「結局、お金をかけないと、商品・サービスは売れないよね……」。そう考える起業家、ビジネスパーソン、フリーランス、小規模事業者は多いでしょう。そんな方に読んでほしいのが『お金をかけずに売れる仕組み大全』。この記事では、その一部を抜粋・要約して、お金をかけなくてもできるマーケティング手法を紹介します。コツさえ押さえれば誰でも大きな成果をつかむことができる、知恵とアイデアと工夫を、ぜひ今日から取り入れてみてください。

- 著者
- 吉澤健仁
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売れるものを世に送り出すには、ネーミングが大きなカギを握ります。商品やサービスそのものがいかに高品質であっても、その魅力が消費者に伝わらないことにはなかなか売れません。商品を生かすも殺すもネーミング次第、というところがあります。よいネーミングのポイントを3つ挙げるとすれば、「覚えやすい」「商品やサービスの特徴・メリットをわかりやすく伝えている」「語感やリズムがよい」です。
発売当初は「缶入り煎茶」という名称でしたが、売上が伸び悩んでいました。当時は「お茶を買って飲む」という習慣があまりなかったことに加え、「煎」の漢字が読めない若者が多く、どんな飲料なのか伝わりにくかった、ということもありました。
そこで、1989年に「お~いお茶」という名称に変更したところ、緑茶の製品であることがわかりやすくなり、「お~い」という呼びかけを用いたユニークさと親しみやすさで、印象を鮮烈に焼き付けました。結果、これが大当たり。幅広い世代に受け入れられ、名称を変えた初年度だけで売上が6倍に跳ね上がりました。
マーケティングにおいて、自社が提供する商品やサービスに高い価値を感じ、愛好する人、その企業そのものを熱心に支持する人たちになってもらう、また、そうした人たちを大切にすることはとても重要です。最もわかりやすいのが「Apple(アップル)」社製品を愛用する人たちでしょう。パソコンはMac、スマホはiPhone、タブレットはiPad……とアップルの製品ばかりを好み、買い替えるときも他社の製品はまったく眼中にありません。こうした熱烈な支持層がついていることは、企業にとって大きなアドバンテージとなります。
都心の“ランチ難民”の救世主として急成長しているのが、カスタムできるサラダランチを提供する「クリスプサラダワークス」です。クリスプサラダワークスはまさに「熱狂的ファンをつくる」をミッションとしているそうで、「週1回、月4回利用したらファン」と見なすのだとか。注文伝票には、その顧客がこれまで何回利用したかが印字されています。そして店側だけでなく、顧客自身も自分のリピート回数で“ファン化”の度合いを自覚できるのです。
注文状況や食後のアンケート結果はすべてデータベース化され、商品開発や顧客満足度の向上に役立てられていると言います。熱狂的ファンを増やし、収益につなげる、最新外食産業の姿がそこにあります。
企業がSNSをやることの大きなメリットは、ユーザーと「双方向コミュニケーション」が取れることです。しかし、企業の公式アカウントは個人アカウントに比べるとフォロワー数が伸びにくい傾向があります。そこで必要なのが「人間味」を持たせて親しみやすいアカウントにすること。そのために企業や自治体が活用しているのが「マスコットキャラクター」です。自社にマスコットキャラクターがいなくても、キャラクター性を持たせた1つの存在をつくってしまえばいいわけです。
キャラづくりの成功例:ミツカン
ミツカンの公式アカウントには、自社商品をかたどった小さなフェルトのぬいぐるみがよく登場します。“中の人”は毎日、ぬいぐるみの「ぽん酢たち」を持ち歩いては、いろいろな状況でつぶやいています。
実はその「ぽん酢たち」ができるまでにはストーリーがあります。担当者はあるとき、カプセルトイで「調味料のぬいぐるみ」シリーズに出会いました。その中にぽん酢のぬいぐるみがあって、自社愛にあふれる担当者は何度もガチャをやって、ようやく入手するのです。そのゲットするまでの道のりもつぶやかれていて、フォロワーから関心が寄せられていました。その後、そのカプセルトイを作っていた会社がミツカン商品でぬいぐるみを作成してくれることになりました。
こんなストーリーからわかる、“中の人”の自社製品への愛着ぶりも含めて、ほのぼのとした味わいと癒し感があふれる人気のあるコンテンツになっています。
本書では、ここに挙げた例をはじめ、お金をかけずに実践できるマーケティングテクニックを94項目にまとめて紹介しています。お金をかけないことの利点は、何よりも「試しやすい」こと。それぞれの企業・人によって、合う・合わないはあると思いますが、とにかく試してみてください。知恵と工夫次第で、大企業に負けない大きな成果を上げることもできるはずです。本書を読んで「あんなことをやってみよう」「こんなこともやってみよう」と、前向きな気持ちでマーケティングに挑戦してみてはいかがでしょうか。
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