住野よるさんの「本が透けてしまいそうなくらい透明な2冊」

住野よるさんの「本が透けてしまいそうなくらい透明な2冊」

更新:2021.12.11

なんとなく本屋に行って本を眺めてるとき、ビビッときた二冊の本です。タイトルからもう惹かれていましたが、読み始めるとどんどん引き込まれていきました。作者の住野よるさんの言葉はとにかく最初から最後まで消えてしまいそうなくらい優しさに溢れているし、なんとも言えない透明感を感じます。私は人生について立ち止まって少し考えることができる時間をもらえました。

ブックカルテ リンク

また、同じ夢を見ていた

著者
住野 よる
出版日
2016-02-17
“いろんな人生、いろんな幸せ”

幸せとは……? 人生とは……? 主人公の「人生とは……」が口癖で友達のいない女の子と一緒に深く考えられる本です。

人生ではそのときにしか向き合えないことが沢山あります。それは面倒なことかもしれないし、傷つくことかもしれません。だけど、そのときは二度と訪れない。そのことに向き合うか、背を向けてしまうか、自分自身の選択で、人はまったく違う人生を歩むかもしれないんです。

目の前の出来事一つ一つに自分に嘘をつかないでしっかり向き合おうと思えました。時間は戻ってこないし、人生は戻れないけど、いくらでも書き直せることも教わりました。不思議で、優しくて、透明な一冊です。この本に出会えて良かったです。

君の膵臓を食べたい

著者
住野 よる
出版日
2015-06-17
“生と死と人に向き合う”

人との関わりの中で生きてるよく笑う明るい女の子と、人とは関わらずに1人の世界で生きてる小説の好きな男の子。普段教室では話もしないような二人が出会って関わりあって最後まで予想がつかない展開ばかりのどんどんページをめくりたくなる本です。

私たちは知らないうちにこの人と自分は別物の人間なんだって、わかりあうことを諦めてしまっているのかもしれません。だけど、反対側にいる人間だと思ってる人ほど自分が学ぶこと沢山あるはずなんです。

生きること、死ぬこと、人と関わることについて考えさせられる物語です。「君の膵臓が食べたい」。この言葉の意味はきっと最後まで読まないといくら頭の良い人でも分からないはずです。気になる人は読んでみてください。

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