こんにちは。小野寺ひかりです。電車の中刷り広告を眺めていたら、エステに旅行、ビール、語学、新幹線エトセトラが飛び込んできます。スケジュールをカンペキにしなくちゃと目を回してふと我に返りました。夏はゆっくり楽しみたいはずなのに、どうして忙しい思いをしちゃってるんだろう。こんな時には大好きな少女マンガがピッタリです。例えるなら、いつもケラケラ笑っている憧れの女ともだちに元気をもらいにいくような感じ。夏前の爽やかな風を受け止めたいあなたに、こんな能天気なストーリーはいかがでしょうか。
るきさんを一言で言い表すなら「無敵」。なぜって、誰も彼女のタフネスにかなわないから。といっても体力にもの言わせるタイプではなく、細見でシンプルな春風のような女性。算器(電卓)が得意な彼女は1か月分の在宅ワークを1週間でこなして、残りの3週間は自由気ままです。読書に、散歩、昼寝に、友達のえっちゃんとのおしゃべり、たまにスキップを少々。エピソードの一つ一つはささやかな日常の連続でふふふっと笑わせてくれます。
仕事がデキるだけでなく自分の時間も大切する、るきさんの身軽さを見ていると大人の女性ってこれくらい自由になれるのかもって思えてきますよ。オールカラーページ。
- 著者
- 高野 文子
- 出版日
- 2015-06-25
小さい頃、女の子はみんな「ケーキ屋さんか花屋さんになりたい」と声を揃えて言いました。店前に並ぶ花々に囲まれたお仕事。見繕った花束をプレゼントされた相手はどんなに幸せになるのでしょう! しかし、主人公は少しばかり世間にスレた大人の女性・りんさん。すったもんだあって営業スーツから花屋のエプロンに転身。おっとり屋の女店長は頼りにならず、いかにイイ女の営業らしく売り上げをあげようかと、1つの鉢植えを別の男に何度も買わせてしまうなんてエピソードもケッサクでした。
そうこうしているうちに店長のやり方にも馴染んでいく、りんさん。物語が進むにつれ、柔らかな表情になる流れは何度読んでもウフフ。特に、眉を八の字にして笑う困ったときのアチャって表情が好きで、店長とりんさんがまるで昔からの友達なような親近感を覚えてしまいます。
- 著者
- こうの 史代
- 出版日
- 2011-08-17
イギリスを舞台にしたマーガレット奥さんとその旦那さま・タルカムさんの夫婦をご紹介します。シンプルなタッチが独特の坂田靖子さんの名作『マーガレットとご主人の底抜け珍道中』です。マーガレットはウェーブのついたショートカットで、いつもにこやかです。少し隙があるのがまた、気さくな印象を与えて行く先々で友人を見つけます。ちょっと出かけてくるわね、と言い残して向かう先はインドか、南極か、はたまたネッシー探しか。見た目は普通の奥さんなのに、心はとっても冒険家です。
そんな素敵な旅人に私も憧れて外国へは2,3度行ったもののツアーの中でせせこましく、胸元にカメラを垂らすジャパニーズスタイルでの観光になってしまいました。マーガレットのように余裕と笑顔がないと冒険家への扉は開かれないのかもしれません。
文庫版の『旅情編』『望郷編』どちらでも、心配性のタルカムさんをよそに非日常に飛び込んでは面白がるマーガレットさんですが、いつでも旅が終われば最後はタルカムさんのもとに帰ります。勇気あるチャレンジだけでなく、旦那さんへの愛を忘れない奥さんを見ていると「こんな風になりたいな~」と思わずため息もこぼれちゃうんですよね。
- 著者
- 坂田 靖子
- 出版日
- 1997-06-15
- 著者
- 坂田 靖子
- 出版日
- 1997-07-15
マイペースな主人公たち、いかがだったでしょうか。夏の予定を決めるのは少し後回しにしませんか? ホテルの予約や常夏ビーチに焦らずに時に優柔不断な一日を過ごす、これもきっと贅沢、贅沢。気ままでマイペースで過ごすのもサイコーですもんね。