3・4月はたくさんの原作ありの映画が公開されます。人によっては自分の好きな原作が映画化し、嬉しさ半分不安半分な方もいるのではないでしょうか?そこで今回は、私が今まで読んだなかで楽しみにしている3作品(漫画2作品、小説1作品)をご紹介します。
3・4月はたくさんの原作ありの映画が公開されます。人によっては自分の好きな原作が映画化し、嬉しさ半分不安半分な方もいるのではないでしょうか?そこで今回は、私が今まで読んだなかで楽しみにしている3作品(漫画2作品、小説1作品)をご紹介します。「映画、何を観ようかな?」と迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください!
「企業のネットが星を被い、電子や光が駆け巡っても/国家や民族が消えてなくなる程/情報化されていない近未来」という冒頭が有名かと思いますが、まさにそんな時代が夢物語ではなくなり始めているような気がします。
- 著者
- 士郎 正宗
- 出版日
- 1991-10-02
4月7日(金)に公開する『ゴースト・イン・ザ・シェル』。原作者は士郎正宗で、多くの人間が電脳によってインターネットに直接アクセスできる時代が到来した社会で、テロや暗殺、汚職などの犯罪を事前に察知し、その被害を最小限に防ぐ内務省直属の攻性公安警察組織「公安9課(通称「攻殻機動隊」)」の活動を描いた物語です。
タイトルからもその影響関係がわかりますが、作中で取り扱われている概念は、アーサー・ケストラー著の『The Ghost in the Machine(機械の中の幽霊)』です(ちなみに一度こちらを読んでみようと試みましたが、途中で挫折しました…苦笑)。アニメーションから入った方が多いかと思われますが、原作の漫画はより世界観が緻密で、読み応えたっぷりです。今回の映画は士郎正宗(原作)、押井守(劇場版)、神山健治(TVアニメ版)が織り交ぜられているようなので、そこにも注目しながら観賞したいと思っています。
個人的なお話ですが、私は高校・大学と7年間女子校に通っていました。そんななかこの作品を読んだ時、「同世代の男性ってこんなこと考えているの?」とくすっと笑ってしまったと同時に、グッと世界観に惹き込まれ、あっという間に読み終えてしまった記憶があります。
- 著者
- 森見 登美彦
- 出版日
- 2008-12-25
同じく4月7日(金)に公開する『夜は短し歩けよ乙女』。ドラマ「逃げ恥」でさらに人気になった星野源が「先輩」の声を当てることになり注目を集めている本作ですが、「黒髪の乙女」に想いを寄せる「先輩」が、さまざまな珍事件に巻き込まれていくという簡単なあらすじだけで紹介は十分かと思います。なぜなら、読んでみなければ森見ワールドと独特な言い回しが伝わらないからです。百聞は一見にしかず、とはまさにこのこと。
京都の街中の描写も細かく書き記されており、まるで自分も夜の京都に迷い込んでしまったかのような感覚に陥ること間違いなしです。章によって季節が区切れていますが、個人的には春か秋に読むのがおすすめです。
新年度、新しい環境に身を置くというさいに、ここでこういう生活を送りたい→どう振る舞えばそれが実現可能かという考えを巡らせたことは誰しも一度は経験したことがあるでしょう。それを実現させるために凄まじい熱量と策略を繰り広げているのがこの『帝一の國』です。
- 著者
- 古屋 兎丸
- 出版日
- 2011-03-04
4月29日(土)に公開する『帝一の國』。主人公・赤場帝一は、全国屈指の頭脳を持つエリート学生たちが通う日本一の超名門海帝高校に入学し、生徒会長になることを決心します。というのも、帝一は「総理大臣になり自分の国を作る」という人生の目的と野望を持っており、海帝高校で生徒会長をつとめた者は将来の内閣入りが確約されているからです。2年後の生徒会長選挙で勝つためには今どう動いていけばいいか、野望のための過程が描かれています。
古屋兎丸特有の美麗なタッチと少年たちが繰り広げる熱血ドラマは、ある種正反対な要素にも見えますが、不思議とマッチしています。この絶妙なバランスが実写化したさいにどうなるかが楽しみです。
今回は、比較的有名な作品を中心に原作を紹介しました。映画化することの良し悪しは賛否両論ありますが、自分なりの観賞の仕方を見つけてみるのも楽しみ方の一つかと思います。この春は原作と映画、どちらも楽しんでみては?