピールできるというメリットがあります。

どんな状況においても子孫を残さなければならない自然界が生んだ進化だといえます。

実は構造色を私たち人間の身の回りで活かそうという動きがあります。

構造色をインクや化粧品への応用することは、色の美しさはもちろんですが、自然に無害かつ色あせにくい塗料の実用化につながります。

光と色彩の科学 発色の原理から色の見える仕組みまで (ブルーバックス)

まず構造色に興味が湧いた方はこちら。

子供から大人まで楽しめるブルーバックスシリーズからの一冊。

著者
齋藤 勝裕
出版日

色を認識する視覚と脳の関係、色と光の物理的・化学的関係、色と心の関係、光を使った最先端技術まで光と色彩のさまざまな話題が。光と色彩の不思議を楽しむことができる上、構造色の原理も分かりやすく掲載されています。

1.世界の原色の鳥図鑑

鳥類のファッション雑誌ともいえるような一つ一つの鳥が美しく撮影されています。

鳥類学者川上和人が監修したということもあり、鳥好きには とても興味深い一冊です。

世界の約1万種の鳥の中から色鮮やかな原色の鳥たち約220種を厳選されていて、構造色の鳥が多数紹介されています。

著者
["川上和人", "柴田 佳秀"]
出版日

2.世界の美しい色の鳥

世界初の色ごとに並べた色別図鑑になっています。

赤い鳥、白い鳥、青い鳥など185種類全11色に整理されています。

一つの色だけでこんなにも種類がいるのかと驚かされます!

著者
[]
出版日

王道の鳥から、この本で初めて知る鳥も多いかと思います。

3.世界で一番美しい鳥図鑑: 大空を舞い、 木々に水辺に佇む

美しい姿だけでなく、可愛い表情や仕草がおさめられた一冊。

約130点の写真が掲載されています。

著者
莉萌, すずき
出版日

知識もしっかり書かれているので、写真と共に鳥の魅力を感じることができます!



 構造色の話題から、美しい鳥を見ることができる図鑑を3冊紹介させていただきました。

身近で見ることができる鳥も海外の珍しい鳥も含めて楽しめると思います!!

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