いまどき、恋愛漫画は女子だけでなく男子にも読まれるジャンルです。でも、甘々の恋愛漫画だけでなく、日常における恋とギャグを描いた漫画も面白いですよね。今回は、そんな男女関係なくオススメできる、笑える恋愛漫画をご紹介いたします。
私立秀知院学園の生徒会には、学園中から敬われる2人がいます。4大財閥に数えられる四宮グループの令嬢であり、あらゆる分野で功績を残している多才な生徒会副会長の四宮かぐや。そして、学園模試で不動の1位を誇る、学力では右にでる者がいない天才生徒会会長の白銀御行です。
学園の生徒たちからは付き合っているのではと噂される2人ですが、プライドの高さから、お互い自分から告白をすることは絶対にしません。「相手が告白するなら付き合ってやろう」という姿勢でいるうちに、半年も過ぎてしまいます。
気が付けば「どうやったら相手に告白させられるか」と日々思考をめぐらす日々。今日もかぐやと白銀はアツい心理戦を繰り広げるのでした。
- 著者
- 赤坂 アカ
- 出版日
- 2016-03-18
かぐやも白銀も頭が良いため、相手が用意した罠(=好きバレしてしまう行動をとらされる会話の流れなど)に気付いては、その罠を利用して相手を策略にハメる(=むしろ相手を好きバレ行動に誘導する)のです。素直になれない2人のやり取りがもどかしくなっちゃいますね。
また、かぐやはお金持ちの令嬢なので、登下校はいつも車です。ですが本当は、白銀と二人で登校する様子を頭に思い描いてるような女の子なのです。
映画館で偶然遭遇するために部下に白銀の動向を追わせたり、海で水着を披露するためにサメを駆除する一流ハンターを用意しようとしたり……。スケールは違えど恋を成就させるために妥協を許さない乙女な一面は、プライドの高いお嬢様とは思えないほど可愛らしく、読んでいる側の心がくすぐられます。
白銀のほうは、実は1日10時間も勉強するような、努力型の天才だったりします。お金持ちが通う秀知院学園の中で、バイトをしていたり片道15キロの通学路を自転車で通っていたりする姿は、読者に親しみを持たせるキャラクターでしょう。
気高い2人がどのような結末を辿るのか。無駄に緊迫したナレーション付きの笑える心理戦と、主役2人のギャップ萌えを兼ね揃えた作品です。
『かぐや様は告らせたい』については<漫画『かぐや様は告らせたい』全巻ネタバレ紹介!平野紫耀と橋本環奈で映画化>で紹介しています。
西王子くんは学校の女子たちに「王子さま」として見惚れられ、歓声をあげられる高校生です。彼はその名のとおり、一挙手一挙足が漫画の中の「王子さま」のような少年なのです。日々の努力の積み重ねで今の王子さまキャラを確立した彼は、とある少女に恋をしていました。
その少女というのは、金剛ひなたという、容姿端麗、性格も良く誰にでも好かれる、つまりは完璧美少女!まさしく漫画のヒロインに相ふさわしい子です。
くさい漫画のキャラのような台詞も、西王子くんが口にすれば女子たちはメロメロ。でも、ひなたの前だとぎこちなくなったり噛んでしまったり……。
しかも、転校してきたひなたの従姉妹というのが、西王子くんの小学生時代の同級生だったのです。過去には周りから孤立して「ニセ王子」と呼ばれていた西王子くん。ひなたの「王子」になることができるのでしょうか……!?
- 著者
- イチヒ
- 出版日
- 2016-11-26
あらすじで説明した西王子くんの絶え間ない努力というのは、かっこよくなるだとか優しくなるだとか、そんなレベルではありません。
「木から降りられなくなった猫を助けてあげる王子」を演出するため、1年間毎朝マタタビを手にして木に登ることだってしまいます。ひなたとお昼ご飯を食べる機会のために、お弁当は2つ用意し、エサ等で小鳥たちを集めて周りから王子感を出すことだってやってのけます。王子になるためだったら、一切手間を惜しみません。ここまで健気な主人公は類を見ませんよね。
そこまでしても動じない、何とも思わないのが、ひなたの不思議ちゃんなところ。西王子くんが水撒きホースで虹を作るのに失敗して、彼自身の顔に水を直撃させてしまったことがありました。そんな時、ひなたはというと、「凄い!虹だよ!西王子く……虹王子くん!?」と感嘆の声をあげていました……ツッコミどころ違うでしょ!そんな読者がツッコミたくなるシーンが満載です。
とある高校に通う鹿井なつきは、隣に住む幼馴染の宮間一樹のことが気になる女子高生です。でも、他の女子高生とは違う点が1つ……それは彼女が「ろくろ首」であること。
人間と少数派の妖怪が存在するこの世界で、ろくろ首のなつきがちょっと性格の変わってる一樹に翻弄されたり、友達と女子高生らしく恋愛話に花を咲かせたりする物語です。
- 著者
- 二駅 ずい
- 出版日
- 2015-08-07
ろくろ首というと少し怖い印象を持つかと思いますが、なつきは首が伸びること以外、普通の恋に悩める女の子です。
一樹が女の人とご飯を食べに行っていたと聞いて落ち込んだり、弟が家にいないときに一樹が家に上がり込んできてドキドキしたり。照れている様子の可愛いこと!
その照れ方も、無意識に首を伸ばしちゃうというもの。ひどいときは涎を垂らしている、いや、噴き出していることもあります。教室の天井に頭をぶつけちゃうドジっぷりはろくろ首ならではですね!
一樹も一樹で、なつきの想いに気付かず、夏祭りに誘おうとしているなつきの声を遮って、ベランダで流しそうめんを始めるといった鈍感っぷりです。
加えて、鈍感さゆえに、なつきを動揺させるような行動を平気でしてしまうのです。上にのしかかられた状態で、料理の最後の1口をアーン……なんてシチュエーション、好きな人にされたら誰だって焦りますよね。なつきの赤面っぷり、直後に現れた弟に対する態度の不自然さが可笑しくて、なつきの恋を応援したくなります。
人間で生まれてきても、ある日突然妖怪になってしまうことが起こりうるこの世界。なつきもある日突然ろくろ首になった子です。妖怪と人間は異なる学校に通わなければなりません。にもかかわらず、人間である一樹は妖怪側で生活している……その理由とは?なつきの恋の行方は?4巻というほどよい長さなので、読み始めたら最後まで一気読みしたくなる作品です。
どうしようもない両親のせいで、知人の家に居候することになった高校生のたえ子。待ち受けていたのは、全裸で生活するイケメン・升田でした。
「処女だから男の裸を見慣れてない」と訴えるたえ子に対して、「萌える」と口走りかけたり、部屋の配置を変えることで視線上に下半身が入らないようにしたりなど、初対面から変人っぷりを露にする升田。たえ子のドタバタライフが幕をあけたのでした。
- 著者
- ヤマシタ トモコ
- 出版日
- 2010-07-09
作品を読んでみますと、なかなか下ネタが飛び交います。ドギツイ下ネタというよりは、学生がヘラヘラ笑って使うレベルなので、下ネタ100%NG!という方以外は楽しんで読めるでしょう。
最初は升田や陣内(升田の友人)が変人変態ゆえにボケ散らかして、たえ子がひたすらツッコミにまわる、という形で物語は進んでいきます。
友人を升田・陣内コンビに紹介するときの、たえ子の焦り様といったら……!どうにかボロを出させないようにと振る舞うたえ子と、そんなことは知らないといつも通りに振る舞う男たちの、机上のやりとりに笑いをこらえられません。
しかし物語が進むにつれて、たえ子にある変化が生まれます。実は升田という男は、裸で生活することを除けば、ルックスはもちろん経歴もなかなかの上物。そのことに気づいたたえ子が友人たちに相談した内容とはなんと……。
女子高生と裸の男の二人暮らし、どのような結末を迎えるのか。1巻完結の作品なので是非気軽に読んでみてください。
親の転勤により一人暮らしをすることになった高校1年生の宇佐和成。安くて料理付きという理由から入居することになった「河合荘」ですが、そこで生活する人々は奇人ばかりで、宇佐が望む平穏な暮らしとはほぼ遠いものが待ち受けていました。
そんな河合荘ですが、同じ高校の2年生である河合律という少女も共に暮らしています。律と仲良くなりたいと思う宇佐ですが、律は無表情無反応、本を呼んでばかりの子で、中々思うように距離を縮められません。
しかし、河合荘で過ごすにつれて、お人好しな宇佐の存在は河合荘の中心になっていきます。それとともに律との距離も少しずつ縮まっていき……。
- 著者
- 宮原 るり
- 出版日
- 2011-05-30
まず表紙を見てお分かりいただけるでしょうが、とにかく絵が上手且つ可愛らしいです。陽の光が指す場所で本を読む、サラサラのショートヘアが印象的な律……。青春漫画の王道ともいえる、おしとやか系美少女の破壊力は計り知れませんね。
河合荘の外観や作中の風景など、穏やかな気持ちにさせ、雰囲気のある絵柄が、平和な日常を物語っています。
とはいえ、住人たちは個性派すぎる人々です。ドMだが人畜無害の城崎、彼氏に何股もかけられては別れ、酒におぼれるめんどくさい性格をしたOLの麻弓、見た目はゆるふわ系だがサークルをつぶしたり修羅場を作り出したりすることを楽しんでやってのける女子大生の彩花など……。
自分が宇佐の立場だったら勘弁してほしいと思うでしょうが、漫画のキャラクターとしてなら面白いキャラばかりです。こんな人たちと平凡な高校生である宇佐がうまく生活している様子を見ていると、騒がしいけど平和だな、と読んでいて心に温かいものを感じさせられる作品です。
『僕らはみんな河合荘』については<漫画『僕らはみんな河合荘』の魅力を11巻まで全巻ネタバレ紹介!律ちゃん神>で紹介しています。
主人公の佐藤千夏は高校の帰り道に、不良に襲われていたところをクラスメイトの鈴木みきに助けられます。学校では影が薄くて目立たない彼女ですが、不良を簡単にいなしてしまったことで、千夏は彼女のことが気になり始めます。そこからちょっとずつふたりの関係が変化していく、甘酸っぱい学園恋愛漫画です。
- 著者
- ヤマダ
- 出版日
- 2012-11-22
個人サイトで掲載されていた漫画で、同じサイズのコマがずらりと縦にならんだ形のスマホで読みやすいタイプです。書籍では4コマごとに区切られて掲載されているのですが、必ず4コマで話がオチるわけではありません。独特のコマ割りを使用した空気感もこの作品の魅力の一つと言えるでしょう。
メインとなるふたり以外にも、可愛らしい組み合わせの高校生たちが、少しずつ自分たちの関係を変えていくところも、たまらなく魅力です。
アニメオタクのOL・成海は、小中時代の友人であるゲームヲタクの宏嵩と、職場で偶然に再会します。会社ではヲタクを隠している成美なので、その鬱憤をぶつけるかのように、再会したヲタクの友人に向けて言葉がほとばしります。そのなかで彼女は、元の彼氏にヲタクであることがバレてしまったためにフラれたことを告白します。
こうして成美と宏嵩のもどかしい恋愛が始まるのか...と思いきや、あっさりと交際を開始するふたり。付き合うまでではなく、付き合ってからも魅力な作品なのです。とにかくテンポの良いヲタク会話が魅力なこの漫画。ふたりの交際の決め手が「来週末のイベントに売り子として同伴可能です」というひと言だったことからして、お似合いのヲタクカップルです。
- 著者
- ふじた
- 出版日
- 2015-04-30
基本はヲタクの二人が仲良くしている様子がコミカルに描かれるのみで、えぐい展開もなく悪人もいません。さっと楽しめるのが魅力でしょう。ちょっといい雰囲気?と思ったら次のコマではもうオチが付いている、ぐらいのスピード感があるので、どんどん読めるのがこの漫画のいいところです。
『ヲタクに恋は難しい』の魅力を紹介した<漫画『ヲタクに恋は難しい』のキャラが最高!実写化前に原作漫画の魅力を予習>もおすすめです。あわせてご覧ください。
高校生の堀京子は、派手な外見の女の子。しかしそれとは裏腹に成績優秀で家事をこなしつつ弟の面倒を見るとても家庭的な子です。そんな彼女はある日、怪我した弟を送り届けてくれた見知らぬ男に出会います。ピアスを付けたその男は、なんと同じクラスの宮村伊澄でした。学校ではメガネをかけ地味な印象だった彼の変化に堀は驚き、学校とは違う姿を見られたことに動揺します。けれど弟が懐いたこともあり、たびたび彼との交流を続けていくことになるのでした。
- 著者
- HERO
- 出版日
- 2008-10-22
もともとは個人サイトで掲載されていた学園ものの4コマウェブ漫画です。140話で完結した本編と、不定期に更新され続けるオマケ漫画で構成されているのが特徴です。
キャラクターがそれぞれ屈折したものを抱えていて、もどかしくもありながら、それゆえに妙に共感してしまう、その描写と、キャラクター間の掛け合いが魅力の作品です。また作者自身が「色々な友情・恋愛の形が許せる方推奨」と言っているように、人物の掛け合わせによって、複雑な恋愛模様も、ギャグも、シリアスも、下ネタもなんでも混ざって展開していきます。
堀さんと宮村くんが、お互い「ほかの人には見せていない時間」を共有していく中で、少しずつ変わっていく様子もこの作品の楽しみです。そして彼らが変わっていくことで、他の登場人物の関係も変化していき、多数の青春模様が絡み合っていくのも見所です。次第に距離を縮めていくスタンダードで甘酸っぱい恋愛が見どころの、可愛らしい一作ではないでしょうか。
春に高校生になったばかりの主人公・泉の恋人は従兄の太郎くん。見た目はイケメンな彼ですが、実はかなり歪んだ愛の持ち主でした。
例えば泉が入ったプールの水を飲んだり、スクール水着を着ることを強要したり、無理矢理学校に忍び込んでみたりなど、少し変態じみた行動を取るのです。しかしどんなに気持ち悪いことをされても、泉は彼に本気では逆らえません。自分を愛しているがゆえの行動だと分かっているのでどうしても拒めない。そんな歪んだカップルの物語です。
- 著者
- 桜田 雛
- 出版日
もともとは読み切りから派生した漫画です。最初の読み切りでは、気のない振りをしながら泉に執着する太郎の姿がシリアスに描かれた恋愛漫画でした。しかし、続きとなった今作品では、びっくりするほどのギャグ漫画へと様変わりしています。とにかくぶっ飛んだ残念なイケメンとなった太郎くんの行き過ぎた変態的執着が、笑いを誘う一作です。
彼氏である養護教諭・喜多川に、レディと呼ばれている高校生・椿井。ふたりの日常の物語です。すでに付き合っているふたりがイチャイチャしているだけという作品...とこれでは普通の話に思えますが、実はなかなかに特殊な内容の漫画です。ふたりの特徴を追記しますと、生理が大好きな養護教諭と、生理痛がひどい女の子とのラブストーリーなのです。
- 著者
- りべるむ
- 出版日
- 2015-07-23
生理が大好き、というとちょっと意味が分からないかもしれませんが、彼女の生理周期を把握したり、匂いを嗅いでみたり、血を舐めさせてくれといったり……言葉通りの意味ですね。全体的にギャグテイストではあるのですが、無理だという人には無理な作品かもしれません。とにかく生理ネタだらけの漫画です。
ふたりの会話はコミカルでテンポが非常に良いのですが、ほぼずっと生理についての会話がなされています。お腹が痛くなったり情緒不安定になったりする椿井のことを、喜多川はしっかりと見ていて彼女の症状をよく理解しています。対する椿井も、重い生理の時に彼に寄りかかるようにして甘えるなど、彼らが相思相愛であることが分かる描写はとても微笑ましいです。単発のエピソードものなのでさくっと読めるのも良い点ですね。
短い作品も連載中の作品も、どれも面白いものばかりです。恋愛漫画ですから、もちろん読んでいると胸が高鳴るシーンもあります。これを機にラブコメにハマってみるのも良いかもしれませんよ。