住野よるの作品おすすめランキング!文庫本で読めるものから新刊まで

更新:2020.12.15 作成:2018.9.28

デビュー作である『君の膵臓をたべたい』で一躍有名になった住野よる。登場人物の心情を繊細に描き、若者を中心に人気を集めています。ペンネームや作風から女性作家だと思われることも多いようですが、実は男性。この記事では、彼の作品をおすすめ順にランキング形式で紹介していきます。

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住野よるとは

 

2014年に小説投稿サイト「小説家になろう」に投稿した『君の膵臓をたべたい』で一躍有名になった住野よる。デビュー作ながら本屋大賞にもノミネートされ、2017年に実写映画化、2018年にはアニメ映画化と、多くの人の目に留まることとなりました。

生年月日など詳しいプロフィールは明らかにされていませんが、男性作家です。高校時代から執筆活動をはじめたそう。

話題になった「キミスイ」以外にも、学生を主人公にした青春小説を多く手掛け、若い世代の読者を中心に人気を集めています。

デビューして以来精力的に活動を続ける住野の作品を、おすすめ順にランキング形式でご紹介しましょう。

【5位】住野よるの最新作!『青くて痛くて脆い』

 

2018年に発表された住野よるの最新作です。「オリコン週間BOOKランキング」文芸部門で1位を獲得しました。

大学生になったばかりで周囲に馴染めていなかった田端楓(たばたかえで)は、同じく浮いた存在だった秋好寿乃(あきよしひさの)と出会い、「モアイ」という名のサークルを作ります。

「モアイ」はもともと、「理想の自分を目指す」ことを目的とした秘密結社のようなものでしたが、時が経つにつれて、しだいにその様相を変えていくことになるのです。理想とかけ離れてしまった「モアイ」を本来の姿に戻すために奮闘する楓ですが……。

著者
住野 よる
出版日
2018-03-02

 

序盤は大学生になったばかりの2人が「モアイ」を作るところまでが描かれ、中盤以降は3年が経過して4年生になった楓と、秋好がいなくなり変わってしまった「モアイ」を壊そうとする様子が描かれます。

仲間だと思っていた人に裏切られたり、知らぬ間に人を傷つけてしまっていたり、過去の理想にとらわれすぎてしまったり……。時が経つにつれて相手が自分の理想と異なることがわかり、それを受け入れられない様子などは、まさにタイトルのとおり「 青くて痛くて脆い」。

そしてその幼いともいえる感情に、大人になった読者もきっと共感できるでしょう。けっしてハッピーエンドなわけではないですが、読後も余韻が残る一冊です。

【4位】高校生5人の悩みを描いた短編集『か「」く「」し「」ご「」と「』

 

奇抜で変わったタイトルが目を引く本作は、恋や進路など悩みごとを抱えた5人の高校生を主人公にした連作短編集。タイトルの意味は、すべてを読み終わると納得できるはずです。

5人はそれぞれにちょっと変わった特殊能力をもっていますが、それ以外はとても普通の高校生。文化祭や修学旅行、受験勉強などに取り組んでいきます。

雑誌「小説新潮」で連載され、2018年にはコミカライズもされました。

著者
住野 よる
出版日
2017-03-22

 

「5人のクラスメイトがくり広げる、これは、特別でありふれた物語」(『か「」く「」し「」ご「」と「』帯より引用)

京、ミッキー、パラ、ヅカ、エルという人とはちょっと違った特殊能力をもった5人が織りなす青春ストーリー。たとえば1章の主人公の京は、相手の頭の上に「、」「。」「!」「?」などが浮いて見え、第2章の主人公のミッキーは相手の感情がプラスかマイナスかを見ることができるのです。

劇的な事件が起きるわけではありませんが、この少しの能力のおかげで相手のことが気になってしまい、でもその悩み自体は誰もが経験する甘酸っぱいもの。ストーリーのなかで特殊能力がメインに据えられているわけではないからこそ、多くの読者の共感を呼ぶのでしょう。

【3位】住野よるのデビュー作であり代表作『君の膵臓をたべたい』

 

住野よるのデビュー作であり、本屋大賞で2位を受賞したほか、映像化もされた注目作品です。

他人に興味がなくクラスでも孤立している主人公「僕」と、明るく快活でクラスの人気者の山内桜良の2人を中心とした青春小説になっています。

「僕」はある日、通院していた病院で、桜良の日記帳を拾ってしまいました。そこに書かれていたのは、彼女が膵臓の病気で余命わずかであるという事実。「僕」は、これまでまったく接点のなかった桜良を気にかけるようになり、しだいに心惹かれていくようになります。

そして、余命わずかな彼女の「死ぬまでにしたいこと」に、なかば強引に付き合わされることになるのですが……。

著者
住野 よる
出版日
2017-04-27

 

本作の特徴のひとつに、主人公である「僕」の名前が出てこないことがあります。クラスメイトは彼のことを「地味なクラスメイト」「根暗そうなクラスメイト」と表現し、先生ですら「おとなしい生徒」と評するといった感じで、徹底して名前を出しません。

そんななか桜良は、「僕」のことを「地味なクラスメイト」から「秘密をしっているクラスメイト」に、そして「仲良しくん」へと呼び方を変えていくさまが秀逸です。

タイトルの猟奇性と反して、登場人物の心情が繊細に描かれ、作品の世界観に浸ることができるでしょう。

【2位】住野よるが問いかける、誰が本当のばけものなのか『よるのばけもの』

 

主人公は、夜になると豹変し、「ばけもの」になってしまう安達という中学生の男の子。8つの目、6つの足、4つの尾という姿になり、夜な夜な街を徘徊しています。

ある日、宿題を忘れたことを思いだして学校へ向かうと、そこには夜にも関わらず、クラスメイトの矢野さつきがいました。

彼女はばけものに驚きつつも、その正体が安達だということを見破ります。そしてその日から2人は、夜を一緒に過ごすようになるのです。

著者
住野 よる
出版日
2016-12-07

 

矢野さつきはいわゆる空気を読めない少女で、日常的にいじめを受けていました。机を汚されたり持ち物を隠されたりしても、にんまりと笑っていることから、余計に気味悪がられています。夜の学校では「夜休み」をしていたそう。

安達は夜の間は彼女と楽しい時間を過ごしますが、昼間は自分の学校生活に支障が出ないよう、クラスメイトと同様に矢野を無視しているのです。

物語は安達の目線で語られ、また彼自身がかなり未熟であるため、人物評は独善的。なぜばけものになってしまうのかも謎のまま進んでいきます。読者は語り手の思い込みに騙されずに、真実を読み取らなければなりません。

昼の安達と夜の安達はどちらが本当の彼なのか、そしていじめを受けても笑っている矢野は、なぜ嫌われるような行動をとるのか、ぜひ実際に読んでそれぞれの解釈を得てほしい作品です。

【1位】住野よるが描く少女の成長物語『また、同じ夢を見ていた』

 

『君の膵臓をたべたい』に次ぐ住野よるの2作目で、コミカライズもされています。

主人公の小柳奈ノ花は、小学生の女の子。自分だけが賢く、同級生はみんな馬鹿だと思っていて、学校に友達はいません。

そんな彼女が放課後に訪ねる先は3つ。表札にマジックで「アバズレ」といたずら書きされた風俗嬢のアバズレさん。お菓子作りが大好きなおばあちゃん。そして、リストカットをしていた高校生の南さん。

孤独だった奈ノ花が3人と関わり、幸せとは何かを考えていく物語です。

著者
住野 よる
出版日
2016-02-17

 

クラスメイトから浮き、孤独を深めている奈ノ花が、個性的で年代も違う3人の女性たちとの交流を通じて生きることや人と関わることの意味、幸せについて考え、成長していきます。

学校のことや家のことを相談すると、彼女たちのアドバイスは三者三様。だからこそ奈ノ花は自分自身で物事を真剣に考えるようになるのです。

主人公が小学生ということもあり、どこか寓話的な雰囲気がありますが、侮るなかれ。物語全体に大きな仕掛けがしてあり、中盤からは意外なラストに向けて急展開していきます。散りばめられた伏線に気づいた時に得られる納得感をお楽しみください。果たして奈ノ花は幸せな大人になることができるのでしょうか。